東方怪奇譚   作:蜃気楼の歌姫

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実際幻想入りしたらどうなるんでしょうね?


壱の目 はじめまして幻想郷

 「ちょっとあんた、人ん家の敷地内で寝ないでもらえないかしら?」

 「……?」

 

 私の体が揺すられている。頬がペチペチと叩かれて、誰かから「起きろ」と言われているらしいけど……やけに体が重い。気分が悪いし、頭痛もする。とその時私の顔に冷たい何かがかけられた

 

 「うわわっ!?」

 

 驚いた私は飛び起き何事かと辺りを見渡す。いつもの癖なのだが……ふと視界の端に紅白の服を着た女性がぼんやりと写った。紅白は色で識別できるが、性別は声で判断したためもしかしたら声が高めの男の人だってこともあり得る。そう考えると緊張してきた……

 

 「よーやく目をさましたわね? 迷惑だから人の家の敷地内ではぶっ倒れないこと、いい?」

 「人の家の敷地内……?」

 「……貴女まさかとは思うけどここがどこかわかってないわけ?」

 「ここがどこか?」

 

 目の前の人(の形をした何か)は何を言っているのだろうか? 私は自分の家で意識を失ったのだからここは自分の家であるはずだろう? そんな疑問は次の一言で消し飛んだ

 

 「はぁ……ここは博麗神社よ!」

 「え?」

 

 思考が止まった。いま私の目の前の人はなんと言った? 『博麗神社』だって? いや、きっと何かの冗談だろう、冗談ではないのだとしたらここは……

 

 「あの……ここって幻想郷……」

 「頭でも打ったわけ? ここが幻想郷じゃないとしたら何になるのよ」

 「……」

 

 多分このときの私は鳩が豆鉄砲食らったような顔をしていたと思う。そんな私の様子を察してか目の前の人は何かを私の方へ差し出してきた

 

 「これは?」

 「ここに落ちてたのよ、たぶんあんたのでしょう? このメガネ」

 「あ!」

 

 なぜ今まで物がしっかりと見えなかったのかがはっきりとわかった。メガネだ。メガネがなかったからものがはっきり見えなかったのだろう。でもこれをかけるということはここが自分がいた世界ではないと完全に理解してしまうということではないだろうか? そんなことを思いながら私はメガネを受け取り、身に着ける

 

 「わぁ……」

 

 思わず私の口からそんな言葉が漏れる。飛び込んできた景色は今まで見たことがない程美しく尊いと感じた。この時には私の頭からここが今までいた世界ではないという概念は消え去っていた

 

 「今どきこんな景色で感動するやつもいるのね」

 

 いつの間にか自分の横にいた女性に目を向けると、思った通りその人物は博麗の巫女である博麗霊夢だった。気になったのはとても綺麗な人ということだろうか?

 

 「? そんなに人の顔まじまじと見てどうしたの?」

 「あ、いや……その……キレイだな方だなって」

 「褒めても何も出ないわよ? というかあなた外の人間ね?」

 「そういうあなたは博麗の巫女の博麗霊夢さん……ですよね?」

 「……どうして私のことを……いや、外の世界から来たのならわかってしまうのかもしれないわね」

 「えっと……私は文乃響といいます。お察しの通り外から来ました」

 「それにしても……あなたも災難ね? どうせ紫のせいでしょ」

 「あのとき見たのは八雲紫のスキマだったのでしょうか……?」

 「……説明いらずってわけね、楽で助かるわ」

 「は、はぁ」

 「一応外来人のケアもうちの仕事なのよね、面倒だけど」

 「保護下においてもらえるということでよろしいのでしょうか?」

 「そ、流石に他の連中も保護下におかれているやつには手を出さないわ。ただ仕事はしてもらうわよ? 働かざる者食うべからずってね」

 「わかりました。ただ簡単な家事しかできませんからあまり期待はしないでくださいね?」

 「はいはい、それと私ちょっと出かけてくるから留守番しておいてね。ゆっくりしててもいいわよ」

 「あ、そうですか……」

 「残念そうね? まぁ帰ってきたらいろいろ話は聞くから安心しなさい」

 「ありがとうございます……」

 「それじゃあ行ってくるわね」

 

 そう言って彼女は飛んでいってしまった。一人取り残された私なのだが……どうしたものか

 

 「うーん、ゆっくりして行けと言われたけれど……何をすればいいのだろうか?」

 「霊夢ぅ〜!」

 

 空から声が聞こえる。何事かと上を見上げると、箒にまたがった魔女がこちらに手を振っていた。あれは……霧雨魔理沙だろう

 

 「霊夢さんならでかけてしまいましたよぉー!」

 

 飛んでいる彼女に届くように私は声を張り上げた。そんな努力が実ったのか彼女はゆっくりと地上に向けて降下し始めた

 

 「霊夢はいないってどういうことだぜ?」

 「ほんとに何とかだぜって言うんですね!」

 「? なんのことかわからないが……霊夢はどこに行ったのぜ?」

 「あぁ、霊夢さんならさきほどでかけてしまいましたよ?」

 「あちゃータイミングが悪かったか……ところでこんなところで何してるんだ?」

 「えっと、私は文乃響といいます。外の世界? から来ました」

 「外から? ……まったく、霊夢はそんなやつほおっておいてどこ行ったんだ……取り敢えず上がるといいぜ、お茶ぐらいは出せるから」

 「え? いいんですか?」

 「お安い御用だぜ」

 

 流石泥棒と関心しながら私は魔理沙さんにお茶を入れてもらった。出されたお茶は想像していたよりも美味しく、そして魔理沙さんのいつもと違う一面が見れたことに歓喜した

 

 「? どうしたのぜ? 人の顔ジロジロ見て」

 「あ、いえお茶美味しいなって……」

 「そりゃ良かったぜ」

 「そういえば魔理沙さんはどうしてここに?」

 「あれ? 私名乗ったっけか?」

 「あぁ……説明すると長くなるんですけど……」

 

 私は簡潔に外の世界での彼女らの扱いを説明した。魔理沙さんは難しそうな顔をしていたけど次第に話を飲み込み始めた様子だった

 

 「ふーん……そんなこともあるのか」

 「はい……」

 「そうだ、せっかくこんな世界に来たんだ、どこか行きたい場所はないのか?」

 「連れて行ってもらえるんですか?!」

 「お、おう……」

 「あ、でもお留守番が……」

 「霊夢には私から説明しておくぜ」

 

 とても嬉しかった。あの幻想郷を観光できるのだから。私はずっと行きたいと思っていた場所を魔理沙さんに教えた

 

 「紅魔館に行きたいです!」

 「紅魔館? どうしてまたそんな場所に?」

 「あ、私ずっと会いたかった人がいるんですよ」

 「へぇ……紅魔館ねぇ……よし、ついでに本借りるとするか!」

 「あ……(なぜだろう、猛烈に嫌な予感がする)」

 「そうと決まれば早速乗り込むのぜ!」

 「はい」

 

 

 

 

 

 

 

 魔理沙の箒にまたがって飛んでいると霧の湖が見えてきた。ヤバイ、すごいテンション上がる!

 

 「そういえば美鈴さんは寝ているでしょうか?」

 「あいつならいつも寝てるから大丈夫だぜ、なんだよ、会いたかったのは美鈴なのか?」

 「もちろん美鈴さんにも会いたかったですけど一番は咲夜さんですかね?」

 「……あの色ボケメイドに?」

 「はい、そうですけど……」

 「いや、まぁうん、頑張れよ?」

 「? はい」

 

 紅魔館につくとやはり美鈴は寝息を立てていた。すごいなこの人は……あ、妖怪か

 

 「私は図書館に行くけどどうする?」

 「構造がわからないのでついていきますよ」

 「気をつけろよ? あいつら本を返せ返せってうるさいんだ」

 「……死ぬまで借りてるだけですもんね?」

 「そうだぜ? それをアイツらは……」

 

 私達は門を箒で乗り越え館にお邪魔(侵入)した。泥棒の気分だ

 

 「あら、ネズミが……」

 「あぁ!!!!」

 「!?」

 

 入るなりいきなり歓迎を受けた。ナイフ片手に立っている銀髪のメイド、そう十六夜咲夜さんだ。私は感動のあまり思わず叫んでしまったが、びっくりさせてしまったそうだ

 

 「どういうことかしら?」

 「こちら外来人の響、お前に会いに来たらしいぜ?」

 「私に?」

 「……」

 

 開いた口が塞がらない。言葉を探すが見つからない。冷静という言葉がどっかに行ってしまったみたいに

 

 「響? 響〜?」

 「あの! わたしゅ文乃響って言いましゅ!」

 

 噛んだ、滅茶苦茶恥ずかしい。今すぐここから消えてしまいたい

 

 「……えっと……文乃響様、ようこそ紅魔館へ」

 

 その一言を聞いただけで私の心は宙へ浮かんだ。とても綺麗な声。やはり紅魔館のメイドは伊達じゃなかったのだ

 

 「適当にもてなしてやってくれないか?」

 「お嬢様に報告してきます」

 「お嬢様!? レミリアスカーレットもいるんですか!?」

 「霧雨魔理沙、この子なんなの?」

 「私にもよくわかんないぜ、ただ年齢はそこまで離れていないんじゃないか?」

 

 どうやら変な子だと思われてしまったらしい。だからなんだと言うのだ! せっかくの機会だ、はっちゃけさせてもらわなくちゃ損だよね

 

 「あの、私も挨拶しに行ってもいいですか?」

 「……くれぐれも粗相のないように」

 「やったぁ!」

 「じゃあまた後でな〜」

 

 

 

 

 

 「わぁ〜! スゴーイ!!」

 「貴女は本当に外の世界から?」

 「はい、そして私はあなたの大ファンです!」

 「そ、そうですか……」

 

 咲夜さん、どこかぎこちないけど……もしかしてひかれてる? そんなことを考えているうちに咲夜さんがドアをノックする。恐らくレミリアスカーレットの部屋だろう

 

 「失礼します」

 

 と一声掛け入室した。感動

 

 「あら、どうしたのかしら咲夜?」

 「お客様がお見えになられましたので」

 「客……?」

 「あ、えっとはじめまして文乃響と申します」

 

 レミリアに一瞥され思わず頭を下げてしまったのだが……これがカリスマというものなのだろうか?

 

 「私は紅魔館の主レミリアスカーレットよ」

 「お嬢様、自己紹介の必要はないかと」

 「? どうしてよ?」

 「この者は恐らく我々のことを知っております」

 「……どういうことかしら?」

 「あー話すと長くなるんですけど……私外の世界から来たんです。それで……外の世界だと皆さんをモチーフにしたゲームがあって、だから私の知る皆さんはゲームのキャラクターなんです」

 「ふむ……それでどうして紅魔館に?」

 「咲夜さんが大好きだからです!!

 「……え? 咲夜が好きだから?」

 「はい!」

 「……そ、そう……(話を聞いていた限りだとまだまともな子だと思っていたけど……まさかそっちの気があるとは……)あー咲夜?」

 「はい、なんでしょうか?」

 「歓迎してあげなさい」

 「かしこまりました」

 「改めまして、ようこそ紅魔館へ」




初投稿、わからんもんだね
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