最強の覚り吸血鬼の幻想郷ライフ   作:杉野 麗菜

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第二話です!今回もオリジナル設定多めです。それが駄目な方は、ブラウザバック推奨です。


“最強”の妹達〜スカーレット姉妹編〜

「…なんで、ここにいるのよ?」

 

「なんでと言われましても……なんとなく?」

 

古明地姉妹の妹か、紫はそう思った。一応、ミアは古明地姉妹の姉という立場にいる。血の繋がりがあるかは分からないらしいが、覚り妖怪の生き残り同士だからだろう。

 

「外の世界で何をやっていたのかしら?」

 

「外の世界…というか、別次元にいましたが、中々楽しかったですね」

 

「別次元…?」

 

何百年も会っていなかった為、天然さが増したように思えた紫。別次元には、“スキマ”を使えば楽に行けるだろう。

 

「あぁそうだ。“あの子達”はどうしていますか?」

 

「……一応、元気にやっているわよ。スカーレット姉妹は、こっちで散々やらかしたけれど」

 

紫から散々やらかしたと聞き、その散々な出来事を読心するミア。その異変の数々に、あの子らしいと思ったミア。

 

「とりあえず、会いに行きましょうか」

 

ミアがパチンと指を鳴らすと、真っ赤な屋敷が目の前に現れた。

 

「瞬間移動です。魔力には自信があるので」

 

そういう彼女の瞳には光がない。おまけに表情筋も動いておらず、完全に無表情だ。

何度も言うが、ミアには感情がない。過去に色々あり、感情を失ってしまったのだ。その色々な出来事は後ほど説明する。

 

「美鈴…は、いましたね」

 

トコトコと門の前の少女に歩み寄り、チョンチョンと肩をつつくミア。

寝ていた少女は、うっすらと目を開けミアをじーっと見つめる。やがて意識がはっきりしてくると、顔から血の気がサーっと引いていき、目を丸くして驚いた。

 

「み、みみ……ミア様!?!?」

 

大きな少女の声は、屋敷周辺に響き渡る。

少女の名は紅 美鈴。ここ、紅魔館の門番をしている妖怪で、紅魔館の主にしてミアの妹である吸血鬼、レミリア・スカーレットに仕える従者の一人だ。

 

「えぇ、私ですよ。久しぶりですね、美鈴」

 

「お、お久しぶりです…ミア様! 一体、どこへ行っていたんですか? お嬢様も心配していましたよ!」

 

嬉しさ半分、驚き半分といった顔でミアを見る美鈴。

その時、屋敷の扉が勢いよく開かれた。

 

「どうやら、来たようですね」

 

青みがかった銀色のセミロングに、深紅の瞳。十歳前後の見た目に反し、背にはミア同様大きな漆黒の翼を生やしている少女だ。大きめの日傘をさしながら走ってきた。

 

「レミリア、久しぶりですね。フランドールはどこですか?」

 

この少女の名は、レミリア・スカーレット。先程も言ったが、ミアの妹にして紅魔館の主である吸血鬼だ。

 

「お姉様! 一体、今までどこに行っていたの!? 四百年くらい消息不明だったわよね!?」

 

「あぁ、実はですね、“これ”を作る為に色々と次元を渡り歩きましてね? 研究とか凄くめんd…大変だったので、こんなに時間がかかってしまったのですよ」

 

「今面倒って言わなかった?」

 

「気のせいですよ」

 

長い髪をかき分け、耳についたイヤリングを見せるミア。なんの変哲もない鉄のイヤリングだが、何か仕掛けがあるようだった。

 

「これはですね、“日除け魔法”を付与したイヤリングなんです。ただの日除け魔法ではありませんよ。約四百年間、様々な次元の魔法を研究・改良して出来た、とっておきの日除け魔法です」

 

「あぁ、だから日傘をさしてなかったのね。そんなに効くの? その日除け魔法」

 

「覚りの血も混じっている私だからかもしれませんが、効果は絶大ですね。良かったらつけてみます?」

 

そう言ってイヤリングを外したミア。すると、ミアの翼がチリチリと音を立て、煙を出し始めた。

 

「み、ミア様!? 翼が…!」

 

「お姉様!?」

 

「ありゃりゃ…でもまぁ、効果はある事が分かりましたね」

 

能天気なセリフを言いながら、またイヤリングをつけるミア。つけた途端、チリチリという音も、煙も出なくなった。

 

「あぁ、そうだ。フランドールは? あの子にも会いたいのですが」

 

「フランなら、多分地下室にいるわよ。最近はよく出歩くから、絶対に地下室にいるってわけじゃないけど」

 

「そうですか。ありがとう、レミリア」

 

そう言いながら、レミリアの頭を撫でるミア。レミリアが驚いた時には、もうミアの姿は見えなくなった。

 

「相変わらず、自由なヒトね…」

 

「えぇ、そうね。…私は帰るわ。じゃあね」

 

今まで空気だった紫は、そう言い残してスキマの中へ消えていった。

 

--

 

ここは地下空間。紅魔館の大図書館よりも更に地下にある空間だ。

完全な暗闇なのだが、吸血鬼は暗闇も見える。ミアは、スイスイと進んでいき、ある部屋の前にたどり着く。その部屋の中からは、ブツブツと何かを呟く声が聞こえてくる。

間違いない、そう確信したミアは、部屋の扉を開けた。

 

「見つけましたよ、フランドール」

 

「…お姉さま…? お姉さまなの?」

 

部屋のベッドに座り、人形遊びをしていた一人の少女がミアの方を向く。

濃い黄色の髪をサイドテールにし、全体的に赤っぽい服を着た少女は、レミリアとはまた違う、七色の宝石を枝につけたような翼を生やしていた。

彼女の名はフランドール・スカーレット。レミリアとミアの妹だ。

 

「えぇ、私ですよ」

 

「お姉さま…! 今までどこに行ってたの? 私、寂しかったのよ…」

 

きゅっとスカートの裾を握りしめ、表情を曇らせ俯くフランドール。

そんなフランドールの目線に合わせ、ミアはしゃがみこむ。そして、そっと抱きしめた。

 

「ごめんなさい、フランドール。もうどこにも行きませんよ」

 

「本当…?」

 

顔を上げ、目に涙を浮かべながら問うフランドール。その問いに、深く頷くミア。

途端にフランドールの表情は明るさを取り戻していく。

 

「やった♪ ミアお姉さま大好き!」

 

「ふふ、よしよし」

 

ニコニコしながらミアに抱きつくフランドール。ミアも、一瞬だけ笑ったように見えた。

 

--

 

「では、地霊殿に行ってきます」

 

「唐突ね。さとり達に会いに行くんでしょう?」

 

「えぇ。夕飯には……帰らないかもしれませんが、とりあえず行ってきますね」

 

ビシっと敬礼モドキをし、スキマに消えるミア。

それを見届けたレミリアとその従者、十六夜 咲夜。

咲夜は、紅魔館唯一の人間で、この屋敷のメイド長を務めている。

 

「………何か、嫌な予感がするわ」

 

レミリアがティーカップを置き、そう呟く。それまで目を閉じていた咲夜が、パチっと目を開ける。

この『嫌な予感』は、ただのカンではない。レミリアの能力は、『運命を操る程度の能力』。つまり、未来を少しだけ覗ける能力なのだ。簡単な事なら運命を変えられるらしいが、実際に使った所は誰も見ていないので分からない。

 

「今日の夜は、満月かしらね。……予感が当たらないといいけど」

 

「そうですね」

 

その頃ミアは……

 

「おいおい、久しぶりに会ったんだ。少しくらい付き合ってくれよ?」

 

「アンタには私の能力があまり効かない…でも! 所詮は吸血鬼と覚り妖怪の混血! 鬼には遠く及ばない!!」

 

「あらあら……楽しくなってきましたね。いいでしょう! この四百年間、鍛えに鍛えた私の能力! 存分に発揮してさしあげますよ!!」

 

……喧嘩をふっかけられていた。

 




結構無理矢理です…。作者は原作未プレイなので、まだまだ分からない事だらけなんです…。
次回、戦闘回になります。初の戦闘シーンですが、頑張って描写していこうと思います!ここまで読んでくださり、ありがとうございました!!
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