魔源の禁龍を宿し者《リメイク版》   作:ドラ丸2号

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少々駆け足ぎみになってしまったので、誤字があるかもしれませんがご容赦ください。
今回のキーワードとして、アポクリファのジークの竜告令呪(デッドカウント・シェイプシフター)をイメージしてください。何処かにそれっぽいモノが登場していますので。

それではお楽しみください!!


幕間 新たなる日常
第13.5話 事件後


空蟬機関との死闘の末に黎牙たちは誰一人として欠けるなく(・・・・・・・・・・・)生還した。

 

 

「おい、怪我人どもメシが出来たぞ」

「ご、ごめんよ。黎牙、手伝えなくて」

 

「だったら、早く傷を治せ。誰がオマエら、オンボロどもの食事を作ってんだ」

「むむっ、阿道黎牙。オレは彼らと一緒にしないでくれ。オレは無傷なのだぞ」

 

 

自分も入れて7人前も作らないといけないため、毎食毎食、黎牙は主婦のように家事を一人で行なっている。はぁ〜とワザとらしく溜め息を吐き出しながら、横目でテーブルに座っている重症四人組を見る。

チームの中で一番重症を負った鋼生は暫くの間は松葉杖生活を、そこまで酷くはない夏梅も同様に暫くの休息を、鳶雄もまたボロボロな上に神器(セイクリッド・ギア)の暴走によって疲労困憊に加えて、

神の子を見張る者(グリゴリ)》で定期的に検査を受けている。

 

 

そして、最後の一人は、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

刃のブレードで自らから命を絶った筈の、

 

 

 

 

東城紗枝だった。

 

 

 

 

 

なぜ、彼女が無事であったのかにはからくりがある。

鳶雄の祖母———である幾瀬 朱芭が一度だけ持ち主の負傷を肩代わりする効果を秘めた数珠を遺品として鳶雄に遺しており、これが後に紗枝の命を救うことになった。しかし、アレほどのケガを負い、その上、ウツセミの実験体を憑依させられていた。そのため、彼女は一日置きに検査を受けなければならず、現在は車椅子生活を余儀なくさせられている。

 

 

「おい、ヴァーリその皿を運べ」

「了解した。何処かの誰かさん達は、動けないからな。キミと違って」

 

「貧弱なだけだろ」

『オマエも人のことは言えんだろ』

『超弱ぇー!マジ弱ぇー☆』

『超ゴミー!マジゴミー☆』

 

 

あいも変わらず、アジたちの声は影からではなく、頭の上から聴こえる。それは、なぜか。理由は簡単だ。

アザゼルの野郎から渡されたヴァーリ同様のドラゴン型のぬいぐるみデバイスを通して、喋っている。

ちなみに、ヴァーリのは白いドラゴンで、オレのは黒い3つ首のドラゴン。

そのため、アジたちは現実でもデバイスを通して動き回っている。はじめて、幾瀬たちと会話した時は眼中にないのか、盛大に罵ってから戻った。そして、あの戦闘の後、俺の身体にも変化は起きていた。以前同様にラヴィニアがベットに身を乗り出して寝ていたことに驚いたが、左手の甲に黒い龍の刻印が浮かび上がっているだけでなく、前髪の一部が白く変色していた。恐らくは、アジたちをその身に付加(エンチャント)させる技———《邪龍礼装(マリシャス・ドライブ)》(命名はアジ・ダハーカと黎牙の論議のすえに決定)の影響で、強い邪龍の気が身体中を巡った結果のようだとアザゼルは言っていた。

 

 

その後、ヴァーリとラヴィニアたちが、皿を運び、食事の用意を整え、紗枝、ラヴィニア、夏梅、鋼生、鳶雄、ヴァーリ、黎牙の7人で朝食を食べた。鳶雄と紗枝は、料理を黎牙に任せっきりにしてしまっていることに申し訳なさそうだった。

 

そして、ヴァーリと黎牙は朝食を食べた後、食後の運動として修練場に来ていた。黎牙自身も、アザゼルからまだまだ休息が必要だと言われているのだが、聴く耳を持たない。ラヴィニアもラヴィニアで、何度も黎牙を止めようとしているが、止まらないためヴァーリとの戦闘の激しさを増そうとするなら、氷姫を使っての説得という名のお説教を行う。という形で、ラヴィニアは黎牙とヴァーリのドラゴンコンビのお目付役を全うしている。

 

 

 

 

「始めるぞ。ヴァーリ」

「あぁ、来い!阿道黎牙!」

 

 

 

ヴァーリと黎牙は、互いの神器(セイクリッド・ギア)を呼び出した。

ヴァーリは白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)を、

黎牙は禁龍主の邪剣(プロヒビット・ヘェリィシュ)を、

出現させる。

見学を希望した鳶雄達は、ラヴィニアが作った結界の中で、二人の闘いを静観している。

手始めとして、黎牙は台風並みの暴風魔法をヴァーリに放ちながら、

 

Enchan(エンチャント) Double(ダブル)!』

 

脚力強化を、剣に豪雷を付加させながらヴァーリに向かう。

対するヴァーリも迫り来る暴風を白銀の輝きを放つ蹴りで、消しとばし、光翼でより上空へ上がり、光翼から白銀の光弾の雨を黎牙に向けて放った。

 

「吸い尽くせ!」

Absorb(アブソーブ)

 

 

上空へ上がったヴァーリに追撃とばかりに、剣に付加させていた豪雷をそのまま雷のチカラを持つ斬撃として放ち、光弾の雨を半数近くまで減らし、残った光弾を剣に吸収させた。

 

「解放しろ!」

『Liberate《リベレイト》!』

 

 

そして、剣に吸収させたヴァーリのチカラを自身の内側に解放することで身体能力を更に強化させた。浮遊魔法を行使し、ヴァーリの目の前まで来た黎牙は、そのまま勢いに任せて剣を振り下ろすもヴァーリの真剣白刃取りに止められた。

 

 

「甘いぞ、阿道黎牙」

「だろうなっ!!」

Enchan(エンチャント) Trinity(トリニティ)!』

 

 

止められた剣を手放し、右腕左腕にそれぞれ強化の付加を、動体視力にさらなる強化の付加を行い、ヴァーリと激しい拳と蹴りの打ち合いを空中で繰り広げる。今の黎牙は、既に付加の同時発動を最大3つまで出来るだけでなく、剣を手放した状態でも、その効果を発動させ続けることに成功している。そのため、剣を手放した状態でも、ヴァーリと互角の拳の打ち合いを行えるのだ。

それはまるでアニメに出てくるような格闘キャラの様に高速で動き回り、拳と拳がぶつかり合うたびに、凄まじい衝撃波を部屋中に響き渡らせる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「す、すごい」

「どんどん強くなっていくわね」

「…………負けてられねぇな」

「早すぎて見えない」

 

 

鳶雄、夏梅、鋼生、紗枝の順に二人のレベル違いの戦闘に驚愕の言葉を漏らしていた。そんな彼らの背後から、アザゼルが面白そうな見つけたと言わんばかりの目をしながら現れた。

 

 

「おーおー、やってるなぁ。あのドラゴンコンビ」

「来ていたのですね。アザゼル総督」

 

「おう。それとお前ら先に言っておくが、強さを求めるあまり、あいつのように神器(セイクリッド・ギア)を酷使するなよ? 今のあいつは力を求める為に無理矢理自分の中にいる邪龍をその身に付加させたんだ。そして、アジ・ダハーカの戦闘と魔法の知識を自身の頭に付加させて、さらなるチカラを得たが、その分寿命が削られているに加えて、アジ・ダハーカたちの支配力を高まった影響でいつ乗っ取られるかがわからねぇ状態だ」

 

いつのまにか剣を回収していのか前よりも洗練された剣術と魔法を組み合わせた戦法でヴァーリと激闘を繰り広げる黎牙から視線を外さずに鳶雄達に忠告する。

 

「特に幾瀬鳶雄。お前はな」

「……………………はい」

 

 

お互いに戦意がより高まっていくため、戦闘はさらに激しさを増していったため、流石に止めなければまた、さらに身体を痛めることになると判断したラヴィニアは、二人に戦闘終了の知らせを伝えるが、

 

 

「ファング、ヴァー君、もう終わりなのです!今日はここまでなのです」

「「断る!もう少しヤラせろ!!」」

 

「驚く程息ぴったりだな。あのドラゴンども

(−_−;)」

 

 

ラヴィニアの制止も聞かず戦闘を続ける黎牙とヴァーリ。

そんな二人の息の合いように、若干ラヴィニア以外の全員は引いていた。そして、言ってももう聞かない所まで、お互いの戦意だ高まり合っているので、物理的に止めに入ることに切り替えたラヴィニア。

そんなラヴィニアは、自身の独立具象型の神滅具(ロンギヌス)である永遠の氷姫(アブソリュート・ディマイズ)を召喚し、

 

 

「言うことを聴かない悪い子にはオシオキなのです!!」

 

 

カキーーーーンッ!!

 

 

部屋中が氷の世界へと変えた。

鳶雄達は、アザゼルを盾にしていたのでダメージはゼロ。

アザゼルはアザゼルで、自身の光力で相殺したためセーフ。

 

 

 

しかし、ヴァーリと黎牙は、

 

 

 

 

 

 

 

 

見事に身体の半分近くを氷漬けにされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、半分近く氷漬けにされた二人はそのまま約1時間近くをその状態のまま、目が笑っていない氷のような笑みを浮かべたままのラヴィニアのお説教を受け続けた。

ちなみに黎牙の相棒たるアジ・ダハーカは、ドラゴンデバイスの状態で笑い転げていた。

 

 

まるでイタズラがバレた子供のようなバツが悪そうな顔をするヴァーリと黎牙を見て、密かに笑いそうに鳶雄たち。

ちなみに、バッチリと黎牙にバレていたので笑っていた組の夕食に激辛な一品が追加されていたのは余談である。

 

 

 

こうして、空蟬機関との死闘を終えた鳶雄たちは、変わってしまった日常の中でも、笑顔を失わず、各々が自身に宿るチカラと向き合い、さらなる道を進んでいく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

* * * * * * * * * * * * * *

 

 

 

阿道(あどう) 黎牙(れいが)

 

 

 

身長:171cm

誕生日:6月13日

体重:60kg

種族:人間

ポジション:魔法使い、霊能力者、付加術士(エンチャンター)、邪剣士

神器(セイクリッド・ギア): 禁龍主の邪剣(プロヒビット・ヘェリィシュ)

異名:禁龍主

苦手なモノ:ラヴィニア、元バイト先の店長(ミルたん似)、子供

 

殺したいリスト:1位ギルバス=アザゼル、3位メフィスト

 

 

本作のオリジナル主人公。

禁龍主と呼ばれる《魔源の禁龍(ディアボリズム・サウザンド・ドラゴン)》————アジ・ダハーカを宿した幽霊が見える少年。

物心ついた時から両親から虐待されて育ってしまったため“愛情”を理解しきれない所があり、自分の気持ちを素直には伝えられないツンデレな性格をしている。また、麻薬でおかしくなった両親に殺されかけるが、気がついた時には両親を惨殺していた。その時、自身には殺人に対する恐怖や嫌悪などがなく、憎い両親を殺せた事に対する達成感しかない事に気付き、それ以来、自身の知らない自分を密かに恐るようになっていた。その為なのか、人と一定の距離を保ち、必要以上に関わらないようにしている。しかし、実際のところは現代段階では不明。

そして、幼少の頃からアジ・ダハーカの声だけが夢を通じて干渉しており、既に幽霊も視えていた。また人間と接するよりも幽霊の方が気が楽である。第10話において、自分の奥底にいるアジ・ダハーカと強制的とは言え対話し、禁龍主として、邪龍として生きる覚悟として、以前までの自分———弱い自分を殺したため鳶雄達よりもワンランク上の段階へと上がった。

また、殺人に対する恐怖や嫌悪を持っていないため、殺し合いになると全く躊躇なしに敵を殺しにかかる。

ラヴィニアに対しては初めて自身の叫びを聴いてくれた人として、それなりに意識している。それがどういうものなのかは、自分でも理解しきれていない。しかし、彼女の傷つく顔は見たくないと心の奥底では思っている。

ヴァーリとは同じくドラゴンを宿す身として、共通する点が多いため意外と仲がいい。例えるなら喧嘩仲間。

アジ・ダハーカの事は、相棒であり自身の一部と思い受け入れている。愛称としてアジと呼び、良きパートナーとなりつつある。

アジ・ダハーカ自身も黎牙のことは、見所がある奴だと思っているが、邪龍なため隙を出せば容赦なく乗っ取りにいくと言っている。

アザゼル、メフィストの事は、自分の手を汚さない醜い大人としか思っておらず、いつの日かは殺しやると思っている。

また、第11話においても性格が若干邪龍よりの思考をするようになっており、会話でも余裕で殺すなどが出るようになっている。そのため、現在は邪龍として、欲望のままにより強いチカラを求めている。

 

 

 

 

禁龍主の邪剣(プロヒビット・ヘェリィシュ)

アジ・ダハーカの魂が封印された剣。アジたちが封印された影響でドス黒い邪剣へ変貌。魔剣よりかーなーりヤバい剣に早変わり。

 

見た目は新妹魔王に登場する魔剣ブリュンヒルデ。

しかし、所々は原点とは違うため詳細は第1話にて。

 

《能力》

『解放』『付加』『吸収』の3つの能力を保有しており、それぞれが応用が利く能力をしているためテクニックタイプの黎牙とは相性がベストマッチ。

 

○魔法的な超常的なモノや、強化といった自身が強くイメージしたモノを剣、身体などに付加させる『付加』。ただし、効果時間は10秒。

能力発動音:Enchant(エンチャント)

 

○剣から周囲の『力』を吸い取る『吸収』。

シンプルな能力なため敵の生命『力』、魔法に使用される魔法『力』、自然に巡る自然『力』を奪い取り、自分のエネルギーに変える。

能力発動音:Absorb(アブソーブ)

 

○上記の取り込んだ力を放出する『解放』。

主に取り込んだ力を斬撃として飛ばしている。

また、今回の話で話で登場したように取り込んだ力を体内に解放し、身体能力を強化にも応用した。しかし、このやり方は一歩間違えれば、かなりヤバいやり方でもある。

能力発動音:Liberate(リベレイト)

 

 

 

《応用技》

●禁龍波

第11話にて登場。

刀身に闇を纏わせた後に三つの黒い龍を形どる衝撃波を放つ。

元ネタは犬○叉の○生丸の蒼龍波。

 

霊纏(れいてん)禁龍波(きんりゅうは)

第12話で登場。

彷徨える霊魂たちの力を吸収した強化された禁龍波。

宝玉から眩い輝きを発し、深縹色の光を刀身へと纏わせ、巨大な光の剣へと変えて敵に放つ技。見た目は宝具ビーム。

 

 




第2章《怒りし邪龍と奪われし氷姫》




『俺は黎牙のことを仲間で、友達だと思っているから』







『俺の………俺の前で…オマエ(・・・)が“愛している”なんて口にするなぁぁ!!反吐がでるんだよぉぉ!!』






『キヒヒ、いずれは、あなた方と彼は闘うことになるでしょう』








『悪いがソイツを拠り所にしたのはコッチが先だ。横から掻っ攫ってんじゃねぇよ。だから………ソイツは返してもらうぞ』









『黙って助けて貰うなんて都合が良すぎるぞ。助けて欲しいなら!!しっかり“助けて(・・・)”って言え!!』











『誰も信じられないなら、オレを信じろ。オマエを信じたオレを信じろ。邪龍として契約を果たすオレを信じろ』







『……はあ!?バカかよ、当たり前なことを聴くなよ。オレは……いや違うな……』









『『『『俺達たちは禁龍主だ』』』』



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