魔源の禁龍を宿し者《リメイク版》 作:ドラ丸2号
次はいつになるかはわかりませんが、早めに投稿します。
第1話 自分との死闘
『ゴメンなさいゴメンなさい………』
謝っても謝っても、降り注ぐ暴力の雨。
自分を産んだ父と母から振るわれ続ける虐待の日々。
地獄
この頃から既にオレはこの世の人間の醜悪さを目にしていた。
近所の人間達は自分達とは関わりの無い世界または人間として、無視している。
そして、学校に行っても何かしらの難癖をつけてオレの物を奪い、壊し、貶す。
それを見ていながら、影で薄汚い笑みを浮かべる
流石に何十回も同じような暴力を振るわれ続ければ、ある程度の動きを読める。何回か、オレが手酷く反撃すると直ぐに自分の都合のいい様に親に伝えて逃げる奴、そんな奴を育てている親も親でまるで自分の子供が何もしていないという風にオレに怒鳴る。そして、見ていないフリをする教師に自分が助けようとしたとクソみたいな事を伝えるゴミが大多数なせいで、オレに暴力を振るうのは、当然のことだと勝手に認識する周り。
殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい
ドイツもコイツも殺したいと思った。
既にこの頃からオレは人間的には破格していた。
だが、自分に力がないことは分かっていたので、とりあえずは一人で生きていくためのスベを身につける事から始めた。
そこら辺のホームレス達に給食品を渡したりして、色々な事を学んだ。時には、霊達にも聴いた。
だが、そんなクソみたいな日々の中、オレは薬でおかしくなった両親に殺されそうになった。
死にたくないという生への渇望よりも、オレの中にあったのは、冷酷な迄の両親への殺意と憎悪しかなかった。
今、オレの目の前では、憎かった両親を、両親だった肉塊へと変えた幼い頃のオレがいた。
血の池へと変貌した床の上で、全身を返り血で真っ赤に染めたオレの顔には、
恐ろしい程の冷たすぎる笑み
しかなかった。
幼い方のオレは、オレに向き合うと口を開いた。
『もっと、もっと血を求メロ』
『
『誰も
もっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっとモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモット——————
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『オマエの
* * * * * * * * * * * * *
「……ング!………!ファング!」
誰かに揺すられながら無理矢理意識を覚醒させられた。
「っるせぇぞ……ポンコツ魔女」
目を開けると視界に入ってきたのは、綺麗な金髪。
自身を叩き起こした張本人である彼女はいつのまにか黎牙のベットに潜り込んで来ていた。その張本人であるラヴィニアに黎牙は鋭い視線を向けるが、ラヴィニアの目には黎牙の身を案じる心配の感情しかなかった。
「……なんだよ」
「ファングが苦しんでいる様に見えたのです……」
どうやら、先ほど見た夢にうなされていた様だった。そのためなのか、自分が着ている上着は汗で濡れていた。
「勝手に人の部屋に入って、勝手に人を叩き起こすな」
「ごめんなさいなのです。でも……私は……ファングに何処にも行って欲しくないのです」
ラヴィニアはベットから起き上がった黎牙と真正面に向き合い、無意識なのかラヴィニアは顔を黎牙に近づけ、鼻と鼻が触れ合う程なまでに距離を詰めていた。
「…………///!!!!!」
純粋に黎牙を心配する今のラヴィニアの体制と服装は、寝起きの男子高校生には刺激が強いためか、黎牙は顔トマトの様に染めてしまった。
今のラヴィニアの服装は、前回(第2話)と同様に真っ白いシャツを着ているだけ。更に、壁にいつのまにか追い込まれている際で、後ろに下がることが出来ず逃げれない。そして、今のラヴィニアの体制は、四つん這いである。少々汗で髪が濡れたのか、所々顔に所々貼り付いており、四つん這いで黎牙と至近距離でいる際で白い肌の脚や今にも飛び出しそうなほど窮屈そうにしている豊満の胸がより強調されている。
同年の女性と比べて、明らかに発達している女体な上に、そんな体制で近づかれると寝起きの黎牙には刺激が強すぎる。
「大丈夫なのですか? 顔が真っ赤っかなのですよ? 熱でもあるのですか?」
「……////!!!! 何でもない! 男の部屋に勝手に入るなと何度言えば解る!!」
「むぅ、私はただファングが心配なのです」
「ハッ!余計なお世話だ!」
そんなラヴィニアから逃れるため黎牙は彼女の肩を掴み無理矢理退かした。退かされたラヴィニアは、チョウチンアンコウの様に頬を膨らませる。わかりやすく膨れるラヴィニアを少々冷静を取り戻したのか呆れた視線を向けながら、鼻で笑う。
「さっさと部屋から出て行け」
「むぅ、ファングは意地悪で乱暴さんなのです」
「ほっとけ……シャワー浴びてリビングに行くから先に幾瀬たちと食べていろ」
と、返事を待たずに黎牙は汗臭くなった身体を流しなが、先ほど迄見ていた夢について頭を整理していた。
「(アレはどう見ても、夢として過去を追体験していた。だが、あの時のオレは、普通ではなかった。何か、得体の知れない強い
シャワーで身体を流しながら、答えのない問題に対して頭を捻らせ続けていると、
ガチャ
後ろの扉が何故か開いた。
「おい! 誰d…○☆♪*▽◎♢☆///!!!!!!!」
※途中から文字で表現できない悲鳴
後ろを振り向くと、魅惑的な裸体をしたラヴィニアが何故かいた。そんなラヴィニアを視界に入れてしまった黎牙は声にならない声を上げてしまった。そして、ラヴィニアに怒鳴り散らす前に一旦冷静になるためにラヴィニアに背を向ける。何故、黎牙が自分に背を向けているのかが分かっていないラヴィニアは、首を傾げる。
「……おい、なんで入ってきている」
「私も汗をかいてしまったので、このままでダメなのでシャワーを浴びにきたのです」
「そんな事を聴いているんじゃない! なんで俺と一緒に入ってきているのかを聴いているんだ!!」
「……? 日本には『裸のお付き合い』という言葉もありますので、もっと親睦を深めるにはいい機会だと思ったのです!」
「色々と意味を間違えているぞ……はぁー俺はもうあがるから勝手にしろ」
「えぇ!? 私はアザゼル総督が言っていた『仲のいい男女はお互いの身体を使って、互いを洗い合う』というのをファングとしたかったのですが、もうあがってしまうのですか?」
「違うわ! 仲のいい男女でも一部を抜いてそんな事はしねぇ! 後、オマエは軽はずみに自分の裸を晒すな!!」
「そーなのですか!?!?」
鳩が豆鉄砲を喰らった化の様な表情をラヴィニアはしているが、今の黎牙にそれを確認することが出来ない。
なぜなら、
「それよりも何でファングはずっと後ろを向いているのですか?」
目を瞑った状態に加えて、背中を向けたままでずっとラヴィニアと会話を行なっていたのだ。
「うるさい俺の勝手だろ」
「むぅ、人と話す時は人の目を見て会話をするのですよ」
「だったら、もう話は終わりだ。俺はでる」
今度は薄目の状態で扉の向こうとするが、
「待ってほしいのです!」
ダキッ
後ろから抱きしめられる形で、歩みを止められた。
そして、魅惑的な身体をしているラヴィニアの豊満な胸が黎牙の背中に押し付けられる様にその形を変えた。背中全体に今までに体験したことのない感触を感じてしまった黎牙の頭の中は、
「(Aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!)」
別の意味で暴走寸前である。
黎牙がそんな状態になっている事を全く理解していないラヴィニアは、おでこを黎牙に当てながら自分の心情を語る。
「さっきファングが起きる前に、私も夢を見たのです。その夢では、ボロボロのファングはさらに傷つきながら、ボロボロの私たち……チームのみんなを護ろうとしてくれていたのです」
内心パニック中の黎牙はラヴィニアの声が震えていたの感じたため幾らか冷静さを取り戻せつつあるが、今でも背中全体から伝わってくる感触に戸惑いまくり、どうすればいいのか頭を捻らせまくっている。
「そんな時、とても…とても怖い敵に殺されそうになったファングは、突然……………
「…………………」
「でも、それ以上にファングのココロが泣いている様にも感じたのです」
「私はファングに傷ついても、悲しんでも欲しくないのです。 私は……………ファングが居ないと……
……………………とってもさびしいのです」
「だから……
ギュ〜
本当に寂しげなラヴィニアは黎牙のぬくもりを求めているのか、より強く黎牙に抱き着いてしまった。
そして、当本人の頭の中は、
「(■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!!)」
察してあげて(懇願)。
ちなみに彼の中の邪龍は、
『『『ギィハハハハハハ、ぐぅへぇ、ゔぉへぇえ、ヒィーヒィー、ギィハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!』』』
三つ首揃って大爆笑なため笑い死にかけている。
* * * * * * * * * * * * * * * *
何とか危機(笑)を脱した黎牙は、妙に気まずい朝食を食べていた。元凶である紗枝、鳶雄、夏梅を呆れた目で見ながら食事を続ける。何故、このマンションの女性陣(紗枝は例外)はこうも人の部屋に気配なく侵入し、一緒のベッドで寝れるのかと考えていたりしていると、またもや余計な事を口走ったのか鋼生は顔を真っ赤に染めた夏梅によって撃墜されていた。
そして、黎牙は黙って食べているとアザゼルの姿を確認した瞬間に目にも留まらぬ速さでアザゼルの顔面目掛けてドロップキックを喰らわせ、撃沈させた。鳶雄たちはまだ一言も喋っていないのに蹴りを喰らわせた張本人である怒りマークを浮き上がらせる黎牙を見て、『あっ、コレは総督が悪いやつだ』として、アザゼルを無視した。
そんな騒がしい朝食を終えた鳶雄たちは、今日からアザゼルが率いる『
そして、胡散臭い足臭い口臭いアザゼルに案内によってたどり着いた。
「おいこら、俺の口と足は臭くねぇぞ!」
「誰に言ってんだオマエ」
「いや何となく、悪意あるナレーションが聴こえた気がしてなぁ〜」
「もうボケが出ているのなら介錯してやろうか?」
『いいぞヤレ』
『ヤったれ!ヤったれ☆』
『killったれ!killったれ☆』
「どんだけ俺を殺したいんだよオマエらは」
あいも変わらず自分に嫌悪を露わにしている黎牙に深いため息をつきながら、鳶雄たちに裏の世界に関する知識を教え、戦闘訓練を行う教官であるグレゴリの幹部バラキエルに任せて何処かへ行った。
見た目は厳格な堕天使であるバラキエルとは、鳶雄たちは意外と早くに打ち解けた。黎牙自身もアジたちからの要らない情報(バラキエルがドM)を教えられたが、武人気質の性格であるお陰でバラキエルの信頼度はアザゼルよりも遥かに高かく、彼から剣術を学ぶことになった。
そんなバラキエルの元で、この世界に存在する神話の魔獣・神などの知識を学んでいると、あっという間に半月という時間が過ぎた。
ネフィリムの施設は黎牙たちが住むマンションの地下にあるのには驚いていたが、既にその環境に適応していた。
そして、鳶雄、鋼生、黎牙の男性陣は施設の屋内ランニングトラックで十五キロの長距離を終えていた。
「………ぜぇーぜぇーッ!…………ったく、毎回何キロも走らせやがってよ……………っ! 俺らにオリンピックでも狙わせる気かってんだ……………っ! こんなに走ったのは中坊の頃以来だぜ……………っ!」
「………か、かなりキツイね!……やっぱり……ッ!」
鋼生と鳶雄はゴール直後に座り込み、愚痴る。
現在最も必要とされるのは体力。
逃げるにも体力は必要であり、
「……………………」
同じく走り込みが終えた黎牙だが、二人ほど疲労は無い。
《
アジたちの戦闘知識を自分の記憶に付加させたことで、人型状態での体術や魔法を使ったスタイルも知識として学べた。
しかし、学べたからと言って実践出来るとは言っていない。
少しでも強くなるためには何処までにも貪欲なまでに力を求める。
ランニングの次は場所変えての組手となる。
基本的の組手の相手は講師であるバラキエルが主なのだが、時折相手が変わる日もある。
そういう時は決まって進んで相手を勤めようとするのは、
「俺の出番のようだ」
不敵な笑みを浮かべるヴァーリ。
そんなヴァーリが鳶雄達の前に姿を現す。
ヴァーリの今日の相手は鳶雄と鋼生。
前回は黎牙が鳶雄と鋼生と戦った。
「なんなら三人同時でも俺は構わんが?」
自信満々にそう言ってくるが、それに応じる気は黎牙も鳶雄達にもなかった。
黎牙はいつのまにか来ていた夏梅達同様に壁際で待機。
そして、空いた時間を隣にいるバラキエルとともにヴァーリたちの組手を観戦する。
先の『
鋼生は白砂に電撃を放てるようになり、鳶雄は影から創り出した大鎌を使い、刃と共に戦闘を行えるようにはなっている。
「阿道黎牙、キミから観て今の二人はどうかね?」
と、隣にいるバラキエルが意見を求めてくる。
「確かにレベルアップしているが、まだまだ動きが荒い」
「やはりそう思うか、だが、キミも急いで力を求め過ぎては動きにムラを作らせてしまうぞ」
「ああ、今のうちに総合強化に励むつもりだ」
お互いに意見を言い合っていると、力に目覚めたばかりの今の鳶雄達は予想通り、二人はヴァーリにこてんぱんにやられ、敗北した。
「さて、次は私とキミとの番だ」
「今日こそお前を叩き落とす」
「ふっ、既に堕ちた身だがまだまだ現役なのだよ」
「言ってろ、老いぼれ堕天使」
お互いに何の変哲も無い木刀を手に取り、組手の稽古を行う。