魔源の禁龍を宿し者《リメイク版》   作:ドラ丸2号

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書き留めは、コレで一旦終了です。ですが、今月中に最新話を投稿する予定ですので、お待ち下さい。ちなみに、クルたんさんの容姿は、BLEACHに出てきたあのオカマさんです。名前のほうも少々似せました。
それでは、どうぞ!



第4話 邪龍と青龍

ラヴィニア達とはぐれさせられた黎牙は、結界によって遮断せれた人っ子1人いない街の中にポツンといた。自身の神器を呼び出し、結界を破壊を試みるが突然背後に展開された魔法陣から離れるべくバックステップで下がる。

 

そして、魔法陣から現れた人物に目を見開くほどの衝撃を受ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………お袋…」

 

「会いたかったわ。黎牙」

 

 

自分が殺した筈の母親———阿道(あどう) 美智恵(みちえ)がいたのだ。

 

 

一度として、見たことの無い笑みを浮かべながら歩み寄る殺した筈の母親に黎牙は後退りする様に距離を取る。

 

「おい、アジ!コレは幻術か!?」

『いや、お前は術にはかかってはいない』

『あのバストは間違いねぇーぜ☆』

『あのヒップも間違いねぇーぜ☆』

 

取り乱す黎牙は、相棒であるアジ・ダハーカ達に確認を取るものの、彼の期待を所々内容はアレだが、裏切る言葉を告げられていく。

 

「だが、お袋や親父は俺が殺したんだぞ!!」

『いや、おそらく肉体は本物を完璧に模倣した人形だ。だが、霊能力があるお前なら判る筈だ。あの魂は……』

『マジのヤツだぜ☆』

『オリジナルだぜ☆』

 

つまり、目の前にいる母親は人形に魂を入れられた存在という事になる。動揺が収まらない黎牙へと美智恵は、ゆっくりと両手を広げ歩み寄る。

 

「黎牙、お願い。そんな物を置いて、母さんの所に来て。貴方に謝りたいの」

「なん、だと…?」

 

「私は、お父さんに捨てられるのが怖っかったの。だから、捨てられないために黎牙に酷いことをしてしまった」

「…………………」

 

「お願い。母さんにもう一度チャンスを頂戴。黎牙とやり直したいの。本当の家族に戻りましょう」

「……………」

 

 

顔を伏せていて表情は確認できないが、剣を下げている黎牙へ美智恵は歩み寄り、両手で彼の顔を包み込み微笑ながら、ある言葉を口にする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴方を愛しているのよ」

 

 

 

 

その言葉を聴いた瞬間、黎牙の中でナニカが崩れ落ちる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺の…………俺の前で……オマエ(・・・)

愛している(・・・・・)” なんて口にするなぁ! 

反吐がでるんだよぉぉ!!」

 

 

 

瞳を憎悪の炎で染め上げ、怨嗟に満ちた黎牙は、なんの躊躇もなく、激昂のままに目の前の人形の頸を斬り落とした。

 

 

 

 

そして、視界の中にユラユラと揺らめく人魂目掛けて、左手を頸を無くした人形の胸部へと突き刺し、引き抜く。

 

 

血で染まった手の中にある引き抜かれた人魂を一瞥し、

 

 

黎牙は感情を消し去った様な冷たい形相で、

 

 

「消えろ。亡霊が」

 

 

握り潰すのであった。

 

 

 

 

 

 

 

* * * * * * * * * * * * * *

 

 

 

鳶雄は目の前に広がる光景に対して、目を疑ってしまった。

 

 

仲間である黎牙が、人を殺したという事に。

 

 

目の前にいる広がってしまっている現実に紗枝と夏梅は真っ青になり、鋼生と鳶雄は武器を取りこぼしてしまいそうになる。そんな4人を置いて、ヴァーリは頸を斬り落とされた女性の身体を調べに、ラヴィニアは心配する様にそれぞれ近寄っていく。

 

「なにが、あったのですか?」

 

そして、氷の様な冷たい貌となっていた黎牙は、ハッとラヴィニアに声をかけることで漸く鳶雄達の存在に気づく。

 

「…………………お前達には関係ない」

「話して貰えないのでしょうか……」

 

「うせろ。もう俺に構うな」

 

心配げに見つめるラヴィニアの静止を振り払い、何処かへ行こうとする黎牙へ遅れて鳶雄も彼に駆け寄る。

 

「待ってくれ黎牙。この人は……敵だったのか?」

「………………お…だ」

 

肩に手をかける鳶雄に答えるものの、黎牙の声は小さく鳶雄はもう一度聞き返してしまう。返り血に染まった黎牙は、何を思っているのか判らないがもう一度鳶雄の問いに答える。

 

「殺した筈の母親…だ」

「え…!?」

 

その言葉を聞き、鳶雄は転がっている女性の顔と黎牙を見比べ、たしかに類似する点を見付けてしまう。あまりの事実に鳶雄は何も言えずにいたのだが、

 

「正確には阿道黎牙の母親の肉体を模倣した人形だ。魂は無理矢理人形に繋ぎ止めていたようだがな。放っておいても、魂もろとも人形の肉体も崩壊していた。つまり、阿道黎牙は人を殺したのではなく、人の形をした人形を壊したのに過ぎない」

 

ヴァーリは調べた現状を述べる。

 

「俺が二度親を殺した事実に変わりはない」

「…………黎牙」

 

静寂な時間が流れようとしたのだが、更なる乱入者がこの空間へ侵入する。

 

 

 

 

 

 

 

「その通りだよ。悪しき邪龍いや、禁龍主」

 

聞こえた声へ視線を向けるとそこには、自分たちと同じ年ほどの眼鏡をかけ、青を基調としたブレザーを身に付けている眉目秀麗な青年がいた。

 

「…………………誰だ、虚蝉機関の残党か、それともギルバスの仲間か?」

 

思い当たる敵に黎牙は問いかけるものの青年は首を横に振るい、否定する。

 

「いや、僕は彼等を追う側の人間さ。名前は櫛橋、櫛橋青龍」

「櫛橋…五大宗家の当主の一角か……」

 

「そ、君の言う通り僕はまだ櫛橋の次期当主。ま、キミに言っても実感も興味もないかもしれないけど」

「そんなことはどうでもいい。その次期当主が俺に何の用だ?」

 

突然現れた櫛橋を名乗る青年に対して黎牙は冷静に相手の目的を探る。

 

「———虚蝉機関、キミとキミの背後にいるキミたちはそれに関わった。いや、不幸にも関わることになってしまった。で、結果的にはあの組織を崩壊させてしまった。そうなると、あそこを生み出してしまった五大宗家としても無視するわけにもいかない。さらに加えて、あの『グリゴリ』に協力している。…………これが最も僕たちにとっては重罪だ。僕たちと彼らは敵対しているからね」

「つまりアレか?お前達は、自分の身内から出たノミムシどもよりもクソゼルに協力している俺たちを殺したいってか?」

 

「そうだね」

 

飄々とした態度で黎牙のトゲがある言動に青龍は肯定する。それと同時に、黎牙は青龍の間合いへ入り、邪剣を振り下ろす。

 

「だったら、殺される覚悟もあるよな!」

「流石は邪龍。クレイジーだね!」

「待ってくれ!黎牙!!」

 

鳶雄の静止を張り切り、殺し合いを始める黎牙に対して、青龍も好戦的な笑みを浮かべ、全身から言い知れないプレッシャーが解き放つ。加えて、この周辺一帯に不自然なほどの強風を青龍は発生させ、迎撃として黎牙を吹き飛ばして見せる。吹き飛ばされはしたもののダメージが全く入っていないため、空中で一回転し、近くの建物を踏み台にし、青龍へ詰め寄る。

 

「何度やっても同じだよ」

「それはどうかな」

Enchant(エンチャント)!』

 

もう一度強風で迎撃を行うが、付加によって邪剣に纏われた豪雷によって相殺される。しかし、青龍は慌てることもなく青い『気』のようなものをその身に纏い出すと、ソレはやがて半透明な東洋の龍と変貌させ、手で印を結んで口から力ある言葉を紡ぎだしていく。

 

「『四緑木星をもって、風と成せ』!」

 

すると、彼を中心に正に台風を思わせる突風が発生する。背後にいる鳶雄達は、黎牙の加勢に行こうとするべく飛び出そうするのだが、

 

「黎牙、今助けにいくぞ!」

「邪魔するな!!」

 

鳶雄達に加えて、ヴァーリまでも覆うほどの夥しい数の術式による結界によって行手を阻まれ、黎牙に拒絶される。

 

「とことん、一対一(サシ)でやる気なんだね。いいね。だが、安心してくれ。キミを倒した後、次は仲間である彼等を同じ場所へ送ってあげるよ」

「俺に………仲間なんかいねぇーんだよ!!」

Liberate(リベレイト)!』

 

自分の魔法力を一気に刀身へと流し、そのエネルギーを斬撃として黎牙は放つ。しかし、青龍も黎牙の魔法力が邪剣へ行ったのを察知していたため回避行動を取っていたため、ダメージを与えられなかった。

 

「…チッ!」

「ハハッ!凄いや。君の邪龍が上か、僕の青龍が上か試してみたくなるね!」

 

予想以上に肉体戦が出来る青龍によって黎牙は先ほどから胸の内にある虚無感による怒りが更に増大していく。対する青龍も、思っていた以上に自身がこの戦闘を愉しんでいることに少々呆れながらも攻撃の手を緩めない。

より一層戦意が高まる2人はそれぞれ術を出すべく、青龍は新たな印を結び、黎牙は昨夜完成させた魔法陣を展開する。

 

「『三碧木星をもって、雷と成せ』!」

「焼き殺せ…クルイオス・ハザード!」

 

言霊と共に青龍は青い雷撃に対し、術名を口にした黎牙から黒い獄炎がそれぞれの標的へ進撃する。まるで、この世の総てを焼き尽くすのではと思えるほどに凄まじい黎牙の豪炎は、青龍の雷撃と拮抗し合う。だが、どちらも同等の威力を持っているためか、数秒と待たずに何方も消えさった。

 

「はは、コレは凄い。流石は消し去られし神滅具(ロスト・ロンギヌス)と言われる神器の所有者なだけはあるね。大したもんだよ」

「てめぇのその余裕なツラが、クソゼル並みに気に入られないな!!」

 

そして、2人から出ている青い東洋の龍と、黒い西洋の三つ首の龍のオーラがそれぞれ鬩ぎ合っていると、

 

「そこまでにしてもらおうか、櫛橋の次期当主よ」

 

二人の間に突如巨大な光のような雷光が降り注ぐ。

 

声のする方へ視線だけ向けると、掌に雷を纏わせたバラキエルがいた。

 

「彼は敵ではない。剣を収めるんだ」

「知るか、今の俺は虫の居所が悪いだ。俺の敵は俺が決める。お前が指図するな」

 

青龍への戦意を収めない黎牙を鎮めようとするバラキエルが試みていると、この全域に火の粉が舞う。

 

「——青龍、止めなさい」

 

その一声を聞いて、櫛橋青龍は驚愕し、黎牙への戦意だけでなく身体に纏わせていた青い『気』は消し去る。青龍の後方から姿を見せたのは赤いや朱色を基調としたブレザーを着た少女を見て、青龍はため息を吐きながら少女に物申す。

 

「………キミが来ているなんて、聞いていなかったな———朱雀」

「だって、教えていないもの」

 

何処か呆れるような青龍の言動に、朱雀と呼ばれた少女は、小さく微笑む。朱雀の登場によって戦闘が鎮火しようとしている空気だったのだが、2人の頭上へ黎牙を魔法陣を展開させる。そして、展開された魔法陣の中からは、先程黎牙が青龍に向けて放った強力な黒い炎による対象の細胞を焼きつくすまで止まらない半永続的攻撃魔法が呼び出された。

 

「邪魔だ」

 

バラキエルが黒い炎に驚愕した隙を突き、黎牙は一気に駆け抜け邪剣で未だに好戦的な笑みを浮かべ迎撃に出ようとする青龍へ斬りかかろうとするのだが、

 

 

「ダメなのです!!」

「(マズイ!)ッ!!」

 

黎牙の前に結界を抜け出したラヴィニアが割って入る。

 

危うくラヴィニアへ刃を向けかけそうになるのだが、黎牙は咄嗟に邪剣を自身の内に閉まったことで空振りにさせ、最悪の事態は回避する。

 

「もう離さないのです」

「むぐっ!?!?」

 

しかし、邪剣の斬り払いによる勢いを殺すことは出来ず、ラヴィニアの胸元に黎牙は顔からそのままダイビングしてしまう。

そして、ラヴィニアも黎牙を捕まえるのに丁度良かったためそのまま彼の頭を更にギュッと抱き締め、胸の中へ顔を(うず)めさせる。

 

「言うことを聞かないファングにはメッ!なのです!」

「////は、は離せ!!ハナセ!このポンコツ魔女!!」

 

「むぅ、そんな口の悪い子はオシオキなのです!!」

「やめろ!!この、バカ女!!!!」

 

先程とは打って変わり色んな意味で黎牙が男子として大変なことになり始めているので、鳶雄は急いでラヴィニアから彼を救出する。助け出された黎牙は、最近やたらと遭遇してしまう感触に手一杯なのか、青龍と朱雀への戦意を霧散してしまっていた。

 

『い、いい加減……慣れたら…どうだww』

『やーい、ムッツリドラゴン(笑)www☆』

『やーい、チェリードラゴン(笑)www☆』

 

「………てめぇら、後で覚えておけよ」

 

アジ・ダハーカに煽られる黎牙を見て、鳶雄はある決意を密かに内に固め、ヴァーリもよくヤられるためなのか、顔を真っ赤に染め、膝をついている黎牙の肩をポンポンとやさしめに叩くのであった。




シリアスさんは頑張った。
でも、やっぱり天然さんの行動力の方が上回っているようです。本当にシリアスさんは頑張ったよ。
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