ジオン転生記   作:清水蜂弥

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山岳基地攻略2

『う、うう……』

 

ヒカルは、鈍い痛みにより意識を覚醒させた。

 

身体中が重く、酷く痛みながらも、ゆっくりと瞼を上げる。

 

目に入るのは砂嵐を写すモニターと機体の損傷伝える赤い表示。

 

辺りでは砲撃音と振動が響き渡る。更に通信機が壊れたのかザザザザと不愉快な音を出し続けている。

 

『ここは、コクピット?何で俺はこんな所に?』

 

墜落の時の衝撃で一時的な記憶の混乱を起こす。

 

『えっと俺は確か、ルウムで……いや、違う。ルウムは終わって今は降下作戦の途中……いやそれも終わった。そうだ山岳基地!クソ、外はどうなってる!』

 

砲撃音と振動からまだ外では戦いが続いており、気絶からそこまで時間が経ってない事が分かった。

 

『システムチェック、起動。……ジュネレーター、良し。動力パイプ、良し。メインカメラ、使用不可か。左腕も使えん。が、それぐらいか。』

 

損傷の具合を確認すると頭部が潰れメインカメラと通信機が使用不可になっている他には左腕腕が落下の衝撃でボロボロになり動かないでいた。

 

『まだやれる。サブカメラ起動、良し。』

 

サブカメラを起動し、モニターに映す。それからゆっくりとザクは立ち上がり辺りを見回した。

 

上空ではキッドとウィルのザクがヒカルのザクにトドメを刺そうとしていたガンタンクと必死の応戦をしていた。

 

ヒカルのザクが無事を示すように片手を上げるとキッドのザクのモノアイが連続で光り、モールス信号を送る。

 

『え〜、何々、東、敵、3、西、敵2、北、敵6、南、敵8、西、進軍。つまり西に行って敵を倒せって事か?人使い荒いな〜』

 

そう言いながらも命令に従うべく行動を始める。

 

『えーと武器は、バズーカはぶっ壊れてる。ヒートホークとクラッカー2個か。こんなんで何とかなるのか?』

 

少し不安になりながらも西に向かって移動を開始する。

 

すると、2機のガンタンクが基地正面に向かって砲撃をしている姿を見つける。慌てて建物の陰に隠れ様子を伺うとどうやらまだバレてはいないらしい。

 

しかしこれは困った。走ったりは問題なく出来るが、墜落の衝撃のせいでスラスターの調子が悪い。もし運が悪かったら大爆発を起こすため使えない。

 

クラッカー2個では倒し切れないし、もし全力で走っても1機のガンタンクしか倒せ無い。その隙にもう一台のガンタンクがザクを倒すだろう。

 

少しだけ考えていると上空にキッドとウィルのザクが旋回しているのを見て覚悟を決めた。

 

レバーを思いっきり押し倒し、ザクを走らせる。

 

全力で駆け出しヒートホークを構えながらも、足止めの為クラッカーを1つ投げつける。

 

突然のクラッカーの攻撃に驚きながらも背後からの足音にガンタンクが背後を向く。

 

『喰らえや!』

 

こちらに振り向いたガンタンクにヒートホークを叩きつける。ヒートホークはガンタンクの装甲を切り裂き動きを止める。

 

隙だらけのザクを仕留めようともう1機のガンタンクが大口径砲をピタリと向ける。

 

ヒカルはコクピットで冷や汗を流しながら目を強く瞑る。

 

『死ねぇぇぇええ!この侵略者がああぁぁぁあ!』

ガンタンクの外部スピーカーが憎しみのこもった声を伝えると大きな爆発音を響かせる。

 

『はぁはぁはぁ、遅いんだよ全く。ヒヤヒヤさせやがって、アイツら』

 

ヒカルのザクのモニターにはこちらに大口径砲を向けながらも、全身を蜂の巣にされ、炎上するガンタンクの姿があった。

 

ガンタンクが大口径砲を撃つ少し前、ドダイに乗ったザク2機が低空を高速で飛行し120ミリマシンガンを無防備な横腹を晒すガンタンクに叩きつけた。

 

ガンタンクに刺さったままのヒートホークを抜いているとキッドとウィルのザクがドダイから飛び降り、バーニアを使いながら近くに着地する。

 

ヒートホークを引き抜いたヒカルのザクにキッドのザクが肩に手を置き接触通信を使用する。

 

『無事なようだな、悪運の強い奴め。』

 

『悪運が強いのはお互い様だ。それよりも、さっきのは少し遅かったぞ!あと少し遅れてたら俺は丸焼きになってたぞ!』

 

『ククク、すまんな、次からはもう少し早くするとしよう。それで?まだ行けるなら南にまだ敵が少し残っている。どうする?』

 

『ハッ!勿論行くに決まってるだろうが。』

 

『そうか、ならお前にも働いてもらうぞ。』

 

キッド達と合流し南に移動すると、2機のザクがビルを盾に様子を伺っていた。

 

『ロッド中尉、待たせたな。相手の様子はどうだ。』

「ハッ!相手は61式戦車が12両、ガンタンクが5機。この先で待ち構えています。」

『そうか、もうすぐ少佐も来るだろう。その前に一度、降伏を促してみるか。』

 

 

『こちらはジオン公国MS小隊隊長、キッド大尉である。この戦いの趨勢は決した!これ以上の戦いは無意味である。貴君らの賢明な判断を期待する。』

 

しばらくすると相手から返答があった。

 

『貴様ら外道に降るだと?笑わせるな!我々は最後の一兵と成ろうとも貴様ら悪魔を倒す為戦い続ける!』

 

『ふん、愚かなアースノイドめ、いいだろう。奴らの望み通りにしてやる。』

 

キッドは低い声でそう言い命令を下す。

 

『少佐を待つのはやめだ。ロッド隊は正面で応戦、相手を釘付けにしろ。ウィルは俺と右側面から叩くぞ。ヒカルは相手が完全に意識を晒したら左側面から襲い掛かれ。』

 

『『『了解!』』』

 

『え?俺1人で?鬼畜じゃね?』

俺のザクボロボロなんですけど…

『ふん、お前が来ると言ったんだぞ。それに…エースになるんだろう?このくらいこなしてみせろ。』

 

キッドがそう言い放ちヒカルを煽る。

 

『ぐぐぐ、分かった。やってやるよ!何せ俺は真のエースになる男だからな!』

 

 

 

 

ロッド隊がガンタンク達に向けマシンガンやバズーカを撃ちまくる。それに負けるかと倍以上の攻撃をロッド隊に向かって撃ちまくる。

 

陽動に引っかかっているのを確認したキッド達がバーニアを使い高速で接近する。

 

キッド達は近づくとありったけのクラッカーを広範囲に投げつける。

 

これにより5両の61式戦車が破壊され1機のガンタンクを小破させる。

 

小破し動きの鈍ったガンタンクにキッドがバーニアを使いながら猛スピードでタックルを叩きつける。肩のスパイクによりガンタンクのコクピットが押しつぶされ動きを止める。

 

キッドのザクを破壊しようと周りに居た2機のガンタンクが四連装機関砲を撃つ。

 

弾丸の嵐の中、コクピットが潰れたガンタンクを盾に耐える。

 

そんなキッドを助けるべくウィルがマシンガンを撃ちながらガンタンクに走り出す。

 

しかし、ウィルのザクに攻撃を受けていたガンタンクが予想外の動きを見せる。

突如ザクに向けて突進を始めたのだ。

 

突然の動きに戸惑ったウィルはヒートホークを抜くのが遅れてしまう。マシンガンによりボロボロになりながらもその巨体を生かした体当たりを喰らわせる。中途半端に抜いたヒートホークが空を舞い、ザクが吹き飛ばされる。

 

だが、ガンタンクも撃たれ過ぎたのか動きを止める。

 

『ウィル!この出来損ないのタンクの分際で!』

キッドがそう叫ぶ。

 

キッドのザクに四連装機関砲を撃っていたガンタンクが遂に大口径砲を盾にしていたガンタンクに向ける。

 

しかし、そのガンタンクが突如爆発する。

 

『待たせたな、キッド大尉。全機!敵を殲滅せよ!』

『『『『おう!』』』』

 

正面の敵を突破したハーガン少佐が部隊を引き連れ現れた。

 

大量のザクからの攻撃に瞬く間に連邦の戦力は撃破されていった。

 

最後のガンタンクが恐れをなしたのか大口径砲や四連装機関砲を撃ちながら後退する。

 

『ふん、逃げ出すとはな。一兵と成ろうとも戦うと言っていたがこのざまか!見苦しい、叩き斬ってやる!』

 

キッドのザクがヒートホークを構え、ガンタンクに近づく。

 

しかし最後の悪あがきとスモーク・ディスチャージャーを起動させ姿を消す。

 

『なっ!スモーク⁈』

突然のスモークにキッドも驚き追撃が止まる。

 

『チッ、まあいい。向こうにはアイツが居るからな。』

 

 

 

キッド追撃を撒いたガンタンクは猛スピードで基地内を走る。すると前半に片腕を無くしたザクがヒートホークを持ち佇んでいた。

 

片腕の無いザクがヒートホークを構え走り出す。

 

ガンタンクも大口径砲を乱射しながら突撃する。

 

しかし、何故かザクには紙一重で当たらない。

 

ガンタンクのパイロットは恐怖する。何故か攻撃の当たらないボロボロのザクに。

 

2機が正面からぶつかり合う瞬間、ザクが少し横にずれる。足を広げ掲げていたヒートホークを思い切り振り抜く。

 

ヒートホークを振り抜いたまま止まるザク。

 

ガンタンクは徐々にスピードを落としゆっくりと動きを止める。

 

構えを解き、ゆっくりと歩き出すザク。すると背後からガンタンクが大爆発を起こす。

 

ザクは歩みを止めず、仲間達の元へと歩みを進めた。

 




次回フラナガン『バイド』を発見!『キガツクトワタシワバイドニ……』(嘘)

次回は新たな指令が発せられます。ご都合主義が発動されます。

ストックの霊圧が…消えた……だと……
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