ジオン転生記   作:清水蜂弥

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皆さんはガンダム のゲームに何か思い出はありますか?
自分は幼少期の楽しい思い出の一つに親戚の家でやった、連邦V SジオンDXという作品です。
特に印象に残ってるのはどこかの島の上空にガウが飛んでるんですけど下手すると攻撃が届かなく時間制限までずっと眺める事になります。
あの攻撃が届かない絶望感。今でも思い出します。
それとジムの足音!パコンパコン言いながら進むジム。かなり印象深いです。


嵐の前の静けさ

真っ暗な宇宙の中で輝く星々。いつもなら何の変哲も無いただのありふれた景色。

 

しかし現在は違う。戦艦のちぎれ飛んだ主砲、あるはずの船体がどこにも無い艦橋、蜂の巣にされた戦闘機、ザクの頭、そして燃料なのか人の血なのかもわからない液体。

 

そのような物が無数に宇宙空間を漂っている鉄屑の墓場となっていた。

 

そこに、一隻の救難艇が飛んでいた。

救助艇はこの鉄屑の墓場を飛び回り信号を探していた。

 

『頼む、頼む、頼む。もう鳴らないでくれ。頼むから。』

 

ゆっくりと救難艇を進めていると突然

ビービービー

男は鳴らないで欲しいと祈ったが無情にも信号をキャッチするアラームが鳴る。

 

『くそ、何で鳴るんだよ、神様、どうかお願いします。』

 

男は信号の発信元まで進めるとそこにはボロボロのムサイが現れる。

 

『………』

 

男は念の為のハンドガンを腰に装備し、次に医療品が入ったバッグを肩に掛け背中のスラスターを確認する。

男は救難艇からムサイに移ろうとする時黒い袋を持って行くか迷う。

 

男は自嘲ぎみに笑うと結局手に取らずムサイに向かった。

 

艦内は外見同様ボロボロで、エアロックも生きて無かった。

手元の機械で信号の発信元に近づくにつれ鼓動が早くなり息が苦しくなる。

 

しばらく進んでいると目の前にまだエアロックが生きている部屋に辿り着く。

 

『おい!無事か!エアロックを開けるぞ!』

プシュー

エアロックを開けると気圧差から中にあった様々なものが飛び出していった。

 

男は中に入ると真っ直ぐに近づいてくるパイロットスーツがあった。

 

『よかった、無事か!安心しろ、もう大丈夫だ。どこか怪我はないか?』

 

男は喜んだが返事が無いことに気がつき嫌な予感を覚えた。近づいてくるパイロットスーツを避けると何の反応もなく扉の外にぶつかった。

 

『はは、こんなことなら袋、持って来れば良かったな』

 

パイロットスーツの背中には大きな穴が開いていた。

 

『こちら第21救難艇、C5地区で死亡者発見。』

 

『了解した、引き続き救命活動を続けろ。』

 

通信が終わると男は小さい声で呟いた。

 

『何が救命活動だ、無駄だ、みんな死んでんだよ』

 

男はこれで6度目となる通信に怒りと絶望を覚えた。

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後の世に一週間戦争と言われる戦争が終わった。

 

この戦いで総人口の25%、30億とも50億とも言われるおびただしい血が流れた。

 

しかし、連邦、ジオン共にまだまだ人は死ぬと言わんばかりに行動を開始していた。

 

ジオン軍総司令官のギレン・ザビはコロニーは地球に落ち、連邦軍に甚大な被害を出したものの、ジャブローは健在という、ブリティッシュ作戦失敗の報告を受け直ぐさま次の指令を発した。

 

『我々はまず、腐りきった連邦政府の威信を砕かねばならない。そしてジャブローこそが、そのくだらぬ威信の象徴なのだ。』

 

そう言い放ったギレンはドズルに新たな作戦を命令した。

 

第二次ブリティッシュ作戦である。

 

1月13日

ソロモンに居るドズル中将を総大将とした第1連合戦隊。

グラナダから突撃機動軍艦隊がサイド5に向けて出撃を始めた。

 

この大規模な移動を察知した連邦軍は阻止作戦を開始する。最後の望みを歴戦の将軍レビル中将に託す。

 

1月14日

レビル中将旗下の第3艦隊を中心とした大隊がサイド5に向けてルナツーを出発。

ルナツーの残存艦艇や各方面からの増援艦艇がさらに合流。

 

1月15日

ルウム戦役開幕

 

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『なー頼むよー、俺とお前の仲だろう?』

『無理です。どんなに頼まれても無理な物は無理なんです。それに先日知り合ったばかりでほぼ他人です。』

『そんな事言うなよー、もうオレら友達だよー、親友だよー』

『何で僕に頼むんですか!自分で言ってくださいよ、全く』

 

ムサイのMS格納庫でヒカルは整備兵に絡んでいた。

 

『どうしても乗りたいんだよ、新型のザクⅡS型に!』

『だから何で僕に頼むんですか!新型を回せるような権限は僕にはありませよ!もっと上に言ってください、上に!』

 

そう、ヒカルは整備兵相手に新型を寄越せと無理な事を頼んでいるのである。しかし、ヒカルもそんな事が出来ない事は百も承知である。目的は別にある。

 

『上に言える訳無いだろ!馬鹿かお前は!』

『何で逆ギレしてるんですか、もう勘弁してくださいよ!』

『ヒカル!何を迷惑かけている!』

 

ヒカルが整備兵に絡んでいると怒鳴り声が聞こえた。整備兵が怒鳴り声を上げた人物に目を向けると整備兵は天の恵みとばかりに顔を輝かせた。

 

『いや〜、ただの世間話だよ、な?な?』

 

ヒカルは必死に目で話を合わせるように要求する

『聞いてくださいキッド隊長!新型を寄越せと無茶を言ってくるんです!』

 

ヒカルの願いは速攻で断たれたようだ。

 

それを聞いたキッドの背後から般若の顔が出てくるのを確認したヒカルの額から冷や汗が流れる。整備兵は少し震えているようだ。

 

『お前、何をふざけている?頭でもいかれたのか?殺すぞ?』

『ハッ!申し訳ありません!殺さないでください!』

 

ヒカルは瞬時に最適解を導き行動する。どうやらエースに一歩近づいたようだ。

 

『ふん、この馬鹿が。これからブリーフィングだ遅れるなよ。それとこの馬鹿が迷惑をかけて済まない、後でキッチリ言い聞かせておく。』

『あ、いえ、その、大丈夫です。ありがとうございます。』

 

キッドが整備兵に謝罪をし此方を睨みながら何処かに去っていくのを敬礼しながら見送るヒカル。完全に姿が見えなくなるのを確認すると整備兵に向き合った。

 

『いや、何だ、無茶を言って悪かったな』

『え、ええ、その大丈夫です。』

『そうか!許してくれるか!いや〜やっぱり持つべきものは親友だな!そこで親友の君に簡単な頼みがある』

『いや、親友って。まあ、いいです。それで頼みとは?』

『何、整備兵の君には簡単な事だよ。ただ少しオレのザクのチューニングを頼む。あと追加で予備弾倉もな!頼んだぞ!』

 

ヒカルはそう整備兵に告げると風のように去っていった。ヒカルが去っていくのをポカーンとした表情で見送った整備兵は頭の中で頼まれた内容を認識すると絶望感に襲われた。

 

『無理です!絶対無理!そんな時間ありません!ちょ、待ってください!死んじゃいます!本当に過労死で死んじゃいますよ〜!』

 

そんな整備兵の悲痛な叫びに他の整備兵は哀れみの目を向けるのだった。

 

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(くくく、最初の予定とは少し狂ったが結果的にザクのカスタマイズを押し付けてやったぜ。

このクソ忙しい時に馬鹿正直に頼んでも断られる。そこでオレはある策を思いついた。交渉術の基本、ドアインザフェイスだ。簡単に説明するとまずは断られる前提の願いをする、断られたら次に本命のお願いをする。

人は何度も断ると罪悪感に襲われる、その罪悪感を利用した完璧な策である。)

 

『おいヒカル、何を気持ち悪い顔をしている、キチンと話を聞いていたのか?』

 

『えーと、あれだ、敵と戦うんだろ?分かってる分かってる』

 

『はあ、どうやら何も聞いてないようだな。ウィル、この馬鹿に説明してやれ』

 

『今回、僕らの隊の任務はコロニーへの核パルスエンジンの取り付け作業の護衛さ。』

 

『うげー、まじかよ。やる気下がるわー』

 

『確かに少し気に入らないが、それが命令だ。』

 

『へいへい、命令にはキチンと従いますよ。隊長殿』

 

ヒカルは軽口を叩きながらもルウム戦役について思い出す。この戦いはジオンの3倍という圧倒的な戦力差をMSを使い大逆転をする。そこでレビル将軍が捕らえられ戦いの決着がつく。

 

『おいヒカル、どうした変な顔して。』

『そうだよ、緊張してるの?』

 

どうやら少し力が入っていたようだ。

 

『いや、なに今回集まった戦力を考えててな、凄い大軍だろ?』

 

『ああ確かに。前の戦いもかなりの戦力だったけど今回はまさに総力戦とも言っていい軍勢だからね。』

 

『確かにな、今回の総大将はあのドズル 中将だ、しかもグラナダから突撃機動艦隊も来ている。今度こそコロニーをジャブローに落とす事が出来るだろう』

 

『そうだよ!ジオン切っての猛将ドズル 中将が指揮するんだ!連邦軍なんて一撃さ!』

 

『そう、だな。ウィルとキッドの言う通りだ。』

 

『ああ、前の戦いでも勝ったんだ!今回も勝って戦功を上げるぞ!いいな!』

『おう!』

『了解!』

 

3人はまだ見ぬ敵に闘志を燃やしていた。




次回『レビル死す』デュエルスタンバイ!嘘

次回はやっとルウム戦役です。

主人公達はS型では無くC型で戦います。ヒカルは追加弾倉はあれです。ジオリジンのシャアとかがやってたやつをイメージしてください。
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