まどマギでエロ主   作:朧月夜(二次)/漆間鰯太郎(一次)

11 / 14
評価1を見ると安堵し、高評価をつけている人を見ると本当に心配になる今日この頃。


走馬灯が流れるどころじゃない展開

「よーし乗ったかー?」

 

 勢いよく運転席に飛び乗り後ろを振り返る。

 そうすると直ぐに元気な声が返ってきた。

 

「はいっ! ジョニーさんっ!」

「いい返事だまどか」

「は、はーい!」

「いいゾ~マミ。照れながら控えめに手をあげるのはポイント高い」

「ちっ、みんなしてデレデレしやがって……」

「後部座席からオレの首を絞めながらのツンツン。うん、杏子もポイント高いな」

「んっ? 聞いてなかった! え、なに? ポッキー食べる?」

「さやかはオバカ可愛い」

「な、なにをー!」

「………………ったく。本当にどうしようもないクズね、虫唾が走るわっ」

「流石ほむほむ。断固として助手席をキープしながらのツン。これは逆に高得点や」

 

 あ、どーも、全国3000万人の女子高生ファンがいると言われているジョニーだ。

 今日は夏休みに入ったマミ達にせがまれてキャンプに行く事になった。

 

 え? 魔法少女とかワルプルとかどうしたかって?

 既に夏休みとか時間が経過し過ぎだろ?

 それは本当に申し訳ない。

 

 念願のハーレムを築いたこの俺。

 お蔭さまでラブラブパワーはあっという間に目標の量が集まった。

 いやむしろ毎晩代わる代わるのラブラブ運動の結果、ワルプル334体分のエネルギーが集まり、これといって見せ場も無いまま、ワルプルギスの夜はスポーンと同時に消滅した。

 そして暫く様子を窺ってみるも、一向にリスポーンする事もなかった。

 

 なのでせっかく準備していた一般ピーポーに見せるゴジラの幻覚とかもいらなくなっちまったよ。

 ちなみにインキュベーターは並列化している端末全てを破壊した。

 エネルギーが余りに余ってたからさ、先に攻勢ウイルスを作って、こっちからの干渉に対してカウンターを打てない様に細工して、アポトーシスを引き起こす命令を上書きしてやった。

 

 結果、研究の為に捉えた数匹以外は全滅さ。

 それでもまだ余ってるから、地球周回軌道に衛星を複数打ちあげて、そこから【魔法少女から普通の人間に戻るビーム】を延々と散布し続けた結果、地球にはもう魔法少女自体いません。

 ま、イケメンで天才な田中星人としては当然よな。

 

 なのでごめんなさいね。もう終わりましたわ。

 と言っても、銀河共和国から依頼達成の認定が出るまで数十年かかるもんで、それまではのんびり地球生活を楽しむつもりだ。

 

 で、話を戻すと、マミ達は夏休みだってんでどこかに行きたいと騒ぐ訳だ。

 ま、それもいいかと俺は5人の幼な妻と、山でキャンプをするという破廉恥極まりない旅行に出かける事にした。

 

 そして用意したのが日本の国産ワンボックスカーでは最高級とされるハイエースだ。

 オーソドックスなホワイトカラーのボディ。

 とは言っても、そのまま乗るんじゃあ芸がない。

 きちんと車内は空間拡張をしてあり、後部は3LDK程度の居住スペースになっている。

 ま、当然よね。

 

 なんでも巷ではゆるキャンなる物が流行っているそうな。

 ゆるキャンとはつまり、ガチではないキャンプって意味らしく。

 要は気軽に行ける範囲でその辺のホームセンターでも揃う様な装備でぬる~く一泊しながらアウトドア気分を楽しむ! って事らしい。

 

 ま、天才宇宙人からすれば、地球人の言う近距離でのアウトドアや辺境でのサバイバルなんぞどっちもヌルいんだけどね。

 そら文明の発達していない惑星を探索した時なんか、巨大なナメクジが無数の触手を乱舞させながら、熱帯雨林を薙ぎ倒しつつ追いかけて来たりしたし。

 あの恐怖から比べれば、出てもせいぜいクマ程度とか片腹痛い。

 

 だがしかしである。

 幼く美しい娘達とキャッキャウフフしながら肉を焼いたり、あーんをしたり。

 あまつさえ水着の彼女たちと湖畔で追いかけっこ……。

 おっといかん。想像しただけで破廉恥過ぎて鼻血が……。

 これはステルスドローンで全部記録しておき、田中ネットを介して先輩達を煽らねば……。

 

 ふふふ、さてそれでは向かいますか。

 富士五湖のキャンプ場へ!

 

 コンコン……誰かが運転席のガラスを叩いた。

 

「ん? 誰だよ」

「あー、運転手さん外国人? 申し訳ないけど登録証と免許証見せてもらえますか?」

「は? 俺はこの工場のオーナーなんだが?」

「あ、はいはい。分りました。ただの警邏中なのでご協力ください。いやー最近物騒ですからねえ。あーっと……後ろのお嬢さん方は親戚か何かですかね?」

 

 ジャパンカンのポリスメンである。

 外国人が年若い娘を車に乗せていると職務質問したらしい。

 甚だ心外である。

 

 

 ☆彡

 

 

「よっし赤ワルプル来たわ」

「やべえガイジンのお兄さんすげえじゃん朝一から。あやかりてえなぁ、俺もなー」

「ようし横の金髪ボーイ、気分がいいからジュースを奢ってやろう」

「9杯でいいッス」

「ほう、謙虚だな」

「それほどでもない」

 

 と、並びで座ったヤンキーボーイに、コーヒーガールにオーダーしたホイップクリーム山盛りのラテを奢りつつ、上乗せ特化ゾーンを消化する。

 

「ちっ、マギカ流れない上にいきなりさやかちゃん背景とかやる気なさすぎだろオイ。……案の定10G上乗せとか」

 

 台に悪態をつきつつマギカラッシュを淡々と消化。

 既にコインは3千枚を突破している。

 残りは500Gちょいか、終わったら帰るかね? 腹減ったし。

 今日はココイチでも寄って帰るかねえ。

 

 あ、いつもの如く美しすぎる天才ことジョニー田中だ。

 いま何やってるかって?

 これもまた地球での通貨を確保する為の手段なのだ。

 

 パチンコ屋なる卑猥なネーミングのギャンブルの店で、パチスロなる遊戯台に、ボッタクリの様な価格で借りたコインを入れてはボタンを叩いている。

 パチンコ屋とは基本的には違法な癖に建前上は第三者である古物買い取り業者を中間に介入させる事で法の目を潜って現金化できるグレーなギャンブル場の事だ。

 

 聞くところによると、遊技場の運営も遊戯台の製作も販売も、某半島系の外貨取得手段に鳴り下がったカルテルみたいなもんらしい。

 が! この天才にしてみればカスみたいなもんだ。

 搾取されるから片棒を担ぐんであって、逆に搾取すれば問題ない。

 

 そこで取り出したるはこの【見えすぎちゃって困るわ1号】である。

 こいつは普段俺が外を歩くときには必ず装備しているティアドロップ型のサングラスなのだが、ここに量子テクノロジーによるハイテク過ぎる加工をした結果、謎の電波を発する事で、全てのネットに接続された機器を瞬時に解読・干渉を可能とするスペッシャルなアイテムである。

 これの恐ろしい所は有線か無線かなんて関係ないって所だ。

 

 こうする事でパチンコ台に予め設定してある確率がどれなのかを見抜ける。

 故に開店と同時にこいつの機能を起動したまま入店し、パチンコ台をじろじろ見れば、最高設定になっている台が分かってしまうという寸法である。

 

 しかもだ。その店がボッタクリ常習犯の遠隔操作店でも関係ない。

 ナノマシン経由で介入し、本来の台の挙動に戻してやればいい。

 結果、店が想定していない出玉が出ようと、連中にオレが不正をしたと証明できる根拠も証拠もない。

 当たり前だ。メーカーが公表しているスペック通りに台がコインを吐きだしただけなのだから。

 結果、もりもりコインの山が築ける。

 

 さて今日は車関係の仕事はもう終わっているので、昼間の時間はのんびりパチンコ屋に来ている。

 平日であるからマミ達は学校だしな。

 だから適当にコインを出して帰ろうかななんて思ってたら、思いの外いっぱい出てしまった。

 天国モードの連打にプチボーナス中にキュウベエでたし、ARTの直当り数回に引き戻しも多数。

 こんなの絶対やめられないよ! ま、6なのわかってて座ってるんだが。

 

 こら万枚も視野にはいるかな?

 ほいポチー。

 

「ってうわ、ワルプル1戦目で負けたし」

「ちょ、ガイジンの兄さんアルティメットとか……」

「アルティメットを引くのがガイジンでは無い。引いてしまうのがガイジンなのだ」

 

 ふはは、継続率90%の特化ゾーンの威力を思い知るがいい。

 結局は450ゲーム上乗せと普通だったけども。

 ま、18時くらいまでには消化できるかな?

 よーしよーし……。

 

「ジョニーさん、随分たのしそうね」

「あん? そらこんだけ出たら楽しいよな」

「そうね。でもジョニーさんは今日、誰かとお茶をする予定じゃなかったかしら?」

「あー……、そうだっけ? ああ、そうだマミを迎えいって、あいつが見つけた何とかってカフェに寄るとか昨日いってたっけな? だよな? って俺誰と喋ってんだ……」

「ジョニーさん……」

「げえ!? マミ!!?」

 

 故郷の田中先輩、俺、最近理解しました。

 女って怖いぞってドヤ顔で言ってた貴方に”煽ってんのかクソが”とか言いましたが、今はそれが真実だと知りました。

 

 先輩、地球には良い言葉があります。

 それは惚れたが負けであります。

 拙者、ミレニアム単位で年下の子供の尻に敷かれてます。

 

 そして振り返った俺の目に飛び込んできたのは、見滝原中学校の制服を着た、可愛い顔に一切の表情を浮かべていない金髪縦ロールの少女でした。

 

 それで怒鳴られたのかって?

 ん~~やっぱりあなた達はワカってない、巴マミという人物を……そりゃアンタ、ああなっちまうと女って普通はキレるわ、普通はね。だけどこれは巴マミのハナシでしょ。

 

 泣くんだよ巴マミは。子供みたいに大声でじゃない。

 涙をぽろぽろ零しながら静かにさ。

 もうね、こっちの罪悪感をこれでもかってダイレクトアタックしてくるの。

 

 ベッドでは奔放で普段は甘えん坊、なのに人前では主導権を取りたがる。

 それが巴マミなの。

 

 でもね? 彼女の本質は孤独になりたくないって言う強迫観念の塊なんですよね。

 だから置いていかれる事をとても恐怖する。

 ええ、そうです。可愛いとか愛らしいとかそんなチャチな物じゃあ断じてない。

 女の情欲、深情け、重たい愛の深淵を見ましたよ。

 

 まあそれはそれとして、その後俺は必死にマミのご機嫌取りに奔走し、夕食時を狙って遊びにきたいつもの3人娘たち+住み着いた赤毛の猫には、「ジョニーさんの普段の姿って、まるでダメなヒモ男、略してマダオですね」って言われたのである。

 

 やかましい。誰がマダオじゃ。

 




天才宇宙人、まさかのパチンカス。

そしてさして描写もされずにハーレムメンバーにカウントされる青い髪

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。