まどマギでエロ主   作:朧月夜(二次)/漆間鰯太郎(一次)

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共依存系ぼっちヒロイン、だいすきです


ぼっちきょぬーげっとだぜ

「あ~……ついて来ても退屈だと思うよ?」

「あ、あのっ、御迷惑でしょうかっ! 私はその、ジョニーさんと居れるならどこでも幸せというか、その、はい…………」

「いや、うん、マミがいいなら別に構わないよ。ちょっと午後は回っちゃうと思うけど、どこかでランチでもしようか「はいっ!」……あ、うん、シートベルトはちゃんと締めような?」

 

 現在、俺は地球人霊長類ヒト科のオスモードである。

 具体的にはこの星で生活する為の費用を稼ぐべく、日系アメリカ人、ジョニー田中、その本業である自動車修理工場の経営者としてのオシゴトをしている。

 

 この前の夜の徘徊、いやパトロールの結果、俺は宇宙犯罪者の関わる現場に辿り着いた。

 まあそれが目的であったし当然だけれども。

 田中一族が大好きな果物であるオレンジ、そのマークを付けた万能腕時計、通称オレンジ・ウォッチには、宇宙犯罪者の認識コードが登録してあり、いつでもリアルタイムで連中の居場所が解る。

 

 3次元モニターにマップを表示させると面白いくらいだ。

 だって半径50km以内に奴らの信号を示す白い点が無数に出るからな。

 因みに彼らの被害者となった地球人はピンク色に表示される。

 何故ピンクかは知らないが、どうも勝手にそうなるのだから困った物だ。

 

 で、あの日の夜、俺は現地に行ったんだが、現場はえらい事になっていた。

 どうも犯罪者に騙された地球人は軒並み女の子で、負の感情を圧縮して純度を増すアンプリファイアー、つまり増幅器に改造されていた。

 見た目こそ奇抜で女の子らしい姿だが、やがて負のエネルギーが許容量を超えると存在そのものが変質して、大量の負のエネルギーをそこら中にまき散らす化物になる。

 

 まあ増幅器が本体を乗っ取る形で自立行動を始めるんだな。

 なので宿主の女の子は、ただの器って事だ。

 なんとおぞましいのだ……。

 女の子は嫁にするもので、こんな扱いをする物じゃあ無いのだ!

 

 で、現場は酷い事になっていた。

 いたのは増幅器化した女の子と、それと対峙するのは変質後の元女の子。

 そして増幅器娘の背にはただの地球人の女の子が二人と、少し離れた場所には縛られる趣味でもあるのか、黒髪の増幅器の子がいた。

 

 で、黄色い髪の女の子が旧式ってレベルじゃない骨董品の銃火器で変質した子を攻撃していた。

 しかし変質者の張る負のエネルギー領域は結構なもんだな。

 完全に別次元化されているもの。

 それだけ強力なエネルギー波が発生しているのだ。

 これ生身の地球人が傍にいたら影響されるぞ。

 あの凶悪な白いのも複数隠れてるし。

 

 なので俺はイケメンのポリスメンとして登場しようかと思ったが、それは止めた。

 というのも俺が丁度彼女らに出くわした時、その黄色い増幅器の子がピンチだったのだ。

 変質者が女の子の頭をガブりと喰っちまうシーンだった。

 

 こうなると面倒臭いので、前口上をカット。

 俺ははやての様な速度で彼女とマンガみたいな顔の化物の間に入りこんだ。

 なんか地球人の女の子が騒いでたけど無視。

 懐から取り出すは結構昔に俺が作った掃除機型サンプリングマシーン、その名も「強力すっぽん君EX」だ。

 

 説明しよう。

 これは過去のテクノロジーでは定番の掃除機という家庭内の清掃機具を模しているのだが、ノズルの先端に搭載した量子変換フィルターにより、対象の大きさがどんな規模でも関係なく吸い込む事が出来るのだ。

 そして掃除機ではどれでもついているゴミが集まるカートリッジ部分。

 ここには量子変換により吸い込まれてきた対象を、吸い込んだ瞬間の情報を記録し、その状態を保つようになっている。

 

 これでバケモノの方を吸い取ったのだ。

 HAHAHA、他愛も無い。

 俺はすっぽん君からカートリッジシリンダーだけを取り出し、本体をウォッチに搭載された機能、亜空間倉庫に仕舞った。

 バケモノはシリンダーの中でくるくると泳ぐ様に遊んでいる。こうして見れば可愛い物だ。

 中は生命が活動するのに最適な環境になっているからな、バケモノとて元地球人、気持ちがいいのだろう。

 

 これはあとでラボに帰ったら、元の姿に戻してやればいい。

 と言っても本来の姿への実体化にはラブラブパワーが必須なので後回しになっちまうが……。

 まあそれまではシリンダーの中でバカンスでもしているがよい。

 

 で、用はこれで済んだのだけど、黄色い子が死に目に遭った事でパニックを起こし、一気に変質化しそうな気配を見せた。

 なのでエネルギー領域が発生者を失った事で消失し、元の街並みに戻った瞬間、俺は黄色い子を担ぎ上げ、その場を後にしたのだ。

 ナノマシンで強化されている俺たち田中一族には、ガキ一人担ぎ上げる程度楽勝だからな。

 

 んでとりあえず自宅に連れ帰りソファーに寝かせる。

 すると気絶した影響か、さっきまでのヒラヒラした黄色い衣装が突然消えてしまい、なんと彼女は全裸になっているではないか。

 いけない、これでは風邪をひいてしまう。

 

 これは辺境の惑星だろうが、宇宙空間だろうが共通で、風邪を舐めたらロクな目に遭わないからな。

 なので仕方なく俺のシャツを着せた。

 そして彼女の本体と思われる宝石を拝借してラボで浄化したのだ。

 ご丁寧に劣化すると黒く濁る仕様なのな。

 ほんとあいつらロクな事しねえよな。

 

 浄化自体は問題無い。技術的にはラブラブパワー収集システムを流用すればいいのだから。

 こんなどす黒いエネルギーなんかいらんけどさ。

 とりあえず研究の為に保管をしておく。

 その内時間があれば、連中に流すトロイ型の攻勢致死ウイルスでも作ったろか。

 まあそれも結局、ラブラブパワーを集めないけんのだけど。

 

 そんなんで女の子を放置したまま、自動車修理工場に偽装したラボで宝石の浄化をしていたのだ。

 するといつの間に目が覚めたのか、彼女が後ろに立っていた。

 助けてくれてありがとうみたいなことを震える声で言ってきたな。

 まあきちんと言語化できてないから、リアルでは「あああああああのおおおおったったたたたすけけけけったすけけけけて────」みたいな。声震え過ぎだろって感じ。

 

 何か凄い勢いで抱きついてきてさ、1時間くらい泣いてたな。

 まああんな目に遭ったんだから仕方ないけどさ。

 その間延々と彼女が喚く様な言葉を聞いてやり、俺は何も言わずに撫でてやった。

 まあ子供が泣いてるとそうすべきってマニュアルにはあったからな。

 銀河共和国の育児奨励プログラムを閲覧すると書いてあったんだ。

 

 そして泣き止んだ後、自分の姿を自覚した彼女は、恥ずかしいそうに俯きながら「巴マミと言います」って名乗ったのだ。

 冷静になったのなら家に送っていくと言ったんだが断られた。

 暫く一緒に居させてほしいってさ。まぁあんな事があったばかりだし、仕方ねえか。

 

 地球人は家族の繋がりを重視するから、勝手に外泊すると怒られる筈だが、どうも彼女、はっきりとは言わないが、両親がいないらしい。

 なるほど、なら仕方ないなと受け入れた俺だ。

 というかかつて俺も、次元は違うにしても地球人だったが、今となっては覚えてないもんなあ。

 

 まあその後、彼女からは当然の様にどうしてあそこに入れたのかと聞かれた。

 あれは魔女の結界で、魔法少女にしか入れないのだとさ。

 こっちからするとあの程度のエネルギー領域如きに遮断されるような軟な田中一族じゃあないけどさ。

 

 でまあ、変質者を魔女、変質前の増幅器の状態を魔法少女とカテゴライズしていると理解はした。

 だからまあ仕方ないが、俺は正体を明かしたのだ。

 俺は銀河警察から委託を受けた民間協力者で、白い悪魔と呼ばれるS級宇宙犯罪者こと、インキュベーターを捕らえに来たジョニー田中であると。

 

 素直に教えた理由は簡単だ。

 彼女たち魔法少女もまた、一般の地球人に――それも身内や友人にも正体を隠しているからだ。

 つまり彼女たちは秘密を抱えたマイノリティである。

 なのでこっちの事情を話したところで、それをむやみに喧伝することもないだろう。

 まあしたとしても誰が信じるのかって話でさ。

 最悪バレて面倒が起きても、記憶ごと消してしまえば問題ないしな。

 

 知的生命体の多くは、社会という生活圏を形成するにあたって、心に負担を掛けない様に一定の法則に従って生きる習性がある。

 それを常識とか理性的な判断と言うのだが、それを前提に生きることは、異端を認めないって事にもなる。

 異端を認めれば方々が破綻するからな、それまでの常識っていうのが。

 

 なので地球人からすれば俺達は宇宙人であり、じゃ宇宙人を見たのよと真顔で喧伝するとどうなるのか?

 他者は見ていないのだから根拠を求められるだろう。

 けれどそれに対し喧伝者は主観の感情交じりの感想しか言えない。

 具体的な物的証拠など用意できるはずもないのだから。

 結果、自分の立場すら秘匿している彼女が、俺の事を誰かにバラす意味が無い。それは合理性のかけらもないただの無駄だ。それどころかデメリットしかないだろうに。

 

 実際彼女もまた、魔法少女という異端なのに、俺が宇宙人というのを信じなかった。

 なので見せてやったのだ。普段は隠している田中一族の身体的特徴を。

 そう、イケメンにマッチする尖った耳を。

 完璧なシンメトリーで、鈴木の変態女からもチャームポイントであるとの太鼓判を貰った。

 マミはそれをにぎにぎと触り、漸く信じたのだ。

 

 ところがだ。問題はその後である。

 翌日からマミは中学校とか言う教育機関が終わると、毎日うちに来るようになった。

 あまつさえ自宅マンションから小物や服なんか持ってきて、うちで空いてる部屋にどんどん詰めていく。

 さらには使い方のよく分からない料理道具なんかも持ってきて、毎日のようにケーキを焼いてくるのだ。

 とても美味い。

 

 まあとりあえず、この見滝原市における白い悪魔駆逐の為に動き始めた俺だが、イレギュラーとは言え、被害者を味方に付けられた事を考えると状況はそれほど悪くはない。

 まあとにかく、そういう経緯でマミはうちの住人になったのである。

 

 で、話を戻そう。

 そうは言ってもだ、現地住人になりすまし生きるには通貨が必要になる。

 ゆえに今日も仕事に勤しんでいるのだが、今月に入り車検の依頼が増えた。

 依頼者には代車を渡してあるので数日間の猶予を貰い、ある程度纏めて処理していく。

 

 よく車検の広告を見ると十万円前後の金がかかるように見えるが、実際は車検自体の価格はゴミみたいな料金だ。

 まず自動車の車検は、法令点検を受けた上で検査場に行き、無数にある点検項目が実際に問題無いかのチェックを受ける。

 受付を終えて自分の順番になると、決められたレーンに並ばされ、そこでライトやクラクション、ブレーキパット、タイヤの空気圧なんかをチェックされる。

 問題無ければ進む事ができ、次に検査官が待っている場所に行き、いくつかのポイント事にチェックをされ、書類に全て合格の印鑑を貰う事が出来れば無事車検が通る。

 

 そしてそれに掛る費用は5千円以下の事務手数料だけだ。

 規定の書類に必要事項を記入し、そこに指定金額の印紙を貼る。これだけ。

 そのほかにかかるのは、自賠責保険の費用と、自動車の税金である。

 なので普通乗用車なら5~7万円で終わるだろう。

 

 なので10万オーバーの見積もりを出すところは概ね、彼らの利益分なのだ。

 うちの場合は資格を捏造しているから、点検をうちの工場で賄える。

 だから車検にかかる実費と、微々たる利益を頂く。

 まあ勿論、法令点検を俺が行っている関係で、すり減ったブレーキパッドやオイルや特殊な液体と言った水関係、後は消耗品等、修理や充填が必要な部分があればその都度かかるけれどな。

 

 さて今日はマミは学校を休んでいる。

 なんでも開校記念日とやらで全体が休みらしい。

 なら友人と遊びに行けばいいと言ったのだが、俺の仕事に付いて行きたいというのだ。

 一応何度か断ったんだけどな。ホント退屈だし。

 だって向こうですることって、書類を提出したら後は待っている時間の方が長いのだから。

 

 現地はとにかくオッサンだらけだ。

 若者がいてもヤンキーしかいない。

 それに女性もほとんどいない。

 まあいるはいるが、カウンターの向こうの職員だな。

 女性と言うには年齢が高い感じの。

 

 そんな場所にマミが座ってたら目立つ目立つ。

 多分だけど彼女、その辺にいる同じ年の女の子よりも整った容姿をしてるんじゃなかろうか。

 鈴木一族に近い見た目だもの。……へ、変態じゃないよな?

 まあだから来るなと言ってるんだが、どうにも強情でな。

 なんで諦めた。来て退屈とか言ったらさすがのジョニーも怒るよ?

 

 結局その日、俺の仕事が終わったのが15時過ぎで、完全にランチの時間は過ぎていた。

 それでもずっと黙る事無く楽しそうに話し続けたマミは凄いと思うんだ。

 目をキラキラさせながら心底楽しそうに話す。

 まあこっちも退屈をしのげたし、帰り道で見つけた素敵な店で飯を奢ってやった。

 

 地球に来た俺は、最高の食事に出会ったからな。

 ヨシノヤのギュウドンだ。

 ただこの日入ったのは似てるけど別の店、スキヤだ。

 カレーとギュウのアイガケは最高だったと言っておこう。

 

 そこで向かい合ってマミとランチをしていたのだが、マミに俺は聞いたのだ。

 どうしてこんなオッサンに懐いてんだお前って。単純に不思議だったからな。

 まあ俺の実年齢はさておき、イケメンであっても容姿は20代半ばくらいで固定されているからな。

 で、マミは15歳になるらしいから、普通は親子みたいな感覚じゃあないのだろうか? ふとそう思ったのだ。

 

 そしたらマミは、また激しく震える声になってさ。

 じっと見ていたらやがて言ったのだ。

 ジョニーさんが好きなんですって。

 

 なるほど、これは求愛行動である。

 そう理解した。

 ここで俺はピーンと来た。

 

 そもそも俺が目論んでいたラブラブパワー収集の為に、現地被害者を利用する計画。

 それって要は恋仲になれば解決するって意味で考えていたと。

 決してこれは地球の生活が楽しいから忘れていた訳では断じてない。ちょっと油断しただけだ。

 

 そう理解し、改めてマミを見てみた。

 既に食事は終わり、車に戻っていたからな。

 シンプルな白いシャツにひらひらしたプリーツスカート。

 ひざ下まである乗馬ブーツにベレー帽。

 首元には銀色のリングで留めたスカーフが巻かれている今日の彼女の服装。

 

 うん、似合っているし綺麗だとは思うよ。

 助けた時に見た彼女の身体が豊満だったし。

 あれ、これはもしかして俺の第二の目的である嫁探しもクリアしているのでは?

 彼女は綺麗だが変態ではなさそうだし、ならハレンチな手つなぎ公園デートもできるのでは?

 なるほど、本懐である。

 

 だから俺はナノマシンの制限を切ったのだ。

 そして助手席に座り、何かの返事を待っているマミを抱き寄せた。

 目を白黒させながら早口で謎の言語を話すマミ。

 それを無視して俺は彼女の耳に唇を寄せ、こう言ったのだ。

 

「マミ、あの時見た君の胸、最高だったよ。もっと見せて欲しい」ってね。

 

 その後、俺たちは恋人になったが、この時はマミにグーで殴られたのだ。

 まったく、地球人の女は複雑だね。

 そう思う俺であった。

 

 




Tips!
ジョニー田中はレオナルド・ディ〇プリオ風のイケメンらしい。
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