まどマギでエロ主   作:朧月夜(二次)/漆間鰯太郎(一次)

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いつも元気な女の子がしゅんとしてる所は捗る

「くっそ、タマネギの汁めっ! これどうにかならんのか……」

「ええージョニーさん宇宙人で発明家なのにそれくらいどうにかできないの?」

「いや出来るよ。その成分を廃除すればいいんだからさ。でもさやかお前、それでいいのか? この苦労があってこそ、完成した時の感動も大きくなるってもんよ」

「そんなもんですかねーあたしはそれでも涙が出ない方が良いと思うよ?」

「ハッ! だからフラれんだよおめーは」

「言ったなァ! いまのさやかちゃんの禁句を! もっと労われー! 甘やかせ―!」

 

 え? 何してるかって? 料理だよ料理。

 せっかくアジトのキッチンも良い奴にしたのに使わないのは勿体ないだろう?

 マミはまどかたちとショッピングセンターでお買い物だとよ。

 荷物持ちに行くか? と言ったんだが、男の前では買い辛い物もあるのよ、察してだってさ。

 深くは突っ込むまい。

 

 そしたらさやかが一人でやってきた。

 制服姿でさ。

 ってかここの中学の制服おかしくね?

 なんというか絶対領域だっけ? そう言うの狙ってデザインしてるよな。

 なんなのこの学校。生徒が性犯罪被害に遭ったらどうするの?

 まあいい。

 

 さやかが一人で来たのは俺に相談があるかららしい。

 なんでも、ずっと好きだった男に告白しようかどうか迷っていたら、同級生の女にさくっと寝取られたーってさ。

 いやお前、告白もしてないのに寝取られも何もねーじゃん。

 ヘタレてたらトンビに油揚げ攫われただけじゃん。

 このたわけものが。

 

 まあ言うてほむらから聞くにこいつは魔法少女になった挙句、魔女にもなるらしいから?

 それも男にフラれたきっかけ言うてたし。

 ならこの一件がそうなんだろ。

 だからまあ面倒臭いっちゃー臭いが、話だけは聞いてみた。

 

 なんつーか地球人の生態について学習は済んでいるからその辺はどうすればいいかは解る。

 結局この手の失恋話ってさ、本人が折り合いつけなきゃ終わんないんだ。

 相談って体をとってはいるけど、答えが欲しい訳じゃない。

 

 自分が無様に負けたって事実は本人が一番よく分かっているだろうしさ。

 となると相談役が出来るのは、ただ本人が言う事無くなるまで吐きださせるだけだろうさ。

 だからまあ俺もうんうん相槌を打ちながらソファに並んで話を聞いてたわ。

 

 泣く喚くキレる泣く自嘲するキレる泣く……ってローテーションの後、俺の胸に縋って好きだったのーって叫んで終了。

 まあ女は失恋するたびに綺麗になるって言うしなってアドバイスすると、そうだねって笑ってた。

 これでまあ彼女もふっきれ……はしないだろうが、折り合いはついただろう。

 

 彼女にも既に俺の素性や目的は知っている訳で、彼女が魔法少女になる事は無いだろう。

 関係者には徐々に情報を開示しているからな。

 ほむらは予定が狂う事が怖いと慎重派ムーブだが、まあ拗れたら最悪、記憶ごと消してしまえばいいし。

 

 さやかに関してはほむらの証言から考えると、少々放置は出来なかった。

 こいつ、恐らく表面上は納得していても衝動で突っ走る系のようだしな。

 なので先にネタバレして、友人たちに迷惑かけたいか? と情に訴えたのだ。

 悪辣な事ね、とほむらが苦笑いしていたが、俺に出会う前のお前の鬼畜さよりマシだろ。

 

 まーそんな訳で今日はさやかへの色々なネタバレに関するアフターフォロー中って感じだな。

 となればいつまでも御通夜みたいな雰囲気は勘弁って訳で、気分転換をする事にした。

 

「さやか、こういう時は何やっても元気になんかなれねーよ。だからさ、ヤケ喰いしようぜ?」

 

 俺は彼女にそう言った。

 さやかは笑って、暴飲暴食した後に、増えた体重をどうするか悩めば気分転換になりそうだねって笑ったのである。

 そして俺たちは近所の商店街に行き、大きなエコバッグ2つがパンパンになるほどの大量の食材を購入して戻ってきたのだ。

 因みに合計は5万7千円。買い過ぎにも程があるわ。

 

 さて料理の方だが、そもそもこの物件、元々は何かの工場だったから無駄に広い。

 そこに色々手を入れて車のピットが2台分と、板金塗装エリアを作り、吹き抜けだった上の空間に床を作って住居スペースを作っている。

 なのでそこの間取りだけで言えば大きなリビングに同じく大きなキッチン、2坪タイプの浴槽のあるバスルーム等の水回り、寝室にできる部屋が3つって言う感じだ。

 

 キッチンはアイランドキッチンで、何人かが一緒に立っても余裕がある。

 その作業台で俺とさやかは並んで料理をしていたのだ。

 さやかはハンバーグの種を必死にこね、俺はその横で野菜を刻んでいる。

 

 実はこういうアナログな料理ってのに憧れていたのだ。

 何故かと言えば宇宙船では基本的に火は厳禁だ。

 可燃物質が多いし、船内の空気を無駄遣いしたくない。

 なので圧縮料理がポピュラーなのだ。

 

 圧縮料理とは、田中パイセンの一人が開発した発明品で、今や銀河共和国では一大シェアを誇る携帯用料理だ。

 たしか軍でも既存のレーションを押しのけて採用してるとか。

 これはそれなりのグレードの料理屋のメニューをそのままナノサイズまで圧縮保管し、任意のタイミングで専用の器具を通すと、作った時のまま元に戻る。

 なのでどんな環境にいても出来たての熱々料理が楽しめるって訳。

 食べ終わったケースは、また専用器具をつかってナノサイズのゴミにし、廃棄物入れにぽいーである。

 

 それらは確かに美味いんだけど、所詮は余所行きの料理なんだよね。

 毎日外食できますか? 普通は飽きますって。

 ってなわけで、どこかの惑星に腰を落ち着けられる時間的余裕がある時は、俺たちは料理をするのだ。

 

「ねえジョニーさん。こんなに大量のハンバーグ作ってどうするの?」

「んーまあハンバーグとして食べる。衣をつけて揚げてメンチカツにする。そしてとあるメニューの上に載せる、その3つに使うからな。メンチカツは余れば保存して後日食べる。まあマミたちが戻ってきたらあいつらも喰うだろ」

 

 実際あいつらは年頃の女の子だけれども、成長期だからか結構食うんだよな。

 マミは食後に体重計と睨めっこしてるが。

 

「へーなんか意外だなあ。この前みんなで月に連れてって貰ったし、ジョニーさんが宇宙人ってのは信じてるけどさ、なーんか妙に庶民的だよね」

「お前は宇宙人をなんだと思ってんだ。宇宙人ってのはお前らの主観だろ? 俺からすればお前らが宇宙人だわ」

「あ、そっか。だから考え方も違ってトーゼンってわけ?」

「その通り。考えてもみろ。お前もお前の親友のまどかも同じ人間で日本人だろ?」

「当たり前でしょ?」

「そうだ、当たり前だ。でもだ、お前と、そうだな、まどかの弟でもいいし、まどかの母親でもいいが、同じ人間だが考え方も普段の生活も違うだろう?」

「それこそ当たり前だよ。絢子さんはバリバリのキャリアでカッコいい女の見本みたいな人だし、タクヤはまだ子供じゃん」

 

 大した考えもせずノータイムで返事をするさやかの額を小突く。

 

「まあ、そこがお前の限界だよな……うん、さやかちゃんはかわいいでちゅね~」

「くおっ、馬鹿にしてー! ど、どういう事なのさ」

「あのな、俺が何を言わんとしているか、もう少し頭を使ってみろ。いいか、この話で大事なのは、同じ人種であっても、産まれた時間が違うと当然、オツムの中身も考え方も変わるって言いたいの。お前らの言葉で”三つ子の魂百まで”ってのがあるだろう? あれって要は、ガキの頃の環境で性格や思考アルゴリズムが決まって、その後年齢を重ねても中々変えられないって事だろうが」

「あーうん、そう言う言葉あった、かなあ?」

 

 これ絶対に分かってねーな。

 日本の故事成語とかことわざって結構的を射たエピソードが多いから本を買ってまで情報を仕入れたのに。

 さやかお前は日本人だろーが。

 こいつの成績大丈夫なんだろうか……。

 

「おいおい。まあお前のポンコツはさておき、つまりはな? その時代特有のトレンドや風潮ってのは流行り廃りが常でさ、絢子さんとやらの子供の頃に当たり前だったことが、お前の年齢だとそうじゃない

って事は往々にしてある訳だ。お前とタツヤでもそうだろ」

「うん、うん……当たり前だよね?」

「そうだ当たり前だ。でもさ、同じ人間って割りに随分と差があるわな」

 

 結局のところ、生物の一番の敵は時間なんだ。

 寿命ってのも基本的に種族依存だから長生きしても大きな差はないし、逆に不慮の事故であっさり死ぬこともある。

 それに常識ってやつは親や周囲がどう教育するかで全然違うのだ。

 

 例えばアメリカ合衆国は自由の国なんて言われているが、広大な国土全てがそうじゃない。

 そうだな、保守層の多い田舎だとガッチガチのプロテスタントの教えが生活習慣になっていて、婚前交渉なんてバレたら酷いと袋叩きに遭う程だ。

 そう言う地域では進化論を学校で教わらない。

 だって神が作りたもうた世界で、神秘的な奇跡を学問で解明されたら教義の矛盾が出るからな。

 だからセイレムの魔女裁判なんてのが起こったりするわけだ。

 

 そう言う所で育った人間が、リベラルな人間とは絶対にソリが合わない。

 これはどっちが悪いって話じゃ無くて、どっちも自分の常識が普通で、他人が異端って違和感を持っているだけに過ぎないのだ。

 暴論だが教育なんて一種の洗脳だ。

 ガキのうちに仕込まれたら違和感を覚える余地すらない。

 そんな話をしてる訳だが、さやかは首を傾げてら。 

 

「むっずかしいなあ。でもなんとなくわかったかも。あたしが他人を羨んでも、同じにはなれないって感じ?」

「ま、当たらずとも遠からずって感じだな。だからまあ、うん、お前はお前でしかないって事だ」

「なーに? 慰めてくれてるの? ん? ん?」

 

 ニヤリと笑って突いてくるんじゃあない。

 

「煩いなあ。ほら手が止まっているぞ。ちゃんと乳化して色が白っぽくなるまでこねろ」

「あははっ、柄にもないことして照れてやんの。マミさんに教えてやろっ…………でも、ありがと」

「いいからこねろこねろ。氷足すぞ」

「うげーっ手の先までジンジンしてるのにー!」

 

 ふはは、冷たかろう?

 ハンバーグの種は人の体温はあまりよろしくない。

 なので氷を入れたボウルの中にボウルをいれ、その中でコネコネしてるって訳。

 とりあえずこんなもんでいいか。

 

 オレがこねているのはかなり粗く引いた牛肉オンリー。

 さやかがこねているのは合い挽きのだ。

 まあ好みの問題だが、どっちもおいしいと思う。

 

「さって成型するぞ。ぽんこつさやかに見本を見せてやろう」

「ぐぬぬ、あ、あたしだって料理くらいできらぁ!」

「ほほう、ならば今からどっちが先に終わるか勝負だな」

「ふふーん、ジョニーさん、吠え面かくなよぉ~?」

「言ってろ。さあスタートだ」

「おー!」

 

 こねる。超こねる。

 おにぎり大に掴んだタネをパンパン言わせて小判型に。

 焼くときに破裂しない様に真ん中を少し凹ませて。

 いいぜー、超まとめるぜー。

 

「ねえジョニーさん」

「んー?」

「ジョニーさんってマミさんとかまどかを手籠めにする鬼畜だよね?」

「言い方。どっちもきちんと平等に可愛がってるぞ?」

「ううーん……あたしたちの常識だと中々抵抗のある状態なんだけどね、まいいや。宇宙人だし」

 

 さやかが手元を見たままそう言った。

 横顔を見れば割と真剣。

 お、シリアスですか?

 

「で? なんだよ」

「うーんっと、失恋したあたしが言うのもアレなんだけど、恋愛ってなんなのかなーって思ってさ」

「哲学かな? まあ、うーんなんだろ。田中一族と地球人に共通点があるかは知らんけどそうだな……結局のところ、そいつを独占してしばりつけたいってエゴじゃねえの?」

「えっ?! そんな感じなの?」

 

 目を丸くして驚くさやか。

 そんな驚く事か?

 

「んー、俺に正解は知らんけど、マミもまどかも俺のもんだって思ってるからな。それを他人が構ったら気分悪いだろ。そら始まりは淡くて甘くてみたいなアレはあるんだろうが、突き詰めたら自分のもんだって独占欲が一番なんだよな」

「へー意外だあ! ジョニーさんフザけたりしてる事多いじゃん! 普段はきちんとした大人なのは知ってるけど、その辺は子供っぽいんだね」

「まあ俺がそう思ってて、それが俺の好きだからな。大人とか子供とかどうでもいいだろって思うんだな」

 

 突き詰めると恋愛に限らず、個人の考え方なんてのはまさに千差万別だろうよ。

 こればっかりは本人が持つ性質って話だからさ。

 ここに対して自分の考え方に同調させようとする事自体がナンセンスというか時間の無駄なんだよな。

 だってそもそも折り合うはずがないんだから。

 

「うーん……むっずかしいなあ。じゃあマミさんのどこが好きなの?」

「おっぱい」

「…………はっ?」

「だからおっぱい。おっぱいはいいぞ」

「お、おう。えっ、ホントに?」

 

 さやかがズッコケる。

 なんと古典的なリアクションだと感動した。

 

「いやまあ、他にもあるよそりゃ。依存体質で重たいけど寂しがりやで甘えん坊なとことかさ、散々食った癖に体重計に乗って唸ってるとことか、縦ロールとか。でもマミのおっぱいは最高なんだよ」

「は、はあ……宇宙人の感性はさやかちゃんには早すぎたなぁ……じゃ、じゃあまどかは? まどかはマミさんみたいにお、おっぱ、その胸大きくないよ?」

「小さくてもそれはそれで趣があるんだよなぁ……。まどかの場合はそうだな、実は承認欲求強い癖に内罰的だから一生懸命外面を保っているけど、いま甘えてもいいんだよって言うとキャラ崩壊レベルで際限なく甘えてくるとこかな。あれだ、犬みたいで可愛い」

「お、おう……あれだね、親友の意外過ぎる一面を本人以外から聞くのって中々複雑だなぁ……あーでも犬か、なんかこう、解る気がする。寂しそうなオーラ出している時に話しかけると、尻尾がブンブンしている姿が目に浮かぶもん!」

「それな」

 

 その後は何故かさやかによる可愛いまどか論が延々と披露され、それに対し俺が友人でも知らないまどかの可愛い所ランキングでカウンターを打ち、最後はマミが時折自爆してキャラ崩壊する姿は至高と言う部分で俺達は固い握手を交わしたのだ。

 

 そしてマミ達が帰ってきた所で暴飲暴食パーティを行った。

 各種ハンバーグについでに作っていたクラムチャウダー。

 さらにはネットで見た北海道の田舎町で有名なB級グルメ、カツスパ。

 それがテーブルの上にズンッ! と山盛り。

 

 たじろぐ少女達だが、悲しみのパワーでわしわしとヤケ喰いするさやかに釣られて結局は全員喰いまくった。

 因みにカツスパは本家とは違い、トンカツでは無くメンチカツだ。

 熱々ミートソースに少し延びたくらいの太麺スパ。そこに熱々カツのマリアージュ。

 控えめに言って最高である。

 

 そして少女達はこれから増えるだろう体重への恐ろしさに青い顔で帰っていた。

 で、マミだが、震え声でこれはいつもより運動をしなければと崩れ落ちた。

 その晩集まったラブラブパワーは普段の数倍だった事をここに記しておく。




Tips!
前に旅行で行った北海道の釧路市。
ご当地グルメのカツスパを”子供だましかよwww”と食べた結果、今では自宅でも作ってます。
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