「自分も武器が欲しい?」ボソボソ
「うん。俺、魔術が使えないからもしもの時に使えたらなと。」ボソボソ
はーい。前回実はうっかり融合してしまった華凛霧香です。休憩時間も終わり大聖杯にレッツラゴーをしています。その時に立香君に相談があると最後尾でボソボソ話すのでした。
彼いわく自分は魔術師では無く一般人なので魔力がかなり少ないらしく魔術が使えないというよりかは礼装とやらで補っているとのことだった。つまりはだ、彼自身守られているだけでは申し訳ないらしいので自分のできる範囲内でやれる事はやりたいらしいんだが、彼の膝が震えているのが分かる。怖い何故こんな目にというのが伝わってきた。昔の私と一緒だ、無知で純粋な頃に妖怪と戦えと言われて化け物屋敷に放り込まれた私と。だからなのか力を貸してやることにした。
「ん。」
「拳、銃?姉さんこれは?」
「立香。君は確かに弱いだけどそれと同じくらい強いんだ。」
「矛盾してるよ霧香姉さん。」
「それでいい。立香はそれでいいんだ。拳銃に君の想いを込めて撃ってごらん大丈夫これは普通の拳銃とは違うからサーヴァントにも効くから。いざという時に使えばいい。あ、弾はないからね。」
立香は少し戸惑いながらも拳銃をポケットにしまう。ま、私からの餞別だからな。私のお古だけど…というより金属バットより日本刀が良かったよまったく。
いつのまにか前との距離が離れてしまいマシュと所長にはーやーくーと連呼されることになりました。そして少し歩くと大聖杯の場所に着いた。なーんにもなかったけどねwいやあったはいたの方がいいのか、セイバーがいましたよ全くドス黒いことで、本当にやり方を間違えている哀しい奴。
「おう、セイバー邪魔するぜ。」
「お邪魔しまーす。そして一発殴らせろ。」
「ほう、生き返ったのか。元キャスターのマスター。で、そっちの宝具は、なるほど…」
「構えるがいい名の知れぬ娘。その守りが真実かどうかこの剣で確かめてやろう!」
そう言った瞬間マシュに攻撃してきた。かろうじて耐えるも多分やられるのは時間の問題だ。時間稼ぎにもならないかもしれないが前に出て問いかけた。そうこれは狂った戦争をやってきたやつにはピッタリだ。
「セイバー、あんたの目的教えてやろうか!」
「霧香!前に出たら危ないでしょう!早く下がりなさい!」
「なんだ答えてみろ異端のマスター。いや、妖怪殺しの通り名を持つ華凛家の者よ。」
「へぇ。表だったことをやってないのにその名が出るとはねぇ。ま、そんな事はどうでもいいけど。目的はね。」
「この時代の維持でしょ?ボクが気づかないとでも思ったの?」
「正解だ。だが貴様の言動には理解できない。何故身を滅ぼすやり方を選ぶ?」
みんなは息を飲んで私の方を見る。けど私は顔を変えない。だって知ってたから、見えてたから、これから私に起こる運命が。堂々と笑ってやろう答えてやろう。だってこれが私の生き様なのだから。と思ったところで抱きつかれた。立香に少し泣きながら、顔を服に押し付けて泣いていた。
「やっぱり死んじゃうじゃん。霧香姉さんずっと誤魔化してたよね。」
「…はぁ。立香戦え。いや戦いなさい。」
「ほらそうやって!」
「ボクはもう死んでいる!生きているのさえ奇跡!だから強く意思を持ちなさい!ボクひとりの犠牲にはきっと意味があったんだとボクは思う。それに。」
「立香、君の今やるべきことはなんだ!マシュを信じて一緒に戦うことだろう!」
いやー久しぶりに怒った気がするよ全く。青春だなぁ。それから頰をパチンと鳴らして再びセイバーに向き直る。マシュも顔をきっとさせる。そして彼は令呪を使おうとするも痛みで倒れてしまった。仕方ない私の出番かなと彼の前に立つ。セイバーは驚くが剣を持ち直し。そのまま攻撃体制に入った。
「キャスターいくよ。立香、マシュ私たちがお手本になるから覚えときなさい。」
「ああ、キリカ任せておけ!!」
「令呪をもって命ずる!マシュの援護をしなさい!マシュまだいける?」
「で、でも先輩が。」
「俺はこのくらいなんでもない大丈夫だから。」
ふーかっこいいこと言っちゃって私も胸がドキってなったわ!けどこれで大丈夫かな?立香、マスターらしい顔になってお姉さんはとっても嬉しいことですよ。と感激しているとマシュの背後にセイバーがきてクーのルーン魔法でふっとばされるも宝具の展開に入った。さすがにまずい。まずすぎるとは思ってはいないよ。何でって?だってあの2人ならきっと奇跡でも起こしちゃうんじゃない?だってあの2人は運命に選ばれているから。
「卑王鉄槌
「マスター…どうか指示を!」
「あの宝具を防ごう。いくぞマシュ!」
「仮想宝具擬似展開」
「とんだ美談ね。」
「オルガちゃんそれが彼らのいいところだよ。あと君もお疲れ様。」
「!私は何にもしてないわ。」
「いんや。君のおかげでもあるんだよね。マシュも立香も君がいなきゃできなかったことだってあった筈だ。あ、否定は結構。君はいろんなものを背負いすぎだから肩の力をらくーにって何で泣いて!」
「褒められたの始めてなのよ。ってレフ?」
振り返るといつのまにかことが終わっていて知らない奴が立っていた。けどとてつもないオーラを放っている。セイバーも居なくなってるしってあれ?セイバーを殴るのわ す れ て た。肝心のセイバーいない。いなくなった原因はレフというやろう。うん。殴らせろ。
「オルガちゃん。あいつに近寄っちゃダメだよ。」
「レフは味方よ!ってさっきからオルガちゃんって言ってるのよ!」
所長の言うことを聞かずに思いっきり助走をつけて一直線に走り出す。前方よし、後方よし相手は気づいていない。うん大丈夫だ。みーんなーあっぶないよー!足にありったけの力を込めて飛びそのまま重力に逆らわずにドロップキックをお見舞いしてやった。
「テメェのせいでセイバーに一発殴れなかったじゃんか!死んで詫びろ!」
「グハァ!」
「「「「ええええええーーーーー!」」」」
せっかくのシリアスをぶち壊して幕を閉じるのだった。
霧香姉さん呼び
「ねえ何でボクのこと姉さんって呼ぶの?」
霧香姉さんは急に聞いてきた。何でかって?そりゃあ1つしかないじゃん!
「俺一人っ子だったからお姉ちゃんかお兄ちゃんが欲しかったんだよねだからかな?」
「ま、いいか」