結城友奈は勇者である セガサターン、シロ!の章 作:うりぼーノック
サイト内の数多くのゆゆゆ作品に影響されて、私も何か書きたい!という思いで書いてみました。
とりあえず暇つぶし程度にでも読んでみてくださると、とても嬉しいです。
神世紀298年。鷲尾須美、三ノ輪銀、乃木園子の三人は、「神樹」と呼ばれる神様によって、人類を守る勇者に選ばれた。
戦うべき相手はバーテックスと呼ばれる、異形の者たち。彼らから人類最後の安住の場である四国を守る通すことが勇者の使命であった。
トレーニングを積み、敵と戦う。言うは容易いが行うのは難しい。連携も、ようやく取れてきた、といった具合であった。
そんな中で彼女たちは強化合宿に臨むこととなった。厳しい訓練の数々を、少女たちは苦労しながらもこなしていく。
そんな時であった。彼女たちの前に、一人の男が現れた。その男は彼女たちに定められた運命を変える力を持った男であった。
本来彼女たちの運命と交わることはないはずの男、その正体とは――――――!
「よし、あと少し!園子、突っ込むぞ!」
「え、ちょっと速いよ、ミノさん~!」
「銀!そのっち!前に出過ぎると、こちらからの援護が間に合わなく……!」
間髪なく打ち出されてくるボールを避けながら、三人の少女たちが進む。目標までの距離はあとわずかと見た銀が、スピードを上げて突っ込んでいく。
しかしその動きに盾となっていた園子が、そして距離が離れたところから援護をしていた須美が間に合わず―――――
「うぎゃっ!?」
あえなく銀はボールで顔面を強打してしまった。
「三人とも、しっかりしなさい!」
「ぐぐぐ……難しー!」
「ご、ごめ~ん、ミノさん~……タイミングを外しちゃった……」
「銀!一人で突っ込まないの! 私やそのっちのフォローを待って……!」
檄を飛ばす安芸を余所に、三人はそれぞれの言葉で、巧くこなせない訓練へのいら立ちを吐露する。
「さぁ、もう一回よ!」
安芸の言葉で、それぞれが元の立ち位置に戻っていく――――というところで、園子が砂に足を取られてわずかにふらついた。
「わわっ!?」
「園子!?」
僅かなタイムラグ。その間に機械がボールの射出準備を終えてしまった。
「ま、まずい!」
「銀!そのっち!伏せて!」
慌てて機械を操作する安芸と、危機を伝える須美。しかし園子と銀が反応できる前に、ボールは彼女たちに向かって射出されてしまった!
「園子!」
とっさに園子をかばって前に出る銀。迫るボールに目を瞑るが――――来るはずの衝撃が何故か来ない。
恐る恐る銀が目を開けると、目の前には――――
「……ホームラン!」
白い道着姿の男が立っていた。
「……え、誰?」
「け、蹴りでボールを打ち返しちゃった……」
呆然とする銀と園子。どうやら彼女たちに迫りくるボールを、彼が蹴りで打ち返したようだった。
「……あ、バスが」
そしてそのボールは狙いすましたかのように、たどり着くべき目標であったバスを直撃、更には破壊していた。
あまりに事態に、須美は呆然とつぶやくことしかできない。
「大丈夫だったか、少女たちよ!」
「え、あ、ああ……大丈夫、です?」
力強く問いかける男に、銀は困惑交じりの返答をする。
「うむ、それはよかった!」
「お、おじさん……、でいいのかな?おじさんは誰?」
銀と同様に困惑していたが、園子は恐る恐る男へと問いかける。園子の問いに、男は腕を組んで目を閉じた。
「……己を愛し、己を信じ、己に勝つ」
「「え?」」
「遊びの道を極め、頂点に達した男! それが、俺、せがた三四郎なのだ!」
「せがた……」
「三四郎……?」
「ぎーん!そのっちー!」
「二人とも、大丈夫!?」
困惑が深まるばかりの二人のもとに、須美と安芸が駆け寄ってきた。そしてその二人も突然現れた男に困惑の表情を浮かべた。
安芸はやはり恐る恐る問いかける。
「あ、貴方が、二人を助けてくださったんですか……?」
「そうだ」
「お名前は……?」
「せがた、三四郎」
顔を見合わせる四人。そんな四人をお構いなしに、せがた三四郎は話を続ける。
「若者よ、真剣に取り組んでいるものがあるか!?」
「……は?」
「命がけで打ち込んでいるものがあるか!?」
「……お、お役目が」
「お役目? この修行に関連があることか?」
せがた三四郎の問いに、三人の勇者は顔を見合わせ……せっかくだから話してみることにした。銀と園子に至っては、この男に話してみたい、とも思っていた。
「成程……君たちは、人々を守る勇者という役目に命がけで打ち込んでいるのだな……素晴らしいぞ!」
「そ、そっかな……?」
感慨深げに頷くせがた三四郎に、銀が照れたように笑う。
「そしてこの訓練は、その役目の為ということだな!?」
「そうなんよ~……でも、難しくて……」
「…………」
とうとう園子までもが、せがた三四郎に慣れてしまったらしい。その事実に一人、須美が愕然とする。
(あ、安芸先生!安芸先生は……!)
おそらく自身と同じく、せがた三四郎をうさん臭く思っているはずの安芸の姿を探す。
が、見つけた安芸はちゃっかり、監督をするための椅子に戻っていた。ごめんのジェスチャーをされる。須美は絶望した。
そんな彼女を余所に、銀と園子はせがた三四郎と何やら盛り上がっている。そして、
「よし、今度こそ行ける気がするぞ!」
「うん!この訓練、クリアして見せるんよ~!」
「その意気だ!銀君に園子君!」
「え?」
おもむろに銀と園子が立ち上がり、武器を構えた。二人は定位置へと向かうと、須美へと声をかける
「行くぞ、須美!」
「先生~!訓練再開、お願いしま~す!」
「え?」
「「さぁ、行くぞ! 指が折れるまで!」」
「指!? え、ええ~……?」
困惑しながらも須美も定位置につき、武器を構える。せがた三四郎が見守る中、三人の再挑戦が始まる―――――!
「真っ赤に滾る勇者の血!」 ←銀
「脳天直撃~!」 ←園子
「「セガサターン、シロ!」」 ←銀&園子
「な、何なのよ~っ!?」 ←須美
妙なテンションでボールを捌いていく二人に、須美は混乱しながらも巧く連携をとっていく。
そして遂に目標地点に届いた銀を見て、せがた三四郎は満足そうに呟くのだった。
「せがたゲームチャート……勇者度満点!」
これは本来なら交わる事のない少女達と、一人の極めし男の話。
名前は、せがた三四郎。遊びの道に魂を込めた男であった。
「何なのよ、これ~!」
「やったな、須美!」
「わっしー、ミノさん!これからも一緒に勇者を極めるんよ~!」
困惑の思いを叫ぶ須美を余所に、銀と園子は須美の傍に駆け寄り、訓練の成功を喜び合うのだった。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
ゆゆゆ×せがた三四郎。とっくに誰かが書いている組み合わせでしょうけど、自分も書いてみたかったので投稿してみた次第です。
手元に資料がなさすぎるので、原作を再現できているか不安なところもあるのですが……そういう所は、バシバシと指摘してくださるとうれしいです。
この先も、勇者たちがいる場所に突如せがた三四郎が現れ、助けたり引っ掻き回したりする、というパターンで進行していく予定です。
その他には、死ぬキャラはいない、という事ぐらいしか決めていません。不安になってきた、どうしよう……。
次回は銀ちゃんがたましいを燃やす場面を書くと思います。つまり人命救助です、はい。
感想や誤字脱字の指摘、作品評価などをくださると嬉しいです。