「ということで、とりあえずは一回戦終了だね!!」
響のその言葉に、勝ったメンツは笑顔で、負けた面々は若干悔しそうに自らのデッキを弄っていた。
「しかし、勝った面々のデッキが凄まじいと言うべきか」
「先輩、こういうのは『頭おかしい』って言うんだろ」
「クリスちゃん酷くないかな?」
「なら一回勝った面々のデッキを考えてみろ!!」
そう言われて響は今回のデッキをそれぞれ思い出す。
まず第一試合、勝ったのは奏さんで、使用デッキは『炎王』を主体とした全破壊ブッパデッキ。しかも手札誘発系のカードが満載とかなり強力なデッキだった。
続けて第二試合、これの勝者は響自身で、使用デッキは『ジャンク・ウォリアー』を主体に『サイバー』、『ラー』を組み込んだ上限限界まで積み込んだデッキ。これで尚且つ『サイバー』主体としても動こうと思えばできるのだからその実力は未知数この上ない。
三試合目、勝者は響の嫁こと未来で、使用デッキは『サイバー・ダーク』。ほぼ毎ターンドロー&サーチを繰り返したうえで、最後は機械族のお約束の『パワー・ボンド』と『リミッター解除』でワンパンする、ある種響よりも脳筋なパワーデッキ。393だから仕方ない?それは言わないお約束だ。
四試合目、勝者はサンジェルマンで、使用デッキは『魔弾』を主体にした『エグゾディア』デッキ。特殊勝利は勿論、『一撃必殺!居合いドロー』という最強クラスのバーンカードも内蔵してるため、ロービートと思って嘗めてると痛い目に見るのは確実だ。
五試合目、勝者はカリオストロで、使用デッキは『BK』という漢女らしいというかなんというかなガチムチ脳筋戦士デッキ。これで『ベイル』といったカウンター手段も多く入れてるのだから、その持久能力は押してしかるべしだ。
六試合目の勝者はマリア。使ったデッキは『ムーンライト』とガングニール組では一番大人しいデッキだった。が、これまた全破壊やら効果の対象にならないやら二連打やらと何気に対処が面倒なデッキでもある。
七試合目は切歌が勝利。使ったデッキは『ガーディアン・デスサイズ』を内蔵した『インフェルノイド』。特殊召喚モンスター主体で、尚且つ通常召喚できるのが『エアトス』しか入ってないが、それでもワンキルできるほどの可能性を秘めてると言えなくはない。
八試合目、最後の試合では平行世界の響が勝った。使われたデッキは『闇属性』を主体にした『HERO』デッキ。基本的には『D・HERO』ではあるが、其の驚異の連鎖召喚能力は異常の極みで、火力トップが未来だとするなら、物量トップはこのデッキだろう。
「……なんていうか、以外と癖が濃い?」
『一番濃いのは響(立花)だ』
「うそーん!?」
全員から総突っ込みされるとは思ってなかったらしい。と、その時、
「--あらあら?なんだか面白そうなことやってるじゃない」
「!?」
「あわわわ、こ、この声は……」
響の後ろから聞こえてきた声に、響の方を見ていた人間は驚き、響もまさかというような震えた声をあげながら、まるで壊れかけの機械のように首を後ろに向ける。
そこにいたのは
「ハロー、響ちゃんたち?」
「り、了子さん!?」
櫻井理論でお馴染み、フィーネこと櫻井了子がにっこりと笑顔でその場に居たのだ。
「あわわわ……な、なんで了子さんがここに?」
「あらご挨拶ね、なんだか面白そうなことが起きてそうなのに、無視されちゃったから……お仲間引き連れて来ちゃった」
「お仲間?」
了子のその一言に一部のメンバー……特にF.I.S組とパヴァリア組が突然寒気に襲われたかのように震え出す。
その瞬間に響は悟った。了子さんが連れてきたのは間違いなく……
「おやおや……この英雄を無視するなんて酷いことをするのも居たものですね~」
「全く、懲罰ものだね、敵とつるむなんて」
声を聞けばすぐにわかる中の人が豪華な二人……Dr.ウェルとアダムの二人が文字通りいい笑顔でやって来た。
「なんて人達連れてきたんですか了子さぁぁぁぁぁん!!」
「あら?別に良いじゃない。お祭りは人数が多い方が楽しいものよ」
「楽しい以前に火山にクリスちゃんのミサイル突っ込んでますから!!」
実際二人の声を聞いた途端、切歌と調は気絶、マリアは現実逃避気味に体育座り、パヴァリアの三人など武装して部屋を壊して脱出しようとしていた。すぐに司令に取り押さえられたが。
「というわけで、私たちも入れて?」
「い、いや……今ちょうど一回戦終わったところで……人数もピッタリで……」
「ふーん、へぇ、そう」
と、勝ち残り組のくじをチラリと見ると、
「なら勝ち残った人の中からくじで選んで私達と戦えば良いのよ」
「え、ちょ!?」
「勿論私達が勝ったら、負けた人とそれぞれ交換して、そのメンバーで二回戦をするの。私達が負けたらそいつは大人しく元の世界に戻す」
詰まるところ、下剋上戦をさせろと暗に言ってる……というか全面的に言ってる了子に、蛇に睨まれたカエル、いや、シンフォギア抜きでラスボス三人に睨まれた響は
「……は、はい……ワカリマシタ」
ただ頷くしか無かった。
次回、誰特?ラスボストリオによる下剋上戦開幕(=作者が死ぬ