FINAL FANTASY XV -EPISODE HOPE-   作:びゃこ

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Chapter2.再起
Chapter2.再起①


  

「どういうことだよ!王都で交戦中って……」

「今朝方通信が入ったんだ。調印式で騒ぎがあったらしい」

「今回の調印式って、和平を結ぶためだったんだよね?」

「ああ。だが信頼できる筋からの情報だ。一体何が起こっているのか……」

 

 イグニスは考え込むそぶりを見せたが、そんなもの答えはわかりきっている。帝国の連中が裏切ったのだ。そうとしか考えられない。帝国が裏切ったに決まってるだろ、そう叫ぶと、プロンプトが肩をびくりと震わせた。

 

「う……ん。……そうだよね。でも、この辺りには王都襲撃の話なんて広まってない」

「だったら、確かめに行くっきゃねえだろ」

「ああ。危険かもしれないが……一度王都に戻るぞ」

 

 これが誤報であったなら、と思う。けれども、その可能性が低いことは俺たち全員が理解していた。王都へ来た道を引き返すレガリアの車内は、当然のように暗い雰囲気で静まり返ってしまっていた。

 

「見てよあれ!」

 

 王都へのゲートに近づくにつれ、数多くの帝国の飛空艇が飛び交う様子を確認できる。その上、王都へのゲートは帝国軍が占拠しており先に進むのはまず難しそうだった。

 ただ、少なくともこの時点で王都で交戦中であると言う情報は事実であると確定した。帝国め、と思わず呟くと、なぜだかやはりビクついた様子のプロンプトが口を開いた。

 

「とにかく、このまま突破するのは難しそうだよ。どうするの?」

「ひとまず外から様子を確認しよう。あの先の丘からインソムニアが見渡せるはずだ」

 

ゲート前の小道へと迂回して、王都を見渡すことのできる丘へと向かう。正面ゲートほどではないものの、帝国兵たちが辺りをうろついている様子だ。こいつら帝国の連中のせいで。そう思うと、召喚した武器を握る手に力が入った。

 辺りの帝国兵や魔導兵を倒しつつ、丘の上へと向かう。そこから王都の様子を見やると、魔法障壁が跡形もなく消え去ってしまっていることが真っ先に目についた。

 

「親父……!」

 

 魔法障壁は、ルシス代々の王の魔力で補われてきた王都インソムニアを守る絶対的な防壁だ。それが消えてしまっているという事は、当代の王──親父の身に何かがあったということに他ならなかった。魔法障壁もなく、上空は帝国の飛空艇で埋め尽くされている。これでは、交戦中というよりかは一方的な虐殺のようにしか思えない。

 どうにかして王都へ向かわなければ。どんな手段を使ってもいい。俺たちの故郷を破壊した帝国を許すわけにはいかない。俺たち4人でならやれるはずだ。やるしかないのだ。帝国に復讐をしなければ。

 そのとき、ポケットにしまっていた端末がぶるると震えた。一体誰がこんな時に!そう思いながら画面を見やると、そこには王都に残っていたはずのコルの番号が表示されている。慌てて通話に出ると、コルは落ち着いて様子でノクティス王子か、と問いかけてくる。

 

「そっちがかけてきたんだろ。それよりおい、王都はどうなってやがる!親父は無事なのか?!」

 

コルは、まずは落ち着け、と冷静に告げた。無茶を言うな、こんな状況で落ち着けるはずもないってのに。

 

『お前がその様子では任せるものも任せられないな。……今はどこにいる?』

「外だよ!ゲートが封鎖されてそっちに戻れない!任せるってなんの話だ、親父に何か──」

『分からないんだ』

 

はぁ? と声が上ずった。分からないって、何が。話の流れからするならば、それは。

 

『必ず詳細は伝える。王都の近くにいるのなら、今すぐそこを動け。何かあってからでは遅い』

「……どこへ行けばいい」

『先ずはハンマーヘッドへ向かえ。仔細はシドに伝える。俺は別件ですぐにでも動かなければならない』

 

今言えるのはこれだけだ、そう言い切られたことを最後に通話を切った。将軍からハンマーヘッドへ向かうように言われた。そう伝えると、友人たち3人はおもむろに頷いてレガリアの元へと丘を降り始めた。

 丘を下る途中、最後にと振り返って王都の方を見据える。必ずあの場所を、故郷を取り戻さなければならない。そう決意新たに、俺は3人の後を追った。

 

 

   *   *   *

 

 

 指示通りにハンマーヘッドへたどり着くと、シドニーが気遣った様子で声をかけてくる。じいじなら向こうだよ、とガレージの方を指す彼女にレガリアの整備を頼んでから、示されたガレージの方へ向かう。

 シドは、オレたちの姿を認めると、来たか、と小さく呟いた。

 

「……目的は、クリスタルと指輪を奪うことだった。停戦の意思もはじめからなかった」

 

 クリスタルと指輪。それらは、ルシスが今まで帝国からの襲撃を逃れられた力の源と言える存在だった。代々のルシス王も、親父も、指輪の力を通して王としての力を得ていたし、魔法障壁の起動ができていたのもクリスタルがあってこそだ。

 長年魔法障壁に阻まれルシス侵攻を阻まれてきた帝国が、ついにしびれを切らしたのだろう。それ故の調印式で、それ故のこの襲撃だった。

 

「何騙されてんだよ……」

「そう簡単に、騙されるものかよ。あいつは城で戦争したのさ。迎え撃ってやるつもりでな。だが……備えてはいたが、力及ばなかったってのが現実さ」

「なんで言い切れんだよ!」

 

 親父のことだって何も知らないくせに。そう続けると、シドはよく知ってるさと自嘲げに続けた。すぐ隣の棚の上に置かれた写真立てを指差した。そこに入れられた写真を見ると、親父を含めた4人組が写っているのがわかる。

 

「30年前、オレはあいつと旅をしたのさ。今のお前さんたちと同じようにな」

 

もう長いこと顔を合わせちゃいなかったがな、そう続けたシドは、コルからの伝言を告げた。コルは、一足先にこの近辺の王の墓所へと向かっているのだと言う。

 

「オレも伝言を頼まれただけでな。詳しい話は向こうから聞きな」

 

 すぐ近くに、ハンターたちが拠点とする宿営地もあるのだという。車の整備も終わったというシドニーに整備費を支払ってから、コルが向かったというその場所へと向かった。

 

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