カプ厨がていとくんに憑依転生しました   作:暗愚魯鈍

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今回から新章 英国異変編スタートです!少しギャグ成分あり(気休め程度)、ほぼシリアス真っしぐらです。そして最初はステイン要素。この作品は作者のカップリング欲で出来ています

祝☆気づいたら評価が50になってた!&祝☆100話!評価をしてくださった皆様ありがとうございます!お気に入りも気づけば800超え…評価をつけてくれた人達とお気に入り登録してくれた人達には感謝の言葉しかでません!これからもよろしくお願いします!

今日からテスト期間だぜ…ははは、テスト勉強頑張らなくちゃ(白目)


悪魔が潜む霧の都市

その船は英国を目指して海上を進んでいた。インド洋から出て、南大西洋に出て北上し北大西洋に到達し、真っ直ぐ英国へと船を進める。

 

「………………」

 

エスコフィエ号という豪華客船…本来は莫き本裏蔵の所有物だが垣根が借りパクしたのだ。そんな豪華客船の船上にて海風を当たっている白い修道服…歩く協会を着た少女 インデックスがいた。

 

「………見えてきたね」

 

インデックスの背後から声をかけたのはステイル=マグヌス。彼はインデックスの横に並ぶと視線の先に見える島国…英国を見据えた。

 

「……まさか、こんな形で戻ってくる事になるなんてね」

 

「……………そうだね」

 

英国は二人の生まれ故郷だ、だがとある事情で暫く帰っていなかった…いや、帰れなかった。帰ればあの女狐…ローラ=スチュワート。否、大悪魔 コロンゾンが待ち伏せているからだ。

 

だが、二人には…いや、二人だけではない。垣根も帆風も上条達もアレイスター達も…全員がエスコフィエ号に乗って英国へと目指していた。

 

「……………」

 

インデックスはただ黙って遠くに見える生まれ育った島国を見つめる。自分の生まれ育った故郷。楽しい思い出が詰まった場所、されど自分の記憶を奪った諸元の根源が住まう国でもある。

 

「……大丈夫さ」

 

ポンッと、ステイルのインデックスの肩に優しく手を下ろす

 

「僕が君を守るよ」

 

そう言って優しく笑いかけるステイル、その顔を見て安堵の顔を浮かべるインデックス。

 

「………うん!」

 

インデックスもステイルに笑いかける、インデックスの右手がステイルの左手を強く握った。

 

何故彼等が英国を目指しているのか、それは1日前に遡る

 

 

「ローラ=スチュワート…コロンゾンが何やら怪しい計画を立てている事が分かった」

 

窓のないビル、そこに垣根達超能力者やオティヌス達の様な学園都市の実力者、そしてインデックス達が集められていた。そこでアレイスターが右手に三つの赤い宝石を見せつけながらそんな事を言ったのだ。

 

「これは上里勢力の少女 烏丸 府蘭(からすま フラン)の頭頂部に埋め込まれていたルビー…ピジョン・ブラッドだ」

 

かつてコロンゾンは三羽の鳩の血で描かれた陣の中より現れた。その逸話を再現し彼女はコロンゾンの霊媒(アバター)としての役割を持っていた。

 

「入院中、冥土帰しがこれを見つけ私が霊的蹴たぐりのガンマナイフで取り除いたものだ。これを魔術で調べた結果、コロンゾンの思考の一部をサルベージ出来た」

 

府蘭は本人すら知らずにコロンゾンの霊媒となっていた訳だが、コロンゾンの思考の一部も府蘭の後頭部のピジョン・ブラッドに伝わっていたのだ。

 

「モ・アサイアの儀という謎の計画が進められているらしい。それが何かは分からないがロクでもない計画には違いない」

 

アレイスターは一呼吸ついてから、こう呟いた

 

「全員でコロンゾンの思惑をぶち壊そう。もう、これ以上あの悪魔の好きにはさせない」

 

アレイスターの言葉に全員が頷いた。

 

「これから英国にここにいる全員で突入する、すぐに用意をしてくれ」

 

『了解』

 

アレイスターはそう言うと転移の魔術を使ってその場から消える。他の面々もすぐに用意をする為に足早に立ち去っていく…その場には垣根と帆風のみ残っていた。

 

「……等々、コロンゾンの野郎とも決着をつける日が来たか」

 

「……ええ。漸く、ですわね」

 

帆風は目を瞑って思い出す、コロンゾンの殺気を浴びて恐怖で身動きが取れなかった自分。そんなコロンゾンと相対できる垣根が遠い場所に立っていると感じた日…彼に追いつく為に必死にもがき…漸く彼の隣に追いつき…等々コロンゾンとの戦う日がやって来たのだ。

 

「……頑張りましょう帝督さん」

 

「勿論だ」

 

二人は互いの目を見てそう言い合った、コロンゾンは強敵だ。これまでの敵の中でも最強格に入るだろう…だが、帆風と垣根は一切の不安はない。自分達二人なら勝てると信じていた。

 

 

 

エスコフィエ号は段々と陸地に近づいていく。もう英国の領土は目と鼻の先だ

 

「……ついたな」

 

船内の個室で本を読んでいた垣根はそう呟くと本を閉じ、窓から見える陸地を見る。彼は立ち上がると船の廊下を歩き船上を目指す。

 

「……さあ、今日で終わりにしようぜコロンゾン。テメェが何を企んでるか知らねえが…んなもん知らねえ。俺達がぶっ潰してやる」

 

そう決意を固めながら船上へ出ると、船上で風に当たっている帆風を見つける。

 

「よお」

 

「……あ、帝督さん」

 

垣根は帆風に声をかけ、彼女は垣根に気づく。垣根は帆風の横に並び立つ。

 

「……不安か?」

 

「いいえ、帝督さんと一緒なんですもの。不安な筈ありませんわ」

 

「……そうか」

 

そう短く会話をして二人はその緑色の瞳で英国を見据える。ここまで来るのに長かった。コロンゾンとの因縁は思えばインデックスと出会った時から始まっていた

 

「……思えばわたくしが強くなりたい、そう思ったのはコロンゾンと出会ったからでしたわね」

 

コロンゾンの殺意を当てられただけで萎縮して動けなかった頃の自分とは違う。あの日から強くなる為の修行を重ね、魔術にも足を踏み入れ、神の座へと辿り着いた。

 

「あの頃の弱いわたくしはもういません。今のわたくしは帝督さんと同じ場所で、横に立って戦える」

 

もうあの頃の自分とは違うのだ、と心の中で言い聞かせ帆風は横にいる垣根の手を握る。それを見て垣根は笑みを浮かべた。

 

「大丈夫さ、俺達なら…いや、()となら絶対にコロンゾンに勝てるさ」

 

「………ええ、そうですわね」

 

垣根と帆風は微笑みあって互いを見つめる。エスコフィエ号の速度が遅くなった…何処かの陸地に船を止めるのだろう。

 

「さあ行こう。最後の戦いの地にな」

 

「はい」

 

 

 

エスコフィエ号から降りた垣根達はロンドンを目指していた。エスコフィエ号の中に予め入れておいた移動用霊装 月輪神馬(フリムファクシ)という北欧神話の夜の女神ノートが騎乗する神馬の名を冠したマリアン特注の霊装。馬車も馬自体も純銀で出来ており、その速度はリニアモーターの速度を超える。

 

ただし、かなり目立つのが欠点だがその欠点を同じく北欧神話のジークフリードの所有物が一つ 透明マント 隠れ蓑(タルンカッペ)の伝承を元にしたステルス術式で姿を隠し、欠点をカバーしていた。

 

『さて、作戦を話そうか』

 

アレイスターは遠距離通信霊装を使って全員に指示を出す。今回英国侵入に駆り出された人材は垣根達は勿論のこと、アレイスターやオティヌス、メイザース、脳幹という学園都市最強メンバーにインデックスとステイル、神裂と元イギリス清教メンバー達だ。

 

『私達はこれから首都ロンドンへと向かう。だが、ロンドンに潜むコロンゾンの元へ向かうには三重四色の最結界を突破しなければならない』

 

三重四色の最結界、ロンドン全体を覆う最奥の防御結界。かつて連合王国は三つの派閥、四つの地域が複雑に重なり合う特異な領域だった。故に全く同じ座標に三重四色を配置することで、Aの道をBが塞ぐの繰り返しが折り重なっている。 簡単に言って仕舞えば凄まじく巨大な壁が行ったり来たりを繰り返しており、下手に触れてしまえば中空に引きずり込まれ、莫大極まるプレス機に押し潰される。

 

暗号化されている為、結界の解除は魔神であっても不可。最結界を張った者ですら解除不可という鬼畜仕様で入ったら押し潰されて即死という難関極まりない結界だ。

 

「……多分私の考察だと、土地や空間に染み付いた規律に現実の斥力を与えた感じ…日本でいう猿田彦とかみたいな道祖神に似てるけど…基本的には会員に組織の秘密を守らせるよう強制するギルドの参入だね」

 

インデックスはその三重四色の最結界について、そんな結論を出した。要するに国民性や地域性などの『部外者』を遠ざける結界ということだ。

 

『もうすぐイングランドーロンディニウム大要塞の外縁だ』

 

そんなアレイスターの声が響く、インデックスが乗っている月輪神馬にはステイルや神裂の他に上条と美琴、食蜂が乗っている。上条は幻想殺しで月輪神馬を破壊してしまわないように手袋をつけていた。

 

『どうやって三重四色の最結界を突破するかだが…これは簡単だ、結界のコアは処刑(ロンドン)塔にある』

 

処刑塔、数多の罪人達を幽閉し、処刑した血と拷問、怨嗟の施設。現在は表向きは観光名所として処刑設備や英国王室の宝石類を展示している…だが、裏では必要悪の教会(ネセサリウス)の魔術師の拘束施設となっており、未だに拷問や処刑を行い続けている。

 

『処刑塔に潜入し、コアを破壊する。その為にまず処刑塔に潜入するチームと王室派と騎士派に合流するチームに分かれる』

 

英国の三大勢力のうち、王室派と騎士派は学園都市の味方だ。清教派はコロンゾンの息がかかっている為、味方にはなってくれなさそうだがたかが普通の魔術師なぞ彼らの敵ではない。

 

「しかし、誰が処刑塔に潜入するのですか?あそこは選りすぐりの魔術師達が常備滞在している筈…」

 

神裂が誰が処刑塔に潜入するのかと考える。処刑塔は神裂ほどの戦闘力はないものの、ステイルなら苦戦しそうな魔術師が滞在してるのだ。誰を向かわせる気なのかと首を傾げたその時…

 

「勿論、この上条当麻達(バカップル)だ」

 

『え?』

 

通信霊装からではなく、インデックス達が乗っている馬車からアレイスターの声が響いた。かと思うと上条達の横腹を蹴られ、びょーんと馬車から転がり落ちていく上条達。

 

「「「げふっ!?」」」

 

顔面から地面にキッスした上条達、これは痛い。

 

「え!?か、上条当麻!?御坂美琴も食蜂操祈も大丈夫か!?」

 

ステイルが三人の心配をする、そしてステイルは驚きの目で三人を蹴り飛ばした張本人であるアレイスターの方を向く。

 

「何故彼らを蹴り落とした!?」

 

「言っただろう?処刑塔の結界のコアを破壊してもらうと。だから彼らには囮になってもらったのさ」

 

そう悪びれもなく答えるアレイスター、インデックス達は「こいつ…外道だ」と内心呟いた。

 

「さあ、頑張ってくれたまえ上条当麻、御坂美琴、食蜂操祈」

 

「「「ざけんな!!」」」

 

アレイスターに向けて中指を立てながら放送禁止用語を叫ぶ上条達、だが数秒後魔術師らしき複数人に取っ捕まってしまい、簀巻きにされて処刑塔までドナドナされて行った。人生て何が起こるか分かんないね。

 

「………アーメン」

 

「「……アーメン」」

 

インデックス達は哀れすぎる上条達(子羊)に祈りを捧げるのだった。

 

 

 

「……来たようね。アレイスター=クロウリー、そして垣根帝督(イレギュラー)

 

スコットランドのキャッスルロックと呼ばれる岩山に建てられた古代要塞 エディンバラ城の地下深くにある迷宮にローラ=スチュワート(コロンゾン)は歩いていた。

 

「目的の物は回収した。後は儀式場()だけだ」

 

そう言って暗闇の中で笑う大悪魔、彼女の長い金の髪が触手の様に蠢き、ある物を絡め取っていた。それは剣と冠、笏、運命(スクーン)の石…スコットランド版のカーテナとも呼べる四種の霊装 オナーズオブスコットランドを髪で運んでいた。

 

「私はお前達を歓迎するぞ。自ら死地に飛び込んで来た事にな」

 

そう言って大悪魔は笑う。それは嘲笑、愚者を上から見下ろす笑みだ。愛しい人を抱きしめる瞬間の如く両手を大きく広げコロンゾンはこう呟くのだ。

 

「ようこそ、霧と魔術と闘争の都ロンドンへ」

 

 

拘束、捕縛された上条達はアレイスターの企み通り処刑塔内部にいた

 

「「「アレイスター、いつか殺す」」」

 

ブツブツとアレイスターへの呪詛を呟く上条達、まあ結果としては三重四色の最結界のコアが隠された処刑塔に潜入できたが、もう少しマシな方法はなかったのかと上条達は思う。それはそれとしてアレイスターは殺す。

 

「おい!さっさと出ろ!拷問(取り調べ)の時間だ!」

 

「今なんて書いて取り調べて読んだ?」

 

看守…ビーフィーターの男がそう叫ぶと牢の鍵を開け、上条達を拷問室まで連れていく。ここで逃げてもいいがコアがどこにあるか分からない上、どれだけの敵がいるか分からないので今は大人しく従う事にした。

 

「ほら、ここが拷問室だ」

 

上条達が入ったのは壁に血がこびりついた部屋。中には赤い血が付着した処刑設備が無造作に置かれている…恐らくこの部屋自体が心理的に拷問する者を追い詰める仕組みなのだろう。

 

「やあ、君達が侵入者か。こんな忙しい時期に…全く、大変だ大変だ」

 

そんな事を言ったのはぶかぶかの修道服を身に纏う幼い少年。だが、この少年からは血の匂いがする。

 

「僕はニクス=エヴァーブラインド。必要悪の教会の魔術師さ。まあ、痛いのが嫌だったら手っ取り早く情報吐いてよ」

 

彼の片目はガラスで出来ていた。恐らく霊装の類なのだろう。彼は右手で片目からガラスの義眼を引っこ抜くと左手に用意しておいた鏡の義眼を装着する。

 

「これは浄瑠璃鏡。閻魔が死者の善悪を見極める、死者を裁く鏡。これで君達は嘘がつけない、何故ならこの義眼は全てを見通すのだから」

 

拘束椅子に捕らえられた上条達、そんな彼らに向けてそう嫌らしく笑うニクス。確かにそんな霊装があれば嘘など意味がなくなる。だが、ニクスは思い違いをしている。別に上条達は素直に拷問を受ける義理はないのだから。

 

「……ま、素直に拷問受ける気はねえし…終わらせるか」

 

「なに……?」

 

ニクスが首を傾げたその時だ、上条の手袋をはめていた右手からショッキングピンク、エメラルド、スカイブルー、レモンイエローの色彩を持つ鉤爪の生えた爬虫類の腕となった。

 

「……!?」

 

その右腕は拘束椅子を破壊し、美琴と食蜂達の拘束椅子を触れただけで分解、破壊する。ニクスはその光景を見て後方へ跳躍し上条を睨みつける。

 

「……その右腕…なんなのか分からないけどヤバそうだね。これは本気を出さないと大変だ大変だ」

 

そう呟きながら、彼は浄瑠璃鏡の義眼を抜き取り、蒼い宝石で出来た義眼を装着する。

 

「これはオーディン=イミテーション。君達の攻撃を予知する義眼さ…まあ、そっちの変な腕の奴の未来は何故か見えないけど」

 

オーディンは片目をミーミルの泉に捧げ、知識を得た。そしてミーミルの泉にはミーミルという賢き巨人がおり、その巨人が首だけになった時、オーディンはいつもミーミルに相談事をしたという。その逸話を再現し攻撃を予知する霊装と化しているのだが…上条には幻想殺しがある為、未来予知出来ない。

 

「ふむ、これもダメか…なら、これはどうだい?」

 

次に装着したのは紫色の宝石で出来た義眼。その名もメデューサ=アイズ。万物を恐怖で石の様に硬直させる魔眼で、本家本元の能力を再現した能力だ。

 

「石化せよ!」

 

その一言と共に美琴と食蜂の身体がまるで恐ろしい物を見たかの様に恐怖のあまり硬直する。だが上条には当然の如く効かず、その鉤爪をニクスへと振るい、ニクスはそれを回避する。

 

「これも効かないか!なら、これなら!」

 

そう言って次に装着したのは赤い宝石で出来た義眼だ。

 

「これは奥の手の一つ、アシュヴァッターマン=プライド。下等生物を支配しあらゆる悪しき者から身を守るマハーバーラタの英雄の一人の能力さ」

 

そう自慢げに魔眼について話すニクス、そしてカッと義眼を光らせて霊装の力を発揮しようとする。

 

「武具など不要、真の英雄は眼で殺す。てね。じゃあさっさと終わらせて…」

 

そうニクスが言いかけた瞬間、上条の四色の色彩を持つ爬虫類の腕が消え、代わりに七体の竜王が顕現した。

 

ーーーグギィガアアアアァァァ!ーーー

 

ーーーボオロロロロウウゥゥ!ーーー

 

ーーーグラギイイィィィ!ーーー

 

ーーーグラアアアアァァァァァ!ーーー

 

ーーーガギィアアアアア!ーーー

 

ーーーヴヴヴヴヴヴヴ…!ーーー

 

ーーーギィヤハハハハハ!ーーー

 

「………あ、無理だこれ」

 

七体のドラゴンを見てニクスは悟った。こんなの勝てる訳ないだろ、と。

 

直後、竜王達が処刑塔の壁を突き破り外への顔を覗かせた。その轟音と竜王の咆哮を聞いた魔術師達は怯え逃げ惑う。

 

「ありがとなドラゴン達。またなんかあったら呼ぶわ」

 

ーーーグギィガアアアアァァァ!ーーー

 

ーーーボオロロロロウウゥゥ!ーーー

 

ーーーグラギイイィィィ!ーーー

 

ーーーグラアアアアァァァァァ!ーーー

 

ーーーガギィアアアアア!ーーー

 

ーーーヴヴヴヴヴヴヴ…!ーーー

 

ーーーギィヤハハハハハ!ーーー

 

消えていく竜王達に手を振る上条、竜王達もリズミカルに首を振って消えていく。仲良いな〜と美琴と食蜂が思っていると拷問室(だった場所)にメガネをかけた女性が現れる。

 

「あらあら、ニクスさんはやられてしまった様ですわね。どうしましょうあるぷすちゃん?」

 

その姿だけ見るなら若奥様に見える女性は、太いリードの先に繋がれたあるぷすちゃんという赤錆色のゴツい回転刃(・・・)に話しかける。

 

「……え?妄想癖のあるヤベーおばさん?」

 

「失礼ですわね、ワタシはキュティア=バージンロード。こちらは私の自信作 あるぷすちゃんですわ」

 

彼女はキュティア=バージンロード。悪名が高すぎて国外に派遣できない程の実力者で単純な戦闘力ならステイル以上の実力者だ。

 

「さて、これだけ暴れたんですもの…これは拷問じゃなくて処刑ですわね。ねえあるぷすちゃん」

 

そう言って彼女はリードを握り、回転刃を宙に浮かす。上条の身体など豆腐よりも柔らかそうに切れるその刃は高速で回転しながら「待て」をされた犬の様に主人からの命令を待っている。

 

「ふふふ、この子にはロイヤルとセレブリティな恨みが凝縮しておりますわ…その切断力を身を以てご堪能あれ。代金は…貴方方の命です」

 

「穢れ」は適切に転化せることができれば特別な力を宿す。その理論を元にイギリスの王侯貴族のロイヤルでセレブリティな恨みを刀の錆で固めた刃に付加する…そして生まれたのがキュティアの自信作 あるぷすちゃんだ。

 

「さあ!GO!ですわ、あるぷすちゃん!」

 

待っていました、と言わんばかりに回転刃が上条達に襲いかかる。その刃は無情にも上条達を斬り裂…けなかった。

 

「甘いわ!」

 

金属音が鳴り響く、なんと美琴が砂鉄の剣を形成し回転刃を受け止めたのだ。

 

「な!?あるぷすちゃんを止めた!?」

 

呆気にとられるキュティア。実はこの処刑塔に来る前に上条達はそれぞれの懐に魔法瓶を隠していた。その中に入っているのは水ではなく砂鉄だ。この様な建物の中には当然ながら砂鉄はない。なら自分達で持ち歩けばいいじゃないという雑な策だ。因みに持ち物検査は看守達から受けたが食蜂がリモコンなしで洗脳をした為、バレなかった。

 

「回転する刃……ね、生憎私の砂鉄の剣もチェーンソーみたいに回転させてんのよ」

 

そう言いながら回転刃を弾き返す美琴、リードを引っ張って回転刃を戻すキュティア。美琴は懐から一枚のコインを取り出し、それを宙に飛ばす。

 

「ねえ……超電磁砲(レールガン)て知ってる?」

 

「な…………!?」

 

キュティアへと右手を向け、その右手に向けて落ちてきたコインを指で弾く。超電磁砲。彼女の能力の代名詞であり能力名でもあるその一撃は、真っ直ぐキュティアへと飛来する。彼女はそれを防ごうと何らかの行動を取ろうとして超電磁砲に飲み込まれた。そして先程の竜王達が大暴れした所為で倒壊しかけていた処刑塔にトドメを刺した。

 

 

「あ〜、やっちまったかこれ?」

 

上条が頭をポリポリと掻く。彼らは瓦礫の上…処刑塔だった建物の瓦礫の上に立っていた。超電磁砲で完全に倒壊した処刑塔。幸いな事に一般人は誰一人いなかったが、英国王室の宝石類が瓦礫の下に埋まっているだろう。いったい損害賠償いくらになるのかしら?うふふ。と白目を剥きかける上条達。

 

「あら、上条さん〜美琴ぉ〜。これじゃないかしら結界のコアて」

 

食蜂は瓦礫の中からあるものを見つける。それは大きな丸いボールで。半透明な四色の大きな球体の中に、また四色の半透明な球体が入っており、更にその球体の中に同じ色の小さい球体が入っていた。マトリョーシカの様なこの球体こそが結界のコアだと上条達は理解する

 

「意外とあっさり見つかったわね。これを守ってる番人とかいると思ったのに」

 

「そうねぇ、私もこんなに呆気なく見つけて意外力過ぎるんだゾ」

 

「まあ、いいじゃないか。さっさと壊そうぜ」

 

えーい、と上条が軽いノリで軽く球体を叩く。するとバリンと呆気なく砕ける球体。それと同時に圧が消えた気配がした。三重四色の最結界が崩壊したのだろう。

 

「しかし、誰も襲ってこなくなったな」

 

「ま、沢山襲って来られるよりはマシよ」

 

「それよりも早く皆と合流して、アレイスターさんをブン殴りたいんだゾ☆」

 

「「激しくその意見に同意」」

 

そう言いながら処刑塔(跡地)から立ち去っていく上条達。そんな彼らを遠くから見ていた真っ赤な色のスーツとドレスの中間のような派手な服を着た少女 フリーディア=ストライカーズとガクガク震えている魔術師達がいた

 

「………勝てる訳ないじゃん、あんなバケモン」

 

あんなバケモノとは戦えないと気絶したニクスとキュティアを担架で運んで逃げるフリーディア達。そんな魔術師達に気づく事なく上条達はアレイスター達がいる場所を目指すのだった。

 

 

 

「……結界が消えた様だな」

 

現在アレイスター達は月輪神馬から降りて、襲撃して来た魔術師達と交戦していた。アレイスターは三重四色の最結界が消滅したことを感じ取った。

 

「さあ。待っていろコロンゾン。今日がお前の最後の日だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ニクスさんは原作だとかませだったんで結構活躍させました。でも、かませなのは変わらず。仕方ないね、若奥様もあるぷすちゃんもかませ、仕方ないね

さあ、次回もイギリス清教の魔術時が沢山登場(予定)。更にまさかのあの霊装が思わぬ形で再登場!?

次回もお楽しみに!
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