カプ厨がていとくんに憑依転生しました   作:暗愚魯鈍

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今回はセト=テュポンの能力が遺憾無く発揮されます。そして今まで影だったステイルとインデックスが最後に活躍。そして謎の人物も登場します

呪術廻戦アニメ化するて知って驚いた、鬼滅といい、約ネバといい最近のジャンプは名作揃いですね。まあ、個人的には早く一月になってとあレーが見たいですけどね

そして今日からテストなので投稿が遅れます。ご了承下さい…てか、マジで英語と理科が自信ないんですけど(白目)。本当に…テストは嫌いだぜ


彼は姫君を守る騎士になりえるのか

ーーーウ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"ァ"ァ"ァ"

ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"!!ーーー

 

セト=テュポンが吠える。蛇やジャッカル、ツチブタなどの様々な動物達の首から大音声を響かせる。その咆哮が衝撃波となり周囲一帯のロンドンの建物を吹き飛ばし騎士派の騎士達を、味方である筈の清教派の魔術師達すら吹き飛ばした。

 

ーーーウ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"ァ"ァ"ァ"

ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"!!ーーー

 

声の衝撃波だけでなく、セト=テュポンは腕を横に大きく振るう。ただ、腕を振るっただけ、それだけで建物が薙ぎ払われ粉々に砕け、風圧で人が吹き飛ばされる。

 

「……ただ、動くだけでも災害レベルか」

 

あれだけの巨体だ、動くだけでも地震に匹敵する振動が、台風に匹敵する暴風が発生するのだろう。正しく天災の化身。そこにいるだけで脅威たる天災の如し、セト=テュポンは正に天災に知性が宿った存在に等しいだろう。

 

遥か昔から人間は天災には敵わなかった。そんな天災に人々は神として崇め讃えることで天災から逃れようとした…だが、この天災からは誰も逃れられない。セト=テュポンは敵も味方も区別なく平等にその力を振るい殲滅する。その結果世界が滅んだとしてもセト=テュポンは気にしない。ただ、「己と主人の邪魔をする者を排除せよ」。その契約(コマンド)に従い破壊の限りを尽くすだけだ。

 

「ま、好き勝手にはさせねえけどな」

 

垣根はそう呟いて一瞬で白いカブトムシ、白いトンボなどの自律兵器を数千体も製造し、超能力や魔術を実装させセト=テュポンへと向かわす。

 

ーーーウ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"ァ"ァ"ァ"

ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"!!ーーー

 

だがセト=テュポンは白い自律兵器達へと巨大な腕を振るう、それだけで頑強なカブトムシ達が砕けた。即座に再生する事が出来ないほど粉々に粉砕される。更に百の首から火炎を放射し自律兵器達を蒸発させる。

 

「……流石にカブトムシ達だけじゃ無理か」

 

とはいえカブトムシ達は決して弱くない。未元物質で構成された身体は並みの超能力や魔術では傷一つつかず、大抵の破損も未元物質の供給で即座に回復してしまう…幻想殺しや聖なる右、理想送り、魔神などの圧倒的な力を持つ能力や人物でしか完全に破壊する事は不可能だろう…それを単なる腕力や火炎で行えるセト=テュポンが規格外なだけだ。

 

ーーーウ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"ァ"ァ"ァ"

ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"!!!ーーー

 

そして百の首が伸びた、伸びた首はセト=テュポンから逃げる魔術師達や騎士達を狙っていた。

 

「な…!?我々の切り札が何故我々を…!?」

 

「ひっ……!く、来るな!やめろやめろ!」

 

「来るな、来るな、来るな、来ないでくれ!」

 

「だ、誰か助けて……!」

 

無慈悲にも飲み込まれ、捕食される清教派の魔術師達。空を飛ぶ魔女達も杖を構える魔術師達も、負傷者を担いで逃げようとしていたシスター達も百の動物の首達の口の中に消えた。

 

「くっ…!無念だ…!」

 

「お前だけでも逃げろ!俺がここを食い止…」

 

「うわぁぁぁぁぁ!!!?」

 

「申し訳ありません騎士団長…」

 

槍や剣の霊装を構えた騎士達はある者は剣で斬りかかるも剣が折れ、そのまま飲み込まれ、誰かをかばって捕食され、忠誠を誓った者の名を呟いてセト=テュポンの腹の中に収まった。

 

「お前達…!くっ!怪物め、よくも私の部下を…!」

 

「追いつくのである、冷静さを失えばお前も彼らの二の舞になるだけである」

 

「分かっている!分かっているが…!」

 

騎士団長は剣を強く握るがそれをウイリアムが制止する、騎士団長は強く唇を噛む。

 

「……あの化け物、何が狙いだし…殺すだけならあの腕や火炎でいい筈…何故捕食した?何かしらの狙いがあるのか?」

 

キャーリサは殺すだけなら他の方法がいくらでもあった筈なのに、何故捕食を選んだのか疑問に思っていた。

 

『……セト=テュポン、かつて「ブライスロードの戦い」にてメイザースが身内の裏切りの粛清の為に召喚したテュホン=セトと似て非なるもの。奴は今、龍脈と切断され喪失した力を取り戻す為に通常の神威混淆同様、人を食らう事で人と融合し力を増幅しているようです』

 

クリフォパズル545が魔術アドバイザーとしての使命を果たす為、セト=テュポンについて説明する。龍脈という力の供給源をなくした今、人を食べて体内で融合し自身の力に変換しているのだと。

 

つまり食べれば食べるだけ、取り込めば取り込むほど無数の人格や思考、考えが複雑怪奇になる為、誰も考えを理解できずその分攻撃力が増幅する。なると恐ろしい性能なのだろうか。

 

「マジかよ…あれでも充分強いのに…更に強くなんのか……」

 

「流石はコロンゾンさんの切り札…ですわね」

 

これ以上捕食され強くなられるのは困る、それ以前に人が捕食されるのを見過ごせる訳がない。二人はメタトロンとサンダルフォンの力を解放しら白い三対の翼と虹の一対の翼を展開。音速を超える速度でセト=テュポンへと接近した。

 

ーーーウ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"ァ"ァ"ァ"

ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"!!!ーーー

 

それに気づいたセト=テュポンは百の首を伸ばし、鞭のように縦横無尽な攻めで垣根達を四方八方上下左右から狙う。だがその異なる動物の首達を二人は翼で切断、能力で破壊する。

 

ーーーウ"オ"オ"オ"オ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"!!ーーー

 

だがその首達は切断、破壊された直後に再生、復活を遂げ鎌首を伸ばし垣根と帆風に迫る

 

「マジか!」

 

慌てて首達を避ける二人、だがそれだけに終わらず首達は無数の火炎や火球を顎から放ち二人を焼き殺そうとする。当然翼を繭状にして防いだり、能力で防御する。その攻撃が自らの首に当たり首が破壊されるも即座に再生してしまうセト=テュポンの百の首。

 

「再生能力も厄介ですわね」

 

驚異的なまでのスピードで回復する首。超再生能力に単純な力、威力の高い炎。単純故に強い、それがセト=テュポンが神威混淆最凶たる所以なのだと帆風は理解する。

 

『御主人様達、こいつはもう既に沢山の人間を食らっています。当然数百人のバラバラな考えなんて誰も理解できない!だから力も瞬間出力だけなら魔神に匹敵するも予想できます!』

 

「要するに何が言いたい!?」

 

『御主人様達だけの力では倒せない!て事です!』

 

「分かりやすくてよろしい!」

 

神の座に至った垣根と帆風ですら、苦戦は必然。寧ろ敗北する可能性すらあるとクリフォパズル545は告げる。

 

「…確かにわたくし達二人だけなら勝てないかもしれませんわね…ええ、二人だけなら(・・・・・・)、ですが」

 

だが帆風は笑みを浮かべる、確かに自分と垣根だけなら勝てないかも知れない。だがセト=テュポンと戦っているのは自分達だけではない(・・・・・・・・・)

 

直後、セト=テュポンに緑色の無数の光弾が降り注ぐ。それはオティヌスが放った『弩』の10矢の散弾の雨だ。更にA.A.A.からミサイルや銃弾の雨霰が吹き荒れ、アレイスターは上空から無数の光を放つ衛星光波でセト=テュポンを襲う。

 

ーーーウ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"ァ"ァ"ァ"

ァ"ァ"ァ"ァ"!!!?ーーー

 

突然の豪雨の如き猛攻撃に怯むセト=テュポン。その隙をついて超能力者達や魔術師達が攻撃を仕掛ける。

 

一方通行がプラズマや暴風、自転エネルギーを利用して投擲した建物がセト=テュポンの身体にめり込み、麦野の数万を超える原子崩しがセト=テュポンの身体を余す事なく覆い、削板の超連続のラッシュ 一万回 超すごいパーンチがセト=テュポンに炸裂。美琴と食蜂の合体技 液状被覆散弾超電磁砲(リキッドプルーフショットレールガン)がセト=テュポンの身体を貫いた。

 

カーテナ=オリジナルによる全次元切断術式による切断攻撃、騎士団長とウィリアムの二人の斬撃が身体を斬り裂き、唯閃が右腕を切断し、切断された右腕が宙を舞う、霊的蹴たぐりでビックバン爆弾を発生させ衝撃の杖で何十、何百倍もの威力に変換した一撃がセト=テュポンを襲った。

 

ーーーウ"オ"オ"…ウ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"

ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"!!!ーーー

 

だが、セト=テュポンは驚異的なまでのスピードを誇る再生能力で傷を完治。その腕を振り回しアレイスター達を攻撃し始める。腕を振るい、百の首から火炎や咆哮による音の砲弾を、暴風を嵐の如く吹き荒らす…単純だが圧倒的な力を秘めた攻撃をセト=テュポンは振るう。

 

「あれだけの攻撃を食らってもくたばらねえのか」

 

流石の垣根でも動揺せざるおえなかった。あれだけの攻撃を集中砲火で浴びて、なお生き延びるなどあり得ないと。

 

だが、これしきで諦める者はいない。一方通行と麦野、削板は背から翼を展開。黒い翼が横薙ぎに振るわれ、緑の翼が身体を焼き尽くし、カラフルな翼が超高速で刺突を繰り返す。幻想殺しの竜達も百の首を噛み砕き潰していく…それでも、なおセト=テュポンは止まらない。

 

ーーーウ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"ァ"ァ"ァ"

ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"!!!!ーーー

 

「これじゃダメか……なら!」

 

上条は右腕からショッキングピンク、エメラルド、スカイブルー、レモンイエローの色彩が全身に広がっていき、ワニのような大顎とコウモリのような翼を持つドラゴンとなり、翼を広げ飛翔しセト=テュポンの頭上を取る。

 

『うおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!』

 

上条は大きく右腕を振るい、百の首の半数を腕の一振りで刈り取る。更に残った首達を顎から放つピンク、緑、空色、黄色の光線で消失させる…だが全ての首を消滅させようともセト=テュポンは倒れず、又しても破壊された部位から肉が溢れボコボコと再生し始める。

 

「もう一回…」

 

もう一度ブレスを吐き出そうとする上条だったが、セト=テュポンはそれを許さず巨大な手で上条を掴み万力を込めて上条を握り潰そうとする。

 

『がぁぁぁぁぁぁ!!!?』

 

「「先輩/上条さん!?」」

 

上条の身体から聞こえてはいけない音が響く。ドラゴンの外殻はギリギリセト=テュポンの怪力から守っていたが、外殻は既にひび割れ所々血が吹き出ている。

 

「その手を離しやがれ、この怪物野郎」

 

垣根は白い翼を刀の様に振り下ろし、セト=テュポンの巨大な腕を切断。上条を握り締めていた腕は上条を捕えたまま地上へと落下していく。

 

神を見る者(カマエル)神の番人(ザフキエル)

 

帆風はザフキエルの超スピードで高速スピンを行いながら、遠心力を何百倍にしカマエルの怪力でセト=テュポンを殴りつける。それだけでセト=テュポンの上半身の大部分を抉り、吹き飛ばし肉片にした。だが、残った部分がポコポコと肉が再生し始める。

 

「……やはり、これしきでは終わりませんか」

 

帆風の格闘戦最強の天使2柱の全身全霊の一撃を直撃してもセト=テュポンは止まらない。恐らく神戮や聖なる右で全身を吹き飛ばしてもほんの僅かに残った肉片から再生するだろう。そもそもセト=テュポンの下半身は未だ地面の中…いくら上半身を消し飛ばしても下半身が地中の中に入ればそこからまた再生してしまう。

 

「それにしても…何故下半身のみ地中から出でこないのでしょうか?」

 

帆風は何故下半身のみ地中から出てこないのか。それを考えていた…

 

 

ステイルはインデックスの右手を握ってロンドンの街を駆けていた。

 

「ねえステイル!なんで私達は戦場から離れていってるの!?」

 

「君をに危険な場所から遠ざける為に決まってるだろ!」

 

ステイルはインデックスを危険な目に合わせたくなかった。だから、セト=テュポンから遠ざけようとしていた。勿論彼女を安全な場所に隠れさせた後、戦線に自分一人で行くつもりだが。

 

「なんで!?私だって戦えるんだよ!」

 

「ダメだ!君をあんな化け物と戦わせる事なんて認めない!」

 

「心配いらないんだよ!私はステイルよりも強いんだから!だから心配…

 

「そんな事僕が一番分かってる!!!」

 

「!?」

 

インデックスの声を遮る様に、ステイルが大声を上げインデックスが驚きの顔をする

 

「ああ、分かってるさ!僕は君みたいに高等な魔術を使える訳でもないし、神裂みたいな聖人でも、垣根帝督みたいな超能力者でも、上条当麻みたいな凄い力を持ってない凡人なんだ!僕は弱い、守りたいと思う君よりも弱い…そんな僕だけど、君を守りたいんだ。だから、あんな怪物と戦わせない」

 

「ステイル………」

 

インデックスを危険な目に合わせたくない、それがステイルの望みだ。彼には特別な才能はない。死ぬ気で努力して天才と呼ばれる様になった凡人だ。インデックスや魔神の様に深い魔道書や魔術の知識があるわけでもない。聖人やワルキューレ、神の右席の様な特別な力がある訳でもない。上条や垣根、帆風の様な凄い力がある訳でもない。だが、それでも、彼は守りたいのだ。全ては自分が恋した少女を守る為に

 

「僕は君を守るてあの日から決めたんだ、だからもう二度と君を危険な目に合わせない。だから、あの化け物との相手なんか絶対にさせない」

 

そう強くインデックスの手を握って走るステイル、それが彼女の意思を否定する行為であっても彼は構わない。彼女が危険な目に遭わずに済むのならそれでいいのだから。

 

だが、そんな彼の行為を嘲笑うかの様に大地が振動し地面が大きく揺れる。

 

「くっ!?あの怪物が地震を起こしているのか!」

 

「……違う、さっきの振動よりも強い…まさかこれは

!?」

 

インデックスがそう言いかけた直後、近くの地面を突き破って巨大な蛇の頭部が出現する。

 

ーーーシャアアアァァァァァッ!!ーーー

 

「「!?」」

 

数百メートルまで首を伸ばした蛇はステイルとインデックスに鎌首もたげ見下ろす。二又に別れた舌を口から覗かせながら品定めするかの様な目で二人を観察する蛇…いな、セト=テュポンの下半身の蛇。蛇は暫く目を上下左右に小刻みに動かした後、その顎を開けた。

 

ーーーシャアアアァァァァァッ………オマエガ、禁書目録(インデックス)ダナ?ーーー

 

「な、喋っただと!?」

 

ステイルは蛇が喋った事に驚いた。まさか霊装が人間の言語を喋るなど思わなかったからだ。だがインデックスは冷静に、蛇の声を聞いて目を見開いた。

 

「……その、声…レイチェル?」

 

レイチェル、清教派の修道女。昔インデックスが記憶をなくす前に共に過ごし、遊んだ少女の名だ。その少女の声で蛇は喋っている(・・・・・・・・・・・・・・)のにインデックスは気がついた。

 

ーーーコノ声ノ小娘カ?誰ノ声カナド知ラヌ。(おれ)ハ貴様ガ知ル者ノ声ヲ選ンダダケダーーー

 

「選んだ…つまり、貴方は取り込んだ人間の声帯を利用して喋ってるんだね!」

 

セト=テュポンには会話機能はない、人工知性はあっても会話する必要がないからだ。インデックスは自身の友達を食べただけに飽き足らず、声帯を利用するセト=テュポンに憤る。

 

ーーークックックッ…ソレノナニガ問題ナノダ?我ハセト=テュポン。悪神ト怪物ノ名ヲ持ツ神威混淆デアルゾーーー

 

コロコロと声色を変えて喋る蛇。自分が吸収した者達の声で邪悪に笑った後、自らの顎を開く。その口内は紅蓮に染まり高熱火炎を吐き出そうとしていた。

 

「!退がれインデックス!」

 

ステイルはインデックスの前に歩み出ると、掌から炎剣を出現させる。

 

炎よ(Kenaz)ーーー、巨人に苦痛の贈り物を(PurisazNaupizGebo)ーーー」

 

ステイルの炎剣と蛇の顎から放たれし高熱火炎の火球が激突、爆風消火の応用で互いの炎を相殺し合い爆風を起こして消失する。

 

ーーー中々ヤルナ…ナラ、コレハドウダ?ーーー

 

今度は火炎放射をインデックスとステイルに放つ蛇

。ステイルは両手から炎剣を噴出し大声で叫ぶ。

 

灰は灰に(AshToAsh)ーーー塵は塵に(DustToDust)ーーー吸血殺しの(SqueamishBloody)紅十字( Rood)ーーー!!」

 

二つの炎の剣が火炎放射と激突、先程よりも激しい爆炎が吹き荒れその衝撃波で吹き飛ばされるステイルとインデックス。

 

「くっ…!大丈夫かインデックス!?」

 

「う、うん…私には歩く協会があるから…」

 

「そうか…なら、ここから逃げろ」

 

「え!?」

 

インデックスはステイルが言った言葉に驚く。

 

「あいつの狙いは君の様だ。そうだろう悪魔?」

 

ーーー……悪魔カ、ククク、相違ナイ。ソウダ、我ノ目的ハソコノ魔道図書館。コロンゾン様カラノ命ニヨリソコノ女ヲ…殺スーーー

 

そうギョロリとインデックスを見つめる蛇、インデックスは萎縮するがそんな彼女を安心させるかの様にステイルが微笑みかける。

 

「……僕が君を守る、命に代えてでも。だから安心してくれ」

 

そう呟くとステイルは蛇の前へと一歩踏み出す。それを見て蛇は目を細め笑った。

 

ーーー愚カ、実に愚カ。雑種ガ我ニ勝テルトデモ思ッタカーーー

 

「思ってなんかいないさ。でもな、引き下がれないんだよ。目の前に好きな女の子いるんだからな」

 

それだけ言うとステイルは両手から紅蓮の炎と青白い炎を形成し、蛇を睨みつける。蛇とはドラゴン、ドラゴンとは十字教では悪の象徴、倒すべき存在である。聖ジョージが悪竜を倒し、姫君を助け出した様に、騎士(ステイル)姫君(インデックス)を守り抜く為に悪竜(セト=テュポン)に挑む。

 

ーーー馬鹿ナ奴メ…身ノ程ヲ弁エロ。煉獄デ後悔スルガイイーーー

 

そう言って吐き出すのは灼熱の炎、人を一瞬で蒸発させ灰も塵も残さぬ煉獄の炎。ステイルはルーンカードをばら撒く。

 

世界を構築する五大元素の一つ、(MTWOTFF)偉大なる始まりの(TOIIGOIIOF)炎よ、それは生命を育む恵み(IIBOL)の光にして、邪悪を罰する裁きの光なり(AIIAOE)それは穏やかな幸福を満たすと(IIMHA)同時、冷たき闇を滅する凍える不幸なり(IIBOD)その名は(IINF)炎、その役は剣(IIMS)、顕現せよ 我が身を喰らいて力(ICRMMBGP)と成せ!来い!魔女狩りの王(イノケンティウス)!!!」

 

予め設置しておいたルーンカードによる魔法陣を展開し、魔女狩りの王を召喚。炎の王は燃え盛る拳を構え蛇を殴りつける。3,000度の火炎が蛇の皮膚を焼く…だが、

 

ーーー何カシタカ?ーーー

 

蛇は全くの無傷。魔女狩りの王はその名の通り熱い抱擁を蛇に行い、抱きついて身を滅ぼそうとするも蛇が万力を込めるとバラバラに引き裂かれる。再生し次は内部から焼き払おうと蛇の口内から中に入る…だが、蛇は美味しそうに逆に魔女狩りの王を飲み込む。ゼロから形成し復活を遂げた魔女狩りの王は、十字架に姿を変え自らを振り下ろすも爆風消火の要領で火炎をぶつけられ消滅した。

 

ステイルも炎剣を飛ばしたり、爆裂させたり、斬り裂いたりと自分に出来る限りの攻撃をする。自分が今まで積み上げてきた全てを、知識を総動員しセト=テュポンに挑んだ。巨体に触れただけでも全身の骨が砕かれかねない攻撃を避け彼は何度も攻撃を当てる。

 

だが、それでも、いくらやってもセト=テュポンは倒せない。超再生能力で焼こうが切ろうが、何度でも再生し、セト=テュポンの一撃一撃は魔女狩りの王を幾度と殺し、それを避けるのにステイルは全力を尽くす。魔女狩りの王の展開し続ける魔力も、避け続ける体力も尽き、魔女狩りの王は弱々しく風の前に消える種火の如く等々消滅してしまった。

 

「はぁ………はぁ……はぁ……!」

 

ステイルは片膝を地面ついて、荒い息を漏らす。もう体力は尽きた、魔力ももうない。だがステイルはセト=テュポンを睨むのをやめない。

 

ーーーシツコイ男ダ、呆レタ。サッサト死ネーーー

 

そう呆れた様に、冷たい目をするセト=テュポン、だがステイルは懐からルーンカードを出し最後まで抵抗する気でいた。

 

「もういいよステイル!もういいんだよ!貴方だけでもいいから逃げて!こいつは私が…」

 

「駄目だ」

 

インデックスは涙を流しながら、ステイルに懇願する。ここは自分が引き受けるから逃げてくれと。その必死の懇願を…ステイルは蹴り飛ばした。

 

「君は僕が守る。だから、早く逃げてくれインデックス」

 

「何で!何でステイルはそこまで私を守るの!死んじゃったら意味ないよ!カッコつけたって死んじゃったら…」

 

インデックスは問う、何故ここまで頑張るのかと。死んでしまえばそれで終わりだ。なのにここまで必死に抗うのかと。その問いに対しステイルは笑って答えた

 

「約束、だからさ」

 

「…約……束?」

 

約束、そうステイルは口にした

 

「君と約束した、君の事を決して忘れない、と。そして僕も君にこう言った『たとえ君は全てを忘れてしまうとしても、僕は何一つ忘れずに君のために生きて死ぬ』『ずっと君を守る』…てね」

 

かつて愛する少女(インデックス)の記憶を殺した時、ステイルは誓ったのだ。この約束を果たそうと。

 

「あの頃僕は君の記憶を消した。それは君を殺したのと同義だ。君が違うと言っても僕はそう感じている」

 

「それだけに飽き足らず、僕は君を苦しませた。だから、今度こそ、君を絶対に守る。例えこの身が死しても…君だけは守り通す」

 

揺るぎない信念こそが、少年を動かす動力だった。その力の名は愛。愛故に彼は戦う。愛した少女を守る為…彼は死ぬまで戦うのだ

 

ーーー茶番ハ済ンダカ?モウイイ死ネーーー

 

そう言って先程の数百倍の熱力を誇る火炎をチャージする蛇。ステイルは例え自分は死んでもインデックスだけは守るとルーンカードを構える。

 

「やめて!」

 

インデックスはそう叫びながら、両手を広げステイルを庇う様に前に躍り出た。

 

「!?インデックス!?何をして…」

 

「ステイルは勘違いしてるみたいだけど…愛する人を守りたい。そう思ってるのは貴方だけじゃないんだよ」

 

インデックスはステイルにそう微笑んだ。

 

「ステイルが私を守りたい様に、私だってステイルを守りたいんだよ…それに、軽々しく死ぬなんて言わないでよ」

 

インデックスは言葉を続ける、まるで聖女が罪を行なった者に説教をするかの様に

 

「ステイルが死んだら私は悲しいんだよ、辛いんだよ…自分一人だけで生きてるのが苦痛なくらい…ステイルだって私が死んで自分一人だけになったらそう思うでしょ?」

 

「………ああ」

 

「だから、自分を犠牲にしてでも私を守るなんて言わないで。次そんな事言ったらぶん殴るんだよ」

 

そうにっこり微笑んだ後、インデックスはステイルに抱きついた。その行動にステイルは目を見開いた

 

「インデックス…?」

 

「大丈夫だよ、ステイル」

 

インデックスはそう優しく言った。

 

「例え死が私達を分かっても。私達はずっと、ずっと一緒だよ。生まれ変わったて、絶対に私達は何度も一緒になれるから」

 

少し恥ずかしげに笑うインデックス、例えこの場で焼き殺され肉体がなくなっても…魂はずっと一緒だと、例え生まれ変わっても…自分達の愛は分かつ事は出来ないと

 

「……そうだね」

 

ステイルも笑みを浮かべてインデックスを抱きしめる。もう茶番は御免だと蛇は二人を焼き滅ぼす死の業火を解き放つ。二人はその死の業火を前にしても逃げ出さず、お互いの身体を抱き締めて最後の瞬間を待つ。

 

炎よ(・・)消えよ(・・・)

 

突如そんな言葉が二人の耳に届いたかと思うと、二人を焼き滅ぼす死の業火は二人の直前で消滅した。

 

「「………え?」」

 

ーーーナ!?ーーー

 

何が起こったのか誰も理解出来なかった、その現象を起こした本人以外は。

 

「全く、無様な姿だな」

 

ーーー!?ダ、誰ダオマエハ!?ーーー

 

ステイルとインデックスの背後にいつの間にか(・・・・・・)仮面をつけた男が立っていた。その男に蛇は戸惑った声を上げる。

 

「名乗るほどの者ではない…単なる通りすがりの錬金術師だ」

 

そう告げる謎の男、彼はステイルを仮面越しに見つめ叫んだ。

 

「立て少年!お前は彼女(インデックス)を守るのではなかったのか!?」

 

「!?」

 

そう叫ぶ男、その男の言葉にステイルは奮い立たされる。

 

「さあ立て少年!こんな所で立ち止まっている暇などない!愛した少女を守る為に目の前の邪悪を討ち滅ぼせ!」

 

その厳しくも熱い言葉でステイルの心は焚き付けられる。そうだ、こんな所で、終わってたまるかと。

 

「……誰か、知らないが…その通りだ。インデックスとの心中というのも悪くないが…それだと彼女との約束を破ることになってしまう」

 

魔力も体力も底を尽きている。否、まだ喋れる気力があるのなら、立ち上がりその気力すら魔力に変換しインデックスを守るべきだ。ステイルはルーンカードを右手に構え蛇を睨みつける。それを見て男は力強く頷く。

 

「当然。そうだ少年、まだ終わってなどいない。僭越ながらこの私も力を貸してやる」

 

謎の男は短剣を構える。その短剣は水銀で出来ていた。柄頭には赤い宝石が嵌っていた。

 

「行くぞ怪物……!」

 

ーーーマダ抗ウカ虫ケラ共ガ……!イイ加減滅ビヲ受ケ入レロ!ーーー

 

炎剣を構えるステイル、再び口内に炎をチャージする蛇。両者は睨み合う。果たして勝つのは姫君を狙う悪竜か、姫君を守る騎士か。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




謎の男…一体誰なんだ(棒読み)、セト=テュポンの能力は単純、だからこそ強く厄介なのです。シンプルなパワー、再生能力、火炎攻撃…正しく怪物。こんな奴に一体どうやって勝つのか?

次回で英国異変編を出来れば終わらせられればな〜とか思っています。どうやってセト=テュポンを倒すのか、期待して待っていて下さい

次回もお楽しみに!
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