それとこの作品だけのオリジナル設定とか、原作キャラの魔術を強化してみました、不快になる方もいるかもしれませんがそれでも構わないのなら嬉しいです…え?サブタイで誰が出てくるか分かる?そんな馬鹿な…言っておきますがサブタイはギャグぽいですが中身はシリアスです
「下が騒がしい。ファーストフード店にいた君の友達達が助けに来たみたい」
三沢塾の北棟の最上階にある校長室、そこはかつて科学宗教の教祖が居座った部屋…その部屋に二人の少女がいた、一人は吸血殺し 姫神秋沙、そして縄で縛られたインデックス
「…ていとく達は私を絶対助けてくれるよ」
「…それは無理。アウレオルスは強い。黄金錬成が使える彼には勝てない」
「でもていとく達なら…!」
インデックスは垣根達が自分を助けると言い切るが姫神は表情一つ変えない、それ程アウレオルスを信頼しているのだろう。インデックスはそれでも助けに来ると信じていた、だがスッとアウレオルスが校長室に現れる
「お帰り。どうだった?」
「嫣然、記憶を消して帰らせた」
「!?そ、そんな…ていとく達が…負けた?!」
アウレオルスが垣根達の記憶を消してここから帰らせたと言う、それを聞いてインデックスが驚愕する
「…姫神、夜に吸血鬼を呼ぶ…準備をしておけ」
「……分かった」
「敢然…私は少し休む…夜になる頃にはまたここに来る。それまで彼女の世話を頼む」
アウレオルスは夜に吸血鬼を呼び出すまでインデックスの世話を頼むと伝える、姫神はそれを頬を緩めて頷く。アウレオルスは現れた時と同じスッと消える
「…ねえ、君達の目的はなんなの?」
「…突然だね」
「…私は君達が悪人には見えないんだよ…ならこんな事をしてるのにも理由がある筈…だから教えて、貴方達の目的は何?」
インデックスがアウレオルスがいなくなったのを確認すると姫神に目的はなんだと尋ねる。姫神は少し眉をひそめる、インデックスは二人が悪人には見えないと言うと
「…私ね。魔法使いになりたいんだ…救われない人も救って。見捨てられた人を守って。死んでしまった人も生き返らせる様な魔法使いになりたいの」
「…魔術は君が思ってる程そんなに万能じゃないよ」
「…うん。知ってる。でも彼と出会った時ね。私は夢が叶うかもしれないと思ったんだ。夢にまで見た魔法使いが私の目の前にいて…私も魔法使いになれるて思った」
「…なんで魔術師…魔法使いになりたいの?」
姫神はまるで子供が考えた絵本の魔法使いになりたいと呟く、そんなものにはなれないと自分でも思っていた…でも
「ねえ、君は吸血鬼てどんな生き物か知ってる?」
「…知らない」
「…
「……貴方は自分が嫌いなんだね。罪のない吸血鬼達を殺して…そんな自分が許せないんだね」
吸血鬼は化け物なんかじゃない、人間と一緒で感情がある者達だ…そんな吸血鬼達を彼女の能力は殺してしまう、インデックスは姫神はそんな吸血鬼を殺してしまう彼女自身が嫌いなのだと看破する
「…そう。だから私はもう殺したくない、誰かを殺すくらいなら自分を殺してみせる。そう決めた…」
姫神はそう言って昔の事を思い出す
京都の山村に彼女は住んでいた。その村に自分の原石の匂いに誘われた吸血鬼達は自分以外の人間…家族や友達、村人達が吸血鬼に噛まれ吸血鬼へと変貌し自分に襲いかかって来る、そして自分の首筋に噛み付いてきた吸血鬼は灰になった、最初から吸血鬼だった者も吸血鬼になった村人も平等に灰になった。そしてその村から姫神以外の生き物はいなくなった
吸血鬼達もこんな事がしたくてしたのではない、彼らは姫神の原石の匂いに誘われて小さな島国までやってきた…彼らは怖かったのだ、自分達を殺すその少女の力が…自分達では少女を殺したくても殺せない…苦肉の策で村人を吸血鬼にして戦力を増やして彼女を殺そうとした…それでも少女に全員殺されてしまった
少女は嘆いた、どうして自分は生きているのだろうと、自分がいなければ吸血鬼も村人も誰も死ななかった。自分なんか生まれて来なければよかった、彼女はそう思った…長い年月が経ち彼女は自分の能力を取り除けないかと学園都市に来た、そこで自分の能力に目をつけた三沢塾の講師達に誘拐され隠し部屋に監禁されてしまった
一年くらいだらうか、隠し部屋に飛び込められ食べたいものも食べられず陽の光も見る事の出来ない光景に慣れてきた頃…彼が現れたのだ。まるで物語のヒーローの様に
「…貴様が吸血殺しか」
「…貴方は誰?」
「……私はアウレオルス=イザード、単なる魔術師…いや錬金術師だ」
魔術師。その単語を聞いた瞬間諦めかけていた夢が叶う様な気がした。彼はある人物を救う為に吸血鬼を求めている、その為に姫神の吸血殺しの力を借りたいと彼は言った。姫神は三つの条件を飲むなら協力すると言った、一つ目は呼び出した吸血鬼を殺さない事、二つ目は終わったら自分の能力を消してくれる事、三つ目は自分を魔法使いにしてくれる事。姫神がそう言うとアウレオルスはその無表情な顔を少し緩ませていた
「…彼は自分の教え子を辛い運命から救う為にこんな殺す為しか使えない能力を。救いの為に使ってくれるて言ってくれた。アウレオルスは私の
「……そのアウレオルスがその救いたい人て誰なの?」
姫神が少し照れ臭く呟く、アウレオルスがいないからインデックスに話せたという風に…インデックスはやはりこの二人は悪人ではないと確信する、そしてアウレオルスが助けたい人とは誰かと言うと姫神はこう呟いた
「君。君がアウレオルスが救いたい人」
「…え?」
インデックスはその言葉を聞いて驚きのあまり呆然とする、そんな彼女を無視して姫神は言葉を続ける
「アウレオルスはね。君を助ける為に黄金錬成を完成させたの。例え世界を敵に回しても。全ては君を助けてあげる為に」
「…!まさか…!」
姫神がアウレオルスはインデックスを助ける為に黄金錬成を完成させた、そう言った。インデックスは思い出す、垣根がアウレオルスは三年前の自分のパートナーだった言っていた事を…
「…彼は凄い人。君を救う為だけに必死に努力してきた。それだけアウレオルスにとって君は大事な人だったんだね」
「………」
「?どうしたの。具合でも悪い?」
「い、いやなんでもないんだよ」
姫神はここにいない錬金術師の事を自慢げに語る、自分に希望を見出してくれた彼に特別視されるインデックスを少し羨ましく思う。だがインデックスはそれを聞いて青ざめていた
(言えない…言える筈がないんだよ…私はもう救われてるて…その錬金術師が知っちゃたら…その人は壊れちゃうんだよ)
アウレオルス=イザードはインデックスを救う為に全てを捨てたのだろう、辛かっただろう、心が折れかけただろう、絶望しただろう、だがそれでも諦めず彼は黄金錬成を完成させた…なのに彼がインデックスを救う事は出来ない…既に救われているからだ。それをアウレオルスに知られる訳にはいかない、それを知ったらアウレオルスは壊れてしまう
(…酷いよ神様、こんなに頑張ってる人がいるのに…どうして助けてあげないの?神様はアウレオルスて人が嫌いなの?)
インデックスは祈った、それは彼女が信じる神ではなく自分を助けてくれた超能力者達に…どうかアウレオルス=イザードを自分を救ってくれた時の様に助けてあげてと
「?」
気づけば夜になっていた、帆風達は気づけば学バスに乗っていた。帆風は座席から周囲を見渡す、自分の隣には垣根が、前の席には上条と美琴、食蜂が自分と同じく周囲を見渡しており、後ろの席には一方通行と麦野、削板がやはり同じく周囲を見渡している
「…ここは何処だ?なんで僕達はバスの中にいるんだ?」
「分かりません、気づいたらこのバスの中に…」
隣の座席に座っていたステイルと神裂も何故自分達がこのバスに乗っているのか分かっていない様だった。帆風は路線図を見るが一つ前の停留所の名前を見ると『第十七学区・三沢塾前』と書かれていた
「…三沢塾?何故わたくし達はこんな所に?」
「お?漸く目が覚めたか」
「垣根さん?なんでわたくし達はこのバスに乗っているのですか?」
「ま、話はこのバスに降りてからだ…すみません!運ちゃんバス停めて〜!俺達間違えて乗っちゃったみたい!」
帆風が何故自分達はこんな所にいる?と首を捻る、すると垣根が漸くかと呟き帆風は何か知っているのかと垣根に尋ねる。垣根は降りてから話すと言うと運転手にバスを止める様に叫ぶ
「なあ、垣根…俺達なんか記憶が曖昧なんだが…なんかあったのか?」
「まあな…それより当麻頭になんかついてるぞ」
「え?マジで?」
バスから降りた後全員が何故自分達はバスに乗っていたのか、いつの間に第十七学区まで来ていたのかと不審がり上条が垣根に知っているかと尋ねる。垣根はそれより頭に何か付いていると上条に教え、上条が
「…ッ!」
「思い出したか?ならさっさと全員の頭に触れて思い出させろ」
「!分かった!」
上条がハッとした顔になる、垣根が次は全員の頭に触れて記憶を思い出させろと告げる。上条は頷いて帆風達の頭部を右手で触れる、全員が記憶を取り戻し慌てて三沢塾の方を振り返る
「…!夜になっているだと!?」
ステイルがアウレオルスと会った時から数時間は経過していると気づく、全員アウレオルスの「全て忘れろ」の一言で本当に全て忘れていた
「まさか精神系能力者のトップである私が精神攻撃にかかるなんて…油断力が過ぎたのかしらぁ」
「仕方ないわよ操祈、相手は学園都市の精神系能力者とは違うんだから」
「でもなンでていとくンはあの野郎の言葉を聞いても記憶を失ってなかったンだ?」
精神系能力者の頂点である自分が精神攻撃に負けるなんてと落ち込む食蜂を慰める美琴、一方通行は何故垣根は記憶を失っていなかったのかと問いかける
「いや俺も記憶を失ってたさ、だがアウレオルスの黄金錬成は"頭の中で思った通りに世界を操る"能力だ…だが逆に言えば頭の中で思わなければ操れない…そこでアウレオルスに見えない様にポケットの中にいた05の出番て訳だ」
『はい、私はずっとマスターのポケットの中で会話の内容を全て記憶していました。マスターが記憶を失い皆様と一緒に三沢塾から出た後に心理掌握の能力を持つカブトムシを呼び、私の記憶をマスターの脳に書き加えたと言う事です』
垣根は自分も記憶を失っていたが、予め05に垣根達の会話を記憶させており、05が心理掌握の能力を実装しているカブトムシを呼んで垣根に05の記憶を
「…だから帝督は記憶を失っても平気だったんだな…なら俺達にも同じ事をしたり当麻の右手で術を解除させれば良かったんじゃないか?」
「確かに考えたさ、でもアウレオルスの術で意識もなかったお前らにしても効果がないかな〜と思ってやらなかっただけだ、お前らは見てないからそう言えるんだろうがな…さっきまでのお前らの目…怖いてレベルじゃねえぞ、妹達もビックリなレイプ目だったんだからな…思い出しただけでも鳥肌が立ってきた」
「…逆に見て見たくなるにゃーん」
削板が自分達にも同じ事をやれば良かったのにと呟くが垣根は出来なかったと返す。そしてアウレオルスの術がかかっていた時の上条達の目を思い出して垣根は身震いする…それが余程気味が悪かったのか…麦野は逆にどんな目をしていたのか見て見たくなった
「あ、そうだった。垣根に言っておきたい事があるんだった」
「?俺にか?」
ふと上条が垣根に言う事があったと呟くと全員がそうだった頷く、上条達は笑いながら垣根にゆっくりと近づき、それを不審がる垣根に彼らは言った
「「「「「「祝☆よくも友達を囮にして逃げ延びやがったな記念ッ!」」」」」」
「…はい?」
直後、上条達の飛び蹴りが垣根の腹部に直撃。垣根はゲフゥと叫びながら吹き飛ばされ地面を転がる。六人分の蹴りを喰らいピクピクと体を動かす垣根、そんな垣根を更に足で蹴りつける上条達
「さっきはよくも囮にしてくれたな!」
「粛清☆タイムだぜェ!ていとくンよォ!」
「オ・シ・オ・キ・か・く・て・い・ね」
「これが私の…
「地に伏せて許しを請うんだゾ☆」
「その腐った根性を叩き直してやる!」
「痛い痛い痛い!痛いって!やめてください!あの時は少し調子に乗ってました!カッコつけてました!許してくださいごめんなさい!」
「み、皆さん!今はそれどころじゃ…」
「「……はぁ」」
罵言を飛ばす上条達に彼らの蹴りを喰らって涙目な垣根、それを見てはわわと慌てている帆風に呆れる魔術師達…こんな時でも彼らは平常運転だった
垣根達は全力で走って急いで三沢塾まで戻ってきた、途中で繁華街に誰もいない事に気づいたが逆に進みやすいと誰も気にしなかった
「…
ステイルがそうボソッと呟く。恐らく誰かが第十七学区全体を人払いの範囲にし誰も近づかないようにしているのだろう、しかし誰がとステイルが訝しむが三沢塾の周りにいる人影を見て誰が人払いをしたのか理解する。その人影達は銀の鎧に身を包んだ騎士達だった
「貴方方はローマ正教の方ですね」
「その通り、私はローマ正教十三騎士団の一人、『ランスロット』 ビットリオ=カゼラである」
神裂が騎士に話しかけると騎士の一人 ビットリオが頷く。そしてビットリオは兜を被っているので分からないが垣根に笑いかける
「久しいな垣根帝督、パルツィバルの報告で砦からそこの仲間と共に出ていったとは聞いている…その様子だと黄金錬成は完成しているようだな」
「まあな、で、オッさん達は何してんだ?」
「我々は今この砦の中にいる民間人を救出する策を練っている、無駄な血を流さずアウレオルスも生きて捕縛する。それがローマ教皇の御命令だ」
「…マタイさんか、あの人らしい」
ビットリオは三沢塾の中にいる生徒達を救出し、アウレオルスも生きて捕まえると宣言する、それがローマ教皇の命令と言うと垣根はその教皇の事を思い出し笑う
「…意外だね、ローマ正教の事だから三沢塾をグレゴリオの聖歌隊で破壊するかと考えていたよ」
ステイルがそうボソッと呟く、ローマ正教は過激な思想の集団と聞いていた為こんな答えが出るとは思ってもいなかったのだろう
「確かにそうかもしれませんねー、垣根帝督と出会う前の我々ローマ正教は貴方が思っていた通りの集団ですから」
「!…誰だオマエ」
垣根達の背後から声が聞こえ全員が振り返る、そこに立っていたのは全身緑色の修道服を着た白人にしては背が低く痩せこけた男。一方通行がお前は誰だと呟くと彼は笑って答えた
「初めまして、私はテッラ。ローマ正教の神の右席が一人 左方のテッラ。以後お見知り置きを」
「神の…右席?聞いた事ないね」
「それはその筈ですねー、我々の存在を知るのはビットリオ達の様なローマ正教の闇の部分に関わる教徒達だけですからねー」
テッラと名乗った男は垣根達に頭を下げる、ステイルは神の右席と言う単語に聞き覚えがないのか目を細めるが知らなくて当たり前とテッラは笑った
「まさかの左方がお出ましか…それだけアウレオルスを危険視してるて事か」
「それもありますが…私が来たのは彼を説得する為ですねー」
「説得?」
垣根はテッラが来るとは思っていなかったと笑う、テッラは自分はアウレオルスを説得しに来たのだと呟いて帆風が首を傾げる
「ええ、元々彼はローマ正教の
「ですが彼の上司はそんな事は認めず我々ローマ正教にしか使わせない様にしたのです、 上司は異教徒を助けても自分の得にならないと見たのでしょうねー、全く嘆かわしい…そんな者の浅い考えで彼の様な立派な教徒の夢を潰されるなど…ですから私は彼にもう一度ローマ正教に戻ってくる様説得しに来たのです。貴方の力で人々を一緒に救おうと、貴方の力を借りたいと言う為に」
テッラはアウレオルスについて語る、人々を助けようとする彼の才を潰した上司に憤り、そんな彼を助けれなかった自分に憤っている様に
「…話が長くなってしまいましたねー、まあこんな事を思う様になったのも貴方のお陰ですよ垣根帝督。貴方と出会わなかったら私はその上司より酷い畜生以下の存在のままでしたからねー」
「…まあ、確かに昔のあんたは異教徒は人間以下て目で見てたもんな」
「はは、昔の事は忘れましたねー。そうだ貴方達お腹空いてませんか?私の畑で作った葡萄と小麦で出来たレーズンパンがあるんですが良かったらどうぞ」
「お、丁度小腹が減ってたんだ」
話が長くなってしまってすまないと謝罪するテッラに変わったなと呟く垣根、テッラは軽く笑い返すと懐を弄り袋を取り出す、そこに入っていたレーズンパンを垣根達に手渡す
「…!美味しいわねこれ」
「…確かに美味ェなこれ」
「学園都市のパン屋でも味わえない美味しさねぇ」
「喜んでもらえて嬉しいですねー、御一緒にグレープジュースは如何ですか」
テッラのレーズンパンは美味しかった、テッラは何処から取り出したのか自家製のグレープジュースが入った瓶を取り出しワイングラスにそれを注ぎ垣根達に配る
「始まったな、テッラ殿恒例の左方のパン祭りが」
「テッラ殿は神の右席随一の料理人(ただし小麦粉料理限定)。あの人のパン欲しさに改宗する者達が絶えないというもはや改宗させる呪いがかかってるんじゃね?と言われるパンとジュース」
「バチカンでパン屋のテッラを開き、シスター アニェーゼ達を従業員として雇いバチカンの市民に大人気、更にパンの値段は日本円で80円と安い。しかもミサの日は全品半額と言う夢の様な店…私も毎日そこでパンを買っている」
騎士達がボソボソとそう呟く、ビットリオは物欲しそうな目でパンを指を咥えて眺めていた…その時三沢塾の壁が音を立てて破壊され壁の破片が垣根達に降り注ぐ
「…優先する。人体を上位に、破片を下位に」
咄嗟の事に避ける事のできない騎士達と上条達、だがテッラが何か呟くと破片が上条達の身体に当たってもまるでスーパーボールの様にポヨンと破片が跳ねるだけで痛くなかった
「…今のはオッさんの魔術か?」
「ええ、今のが事象の「優先順位」を変更する魔術 光の処刑なのですよー、しかし不味い事になりましたねー」
削板が今のはオッさんの仕業かと聞くとテッラは頷く、そして破壊された壁の部分を凝視する…そしてそこから黒い何かが溢れ出て来た
「…嘘だろ」
ステイルがあり得ないと言葉をこぼす、壁から現れ地上へと降りて来たのは…体表が全てザラザラした黒い布で覆われ、凹凸によって眼や鼻や口を表現し肌と装束に厳密な区別は無く一体化している。目の部分は赤く発光し耳は尖っており、口からは牙が生え、頭に真紅の山羊に似た角を生やし紺色の蝙蝠の羽に鋭く尖った尻尾を持つ異形の姿をした怪物達が破壊された壁からウジャウジャと現れる
「…何だよあれ」
「あれは悪魔…暴走し神のいうことを聞かなくなった天使の事です…殆どが名前もない下級悪魔の様ですが…一体だけ桁違いな化け物がいますね」
神裂があれは悪魔だと教える、そして彼女は蠢く悪魔達の先頭にいる悪魔を睨む。燃え上がる戦車に乗った禍々しき黒い二対の翼を持つ天使にも見える悪魔…その名は
「「「「「「atmjgtbgjm殺jtmtgjp!」」」」」」
悪魔達はノイズがかかった様なわけの分からない言語で咆哮し、垣根達に襲いかかって来る。美琴はコインを取り出し超電磁砲を悪魔の一体 ベリアルに放つ。だがベリアルは超電磁砲のエネルギーを
「嘘、私の超電磁砲を消した!?」
悪魔とはこの世ならざる者である、並大抵の攻撃では仕留めることはできない。悪魔達は翼を広げ騎士達に襲い掛かる、普通ならば騎士達は悪魔を倒す事は出来ず惨殺される…だがテッラがいるなら話は別だった
「…優先する。騎士を上位に、悪魔を下位に。優先する。空気を上位に、悪魔を下位に」
テッラがそう呪文を唱えた瞬間、悪魔達の動きが止まる。まるで空気に阻まれ動けない様に、そして騎士達が剣を振るうと下級悪魔達の身体を切り裂く、パルツィバルの天弓が悪魔の頭部を穿つ、ビットリオが手に持った剣で悪魔を一刀両断する
「ふむ、ここは我々に任せなさい。貴方達は友人を助けに行くのでしょう?ならこんな所で時間を無駄にしないでさっさと行くのですよー」
「…感謝する」
テッラがここは我々に任せインデックスを助けに行けと垣根達に言い、ステイルがテッラに頭を下げると垣根達と共に三沢塾の入口に向かって走っていく、途中で悪魔達が垣根達を襲うがテッラは冷静に呪文を唱える
「優先する。小麦粉を上位に、悪魔を下位に!」
無数の小麦粉のギロチンが悪魔達へと向かい、悪魔達の身体を切断する、バラバラと地面に落ちる悪魔の胴体を垣根達は気にせず入口に入り建物の中へと消えていく。それを見届けたテッラは小麦粉のギロチンを片手に悪魔達に叫ぶ
「来なさい悪魔共!この左方のテッラが相手をしてあげましょう!」
「jmtjwajgtjtmjagjawu莫uvkr迦jtmjpgjg!!」
テッラはそう高らかに宣言する、ベリアルはそんなテッラを嘲笑うかの様に黒い翼を広げ美しく耳触りの良いノイズがかかった言語を叫ぶ、そして燃え盛る戦車でテッラに迫り悪魔の魔術を行使しテッラは小麦粉のギロチンをベリアルに向けて振るう
「…私が黄金錬成で呼び出した悪魔共と騎士達が交戦を始めたか」
アウレオルスは校長室で呟く、黄金錬成は神や天使、悪魔すら己の手足として使役できる。アウレオルスは悪魔達を騎士達に自分の目的を邪魔されない為だけに呼び出したのだ。別に天使でもよかったが自分はローマ正教を捨てた背教者、同じく神に背いた元天使である悪魔を使役していた方が性に合っているとアウレオルスは皮肉げに笑う
「さあ、準備はいいか姫神」
「…うん」
アウレオルスが姫神に準備は万全かと尋ねる、姫神は頷く。彼は彼女の吸血殺しでインデックスが手元に来るまで吸血鬼を誘き出さない様に展開していた結界を解こうとする
「………」
「蓋然、怖いか我がかつての教え子よ、だが不安がる必要はない…確かに君を人外の類にするのは私とてやりたくなかった…だがこうするしか方法はなかったのだ」
(…違う、違うよ…私が思ってるのはそうじゃない…お願い、早く来て皆…!この人を…助けてあげて!)
俯いたまま黙っているインデックスを見てアウレオルスは自分が吸血鬼になるのが嫌なのかと考える、アウレオルスは先程インデックスに何故自分がこの様な事をするか説明し、三年前のインデックスと過ごした事も話した…何故かそれを聞く程インデックスは泣きそうな目でアウレオルスを見ていたが二人にはそれがわからない
「…分かってると思うけど。やって来た吸血鬼は殺さないでね」
「確然、分かっている。君との約束は守ろう。それがお互いの目的の為になるのだから、私は教え子を救う。君はその忌まわしき力を封じる…もうすぐ我々の目的は達する」
「…良かった。後彼女を救った後私に魔術を教えてくれるて約束も忘れないで」
「…莞然、君が望むなら我が魔術に関する叡智を叩き込んでやろう」
姫神が念の為に吸血鬼は殺すなと言うとアウレオルスは頷く、そして全てが終わったら自分に魔術を教えてくれる約束も忘れるなと言うとアウレオルスは微笑む。それはかつてインデックスの教師をしていた頃に浮かべていた笑みそのものだった
「…さて、私も覚悟を決めねばな。相手は吸血鬼…無限の魔力を持つ者、黄金錬成でも勝てるかどうか…おっといかん、こんな事を考えてはならんな…私なら出来る、彼女助ける為にここまで来たのだ…失敗は許されない」
アウレオルスは吸血鬼相手に勝てるのかと思いかけるが、即座に頭を振ってその考えを消す。そして懐に鍼があるのを確認し結界を消そうとしたその時、彼は動きを止め扉を凝視する
「?どうかした?」
「……侵入者だ、しかもこの気配…戻って来たのか」
姫神が何かあったのかと尋ねるとアウレオルスは扉を見ながら答える。そしてインデックスは悟る、彼等が助けに来たのだと…そして勢いよく扉が破壊され扉が音を立てて床に倒れる。その扉を破壊し現れたのは
「よお、待たせたな真打の登場だ」
「……!皆!」
垣根達が校長室に足を踏み入れる、インデックスは涙をこぼしながら助けに来てくれた垣根達に顔を向ける
「無事ですかインデックス!」
「遅れてしまってすまない!」
神裂とステイルが縛られたインデックスに近づく、アウレオルスはそれを一瞥するが気にしない。例え逃げられてもまた捕まえればいいだけだ、そう思いながら一度は追い返した侵入者達を睨む
「愕然、何をしに来た?私の悲願を邪魔する気か」
「その通りだ、悪いが全力で邪魔をさせてもらうぜ」
「…
垣根がアウレオルスの目的を邪魔すると言うとアウレオルスは顔を歪ませる、そして黄金錬成で破壊された扉を元に戻し垣根達がインデックスを連れて逃げ出さない様に扉は開かなくなる
「…私の目的が何か、貴様らは知っているのか?」
「……さあね、黄金錬成が完成したと言う事は彼…垣根帝督から聞いてはいるが君の目的は聞いてなかったね…だが吸血鬼を捕まえ不死になる…ではなさそうだね。君には万能の力と言っていい黄金錬成があるんだから」
「その通り、不老不死にする等そんな小さな願いではない。我が願いは…インデックスを救う事だ」
「…インデックスちゃんを…救う?」
アウレオルスは自分の目的は知っているかと聞くとステイルはそういえば聞いていなかったなと呟く、アウレオルスの目的はインデックスを救う事だと言うと帆風は何を言っているのだと目の前の錬金術師を見る
「貴様らもインデックスと共にいるのなら知っているだろう、彼女は膨大すぎる脳の情報量の為一年ごとに記憶を消さねばいけない、だがそれは彼女が人だからだ、なら彼女を人外…吸血鬼にしてしまえば解決する。無限の時を生きる吸血鬼になれば記憶を失わなくともすむ筈だ」
アウレオルスの真摯に自分がインデックスを救う為に考えた事を綴る
「私はインデックスを救いたい。不幸を他人に押し着せられ、それでも他人の為に笑える彼女を私は救いたい。例え世界を敵に回してもだ、私はこの願いを決して曲げる事はない」
上条達はアウレオルスの心の底からの言葉を聞いてこの男は強い、そう思った。もし仮に自分達がインデックスを救えなかったとしよう、自分達はインデックスを救う為に何かしようとするだろう。だが果たしてここまで出来るだろうか?世界を敵に回しても。報われないとしても。彼女が自分の事を思い出さなくても。彼女を吸血鬼にしてその事を彼女に罵倒されるかもしれない…それでもこの男は止まらない、インデックスを救えるのなら自分の全てを犠牲にしても構わないと思っているかの様に…いや実際思っているのだろう。それが錬金術師 アウレオルス=イザードなのだ
「あの子は最後に私に告げたのだ、忘れたくない。私と過ごした思い出を忘れたくないと。それでも彼女は笑ったのだ、指一本動かせぬ体で溢れ出る涙にも気づかずに…最後まで私の事を思って笑ってくれた…何故神はそんな子を救わぬ!?世界の全てを救う力があるのなら何故その力をこの子を救う為に使わない!?だから私は誓ったのだ!例え人の道を外れようとも、この子を人外の怪物にしようとも、この子を私が神に変わって救ってみせると!ああ、分かっているとも、これは私の独りよがり!偽善だと!だがそれでも構わん!それでその子が救えるのなら私は悪にでも悪魔にでもなってみせる!」
アウレオルスは自分が長年思っていた感情を爆発させ叫び続ける、そして決意を固めた目で垣根達を見る。だから邪魔をするなと…
「…貴様らは私のかけた黄金錬成をいかなる手段か分からぬが退けた様だな、それ程の力があるならあの子を守れるだろう…あの子を私が救った後は…全てを君達に任せよう。ここまで汚れてしまった私では彼女を笑顔にする事は出来ない。もう私に彼女の隣にいる資格などないのだから」
アウレオルスは最後に垣根達にこの子を頼むと呟いた、もう人の道を外れてしまった自分では彼女を幸せにする事は出来ない、そんなアウレオルスに上条達は言葉をかけようとするが…言えない、真実を言ってしまえばアウレオルスがどうなるか分かっているからだ…暫しの静寂、それを打ち破ったのは…垣根だった
「…一つ言っていいか?」
「…必然、なんだ超能力者の少年よ」
「…あんたがインデックスを助けたがってるの凄く分かった…だが
「間然、何だと?何故だ?何故私では彼女を救えぬ?答えよ少年」
アウレオルスではインデックスを
「もうインデックスが救われてるからだよ、いくらあんたでも
「……な、に…?」
「…え?」
垣根の言葉を聞いてアウレオルスと姫神が垣根達を凝視する、垣根は更に言葉を続ける
「…俺達がインデックスを救ったんだ、俺達が本当はあんたが救う筈だったインデックスを救っちまったんだよ」
「馬鹿な……ありえん!一体いかなる方法で彼女を救ったというのだ!?」
「…当麻の…そこのツンツン頭の能力は幻想殺しと言ってな、あらゆる異能を打ち消す力を持っている…過程は省くが…その力でインデックスを救ったんだ」
自分達がインデックスを救ったというとアウレオルスは必死に否定する、そんな事がある筈がない、彼女を救うのは自分なのだからとその事実を信じられない
「…たったそれだけか?それだけで彼女は救われたのか?」
「…ええ、その過程で色々ありましたが、わたくし達は彼女を救いました」
「……あ、あ…」
アウレオルスは本当かと尋ね帆風がそれを肯定する。それでもその事実を否定して欲しい様にアウレオルスはインデックスを見る、彼女が彼等が言っている事を否定してくれると一縷の望みをかけて…だが彼女は今にも泣きそうな顔でこう言った
「……ごめんなさい、ていとく達が言っているのは…本当の事なんだよ…私は…もう救われてるんだよ」
彼女がそう垣根達が言った事は本当だと言った、その一言が決定的だった。アウレオルスの心を今まで支えていた何かが音を立てて壊れた気がした
「……、あ」
世界を敵に回した覚悟も、これまで頑張ってきた努力も、三年間彼女を救う術を考えた時間も、絶対に救うと決めた決意も、黄金錬成を完成させた喜びも…全て無駄だった、全て徒労に終わった。彼の悲願であるインデックスを救うという希望は…
「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!」
結論、錬金術師 アウレオルス=イザードは壊れた。狂った様に獣の如き大咆哮をあげるアウレオルス、そしてピタッと咆哮を止めると垣根達を憎悪と怒りが入り混じった眼で睨みつける。その眼力で垣根達の動きが止まる、直接睨まれていないインデックス達もその凄みに恐怖を感じ固まる
「…………やる、殺してやるぞ超能力者ぁぁぁぁぁ!!!」
もし殺意だけで人が殺せるならこの部屋にいる全員が死んでいるだろう、アウレオルスは今にも彼等を殺しそうな勢いで垣根達を睨む、それに超能力者達は怯えているとアウレオルスの目の前に姫神が立ち塞がった。自分の
「やめて!冷静になってアウレオルス!」
「邪魔だ、姫神…
「…ッ!
「……あ」
姫神は深い眠りに落ちる、完全に意識を失うまで姫神はアウレオルスの事を思い…縛り付けたインデックスの横に眠りに落ちた姫神が現れる
「は、はは…あはははは!楽には殺さん、じわじわと甚振り殺してやる!それが貴様らが我が悲願を横取りした罰だ!」
壊れた様に狂笑するアウレオルス、もうこの男は誰も救えない、神でさえ彼を救う事は出来ないだろう、かつて主人公だった男は悪役となって主人公となった超能力者達に倒される…それで彼の
((((((((そんなの許せるか!こんな結末で終わっていい訳がない!))))))))
だがそんな終わり方を超能力者達は認めない、そんな事があってたまるか、これだけ頑張ってきた男が、インデックスを救う為に生きてきた男がこんな終わり方をしていいのか、いい訳がない。アウレオルスは悪人ではない、例え神が彼を見捨てても…垣根達は彼を見捨てられない
「いいぜ、アウレオルス=イザード。お前が自分の物語がバットエンドで終わると思ってるんなら…」
上条が言葉の途中で言葉を切る、そして超能力者達はアウレオルスを見据えて叫ぶ
「「「「「「「「俺/私/わたくし達がお前のその幻想をぶち殺す!」」」」」」」」
超能力者達は決意する、インデックスを救った様にこの夢破れた男を自分達が救ってみせると
まさかのテッラさんがカッコいい、因みに僕は神の右席ではアックアさんとテッラさんが好きです。因みにテッラさんが三つ光の処刑を使えたのは、キリスト様が処刑された時他にも罪人が二人いた事から。え?なんで光の処刑が完成してるのか?アレイスターさんが完成させるのを手伝いました(笑)
そしてこの作品のオリジナル設定である悪魔、原作でも言及されてしますが…キリスト教の悪魔が出て来たのて新約21巻の蝿の王くらいじゃなかったですか?かまちーが悪魔について詳しく書かないならオリジナルで出そうと思い書きました。天使(モデルはガブリエル)の対になるように天使の体がツルツルしてるのに対し悪魔の体はザラザラしてますし、天使は白い体で悪魔は黒い体です。アウレオルスが悪魔を使役したのは実は中の人繋がりでもあります(Fateのレフ教授、ウルトラシリーズのダークルギエル)
ベリアルも出て来ましたが…テッラさんを活躍される為だけのキャラなのでもう出て来ません。描写にないだけで今頃テッラさんと激闘を繰り広げてるんでしょうねー(棒)
最後ら辺は特に気合を入れました。もしこの小説に挿絵があったら互いに睨み合うアウレオルスと超能力者達が挿絵で乗ってるんだろうなー、と思って書きました。さあ、彼等はアウレオルスを救えるのか?次回をお楽しみに