カプ厨がていとくんに憑依転生しました   作:暗愚魯鈍

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今回にてアウレオルス編は終わりでございます。ヘタ練と言われていた彼の強さが引き出せていたでしょうか?そして今回はまさかのあいつが登場です

序盤はアウレオルスさんの過去、姫神さんがヒロイン力発揮…アウレオルスさんが救われて終わり……と思わせてまさかのあいつ。こいつは序盤に出てきたらダメだろて言う奴です

そして漸くあの魔神が登場。今回は新約13巻をイメージしてみました。今回はギャグ要素の方が濃いです


悪魔来たりて悪魔が笑う…あれ天使は?

『あ、来てくれたんだね先生!』

 

『……ああ、新しい魔道書を持って来た』

 

薄暗い部屋の中、彼女は太陽の様に明るい笑顔で笑った。彼もそれを見て微笑む。その男の名前はアウレオルス=イザード。その少女…インデックスの教師である。彼は魔道書を彼女に手渡し、彼女はそれをまるで親から絵本を受け取った子供の様な無邪気な笑顔を彼に向けながら笑いかけた

 

 

『インデックス。この本の132ページに記された魔女の撃退法について答えよ』

 

『えっと、魔女の撃退法は…』

 

アウレオルスは教鞭を手に持ち黒板に問題を書き綴る。そしてインデックスに問題を解く様に言い彼女は笑いながらそれに答えた

 

 

『先生!先生!』

 

『どうしたインデックス?』

 

『偶には先生と一緒に散歩に行きたいかも!会う度に勉強ばっかりじゃあ先生もつまらないでしょ?イギリスの名所を教えてあげるんだよ!』

 

『……私は君に知識を教えるのが仕事なのだが…必然、君が望むのなら行くとしよう』

 

アウレオルスは無邪気に笑うインデックスに手を引っ張られて外へと連れ出される、彼は困った顔をしつつも頬を緩ませて彼女と一緒に外へと出かける

 

 

『…今回も駄目だったか、すまんなインデックス。今回も君を救えなかった』

 

『いいんだよ先生、こうして私の為に頑張っているて気持ちだけで充分かも』

 

『……ありがとうインデックス』

 

アウレオルスが今回も救えなかったと顔を暗くして謝るが彼女はニッコリと微笑む。その気持ちだけで充分だと…それを聞いてアウレオルスは微笑むも気持ちは暗いままだった

 

 

『…何故だ、何故私は彼女を救えん?私は魔道書で世界中の人々を救うのではなかったのか?私の魔道書では彼女を救えないのか?』

 

アウレオルスは今回も彼女を救えなかった事により落ち込みながら次の魔道書を羽ペンで書き続ける。彼の目にはクマが出来ているが不思議と睡魔には襲われなかった、それだけ魔道書を書くのに集中していたからだ

 

『憮然、何故私は誰も救えぬのだ?私が世界中の人々の為に書いた魔道書も我がローマ正教の為にしか使われぬ…これでは何の為に魔道書を書いたのかわからないではないか…』

 

そう独り言を呟きながら彼は筆を進める、最大主教が言っていたインデックスの記憶を消す日まで後一ヶ月もない…早く急いで書かねば…その想いだけがアウレオルスの筆を進ませる

 

『…当然、私には彼女しかいないのだ。私は今まで誰も救えなかった。だがそれでも彼女を救いたいのだ』

 

彼は不幸な人を助ける為に隠秘記録官になったのに誰も救った事は一度もなかった…だから彼女だけでも救いたいのだ、彼女と出会わなければ自分はローマ正教の為にしか使われない魔道書を書き続ける誰も救う事も出来ない一生を過ごしていたかもしれないのだから…そう彼が思った時、ふと彼は筆を止める

 

『……まさか…私は彼女に救われていた?』

 

そう考えた瞬間アウレオルスの魔道書に何を書こうとしていたのか忘れた。自分はあの子を救う為にこの本を書いていた。なのに自分が救おうとしていた少女に逆に自分が救われていた…そして何故自分が彼女を救おうとしているのか理解した

 

『……愕然、私は彼女に会いに行く理由が欲しくて…魔道書を書いていたのか?』

 

そう彼が弱々しく呟いた、彼女を救うという名目で彼女に会いたいが為に近づこうとしていた自分を恥じ、その為にわざと彼女を救う気の無い本を書いていたのかと自分自身を疑う、それ以降彼は筆を進められなかった

 

 

『すまない、本当にすまない!私は大嘘つきだ!君を救うと誓いながら救えなかった!私は最低の人間だ!何が救うだ!結局救えなかったではないか!』

 

『泣かないで先生、私だって辛いんだよ。でも仕方ないかも…これが私の運命なんだもん』

 

『運命?運命だと!?こんな悲劇が君の運命なのか!?そんなのは認めん!認めんぞ!』

 

アウレオルスは泣きながらもう1ミリも身体を動かせないインデックスに謝る、そんなアウレオルスに微笑む彼女…だが彼女は気づかない、自分が目から涙を流している事に

 

『…私だって先生との授業や思い出を忘れたくない…でもこの運命からは結局は逃れられないんだね』

 

『…めん、認めんぞ!私は君を救うと決めたのだ!こんな結末は許さん!許さんぞ!』

 

インデックスも自分も忘れたくなかったと泣きながら笑う、アウレオルスがそんな彼女を見て叫ぶ。こんな悲劇があっていいのかと…

 

『うるさいですよ、少し黙ってくれませんか先生さん』

 

『がぁ!?き、貴様らぁ…!』

 

『やれやれ、今回も失敗しましたか。まあこちらとしてはどうでもいいのですが…ああ、貴方がイギリス清教と密会しているのはもうローマ正教に知れたようですよ?そのうち追っ手が来ると思うので逃げたらどうです?どうせ貴方はイギリス清教からもお払い箱ですし…おい、その錬金術師をつまみ出せ』

 

そんな年甲斐もなく泣き喚くアウレオルスにイギリス清教の魔術師が蹴りを入れ無理矢理黙らせる、そしてその魔術師はもうお前はお払い箱だと部下の魔術師達にアウレオルスを追い出せと言う。部下達がアウレオルスを部屋から放り出そうと引きずる、その時インデックスが最後に呟いた

 

『信じてるから、先生なら私をいつか助けに来てくれるて信じてるから』

 

彼女のその声が聞こえた後アウレオルスは叫んだ

 

『…ああ!いつか絶対に助け出す!それまで待っていてくれ!きっと!きっとだ!絶対に君を助ける!』

 

アウレオルスが力一杯叫んだ後アウレオルスは魔術師達に連れていかれて彼女の前から消えた。そして彼女は微笑んだ、いつか必ず自分の先生が助けてくれると…

 

 

「起きて。アウレオルス」

 

「………ぁ」

 

アウレオルスは姫神の声で目を覚ました。アウレオルスは目を動かし状況を確認する、自分の周りには超能力者達が彼を見ており姫神が彼を見下ろす様に彼の目の前に見える

 

「……何をやっている姫神?」

 

「ん。膝枕」

 

「……そうか」

 

アウレオルスはあえて突っ込まなかった、突っ込んだら負けな気がした。ただそれだけである、彼は起き上がって超能力者達を見据える

 

「…何?まだやろうてのか?」

 

「…いや、私の負けだ。君達には勝てない」

 

麦野がまだやる気かと睨むがアウレオルスは掠れた声で勝てる気がしないと皮肉げに笑う

 

「…そこの少年、悪いがその手に持っているアゾット剣を返してはくれないか?」

 

「…ほらよ」

 

「!?か、垣根さん!?返してしまっていいんですの!?」

 

「いやそんな事はもうしねえよ、そうだろ錬金術師」

 

アウレオルスが垣根が回収していたアゾット剣を返してくれと呟くと垣根は無造作にその剣を投げ渡す、それを見て帆風が慌てるが垣根はただ笑うのみ、アウレオルスは剣を超能力者達に向けて呟く

 

「……超能力者達の傷を癒せ」

 

その一言で帆風の折れ曲がっていた腕が一瞬で元に戻る、一方通行達が負っていた怪我も綺麗さっぱり消えて無くなる。まるでアウレオルスと戦う前に身体の時間が巻き戻ったかの様に

 

「……アウレオルス」

 

「……哀然、姫神…私は一体…何がしたかったのだ?救おうと思った教え子すら救えず…我が人生は何の為にあったというのか…」

 

「……」

 

アウレオルスは乾いた笑みを姫神に向ける、怒りが静まった彼には願いが叶わなかったという虚無の心しかない。言わば生きる屍…もう何をすればいいのか分からない、そんな彼の表情を見て姫神は何と声をかけたらいいか分からなくなる…そんな彼に垣根が歩み寄る

 

「いや、まだあんたにもできる事はあるぜ」

 

「……唖然、何だと?」

 

「俺らは確かにインデックスを助けた、だが完全に助けたわけじゃねえ…まだインデックスには最大主教がかけた術式が僅かながら残ってる…それに記憶の完全な復活もまだだ」

 

垣根がまだできる事が残っていると言うとアウレオルスが垣根に目を向ける、垣根がインデックスを蝕んでいる術式がまだ残っていると教える

 

「だからあんたの黄金錬成でインデックスを完全に呪縛から解き放って、なおかつ失われた記憶を取り戻して欲しいんだ」

 

「……無理だ、出来る筈がない…知っているだろう、私の黄金錬成は自分が出来ないと思った事を実現してしまう力だと…私はインデックスを救えないし記憶を取り戻す事も出来ない…」

 

垣根が黄金錬成で失われた記憶を取り戻し『首輪』の呪縛から完全にインデックスを取り放ってくれとアウレオルスに頭を下げる、アウレオルスはそれを聞いて目を見開くが…すぐに顔を俯ける

 

「…所詮彼女を救うなど私には大それた願いだったのだ…私の様な凡人が彼女を救おうなど…出来る筈がなかったのだ…無理だ、私には出来ない…三年前と同じ…私には…彼女を救う事など出来ぬのだ」

 

アウレオルスは三年前の事を思い出す、あの時自分はインデックスを救えなかった、なら今回も同じ筈だと…アウレオルスは完全に自信を喪失していた、そんな彼に上条が何か言おうとした時姫神が彼の両頬に手を当てる

 

「…姫神?」

 

「そんな事ない。貴方なら出来る。私に希望をくれた時みたいに。貴方ならあの子を救える」

 

「……憮然、無理だ…私は誰も助ける事など出来「そんな事ない」…何?」

 

「貴方は私を助けてくれた。それは変わらない事実。貴方なら出来る。貴方の力は…誰かを助ける為の力なんでしょ?」

 

アウレオルスが姫神を見る、彼女は微笑みながらアウレオルスならインデックスを助けられると言い切る、自分を助けてくれた時の様に…貴方にはそれが出来ると言い切る

 

「あんたのその力ならインデックスを完全に助けられるんだ。それは俺達には出来なくてあんたにしか出来ない事なんだ」

 

上条はインデックスを完全に助ける事はあんたにしか出来ないと言い張る、それを聞いてアウレオルスはアゾット剣を握りインデックスの元へと近づく

 

(出来るのか?この私に…いややる前からそんな気弱な事を考えるな!…だが救えなかった私に彼女を助ける事が出来るのか?…駄目だやっぱり私には彼女は救えない)

 

アウレオルスはアゾット剣をインデックスに向けながら彼女を助ける為の言葉を言おうとして…言えない。もし成功しなかったら?やはり自分には出来ないんだと頭の片隅で思ってしまう…やはり自分には人を救う事など…そうアウレオルスが考えた時アゾット剣を持っていない方の手を姫神が両手で握る

 

「…ひ、姫神?何を…」

 

「こうしてれば安心するかも。そう思って…嫌?」

 

「………いやそのままでいい」

 

突然な行動にアウレオルスが驚くが姫神は真っ直ぐ彼の目を見てこうしてれば不安にならないと笑いかける、それを見てアウレオルスは一瞬顔を固め無表情な彼の顔に笑みが浮かぶ

 

(…不思議だ、彼女に手を握ってもらっていれば…不思議と不安がなくなる…今なら…今の私なら…彼女を救える)

 

不安はなかった、出来ないと思う事はなかった、姫神が彼の手を握っている限り自分に出来ない事はない様にアウレオルスは感じていた…そして剣を強く握り彼は力強く、されど静かな声で全てを終わらせる言霊を吐き出す

 

「……彼女を縛る術式を破棄せよ(・・・・・・・・・・・・)、そして彼女の失われた記憶を蘇らせよ(・・・・・・・・・・・・・・)

 

その一言でインデックスに僅かに残っていた隙あらば彼女を擬似魔神に変貌させる術式が完全に崩壊した。同時にインデックスの脳内に膨大な量の記憶が流れてくる…その膨大な情報量にインデックスは身体をふらつかせステイルが彼女を支える

 

「大丈夫かインデックス!?」

 

「……うん、大丈夫だよステイル」

 

心配するステイルに笑いかけるインデックス、そして彼女はアウレオルスに向き合う

 

「…全部思い出したんだよ先生(・・)、ステイル達との記憶も…今まで私と一緒にいてくれた人達との記憶も…全部思い出せたんだよ」

 

「……そうか、成功したのか」

 

インデックスが全部思い出したと言うとアウレオルスは成功したのかと笑う

 

「……やっぱり先生は約束を守ってくれたね。先生は私を助けてくれた」

 

「……そう、だな…三年もかかってしまったが…漸く君を救えた」

 

「……先生、私を助けてくれてありがとう」

 

インデックスが自分を助けてくれた先生に笑顔で感謝の言葉を伝える。アウレオルスはその言葉を聞いて…眼から涙をこぼした

 

(…ああ、そうだった。私は…この言葉を聞きたくて、この子の笑顔が見たくて…これまで頑張ってきたのだ…)

 

「…よかった、本当によかった…君の助けになれて…良かった!」

 

インデックスの救いの一部になれてよかったと掠れる声でアウレオルスは呟く、確かに彼はインデックスを救えなかったかもしれない。だが彼女の助けになる事はできた。アウレオルスは彼女にこの言葉を聞きたいが為だけにこれまで頑張ってこれたのだ。アウレオルスの心が満たされていく。この三年間は決して無駄ではなかった、最後の最後で彼はインデックスを救った一人になれたのだ

 

「良かったね。アウレオルス」

 

彼は顔を涙でぐしゃぐしゃにしながらよかったと泣いた、生まれて初めて大声で泣いた。漸く彼の望みは叶ったのだ。この日アウレオルス=イザードは救われた、インデックスの主人公にはなれなかったがそれでも構わなかった。姫神は笑って泣き喚くアウレオルスの頭を撫でる…こうしてこの彼の悲劇の物語は終わった

 

 

 

 

 

 

「ほう、今回も御都合主義(ハッピーエンド)の様なりけりね」

 

「「「「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」」」」

 

唐突に声が部屋に響く、全員が扉の方を向く。そこにはある女が立っていた

 

「……何故ここに貴様がいる?」

 

ステイルがその姿を見て怒りの形相になる、アウレオルスも何故ここにこいつがいるのかと目を見開く、その女はベージュの修道服を着用し身長の2.5倍はある宝石の様に美しい長い金髪を揺らしながら垣根達を見て笑っていた

 

「…貴女はイギリスにいる筈…いやそもそも何故ここに来たのです?」

 

神裂も親の仇を見る目でその女を睨む、彼女は神裂達の…いやアウレオルス達を含むインデックスのパートナーだった者達の仇同然だ、何しろ彼女がインデックスに『首輪』をかけたのだから…そして神裂とステイルはその女の名を叫んだ

 

「「答えろ!イギリス清教 最大主教(アークピショップ) ローラ=スチュワート!」」

 

「は〜い!息災なりけりかしらステイルに神裂?」

 

その女こそ全ての元凶 清教派のトップでありインデックスの記憶を奪う様に術式を組み込んだ女…最大主教 ローラ=スチュワートである。彼女は相手を馬鹿にする様な笑みを向けて神裂達に手を振る

 

「…垣根、こいつがインデックスを苦しめてた黒幕かにゃーん?」

 

「…そうだよ、この女がインデックスを苦しめステイル達の運命を弄んでいた女だ」

 

「さあり、私こそがイギリス清教の最大主教 ローラ=スチュワートでありけるのよ」

 

麦野がこいつが黒幕かとローラを睨みながら垣根に聞くと垣根は頷く。全員がローラを睨む中ローラは涼しげな顔で笑う

 

「で、何をしに来やがった女狐」

 

「お〜怖いにありけるのよ、私が何をしに来たなど分かりべき事でしょ?」

 

垣根がローラを睨みながら何をしに来たのだと呟く、それに対しローラはへらへらと笑って分かりきった事だと嘲笑う

 

「禁書目録の回収なりけりよ、科学サイドに魔術師を…しかも十万三千冊の魔道書の知識を持つ禁書目録を置いておくのは危険と見てな、わざわざ私が出向いた次第よ」

 

ローラは禁書目録が学園都市については魔術サイドと科学サイドの天秤が崩れてしまう、だから連れ戻しに来たと笑う。それを聞いて全員が目を見開いた、インデックスはステイルの背中に隠れてローラを怯えながら見る

 

「い、嫌なんだよ…私はステイル達やくろこ達と一緒にここで暮らすんだもん」

 

「…分かっているインデックス、僕がこの女から君を守る」

 

「お〜カッコいいよな、だが無駄なりけりよ。この私相手に勝てると思っているのか?それにこのままでは学園都市と我が清教派による戦争が起きるなりよ…全ては貴様がここにいるせいで…それでもここにいたいのかしら?」

 

インデックスを守るかの様にステイルがルーンカードを取り出し、神裂も刀を抜刀する。ローラはただ笑みを浮かべてここにいれば戦争になるぞと脅し、それを聞いてインデックスが青ざめる…自分のせいで友達が危険な目にあってしまうと…それを見て笑うローラに帆風が喋りかける

 

「……あの、一つ聞いていいですか?」

 

「なんなりか小娘?私は今機嫌がよい、なんなりと聞くがいい」

 

「……その馬鹿見たいなエセ古文みたいな話し方はワザとですか?それとも真面目に喋っているのですか?」

 

「………」

 

帆風の言葉にローラの動きが固まる

 

「な、え、あ! お、おかしいの?『日本語(ジャパニーズ)』とはこんな感じといふものではないければかしら!?」

 

「…いや日本語はそんなんじゃないんだよ」

 

「…愕然、真面目に喋っていたのか…私達を馬鹿にしているのかと…」

 

「……あんな馬鹿に騙されていたのか」

 

はわわ!と慌てるローラに外国人三人がドン引きしていた、彼らは外国人と思えぬ程日本語が流暢である。こほんとワザとらしく咳をしたローラは冷や汗をかきながら口を開く

 

「…ふ、まさか…今のは貴様らを馬鹿にする為に話していただけよ(あ、あぶねー!クセになる前に言葉遣い直せてよかったー!てか土御門の奴騙しやがったな!でもまだバレてない!セーフ!)」

 

冷静な口調で今のは遊びだと笑うローラ、内心では動揺していたがバレていない筈と安心する、まだクセになっていなかったので誤った口調を改めれた

 

「まあそんな事はさておき…どうする超能力者共よ、大人しく禁書目録を引き渡すなら貴様らだけは見逃してやってもいいなり…ゴホン、見逃してやるぞ」

 

ローラは誤った口調に戻りかけるがなんとか言い直しインデックスを渡せば命だけは助けてやると笑う。だが垣根はそれを聞いて笑っていた

 

「馬鹿か、テメェは…たかだが清教派の雑魚共に学園都市がビビるとでも?それにこっちにも魔術師達がバックにいるんだぞ?」

 

「知っている、ローマ正教やら以前貴様らがスコットランドで盗んだ原典たるタロットカード…確かに数の差では学園都市の方が上…だがこちらには禁書目録を上回る切り札があるのでな」

 

「…切り札だと?」

 

「貴様なら知っているのではないか?幻想殺しの同質にして対極の力 理想送り(ワールドリジェクター)の存在を」

 

「……!?まさか!」

 

「そう、そのまさか…私は理想送りを手中を収めている。その気になればいつでも学園都市を新天地に送れるのだぞ?」

 

垣根が学園都市にはローマ正教を筆頭とした魔術師達との繋がりがあると笑う、だがローラはそれを知った上でこちらにも切り札 理想送りがあると笑うと垣根が目を見開く

 

「理想送り…?俺の右手の対極?」

 

「知らないのも無理はない。生まれたのは最近だからな…まあいい、理想送りなら貴様らなど赤子同然よ」

 

上条が自分の右手を見ながら理想送りと言う単語を呟く、理想送りなら超能力者ですら赤子扱いだとニヤニヤと笑うローラ、そんなローラに垣根が言葉をかける

 

「…お前の目的はなんだ?」

 

「?禁書目録の回収だと言った筈だが?」

 

「嘘つけよクソ悪魔(・・・・)、テメェが本当の事を言うわけねえだろうが。インデックスの回収てのは表向きで裏で何か考えてるんだろ?なあ大悪魔コロンゾン(・・・・・)

 

垣根がローラの事をコロンゾンと呼ぶとローラの動きが止まる。全員が垣根の言った意味を理解できない中ローラだけは歪んだ笑みを浮かべ垣根の顔を見つめる

 

「……何だ、バレていたのか」

 

「当たり前だ、この俺を馬鹿とでも思っていたのか?」

 

「流石だな垣根帝督(イレギュラー)。この世界の者とは違う魂を持つ男よ…私がアレイスターと同じ敵と認識しているだけはある」

 

ローラ…コロンゾンは悪戯がバレた子供の様な顔をして嘲笑う、そして垣根の事をイレギュラーと呼び普通の者とは垣根は魂が違うと呟く

 

「こ、コロンゾン…?そんな悪魔の名前なんて知らないんだよ」

 

「コロンゾン、悪魔であるにも関わらず邪悪の樹(クリフォト)ではなく生命の樹(セフィロト)深淵(ダアト)にひそみ、人の魂の上昇を防ぐ悪魔…それがこいつだ」

 

インデックスはそんな悪魔は知らないとコロンゾンを凝視する、垣根がコロンゾンについて説明する。そしてコロンゾンは笑いを消し口を重々しく開く

 

「その説明では足りぬな、世界にあまねく万象とは生と死のサイクルの中にある。私はその詰まりを取り、循環不全を修正したる存在。すなわちこの私 コロンゾン…つまり人体でいう白血球と言ったところか」

 

コロンゾンが自分は世界の異常を治す白血球の様な存在だと教える

 

「さて、貴様らに宣戦布告を告げるだけの予定だったが……正体もバレていた様だし、このまま帰るというのもあれだ…ついでに全員殺してしまうか」

 

「……は、やれるもんならやってみやがれクソ悪魔が」

 

もうここで全員殺しておくかと軽くコロンゾンが呟き髪をウネウネさせる、垣根は未元物質の翼を展開しコロンゾンを睨む。上条達も垣根の横に並びコロンゾンを睨みつける

 

「お前の敵は垣根だけじゃないぞ!」

 

「悪ィが素直にハイそうですか、て殺される訳にはいかねェンだ」

 

「悪魔だかなんだか知らねえが私らを敵に回した事を後悔させてやるよ」

 

「それにアンタがインデックス達に苦しい思いをさせたんでしょ?その話を聞いた時から一発ぶん殴りたかったのよね」

 

「美琴に同感、今まで貴女が踏み躙ってきた人達の苦しみを教えてあげるんだゾ☆」

 

「お前が悪巧みしてる事は分かった、俺がその腐った根性を叩き直してやる」

 

「悪いですが貴女をここで止めさせてもらいます」

 

「……きひひ、まさかこの私を止める気でいるのか?」

 

全員が自身の能力を発動させコロンゾンを睨む、だがコロンゾンはニヤリと悪魔の如き笑みを浮かべる。その余裕に超能力者達は悪い予感を感じる

 

「……舐められたものだ、このコロンゾン相手に貴様ら虫ケラが勝てると思っているのか?身の程を知れ塵芥が」

 

瞬間コロンゾンから溢れんばかりの殺意と魔力が放出される、それを肌で感じた瞬間超能力者達は動けなくなった、それは単純な恐怖、生物なら誰もが感じる感情に震えて全員動けない…全員が悟った、コロンゾンには勝てないと。自然災害に人が抗えない様に、蟻が龍に勝てない様に超能力者達がコロンゾンに勝てるわけがなかった。全員が今や萎縮していた、恐怖の所為で演算が出来ず削板と上条も何の行動も起こせない

 

「軽く殺意を当てただけでこれか…期待外れにも程がある…まあいい、さっさと去ね」

 

コロンゾンの長き金髪が淡く光り髪が伸びて槍の形となる。そして上条達を串刺しにする為にその髪が伸びる…そして成すすべなく彼らは大悪魔に串刺しに…

 

「お前こそこいつらを舐めすぎだコロンゾン」

 

ならなかった。垣根が神秘的な光で輝く翼でその黄金の槍と化した髪を防ぐ、僅かに驚くコロンゾンに呆然と垣根を見る上条達

 

「お前は当麻達を甘く見過ぎなんだよ、こいつらはお前が思っている以上に強いぞ」

 

「…ほう?」

 

垣根には恐怖の感情は見えない、彼は上条達の前に立ちコロンゾンから彼等を守る様に立ち塞がる。それを見たコロンゾンは醜悪な笑みを浮かべ愉快そうに笑う、そして未だ恐怖で動けぬ上条達に目を向け話しかける

 

「なあ、貴様らは気づいているか?自分達が垣根帝督にとって足手まといになっている事に」

 

「足手まといだと…?」

 

「実際そうだろう?貴様らはこの私に恐怖し動けずそんな貴様らを垣根帝督が守っている…これを足手まといと言わずしてなんと言う?」

 

コロンゾンは上条達の事を足手まといだと嘲笑う、垣根はコロンゾンに恐怖を抱かず立ち向かえるのに対し彼らはコロンゾンに恐怖し立ち向かえない…コロンゾンはそれを指摘する

 

「ああ、哀れなるかな垣根帝督。望みさえすれば魔神や神上にも届きうる才を持ちながらもちっぽけな友情という足枷のせいでその可能性を諦めた者よ、友という名の弱者共のせいで貴様はいつまで経っても人という縛りから抜け出せぬ…全ては貴様らが弱いせいでな」

 

「足、枷?」

 

コロンゾンは言う、垣根にとって上条達は足枷であると、足手まといの所為で彼はいつまで経っても人間をやめられないと。上条達は垣根を見る…自分達は本当に足手まといなのかと

 

「本当に哀れだな垣根帝督。無限の可能性がありながらも弱者達が邪魔で「煩え」…ん?」

 

「煩えんだよクソ悪魔、当麻達は関係ねえだろうが。俺はこいつらといたいからいるだけ、悲劇が嫌いだから止めるだけ…ただそれだけだ…それに俺はこいつらを足枷だと思った事は一度もねえ…それ以上友達を悪く言ったら…許さねえぞコラ」

 

垣根はコロンゾンが悪魔らしく言葉で上条達の心を抉ろうとしているのに気がついていた。垣根はそれ以上友達を悪く言うなと睨みつける。それを見てコロンゾンは笑った。それは侮蔑や哀れみの意味ではなく本当に心の底からの笑みが込められていた

 

「…この善人め、そんなにも友情が大事か、ならばその大切な友人ごとあの世に送ってやろう」

 

コロンゾンはそう言うと右手をまるでレイピアを構えるような仕草をしながら召句を呟く

 

「あらゆる数は等価。我が右の手に蘇生のヌイト、有限の域を越えて広がる数価(かのうせい)を見よ。我が左の手に復讐のハディト、極小点はあらゆる力を収斂・収束して一つの意味を作り出す。すなわちここにラー=ホール=クイトの円にて無限の加速から解放されし一撃を現世の表層に顕さん」

 

Magick:FLAMING_SWORD(フレイミングソード)…燃える剣とも呼ばれるそのホルスの時代の魔術。その一撃は容易く垣根達を…いな学園都市を消し飛ばす程の威力を秘めている。そんな一撃を前に垣根は翼で対抗しようとするがコロンゾンはそんなもので防ぎきれるかと嘲笑う

 

「さらばだ垣根帝督(イレギュラー)

 

コロンゾンがその右手を突き伸ばそうとした直後だった、三沢塾の天井を打ち破って十本の言語では説明できない『矢』の様な何かがコロンゾンに迫る

 

「!?うお、おおおおおおぉぉぉぉぉ!!?」

 

コロンゾンはそれに飲み込まれ矢が床に命中し爆煙が生じコロンゾンが立っていた場所が見えなくなる…今の現象はなんだと全員が目を見開いていると自分達の背後に人の気配を感じ振り返る。そこには毛皮のコートの中に黒の革の装束を着た、鍔広の帽子を被り黄金の槍を片手に持っている14歳くらいの少女が机に腰掛けていた

 

「よお盟友。助けに来たぞ」

 

「貴方は…一体?」

 

「オティヌス。元魔神にして学園都市の魔術師達を率いるリーダー、かつて垣根帝督(盟友)と一緒にいたいが為に魔神の力を放棄した愚か者だ」

 

帆風は誰だと尋ねると彼女はオティヌスの名乗る。そして煙が晴れそこには無傷のコロンゾンが立っていた

 

「あ〜驚いた驚いた。魔神としての力を失ってもアレだけの威力とはな」

 

「…(いしゆみ)を受けても無傷か、化け物め」

 

コロンゾンが大袈裟なリアクションをしながら笑う、オティヌスがやはりダメかと軽く舌打ちし手に持った黄金の槍 主神の槍(グングニル)をコロンゾンに向ける

 

「だが元魔神が加わった程度でこの私に勝てると思っているのか?」

 

「いや流石に無理があるだろうな…だがこちらにはメイザースやアレイスター、脳幹…それに黄金夜明の魔術師達がいる…流石のお前でもこれだけの戦力とまともに戦って無事でいられるのか?」

 

「それで私が怖気ずくとでも?たかがその程度の戦力で私が怯えるとでも思ったか?」

 

コロンゾンは貴様が加わった所で自分には勝てないと余裕の笑みを見せるがオティヌスは今ここにアレイスター達が向かって来ているとコロンゾンに言う、コロンゾンはそんな程度の戦力では自分には勝てないと薄く笑いながら髪を発光させる…オティヌスと垣根がコロンゾンを睨みコロンゾンは微笑み続ける…ただそれだけなのに上条達は時間が無限に引き伸ばされたと感じた。変な動きをしたら即座に殺される。そう肌で感じた、黄金錬成を持つアウレオルスも姫神を背中に隠し守っているので精一杯だった…そしてコロンゾンはゆっくりと唇を動かす

 

「………やめーた、こんな所で戦う必要などないしな…貴様らを潰すのは理想送りでいい、それで駄目ならクリファパズル545に任せればいい…私自ら滅ぼすのも一興だが…それでは楽しくない、一気に終わらせてしまうよりもじわじわと痛めつける方が好ましい」

 

コロンゾンは一瞬で殺意と魔力を消す、それだけで部屋に充満していた重々しい空気がなくなる。彼女は気怠げな顔をすると何も自分が手を出す必要はない、それに一瞬で終わらせるよりもゆっくりと破滅する様を見る方がいいと呟く

 

「ああ、そう私の本当の目的というのは宣戦布告だよ、いくら仲間を増やそうがこの私には勝てないという絶望を理解させる為のな」

 

「趣味が悪いな…ま、それすらも本当か分かんねえがな…悪魔てのは嘘吐きだしな」

 

「それはお互い様だろう垣根帝督、いずれ理想送りやその仲間達が学園都市に襲来する…精々首を洗って待っている事だな」

 

コロンゾンが本当の目的は宣戦布告だと教えるが垣根はそれも嘘ではないかと疑う。コロンゾンはニヤリと笑うといずれ理想送りがいずれ学園都市にやって来ると笑みを浮かべクルリと身を翻しその場から消えていく

 

「……終わった…のか?」

 

緊張感から解放された上条達は地面に膝をつかせ過呼吸気味になる…コロンゾンと言う恐怖から生き延びられて生きているという喜びを感じていた

 

「見逃されたか、こちらが下に見られているようで腹が立つが仕方あるまい…怪我はないか盟友?」

 

「俺は平気だ、一回死んだ程度だしな」

 

「なんだたった一回死んだ程度か、よくある事だな」

 

(いや死ぬ事がよくある事なのですか?)

 

オティヌスは垣根に怪我がないか聞くと垣根は笑って一回死んだだけだと教える、彼女も一回死んだだけかと笑って返す。それをおかしいと返す神裂は間違っていない

 

「おや、もう終わってしまいましたかねー?」

 

「うお!?壁から緑のオッさんの首が生えてきた!?」

 

ヒョコとテッラが壁から顔を出した為削板が驚きの声をあげる。そのまま幽霊みたく壁から抜け出し騎士達を連れてアウレオルスに近づく

 

「……神の右席か。背教者である私を殺しにきたか?」

 

「いえいえ、殺したりなんかしませんよ。貴方がローマ正教を裏切ったのは一人の無垢な少女を救う為、それならば主も許してくれる筈なのですねー。ただちょっとバチカンまでそこのお嬢さんと一緒に来て欲しいだけなのですよー」

 

「判然、元よりそのつもりだ。私は捕まって当然の人間なのだからな、命があるだけありがたい」

 

「素直な事は良い事なのです…あ、そこのお嬢さん…貴方にはこちらのケルト十字を…あのフィアンマが吸血殺しの力を封じる様に作った物です」

 

テッラはバチカンまで付いて来てもらうと笑うとアウレオルスはそれに頷く、そしてテッラは姫神にネックレスの様な首にかける十字架を渡す

 

「……また会いに来てもいいかインデックス?」

 

「勿論なんだよ!ステイルやていとく達もまた会えるのを楽しみにしてると思うんだよ」

 

「……晏然、ならまた姫神と共にここに来よう…ステイル=マグヌス」

 

「…なんだ錬金術師」

 

「……この子を頼んだぞ」

 

「……言われなくてもこの子は僕が守るさ」

 

「……毅然、ならばよし…またせたな、連れて行って構わん」

 

アウレオルスがまた会いに来てもいいかとインデックスに言うと彼女は笑って頷く、アウレオルスも笑い返すとステイルにインデックスを守ってくれと言う。ステイルは当たり前だと言ったのを聞いてアウレオルスがテッラに連行しても構わないと喋る

 

「なら、バチカンまでレッツゴーなのですよー」

 

「まてエリマキ、私の骨船(こつせん)でバチカンまで移転させてやろう」

 

「それは助かりますねー、ではさようならなのです」

 

オティヌスがバチカンまで自分の魔術で送ってやると言うとテッラがそれに甘える、そしてシュンとアウレオルスとテッラ達の姿が消える、空間移動の類かと上条達は考えるがここからバチカンまで一発で送り届ける事は空間移動では無理なのでオティヌスの技量に驚く

 

「…さて、盟友の仲間達もさっさと帰れ。今から私は盟友と話があるのでな…」

 

「え?いや、ちょっと待…」

 

オティヌスが上条達を一瞥し早く家に帰れと呟く。何か言おうとした上条達だがそれを言う前にオティヌスが骨船でそれぞれの家や寮に転移させる

 

「…骨船て幻想殺しでも転移出来るのて便利だよな…でもあれ誤差酷いだろ?大丈夫なのか?」

 

「……まあ最近はミスをしなくなったし大丈夫だろう…床や天井、壁に挟まれているかもしれんがな…それは私の責任ではない」

 

「……あいつらが無事である事を祈っとくぜ」

 

オティヌスは目を逸らしながらちゃんと送り届けられたらいいなと呟く、垣根は明日ちゃんと生存確認をしようと思った

 

「しかし盟友、今回ばかりは私が助けに来なかったらあのクソ悪魔に殺されていたんじゃないか?」

 

「…だな、自動書記や黄金錬成でも難易度イージーなのにラスボスレベル奴が来るとか…パワーバランス考えろよ…てかオティちゃんどこ行ってたの?」

 

「サン=ジェルマンとかいうバグ野郎をトール達と一緒に駆逐して来た」

 

「あっそ、あのペテン師ね…まあどうでもいいや…俺も帰ろ」

 

オティヌスが自分が助けに来なかったら危なかっただろうと垣根に笑いかける、垣根もそうだなと相槌を打つとそのまま帰ろうとする、がオティヌスが垣根の肩に手を当てる

 

「待てよ盟友、飯はまだ食ってないだろう?一緒にじゃがバターを食べないか?」

 

「じゃがバター好きだよなオティちゃんて…いや俺早く早く帰って飯食って寝たいんだけど」

 

「知るか、今日は脳幹達とモンハンやるつもりでいるから寝かせねえぞ」

 

「…我儘な魔神様ですこと」

 

じゃがバターでも一緒に食べようと笑うオティヌスに帰りたいですと呟く垣根、それを無視してオティヌスは垣根を引きずり始める…そんな自分勝手な魔神様に垣根は溜息を吐いた

 

 

「…潤子さん遅いですね…もうとっくに門限は過ぎているのに」

 

入鹿が時計を確認する。もう門限をとっくに過ぎているといるのに帆風が帰って来ない事を心配していた

 

「もしかして何かの事件に巻き込まれ「きゃ!」…え?」

 

何かの事件に巻き込まれたのではと考える入鹿だったが背後で声が聞こえ振り返ると、ベットに倒れこんだ帆風がいた

 

「え?さっきまでいなかったのに…というかこんな時間まで何をしてたんですか潤子さん」

 

「……」

 

「え?だんまりですか?無視されると私泣いちゃいますよ?」

 

入鹿がこんな時間まで何をしてたのかと尋ねるが帆風は何も喋らない

 

(……ようやく分かりました…今までわたくしや女王達は垣根さんと同じ場所に立ってると思っていました、でも違った…垣根さんはわたくし達よりも遠い場所に立っている事に)

 

コロンゾンとの戦いで自分が何の役に立たなかった事に気づき、そこで垣根がいる場所と自分がいる場所が遠い事に気づく、コロンゾンが言っていた足手まといというのも案外的外れではないかもしれない。実際に自分は何の役にも立っていないのだから

 

(でも、それでも……わたくしは垣根さんの力になりたい、何年かかっても垣根さんと同じ場所に並びたい)

 

帆風は決意する、例え自分が周回遅れでも垣根と同じ場所に立ちたいと。垣根と一緒に戦いたいと

 

(待っていてくださいね垣根さん、今は頼りないかもしれませんが…いつか貴方に頼られるぐらいの女になりますから)

 

 

 

 

 

 

「……寒い」

 

「…ここ何処?」

 

アウレオルスと姫神は寒さに震えていた。それもその筈、彼らがいる場所は吹雪が吹いており地面は凍てついている。そしてアウレオルスと姫神の服装はスーツに巫女服、これで寒い筈がない

 

「…優先する、人体を上位に、冷気を下位に…ふむ、ここは南極の様ですねー」

 

テッラが光の処刑で寒さを和らげる、そして自分の足元を何かが突き足元を見下ろすとそこにはペンギンがテッラの横に立ったいた

 

「…バチカンと全然位置が違う」

 

「まあ仕方ありません。これは彼女の霊装の誤差の範囲ですねー」

 

「愕然、誤差どころではない気がするのだが」

 

テッラはこれは誤差の範囲だと笑うがアウレオルスと姫神は笑えない。南極からバチカンまでどれだけ距離があるというのか

 

「まあいいです、バチカンまで歩いて帰りますよ」

 

「「えぇ……」」

 

テッラはあくまでも前向きに南極からバチカンまで歩いて帰ると言う、騎士達も掛け声をあげて賛同する。アウレオルスと姫神はもう学園都市が恋しくなってしまった…彼等がまた学園都市に来れる日は来るのか?そもそもバチカンまでどれだけ時間がかかるのか、それは誰も知らない

 

 

 

 




コロンゾンさんは激強、あれだけの魔神の数から逃げ切り上条さんや一方さんを軽くあしらえる実力者ですからね。それにまだ序盤だから皆弱いからビビるのはしょうがない、ていとくんはエイワスと戦ったことがあるから耐性があったからビビりませんでした。縦ロールちゃんは原作のミコっちゃんポジです

そしてお気付きの方はいたと思いますがこの作品ではローマ正教は原作のイギリス清教ポジなので戦いにはなりません、つまり旧約のローマ正教編は全カットです(無情)

代わりにあの平凡な高校生さんとその勢力が襲いかかってきます…え?理想送りがでてくるの早い?これはちゃんと理由がありますよ、ヒントはていとくんのせい、詳しく言えばていとくんが原作と違う方向に持って行ったから…これだけ言えばなんとなく理想送りの誕生が早まった理由が分かったのでは?

次回からギャグに戻ります。そのギャグが終わったら旧約一番のギャグ巻だった御使堕し編に突入です
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