ギャグなのかシリアスなのか分からないですが楽しんで読んでもらえれば嬉しいです、途中でムカッと来るシーンがありますが…安心してください、スカッとさせます
上条達が目を覚ますと彼等は見知らぬ車の中にいた
「「「「「「………はい?」」」」」」」
寝ぼけているのかと一向は目を擦るがやはり彼等は車の中にいた。まさか、とここは夢の中かと頬を抓る、痛覚を感じたので断じて夢などではないのだろう。
「……パジャマのままですね」
「まさか…誘拐か?」
「私ら超能力者をか?なら随分肝っ玉が太い誘拐犯だにゃーん」
「…そんな大それた事が出来る行動力を持った人物といえば…あの人しか浮かばないわねぇ」
帆風は自分の服がパジャマのままだと気づく、上条が誘拐されたのかと呟くが麦野がそれなら相手はとんだ大物だと呟く、食蜂は誰がこんな事をしたのか予想がついたのか溜息を吐く。
「まあ、なンにせよ…ここが何処なのか確認だけはしとかねェとな」
この車はキャンピングカーの様な人が車の中でも生活できる様な車だろう、ご丁寧に冷蔵庫やら漫画本などが置いてある…上条達は慎重に車の中を見渡す、その時奥にある扉が音を立てて開き上条達は扉に視線を寄せる
「お、目が覚めたか」
「……やっぱりていとくンの仕業か」
現れたのは垣根帝督、彼等はやはりこの誘拐事件じみた事は垣根の仕業かと溜息を吐く
「で、なんで私達を拉致したのかしら?」
「おい、人聞きの悪い事を言うな。ただお前らが寝てる隙を狙って木原一族の皆さんに起きない様に攫ってもらっただけだよ」
「それを世間一般では拉致ていうンだよ…」
「まあ落ち着け、これからある場所に遊びにいくだけだ」
「遊びに行く?そんなの聞いてないにゃーん」
「当たり前だ、これは俺のサプライズドッキリだからな、言うわけねえだろ」
美琴はジロリと睨みと垣根はヘラヘラと笑う、垣根はこれからある場所へ遊びに行くというと上条が口を開く
「…で、この車は何処へ向かってるんだ?」
「当麻の家だけど」
「そうか、俺の家か……え?」
「当麻の家に皆でお邪魔パジャマしに行くんだよ、察しろ」
上条が何処へ行くのかと尋ねると垣根は上条の実家だと告げる、それを聞いた上条はポカーンと口を開けるがハッとした顔で垣根に大声を出す
「いやなんで俺ん家なんだよ!もっと遊びに行ける場所あるだろ!TDLとかU○Jとか!別の場所へ行けよ!」
「いいじゃねえか、友達の家に行くのはよくある話だし。それにミコっちゃんとみさきちにも悪い話じゃねえだろ?」
「?それはどういう事かしらぁ?」
上条は抗議するが垣根は軽くそれを流し、そして美琴達にとっても悪い話じゃないと笑うと二人は何の事やらと首を傾げる。
「だって当麻の家には当麻の両親がいる…彼女として親御さんの好感度を上げるチャンスだぞ」
「!…た、確かに…その手があったわね」
「つまりここで美琴と一緒に彼女力を発揮すれば…3人での結婚を認めてもらえる!」
「……垣根、お前賢いな」
(チョロいなこいつら)
上条達は確かにコイツの言う通りだと頷くと垣根は少し呆れた目を向ける。そんな中再び扉が開きそこから白衣の女性が入って来た。
「あ、お話は終わりましたか?」
「唯一先生…車は自動操縦にしたのか?」
「ええ、ちょっと喉が乾きましてね」
「ん?あんた確か俺達が垣根の家に行った時にコタツに乗って現れた女の人だよな?」
その女性と垣根は親しげに会話をする、削板が前にも会ったことがあるなと呟くとその女性が削板を見て答える。
「ええ、そうですね第七位。あ、自己紹介が遅れました…私はこの研究ラボことグリフォンドライバーの所有者の木原唯一です、以後お見知り置きを…」
「木原…木原くンと同じ一族の奴か」
「ええ、と言っても私の方が上位なんですけどね。この車で皆さんを第二位の家までお送りする様垣根に第一位に頼まれたのでこうしてグリフォンドライバーでお送りしているわけです」
唯一はニコニコと笑いながら喋る、彼女は冷蔵庫を開けると中からお茶を取り出しそれの封を開ける
「いや、なんかすみませんね。俺の家まで送ってもらって」
「いえいえ、報酬を出すと言われたらやるしかないでしょう」
「……報酬?」
「ええ、報酬です…で、そろそろ渡してもらいましょうか第一位」
「そうだな…じゃあこれ報酬な」
唯一は報酬が貰えるからこうして送っているのだと笑うと食蜂が首を傾げる、唯一が早く報酬を寄越せと手を出すと垣根が懐から何かを取り出す
「はい、これ脳幹先生の一週間の映像が記録されたブルーレイな、それと犬用の睡眠薬」
「ありがとうございます…これで先生が私がいない所でどうしてるか分かる…それにこの睡眠薬で……えへへ」
(((((((あっ、ふーん(察し))))))))
脳幹の映像が記録されたブルーレイと犬用の睡眠薬を受け取った彼女は怪しい笑みを浮かべる、それを見て超能力者達はこの人はヤバイ人だと理解した
「あ、分かっていると思いますが学園都市外での能力の使用は控えて下さいね。ご家族に見せびらかす程度なら問題ないですがそれで誰かを傷つけたりとかしないでくださいよ…それをネタに学園都市に対するアンチ勢が煩くなりますから」
「あ〜あのネチネチした時代遅れのオッさん共か…魔術師達に指示入れて呪い殺したらどうだ?」
「そしたらそれも学園都市の技術だ〜とか騒がれるんですよ…兎に角面倒事は避けてくださいね、でも命の危険時とかは流石に能力使ってくださいよ?貴方達に何かあったら学園都市の損出となりますので」
「分かってるて」
唯一はそう言い残すと運転席に戻っていく、垣根は本棚に手を伸ばし漫画本を手に取る、他も上条の自宅に着くまで何かをして時間を潰そうと考え何か食べるものはないかと冷蔵庫を漁り始める
「…遅いな当麻とその友達達」
「まあまあ、刀夜さんたら…まだ予定時間より5分遅れてるだけですよ」
神奈川県の上条の家の前にて、上条の父親である
「しかし当麻がこの家に帰って来るのは久しぶりだな…昼飯は寿司か焼肉どっちがいいと思う?」
「あらあら刀夜さんたら…この場合は私の手料理の方がいいんじゃないでしょうか?」
「む、確かに…当麻も母親の手料理を食べたいだろうしな」
「そうですね……あ、もしかしてあの車でしょうか」
詩菜がふと右の道路を見ると全高2m以上、全長25m以上のリムジンが自宅に向かってやって来た、リムジン!?と驚く刀夜を他所にリムジンは自宅の前で止まり扉が開くと車の中から上条が出てくる
「……この車リムジンだったのか、てっきりキャンピングカーだと…」
「派手な登場だな当麻、もしかしてこれが学園都市の普通の登場の仕方なのか?」
「一年ぶりですね、当麻さん。随分大きくって…」
「……そうだな…父さん達に会うのも去年の大覇星祭以来だな」
上条が両親と笑いあっていると垣根達も車から降りてくる
「ではお帰りの時はまた迎えに来るので〜それまで良い時間を〜」
「おお、ありがとな唯一先生〜」
「君達が当麻の学園都市の友達かい?」
「ええ、そうです当麻の親父さん。自分は学園都市の超能力者の第一位 垣根帝とく…「「邪魔!」」ゥゥゥン!?」
「垣根さんが女王と御坂さんに押しのけられましたわ!?」
垣根が刀夜にお辞儀しながら挨拶をしようとしたその瞬間、美琴と食蜂にバンと押し倒されてコンクリートの地面に倒れる
「はははははははは初めまして!先輩のお父さ…じゃなくてお義父さん!私御坂美琴て言います!」
「初めまして!食蜂操祈と申します!いやぁ随分理知力溢れるお父さ…いえお義父様なんですねぇ!」
「?君達も当麻の友達かな?」
「「いえ、彼女です!」」
「ああ、そうか彼女か……ん?」
美琴と食蜂はもう既に刀夜の事をお義父さん呼びして取り入ろうとする、刀夜は友達かなと尋ねるが彼女と言われ固まってしまう
「…あ〜当麻さんや」
「なんだい父さん?」
「この二人がお前の彼女と言ってるが…彼女て普通一人だよな?父さんの聞き間違え?それとも幻聴か?」
「いやこの二人は正真正銘、俺の彼女ですわよ?」
「………当麻が不良になっちまっただ」バタン······
「親父さンが失神したァ!?」
「ショックが強すぎたんだにゃーん!」
「不味い!AEDを探すんだ!」
刀夜は何かの聞き間違いかな〜と息子に話しかける、だが上条は真顔で二人は自分の彼女だと言うと精神的ショックで失禁してしまい騒ぎ出す超能力者達
「え!?何か俺変な事言った!?」
「いや普通彼女は二人いる筈ないですわ」
「!確かに…私達は慣れ過ぎていて気づかなかったけど一般的にはカップルて二人一組だっわ」
「すっかり忘れてたんだゾ…」
(慣れて怖いな…そして俺の心配をしてくれよ)
帆風がそりゃあこうなるでしょとツッコミを入れるとそう言えばそうだったと頭を抱えるバカップル、垣根は熱いコンクリートの地面に倒れているのに誰も心配しないので起き上がった
「…あらやだ当麻さんたら…これは何か投げなきゃダメなのかしら?」
「ひぃぃぃぃ!!怖い笑顔になってますのことよ!?そして電柱を引き抜こうとしないでください!」
詩菜は怖い笑みを浮かべて電柱を引き抜こうとしていた、その笑みは超能力者達でもビクッとなる程恐ろしかったが美琴と食蜂は詩菜と上条の間に入る
「ちょっと!人の彼氏になにしようとしてんのよ!」
「てか、貴女は上条さんのなんなのかしらぁ?」
「いやこの人当麻のお母さんだから」
「それが何よ!例え母親だろうが先輩を傷つけるのなら許さ………今なんて言った?」
食蜂と美琴が詩菜を睨みつけ貴女は上条のなんなのかと叫ぶ、垣根は母親だよと教えると全員がえ?と言った顔で詩菜と上条の顔を見比べる
「…お母さン?え?お姉さンじゃなくてか?」
「ああ、当麻のお母さんだ。そして当麻の親父さんの奥さんでもある」
「……上条を産んだ実の母て事かにゃーん?あのオッさんが再婚した相手とかじゃなくて?」
「そうだよ、実の母、マザー。are you ready?」
「「「「「「………えええええ!!?」」」」」」
全員が詩菜が上条の母親だと聞いて絶叫する、どう見ても若過ぎる。お姉さんだと言われた方が納得できる。どう見ても三十代には見えない
「す、すみませんお義母さん!お義母さんとは知らずとはいえ失礼な態度をとってしまい申し訳ありません!」
「ず、随分お若いんですねぇお義母様はぁ!嫉妬力が出るくらい瑞々しい肌です!」
「ええ、よく言われるですよ…二十代には見えないて…で、当麻さん説明してくれますよね」
「は、はい……」
詩菜が母親と知るや否や美琴と食蜂は詩菜に土下座する、詩菜は上条に怖い笑みを向けると事情を話せと若干脅す。震える上条の肩をポンと垣根が手を置く
「落ち着け当麻、俺が説明してやるから」
「か、垣根…」
「親御さん、当麻がこの二人と付き合ってる理由は実は俺のせいなんです」
「?貴方のせい…ですか?」
垣根が上条を庇って自分のせいだと真顔で言うと詩菜が首を傾げる
「ええ、それを今から天使語で説明します。mjtatglmunjgtmktmk彼女mtjmpkgmjgtjajtwkjtm二wtmjgjmawgajgkgjm」
「「「「「「「天使語で言うな!」」」」」」」
「…成る程、君が当麻が彼女達とくっつけた恋のキューピッドだったのか」
「…同時に二人に告白されるなんて…当麻さんたら刀夜さんに本当に似たのね」
「「「「「「「いや分かったの!?」」」」」」」
垣根が天使語(人間には理解できない言語)で上条と美琴、食蜂の事を話す。上条達は普通に話せと叫ぶが何故か両親はなんと言っていたのか理解し頷く
「まあ、取り敢えず家に入らないか?当麻達もこんな暑い中で立てるのは辛いだろう」
「あ、ではお言葉に甘えて…おい、早くお前らも入れよ」
「いやここ俺の家なんだが…」
刀夜は暑いから家に入ろうと玄関の扉を開け垣根が一足先に早く入る、上条はここはお前の家じゃねえよとツッコミを入れながら自分の家に入る…そして靴を脱いで応接間に行こうとした瞬間ドタドタと誰かが走る音が聞こえん?と上条が音の発信源を見ようとしたその時
「おにーちゃんおにーさんおにーさまあんちゃんあにじゃあにきあにぎみあにうえあいうえお!従妹が住兄に突撃フライングボディアターック!」
「そげぶ!?」
「「先輩/上条さん!?」」
ドーン、と小豆色の髪の少女の頭が上条の腹に激突し上条がギャグ漫画のように玄関の扉に激突する、因みに先程少女が言った言葉を漢字に直すと「お兄ちゃんお兄さんお兄様あんちゃん兄者兄貴兄君兄上あいうえお」となる
「やっほー!久しぶりお兄ちゃん!」
「な…お、乙姫か…?幼稚園以来……だな」
彼女の名前は
「しっかりして上条さぁん!」
「操祈、美琴…俺はもうダメみたいだ…」
「いやよ!死んじゃ嫌よ!言ったじゃない!3人であの夕焼けを見に行こうて!」
「…悪りぃ、もう無理みたいだ……もう1度見たかっな…あの…夕焼……け」
「「先輩/上条さん!うわぁぁぁ!!」」
「なンなンだこの茶番は……」
下らない茶番を始める3人に呆れた目を向ける一方通行、垣根達はそんな3人を無視して応接間に入った
「待っててくださいねすぐお茶を淹れますから」
「ありがとうございます…それにしても…随分個性的な内装ですわね」
帆風はソファーに腰掛けると周囲を見渡す、応接間には無数の世界各地のお守りや民芸品等が至る所に飾られており目の置き場に困ってしまう、しかも応接間だけでなく玄関や庭にも様々な物が飾られていた…恐らく他の部屋にもこれと似たようなものがある事だろう
「まあね、私が仕事で行った所で買ってきた物だよ」
「……父さん、まだこんな物集めてたのかよ」
「ははは、親とは子供の事しか考えない生き物なんだよ」
上条は少し辛そうな顔をして父親を見る、刀夜は上条に向けて苦笑する、それを見て垣根以外が全員がキョトンとした顔をする
「何の話ですか?」
「いや気にしなくていい…俺にとって嫌な話だからな」
帆風が何の話なのかと尋ねるが上条は曖昧に笑うのみ…何か隠してるなと疑う一同だかそんな空気をかき消す様に垣根が詩菜に話しかける
「当麻のお母さん、一つ質問いいですか」
「ええ、構いませんよ」
「奥さんの旧姓て…もしかして竜神だったりします?」
「?ええそうですけど…乙姫ちゃんは私の親族の子ですし…それが何か?」
「いえ、
「「「「「「「?」」」」」」」
垣根が詩菜の旧姓を尋ねる、それだけなら普通の会話だが超能力者達は少し疑問を感じる
「そういえばそこのお嬢さん…さっき御坂と言っていたが…もしかして御坂旅掛さんの娘さんかな?」
「?パパを知っているんですか?」
「此間ロンドンに行った時に会ってね…いやぁあの人と少しスリリングな事件があってね」
「スリリングな事件?」
刀夜が笑いながら御坂の父は旅掛かと尋ねると御坂は頷きながら知っているのかと尋ねる、刀夜はちょっとした事件があってねと笑う
「まあ大した事じゃないんだが…自分の手とアタッシュケースの取っ手を手錠で繋いだ女の子…確か『原石』とやらだったかな?、まあその子と田中君と旅掛さんと私の四人で夜のロンドンから銃を持った黒服集団から逃げ回ったてだけだよ」
「「「「「「「「なんか凄い事件に巻き込まれてるぅぅぅ!?」」」」」」」」
「黒服達は銃を撃って来たけど、女の子が黒服達を倒してくれてもう安全かと思ったら魔術師とか名乗った男が怪物を召喚して女の子が殺されかけてね。でも田中君が消火器を投げて男の顔面に当たって怯んだ隙に私と旅掛さんの拳がヒットしてその男を倒したんだ…で、最終的に無人のセスナ機を爆破して死んだフリして難を逃れたんだ」
ハリウッドの映画かと言いたくなるような事件に巻き込まれていた刀夜はあははと笑う、上条達もそんな事件に巻き込まれていたのかと乾いた笑みを浮かべる事しか出来ない
「因みにその後田中君とその少女は付き合う事になったらしい」
「その話を詳しく」
「少し黙ってろカプ厨、でも美琴の父親と父さんは面識があったのか…なんか運命を感じるな」
刀夜が新入社員とその原石の少女が付き合い始めたと言うと
「あらやだ、お菓子を切らしていたわ…」
「じゃあ俺が買ってくるよ」
詩菜がお菓子が切れていたと呟くと上条が自分がお菓子を買いに行ってくると立ち上がる
「あ、じゃあ私も一緒に行くわ」
「じゃあ私もぉ、上条さんが生まれ育った場所を見ておきたいしぃ」
「じゃ行ってくる」
上条は美琴と操祈を連れて近くのスーパーにお菓子を買いに行った、バタンと扉が閉まる音が聞こえると刀夜が口を開いた
「……君達、当麻は学園都市で楽しそうにしてますか?」
「?ええ、勿論毎日楽しそうにしてますよ」
「そうですか……それなら良かった、当麻にも毎年虐められてないかどうか聞いてるんだが…もしかしたら隠してるのかと思っていてね」
「やけに心配性なんだな当麻の父ちゃんは」
刀夜が全員に上条は学園都市で楽しそうに暮らしているかと真剣な顔で尋ねると帆風が楽しく生活していると頷く、削板が心配性だなと呟くと刀夜は複雑な顔をする
「……君達は当麻がどうして学園都市に来たか知っているかい?」
「?そう言えば聞いた事ねェな…むぎのんは知ってるか?」
「いや私も聞いた事ないな」
「俺は一度当麻に聞いてみたけど笑ってはぐらかされたな……」
「そう言えば聞いた事ありませんでしたわね」
「……そうか、あいつ…言ってなかったのか」
刀夜がどうして上条が学園都市にやって来たのかと知っているかと尋ねる、それを聞いてそう言えば知らなかったなと考え始める一同…それを見た刀夜は言ってなかったのかと呟く
「あいつの不幸体質は知ってますか?」
「ああ、でもまァ俺らから見れば大した事なさそうなンだけどな…精々卵を買い忘れたとか不良に絡まれたとか卵落として割ったとか魔術師と遭遇したりとか…」
「最後の一つ以外はよくある災難みたいなものにゃーん、でもあいつて彼女二人いる時点で幸福じゃね?」
「まあ、あいつは大抵の苦労を根性でなんとかしてく男だからな」
不幸体質と聞いて一方通行達はそんなに不幸かと首を捻る、確かに毎度お馴染みの様に災難にはあっているが精々セールを逃す程度だった筈だと考える
「実は私がこれだけ魔除けグッズを買ってくるのもあいつの不幸を治す為なんですよ…結局あいつの不幸体質は治りませんでしたが」
「へぇ〜此処にあるやつは皆上条の為だったのかにゃーん…確かに変な物ばっかね」
麦野が立ち上がって自分の戸棚に置いてあった置物を手に取ろうとする
「おい、むぎのん勝手に触らない方がいい…
「あ?術式?…まあ、確かに勝手に弄るのは悪いしやめとくか…」
垣根が何故か触るのはやめろと言うと麦野は疑問に思いながらも伸ばしていた手を戻す
「……皆さんはあいつが昔なんと言われていたかご存知ですか?」
「それは上条さんの渾名…みたいなものですか?知らないですね」
「……当麻さんは昔こう言われていたんです……疫」
「疫病神、ですよね奥さん?」
「!…知っていんですね」
「疫病神?なンだその嫌な渾名は?」
詩菜が上条の昔呼ばれていた渾名を言おうとすると垣根が代わりに言い詩菜と刀夜は知っていたのかと垣根を見る
「上条さんのお母様、その疫病神と言うのは…一体?」
「……当麻さんは昔から不幸だったんです…それも色んな人を巻き込んで…」
「最初は誰も気にしなかった、でも何度も何度も当麻の近くで事件が起きて…当麻がいると不幸が移ると言われて迫害を受けてきたんです」
「……酷ェ話だな、大人は止めなかったのかよ」
上条夫妻が自分の息子の昔話を淡々と話す、一方通行が大人は止めなかったのかと聞くと刀夜は少し険しい顔になる
「止めなかったさ、誰も…むしろ大人達は当麻の迫害を肯定していたんだ」
「「「「…は?」」」」
「…………」
「当麻さんはいつも子供達に石を投げられていつも酷い傷を負っていた…だが大人達はそれを見ていても誰も止めなかった…それどころか逆に子供達にこう言ったんです、「もっと酷い怪我を負わせろ」と」
刀夜の言葉に帆風達は固まる、垣根も黙り込む、大人達は助けるどころか逆に上条を突き放したのだと刀夜は悔しそうな顔をする
「誰も彼も当麻を疫病神扱いした、医者でも当麻の診察をしない、『不幸』になるから。教師は当麻の悩みを聞かない、『不幸』になるから…私達以外味方はいなかった…親族にもこう言われたよ…「可哀想ですね、あんな疫病神を子供にして」てね」
「……酷い」
「ええ、当麻さんは何も悪くないのに……全員当麻さんを疫病神扱いして……でも当麻さんは堪えていました、いつかそんな事は言われなくなるてそう信じて…私達もそうなる事を信じていました」
「だがあの事件が起こってしまった」
「……あの事件?」
上条夫妻の悲しげな顔に全員が何を言っていいか分からなくなる、刀夜がふとあの事件と口に出すと削板が何の話かと目を細める…そして刀夜は少し間をあけてから口を開いた
「当麻が借金を抱えた男に包丁で刺されたんだ」
「「「「!?」」」」
その一言を聞いた瞬間全員の目が見開かれた、どう言う事なのかと刀夜は言葉を続ける
「その男は自分が借金をしているのを当麻のせいにして包丁で刺し殺そうとした…何とか当麻は助かった…だが私達はこのまま当麻がここにいれば当麻がいつか殺されるのではと思ったんだ」
「だからあんたらは当麻を学園都市に預けたんだろ、学園都市…迷信のない世界なら当麻が殺されないと思って」
「ええ、オカルトを信じない科学の街なら当麻さんが不幸にならない、それに不幸が治るかもしれないと思って私達は当麻さんを学園都市に預けたんです」
垣根がだから上条を学園都市に預ける事にしたんだろうと言うと詩菜は頷く、暫く静寂が部屋の中に訪れた。誰も口を開こうとしない、帆風達も事実を知って何を言えばいいか分からなくなっていたが刀夜がまた口を開く
「でもね、ある時当麻から手紙が届いたんだ、「友達が出来た」てね」
「ええ、その時からでしたね。当麻さんが手紙を送ってくる度にその友達の事がいっぱい書かれてて…読んでるこっちも当麻さんが楽しそうな顔が浮かんでくるくらいでしたよ」
上条夫妻は少し笑みを浮かべる、その友達に上条は救われたと…そして二人は垣根を見る
「確かその友達の名前は…垣根帝督、君の事だよね」
「……当麻の奴、恥ずい事書きやがって」
「貴方だったんですね、当麻さんを救ってくれたのは」
「そんなんじゃないですよ、俺はただあいつと友達になっただけです」
その友達は垣根だと刀夜が言うと垣根は少し恥ずかしそうに頭を掻く、詩菜がお礼を言うと垣根はやめてくれと頭を振る
「…今日君達と一緒に来ていた当麻の顔を見て分かった、あいつは今不幸なんかじゃない、幸福なんだと…それも君達のお陰だ…本当にありがとう」
「これからも当麻さんと友達であげてくださいね、よろしくお願いします」
「…ええ、勿論ですよ、あいつは俺の友達ですから」
刀夜と詩菜が頭を下げる、それを見て垣根は笑みを浮かべて頷き帆風達も笑い返した
「ねえ、叔父さん!お兄ちゃんは何処に行ったの?さっきまで私お兄ちゃんと遊ぼうと思って持ってきてたゲーム探してたから何処行ったか知らないんだけど」
「さっきお菓子を買いに行きましたよ」
「えぇ!?それなら私が買って欲しかったお菓子があるのに…だって明日は皆で海水浴行くんでしょ!だからお菓子買いに行こうと思ってたからお兄ちゃんについでに買いに行って貰えば良かったな〜」
二階から降りて来た乙姫は上条が買い物に行ったと聞くと、自分が欲しいお菓子を買って来て欲しかったと呟いた
「じゃあ俺達が今から当麻達と合流してお嬢ちゃんが欲しいお菓子を買ってきてやろうか?」
「え?いいの?暑苦しそうなお兄ちゃん」
「勿論だとも!なあ皆!」
「そうだな、私らもお菓子買いに行くか…て、海水浴に行くって聞いてないんだが」
「だから言っただろ、サプライズだってな」
「海水浴かァ…海パン忘れたンだが」
「安心しろ、既に全員分の水着を持ってきてある」
「「「「いつの間に!?」」」」
削板が自分達が買いに行ってやろうと言うと乙姫が嬉しそうな顔をする、一方通行は海水浴に行くと聞いていない為水着を持ってきていないとぼやくが垣根がここにありまっせと大きなリュックを取り出す、その中には帆風達が家や寮に置いておいた水着が入っておりいつの間にと全員叫ぶ
「じゃあお菓子買ってきますんで」
「ありがとねお兄ちゃんのお友達さん達〜」
パタンと垣根達がお菓子を買いに行く為に家から出て行った
「……いい友達が出来てよかったな当麻」
刀夜はそう誰に言うでもなく呟いた
「ん?一方通行からメールだ…えっと何々、明日海水浴に行くらしい?それと水着は垣根が持ってきた…?たく、垣根の奴先に言っておけよ」
「まあいいんじゃない?学園都市には海がないからそういう広い所で泳いでみたかったんだし」
「それに美琴と上条さんの水着姿が見えるしねぇ…なんだか興奮してきたわぁ」
お菓子を買ってきた三人は一方通行のメールを見て楽しそうに会話をしている、そんな彼等の背後に何者かが忍び寄ってきた
「あ?もしかしてテメェ
「!!」
「「?」」
声をかけられて上条達が振り向くとそこには柄の悪そうな五人組の男女達が立っていた。疫病神と呼ばれて上条は激しく動揺し美琴と食蜂は疫病神とは何かと首を傾げる
「ねぇタク、誰こいつぅ?」
「お前らは知らなかったな。こいつは上条当麻て言ってな、小学校上がる前に学園都市に行った奴なんだよ」
「へ〜学園都市にスか?あの超能力とか使う化け物みたいな連中スか?」
「そーそ、それだよそれ」
美琴と食蜂は五人組を見て感じが悪いと悟った、明らかに自分達を見下している態度、それに自分達超能力者を化け物呼ばわりした事に不快感が増す…そしてそのタクと呼ばれた男は意地汚く上条を見る
「なあ覚えてるか俺の事?お前と同じ幼稚園の同じ組だった
「……覚えてねえよ」
「あ?何偉そうな態度とってるんだ疫病神」
「ねえタク〜、疫病神て何ぃ?」
シブタクと名乗った男が疫病神と言って嘲笑うと横にいた女が疫病神は何かと尋ねる、シブタクは嫌らしい笑みを浮かべる
「こいつの周りでさ、凄く変な事が起こってさ、もう幽霊とかそういう系が取り憑いてんじゃね?て言うぐらいでさ」
「あー知ってる知ってる、確か心霊番組に親の許可なしで撮影したて奴でしょそれ?いやぁ懐かしいねぇ!」
「確かこいつ包丁で刺された事もあるんだっけ?ウチの親がこいつに石投げてたの覚えてるわ…いやあの時は笑った笑った!まあ誰も止めなかったけどさぁ」
「えぇマジでぇ〜?マジウケる!お祓いでもしに行けっての!ウチらが不幸になったらあんたのせいだかんね!」
「そーそー、早くここから消え失せろよ疫病神、俺らはお前のせいで不幸になりたくねえんだよ」
笑ったまま上条に侮蔑の言葉を言い続けるシブタク達、それを聞いて美琴と食蜂の目が不快感から憤激の目に変わっていく。逆に自分達の彼氏をここまで言われて怒らないのはあり得ないが
「「あんたらねぇ…先輩/上条さんにそんな「いいんだ二人共」!先輩/上条さん?!」」
「事実だからさ…俺がそう行った目にあったてのは……こいつらの言い分は正しいんだよ。俺が浮かれ過ぎて忘れてただけだ…帰ってきたらこうなるて分かってたのに…皆といてて忘れてた」
「先輩……」
「上条さん……」
二人はシブタク達に何か言おうとするが上条がそれを止める、実際彼らが言っているのは事実なのだからと、実際そう言う事件があったのは変わらないと上条は俯いて呟いた。そんな上条を見て二人が何か言おうとする前にシブタクが口を再び開く
「お〜なんだよ疫病神、その二人の女…テメェの物か?中々の上玉じゃせえか…お前にはマジ勿体無いな」
「あ〜確かに…疫病神には勿体ねえスね…ねえ君達俺達と一緒に来ない?楽しい事して遊ばない?」
「ちょっと女子の前でそんな事言わないでよ〜それに学園都市から来たなら変な能力持ってから下手したら殺されちゃうわよぉ?」
「あー言えてる言えてる、疫病神の女は怪物てか?」
シブタクとモブの一人が美琴と食蜂に嫌らしい視線を向けるがモブの女が超能力は怪物だと笑いながら言いモブの一人がそれに同意する
「たく…今日は厄日だぜお前にあっちまうしよ…てかなんでお前はのうのうと生きてんだよ、テメェ忘れてんのか?お前の不幸は俺達みたいな善良な人間を不幸にしちゃうて事をよ」
「………」
「あ〜学園都市の奴らも可哀想だよな!お前みてえな人を不幸にする事しか取り柄のない疫病神がいるんだからな、つかそこの女も本当は内心迷惑してんじゃねえか?お前と一緒にいるから不幸な目にあってるてな」
「!?アンタ!それ以上先輩を愚弄したら許さないわよ!」
「おー怖、でもよぉ事実だろうが。こいつは生まれて来たのが罪なんだよお…こいつがいるから不幸になる、ならその人に害を与える疫病神に勇敢に立ち向かってる俺らは善人、つまりヒーローて事だよ」
上条を愚弄し続けるシブタク、自分の事を善人と称しているがこんな事を言っている時点で善人からは程遠い、自分がやっている事が悪事と思っていないクズである、シブタクは上条なんか生まれて来なかった方が良かったと大声で笑い他のモブも笑い出す、美琴と食蜂が能力を使ってこいつらを黙らせようかと考えた直後、彼は現れた
「お〜こんな所にいたのか」
「あ?」
当然の様に現れたのは垣根、彼の背後にはシブタク達を睨む帆風達もいる。削板がお菓子を沢山いれた袋を持っているので買い物帰りだろう
「誰だよテメェ」
「俺か?俺は垣根帝督、そいつの友達だよ」
「友達?疫病神のかぁ?マジかよ」
「さ、こんなモブ共ほっといて帰ろうぜ、帰ったらすぐに親父さんの車に乗って海水浴に行く海の近くにある海の家に泊まるんだ…早くしようぜ」
シブタクを素通りして垣根は上条達に早く帰って海水浴へ行く準備をしようと笑う
「おいおい、兄ちゃんよぉ、そいつの事知ってんのか?疫病神だぞ?そんな他人を不幸にする事しか出来ねえ奴と友達やってんのか?」
「は、当麻が俺を不幸にする?ねえよそんな事、俺はこいつといるのが楽しくて一緒にいるだけだ…さ、さっさと行こうぜ」
「物好きがいたもんだなぁ、疫病神と仲良しこよししてえ奴がいるなんてな…じゃあな疫病神、さっさとこの街から消えろよ」
シブタクは垣根に上条の事を悪く言うが垣根はそれを淡々と返すのみ、シブタクは面白くないと思ったのか仲間を連れてこの場から去ろうとする
「あ、テメェらに1つ言い忘れた事があったな…」
「?なんだよ」
去り際に垣根が言い忘れたと呟きシブタクが振り向こうとする…その瞬間シブタクの腹に垣根の蹴りが炸裂した
「げふぁ!?」
「俺の友達の事悪く言ってんじゃねえぞクソボケ」
蹴りつけられたシブタクはゴロゴロと地面を転がる、垣根が蹴ったのを見て上条達もモブ達も驚いた目で垣根を見る
「テ、メェ…!何しやがる…!」
「黙れ豚、俺はな自分の事を悪く言われてもなんとも思わねえし大抵の事なら笑って許してやる…だがな、1つだけ許せない事があってな」
垣根はシブタク達を睨みつける、そして口を開く
「
垣根の言葉は冷え切っていた、それでかつ激情に駆られていた。垣根を見てシブタク達は恐怖に駆られる
「な、何なんだよお前!?」
「言っただろ、俺は垣根帝督、単なる
その直後、学園都市の第一位の力の象徴たる三対の白き翼が出現する、圧倒的な力が周囲に溢れ出る
「さて、ゴミ掃除の時間だ…10秒で終わらせてやる」
彼らの過ちはただ1つ、垣根を怒らせた。これだけだろう、垣根の友達を馬鹿にしたせいで疫病神を凌駕する科学の天使が彼らに牙を剥いてしまったのだから…その怪物は嗜虐な笑みをシブタク達に見せつけながらその力の根源たる翼を振るったのだった
「おい垣根、大丈夫なのか?学園都市の外で能力使って?」
「大丈夫だ、何かあってももみ消すから。それに言うだろ、バレなきゃ犯罪じゃないて」
上条は垣根に能力を使っても大丈夫だったのかと聞く、それに対し垣根は大丈夫、大丈夫と笑う
「でもスカッとしたわ、ありがとね垣根さん」
「確かにスカッとしたわぁ、ありがとなんだゾ垣根さん」
「少し物足りない気もしたがスカッとしたからまあいいかにゃーん」
「少しやり過ぎた感はあったがあの根性なし共にはいい薬だったと思うぞ!」
「胸糞悪ィ奴らだったな…お前も災難だな上条」
「まあ流石にモザイクがかかるまでやるのはやり過ぎですが…まあ仕方ないですわね」
全員が口々にそう言うと上条がふと気になっていた事を呟く
「……なあ、俺てお前らに迷惑かけてないか?」
「あ?何言ってんだよ当麻」
「いや…あいつらの言葉を思い出してさ…俺のせいでお前らが不幸になってないか不安に「はいドーン!」痛い!?何すんだよ垣根!?」
上条が自分は皆の迷惑になっていないかと口にした所で垣根が上条の脳天にチョップを入れる、上条は垣根を睨むが垣根は溜息をついて言葉を返した
「ばーか、俺らがそんな事思ってるわけねえだろ。それに俺らは怪物揃いの超能力者だぞ?不幸なんか目じゃねえんだよ、なあお前ら」
垣根がそんなこと思っている筈が無いと言い、全員に賛同を求めると全員が頷く。それを見て上条が笑う
「……そっか」
「たく…そんな事より早く家帰って海水浴の用意するぞ、明日は全員で海で泳ぐんだからな」
垣根が早く帰るぞと言うと上条達はそれに頷いた、上条はふと昔の事を思い出す…あの時も垣根はこうやって笑って自分と友達になってくれた事を
「……幸福だな、俺って」
「「?何か言った?」」
「いや何にも…さて、早く帰って用意しますか」
自分は幸福だとボソッと呟く上条、食蜂と美琴が何か言ったかと尋ねるが上条は何でもないと言って返した、太陽が沈みかけ空がオレンジ色に染まっていく…上条は昔とは違うんだと心の中で呟き垣根達と一緒に自宅へと向けて歩いていた
上条さんの過去て描写はほぼないけど多分こんな感じなんじゃないかな?まあ少し雑でしたが…お許しを、こんなんでスカッとできないと思った方はすみません。もう少し過去を掘り出せと思った方もすみません。てか御使堕し編なのにまだ魂の入れ替わりがない
ていとくんは自分が馬鹿にされるのはヘラヘラ笑って流しますが友達のことを悪く言われるとああなります、上条さん以外も馬鹿にされるとプッツンします
次回は漸く御使堕しらしさが出てきます。さて魂の入れ替わりで誰がどんな姿になるのやら?(ていとくん達は魂の入れ替わりはしません)一つ言えるのは乙姫ちゃんと詩菜さんの入れ替わる姿は原作と違うと言う点でしょうね…頑張ってギャグにするぞ(使命感)、次回もお楽しみに