カプ厨がていとくんに憑依転生しました   作:暗愚魯鈍

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今回はギャグなのかシリアスなのか分からないあの二人の後日談、主人公になれなかった男とヒロインになれなかった女が主人公とヒロインになれた世界でのお話です

こんなんローマ正教の皆さんやない!て思った方は申し訳ありません。作者のキャラは大抵キャラ崩壊しているので…ではバチカンでの彼等の生活をお楽しみください


主人公になれた錬金術師とヒロインになれた原石

ここはバチカンの聖ピエトロ大聖堂。そこのある一室でアウレオルス=イザードが一冊の魔道書を書いていた

 

「…アウレオルス。ご飯持って来た」

 

「おお、すまんな姫神」

 

扉を開けて入って来たのは姫神、彼女は両手で盆を持ちその盆に昼飯を乗せてやって来たのだ

 

「ねえ。もう三日も部屋に閉じこもりぱなしだよ」

 

「む…そんなにもか…確かに言われてみれば…没頭し過ぎて気づかなかったな」

 

姫神がもう何日も部屋に閉じこもりぱなしで魔道書を書いていると言う。アウレオルスはもう三日も立っているのかと驚く

 

「少し休んだら?あまり書きすぎるなと教皇様に言われてた筈」

 

「嫣然、確かにそろそろ休むとしよう…身体を壊しては元も子もないからな」

 

アウレオルスは少し休むかと呟くと席を立ち姫神と共に部屋から出る…暫く廊下を歩くと広間に大勢の人数が集まっているのが見えた

 

「……アニェーゼ部隊か」

 

アニェーゼ部隊、ローマ正教の戦闘部隊にして聖ピエトロ大聖堂の守護を任されている部隊でもある。その部隊のリーダーはアニェーゼ=サンクティスという赤毛の少女だ

 

「アガター!動きが遅いですよ!カテリアも羞恥心を出すんじゃねえですよ!そんなんじゃあバチカン48に選ばれねえですよ!」

 

「……バチカン48?」

 

「えっとね。テッラさんが「ローマ正教にアイドルグループを作ってもっとローマ正教を世界に広めるのですよー」ていう考えを出してね。アニェーゼ部隊から48人アイドルに選ばれるらしいの」

 

アウレオルスがバチカン48とは何かと尋ねると姫神はローマ正教のアイドルグループだと教える、アニェーゼ部隊の面々は選ばれたいのか必死に踊りの練習をしている

 

「甘いですね皆さん、チョコラータ・コン・パンナよりも甘いですよ!ダンスていうのはもっと情熱的に!見せつける様に!」

 

「ダメですよ、シスターアンジェレネ。踊りとは可憐に美しく…そしてギリギリのエロスを見せつける事で男性の目を惹くんです」

 

「何故シスターアンジェレネはこんなにも上手いのですか!?」

 

「くそぅ!シスタールチアのエロさには敵わない!」

 

「……愕然、修道女がこんなのでいいのか?」

 

「……修道女は皆こんなんだと思う」

 

アニェーゼ部隊の中で特に激しく相手の目を惹き寄せるシスタールチアとシスターアンジェレネの踊りには周りのシスター達は嫉妬する、これでいいのかローマ正教

 

「あらあら、頑張っているみたいですねアニェーゼさん達…そんな皆さんにマカロンを持って来ましたのでございますよ」

 

「あ!シスターオルソラ!」

 

「やったーマカロンです!」

 

「感謝しますシスターオルソラ」

 

そんな彼女達にマカロンを差し入れに持って来たのはローマ正教の食事係担当の金髪の少女 オルソラ=アクィナス。ニコニコとアニェーゼ達にマカロンを配るオルソラ、そしてアウレオルスと姫神を視界に入れると笑顔で二人の元へと歩く

 

「三日ぶりなのでございますよアウレオルスさん、マカロンをどうぞ」

 

「ああ、すまないなオルソラ嬢。三日間で何か変な事はなかったか?」

 

「ええ、アニェーゼさん達は嬉しそうにご飯を食べるので作り甲斐があるのでございますよ」

 

「……会話が繋がらない」

 

「そうか…む、このマカロン美味しいな」

 

「困り事と言えば台所にGさんが出たのですが両手で掴んでキャッチアンドリリースしたのでございますよ」

 

アウレオルスと姫神にマカロンを渡すオルソラ、オルソラに何かなかったかとアウレオルスが尋ねるが全く別の話をするオルソラ…別に彼女は会話を無視してるとかではなく独自のルールで会話をしているので会話のリズムがつかめないだけである

 

「Gか…素手で掴むとは怖くないのか?」

 

「ええ、そのマカロンは学園都市から送られて来たレシピ通りに作ったのでございますよ」

 

(…あれ?これは一個前の会話をしてるの?)

 

「しかしアイドルか…上手くいくのか?」

 

「熱膨張て知っていますか?」

 

(やっぱりこの人の会話するの難しい)

 

アウレオルスはオルソラと平然と会話しているがオルソラの難解な会話を軽く進めるのは一種の才能である、それが出来るアウレオルスは凄いのだと姫神は思った

 

「快然、では私達は気晴らしに散歩にでもいく…マカロンは美味しかった」

 

「はい、Gさんは怖くないのでございますよ。でも流石にいきなり現れるとびっくりするのですよ」

 

最後まで会話が繋がらないオルソラと踊りの練習をするアニェーゼ達を後にし二人は聖ピエトロ大聖堂から市内へと足を踏み入れる

 

「怡然、ローマ正教は確かに変わっているな…昔とは大違いだ」

 

アウレオルスはそう誰にいうでもなしに呟くと街の中を歩く…そして辿り着いたのは街のお店の一つ「パン屋のテッラ」、その店にアウレオルスと姫神は入る

 

「いらっしゃいませなのですー…て、貴方達でしたか。何か買っていきますか?」

 

「…ではブドウジュースの瓶を二つ、それに魔道書を書く時につまみながら食べれるパンはないか」

 

「はいはいー、ブドウジュース瓶二つに仕事中でも食べれるパンですねー。それなら糖分も一緒に摂取できる砂糖パンがオススメなのですよー」

 

テッラは営業スマイルで二人に頭を下げ何を買うかと尋ねる。アウレオルスは仕事中に食べるパンとブドウジュースの瓶二つと言うとテッラは砂糖パンとブドウジュースの瓶二つを持ってくる

 

「砂糖パン一個で80円、ブドウジュース瓶二つで200円…合わせて280円なのですねー」

 

「あ。ついでにメロンパンも」

 

「はいなのですよー、なら合計360円になるのですー」

 

姫神がテッラに代金を渡す、テッラはニコニコと砂糖パンとブドウジュース瓶、メロンパンを手渡す

 

「で、どうですかー。バチカンでの生活には慣れましたか?」

 

「うん。もうすっかり慣れた」

 

「なら良かったのですー」

 

テッラがここでの暮らしには慣れたかと尋ねると姫神が慣れたと頷く、それを聞いてテッラは良かったと笑みを浮かべる

 

「莞然、また来る」

 

「ええ、仕事もいいですが身体を壊さないように気をつけてくださいねー」

 

アウレオルスがテッラにまた来ると言うとテッラが手を振る。アウレオルスと姫神がパン屋から出て次は何処へ行こうかと思考していると背後から誰かが走って来る音が聞こえ二人は振り返る

 

「うおおおおおぉぉぉ!!!」

 

獣の如き咆哮に似た叫びをあげながら走って来たのは後方のアックア、又の名をウィリアム=オルウェルと言う傭兵だ

 

「……アックア?」

 

「む、姫神秋沙とアウレオルス=イザードであるか、久しいであるな…だが私には今貴様達と話している時間はないのである」

 

「唖然、一体どうしたのだ?後方のアックアともあろう者が何に焦っているのだ」

 

「だから話している時間はないと…「ウ〜ィ〜リ〜ア〜ム〜」!?馬鹿な!全力疾走の私に追いついたのであるか!?」

 

アックアは二人がいる事に気づくと急停止して挨拶を交わす、アウレオルスが何故焦っているのかと尋ねるとアックアが何か言おうとすると何処からともなく声が聞こえアックアがビクッと震える

 

「うふふ…追いつきましたよウィリアム」

 

「だ、第三王女…」

 

その人物の名はヴィリアン、イギリスの第三王女である。民衆からの人気も高く『人徳』に優れると評される王女…の筈のだが彼女の目には一切の光がない…今の彼女には人徳溢れる王女には見えなかった

 

「もう逃がしませんよウィリアム〜」

 

「い、いかん、本気の目である!ここは逃げの一手…」

 

目がイッちゃってるヴィリアンにアックアは逃げようとするが誰かがアックアの両肩を掴む

 

「逃がさないし」

 

「諦めろウィリアム」

 

「な!?第二王女に騎士団長(ナイトリーダー)!?」

 

「また人が増えたね」

 

「愕然、何故王室派の王女二人と騎士派のトップがバチカンにいるのだ」

 

彼を押さえつけているのはヴィリアンの姉 第二王女のキャーリサとアックアの友人である騎士団長、アウレオルスはここバチカンだぞとツッコむ

 

「ありがとうございます、お姉様、騎士団長…これでもう逃げられませんよウィリアム」

 

「は、離すのである!このままでは私の貞操が奪われるのである!」

 

「はは、既成事実作って皇太子になればいいし」

 

「貴様それでも第二王女であるか!?」

 

アックアが離せと叫ぶがキャーリサは親指を立てて妹に襲われろといい笑顔になる

 

「良かったではないか我が友よ、傭兵から英国の皇太子とは逆玉の輿ではないか…しかもあんなにお美しい姫様と…羨ましいな死ね」

 

「辛辣であるな我が友よ!?」

 

「ええい、黙れ黙れ!このロリコンめ!私だってなぁ神裂嬢に結婚を前提で付き合いてえよ!あの歩く度に揺れる胸とか揉んでみてえよ!でも現実は非情なんだ!彼女はもうイギリスにはいない!こんな事になるなら告白しとけば良かった!」

 

「私はロリコンではないのである!ロリコンは貴様である!このロリコンめ!」

 

ロリコン同士の醜い言い争いが続く、だがこうしている内にヴィリアンはゆっくりと近づいていく

 

「…ねえ、ウィリアム…前にあった時…一ヶ月と5日と35分23秒前にあった時こう言ってましたよね?「8月17日にまた参ります」と…でも来てくれませんでしたよね?何でですか?ねえ何でですか?」

 

「そ、それは…」

 

「私待ってたんですよ?自分で貴方に食べて貰う為にケーキを作ってずっと…ずぅぅと待ってたんです…なのに来てくれなかった…許しませんよ」

 

(……これが噂のヤンデレ?)

 

もう完全にハイライトオフになっているヴィリアンに二重聖人であるアックアは恐怖に駆られる

 

「思えば10年前に貴方をイギリスから逃がしたのが失敗でした…でも今度は逃がしません。垣根君にその事を相談したら彼はこう言いました…「え?好きな男とくっつきたい?既成事実作ればいいんじゃないんすか」と…」

 

「あの野郎ッ!第二王女がこうなったのも全て垣根帝督のせいであるか!今度アスカロンで垣/根にしてやるである!」

 

ヴィリアンがヤンデレ化したのは垣根の所為と知ったアックアは今度アスカロンで垣/根にしてやると叫ぶ

 

「ねえウィリアム?私じゃダメなんですか?自慢じゃないですけど私お嫁さんとしての条件は最高だと思うんです」

 

「そうだし、技量も容姿も財力も権力も全部完璧だし」

 

「それに一途にお前の事を思ってくれる女性だ。こんな女子はそうそういないぞ…ほらやっちまえよウィリアム。男なら本能のままに欲望のままに獣の様に盛っちまえよ」

 

「お前そんなキャラだったであるか?…だが確かに第三王女は美しいし結婚後の生活も安定が約束されているのであるな」

 

もうキャラ崩壊を起こしている騎士団長にツッコむアックア、だが確かにヴィリアンは可愛いし王家の人間だから金もあるし老後も安心だとアックアは考える

 

「そうでしょう、だから私と一緒にイギリスに参りましょう。国を挙げての結婚式も挙げましょう」

 

ニッコリと年相応の笑みで微笑むヴィリアンにアックアも笑みを浮かべ…そして口を開いた

 

「だが断る」

 

「え?!」

 

「この後方のアックア、こんな展開に流される様な軽い男ではないのである」

 

((何故このタイミングで岸辺露伴?))

 

キリッとした顔で某スタンドの漫画家のセリフを吐くアックア、それを聞いて驚くヴィリアンと何故このタイミングでそれを言ったと訝しむアウレオルス達

 

「悪いがその誘い…断らせてもらうのである」

 

「な!?貴様逆玉の輿を棒に振るのか?!」

 

「分かっていないであるな我が友よ…確かに第三王女の気持ちは嬉しい…だがタイミングが違うのだよ」

 

「タイミング…?何を言ってるし」

 

アックアがタイミングが違うと言うと押さえつけている二人が首を傾げる。そしてアックアはこう呟く

 

「プロボースをするのは私からである、夕日をバックに海岸で100本のバラの花束を第三王女に渡す…それが私なりの告白の仕方なのである」

 

「「ベタだな、おい」」

 

「…案外。乙女チック」

 

アックアが自分から告白したいと言うとキャーリサと騎士団長がありきたりな告白だなとツッコむ

 

「…分かりました」

 

(む、やけに素直であるな)

 

ヴィリアンが小声で分かったと呟くとアックアが物分かりがいいと考えた…だが

 

「ならウィリアムの四肢の骨を砕いて動けない様にしてそのまま既成事実を作っちゃいます♪」

 

「全然分かってなかったである!?」

 

「もう激おこぷんぷん丸です、来てくださいエクスカリバー」

 

黒い笑顔で四肢の骨を砕くとエゲツない言葉を吐くヴィリアンにアックアはええ!?と叫ぶ、そして彼女がエクスカリバーと言うと空から英国紳士の様な服を着たアリクイの様な生物が落ちてくる

 

「ヴァカめ!紹介が遅れたな。私がエクスカリバーである!」

 

「この子は新たなる光の子達が発掘したのを私が脅し取っ…献上された品なんです」

 

その生物の名はエクスカリバー、あのアーサー王が所持していたとされる聖剣である…何故か騎士団長と声が似ているが…気にしないでおこう

 

「さて、力貸してもらいますねエクスカリバー」

 

「ヴァカめ!小娘が!私を使うのなら1000ある項目を守って…」

 

エクスカリバーが自分を扱いたいのなら1000ある項目を守れと言おうとした瞬間、ヴィリアンが思い切り足を地面に叩きつける。それだけで地面に亀裂が入る

 

「…もう一度だけ言います。力貸してもらいますね」

 

「ア、ハイ…ドウゾオ使イクダサイ」

 

エクスカリバーはヴィリアンに恐怖し片大人しく剣の姿になる、ヴィリアンはそれを握ると背中から白い翼を生やす…その姿は天使の様…ただしやってる事は堕天使である

 

「行きますよ〜」

 

「な!?なんであるかこの膨大な魔力は!?」

 

((あれ?これ私達も巻き込まれるパターン?))

 

ヴィリアンはエクスカリバーを両手で構え頭上に翳す、剣に膨大な魔力が集っていき焦るアックア、そして完全にとばっちりを受けるであろうキャーリサと騎士団長

 

「アウレオルス!助けてくれである!私を黄金錬成でこの場から何処かへ転移して…」

 

「私と姫神を別の場所へと移動させよ」

 

「バイバイ」

 

「逃げたである!?」

 

アックアはアウレオルスに助けを求めるがアウレオルスと姫神はアックアを見捨てて黄金錬成で何処かへ消えていく。そしてヴィリアンはエクスカリバーを大きく振りぬく

 

約束された勝利の剣(エクスカリバー)!」

 

「「「いやそれ腹ペコ王の宝具…」」」

 

チュドーン、と擬音を立ててバチカンのとある市内に大爆発を起こした

 

 

 

「…颯然、今日もバチカンは平和だな」

 

「うん。とっても平和」

 

アウレオルス達は先程の事はなかった事にして散歩を続ける、そして暫く歩くとバチカンの子供達がサッカーして遊んでいるのが見えた…それだけならよくある風景なのだがそのサッカーをしている子供達の中に自分達が知っている人物がいた

 

「マタイ!パスするぞ!」

 

「分かった!」

 

「「何やってんのローマ教皇」」

 

ローマ教皇であるマタイ=リースが子供達と一緒にサッカーをして遊んでいた、いい年の爺さんが何やっんだ

 

「さあ来い教皇!このペテロが見事止めてみせましょう!」

 

「「あんたも何やってんだ」」

 

そして教皇の敵チームのゴールキーパーを務めているのは枢機卿のペテロ=ヨグディス。ローマ正教の偉いさんが揃いも揃って何やったんだか

 

「ふ…甘いな…ヘブンズタイム!」

 

マタイが指を鳴らすと辺りの時間が止まった…もしくはマタイの動きが高速化しているのか相手の動きが低速化しているのか…どちらにせよ敵チームの動きが固まりマタイはその間をすり抜ける。そしてヘブンズタイムが終わると子供達が吹き飛ばされる

 

「ゴッドノウズ!」

 

「守り切ってみせる!ゴットハンドぉぉ!!!」

 

マタイが蹴ったボールがゴールに向かっていきペテロは巨大な手を具現化させボールを受け止める…しかし呆気なく破られペテロは吹き飛ばされボールはゴールに入ってしまう、そこで試合終了のホイッスルが鳴る

 

「凄えなマタイ!どうやったらあんな技できんだよ!?」

 

「ふ…年の功だな」

 

「マタイ!次はスマ○ラしようぜ!」

 

「いいだろう、私はスマ○ラも強いぞ」

 

「ぐ…また負けてしまったか…だが次は負けぬ!そして次のローマ教皇はこのペテロ=ヨグディスだ!」

 

子供達に凄いと言われるマタイ、マタイは次は子供達と一緒に室内で学園都市から送られた超能力大バトル スマホブラコン…略してスマ○ラで遊ぶ為に何処かへと歩いていく…その後をペテロが追う

 

「……バチカンは平和だな」

 

「うん。いつもと変わらない」

 

二人はまた見なかった事にした…そして暫く歩いていくと街中が少し騒がしい事に気づく、よく見ると町の人達が町の広場に集まって騒ついていたのだ

 

「?慨然、何かあったのか?」

 

アウレオルスと姫神は騒ぎの中心へと歩み寄る、そして広間の中心にいたのは…豚の丸焼きの様に木の棒に括り付けられて火で炙られているリドヴィア=ロレンツェッティだった

 

「「どういう状況!?」」

 

思わず叫ぶ二人、リドヴィアを火で炙っているのは前方のヴェントだった

 

「お、アウレオルスじゃない」

 

「愕然、これは一体どういう事だ」

 

「いやさぁ〜、こいつが幻想殺しの父親にイタリアで霊装を渡したらしくてさ〜。こいつの所為で御使堕しが間接的に起こったらしいから制裁加えてんのよ」

 

ヴェントはアウレオルスに此間起こったという御使堕しはリドヴィアが刀夜にイタリアで渡した霊装が間接的だが関わっていた為制裁を加えているのだと言う

 

「一応あいつも悪気があったわけではないし、あの事件はあくまで偶然…だから別に殺すとかしないけど」

 

「それなら良かった」

 

「まあ…あいつには火炙りなんて逆効果かもしれないけどね」

 

アウレオルスが殺す気はないと知って安堵する、だがヴェントは冷たい目でリドヴィアを見つめる

 

「火炙りとは…まるで聖女ジャンヌ=ダルクの様ですね!ですがまだ足りません!アイアンメイデンでも持って来なさい!痛みを受けてこそ人は初めて罰を知る!さあもっと激しい痛みを私に!」

 

「……もうやだこのドM」

 

火炙りにあっているリドヴィアは涎を垂らしながら人に見せられない笑みを浮かべもっと痛みを!と叫ぶ。流石告解の火曜(マルディグラ)、生粋のドMである。これを見て流石のヴェントも頭を抱える

 

「……バチカンにはまともな人物などいないのだな」

 

「…同感」

 

ローマ正教は変人しかいないのかと頭を抱える二人、唯一まともなのはテッラぐらいである。他には存在がセクハラなお姉さん(オリアナ=トムソン)魔草調合師のシスター(バルビナ)等ローマ正教はあのアクが強い面々が揃っている…その中でも特に個性が強いのはあの司教(ビショップ)だろう。因みに彼が異教徒の討伐に行った際この様なセリフを言ったという

 

 

『我らは神の代理人。神罰の地上代行者。我らが使命は、我が神に逆らう愚者を、その肉の最後の一片までも絶滅すること。AMEN(エイメン)!!』

 

 

「まさか司教なのに銃剣での白兵戦が得意だとは思わなかった…しかも爆弾から聖書を用いた魔術、それにメノラーを使った魔術は強いの一言だ」

 

ビアージオ=ブゾーニというローマ正教の司教ははっきり言って人外だ、魔術師だというのに銃剣を用いた白兵戦から聖書の書面を分解し魔術を起動する、更にメノラーを使った魔術でローマ正教の敵を屠る男である、その実力は高く彼を相手にするのは聖域を敵に回す様な物、神の右席とも互角に戦える程と言えばその実力がわかるだろう

 

「そしてついた異名がアンデルセン神父」

 

「いやそんな異名聞いた事がないのだが」

 

アイアンメイデンに自ら入ろうとするリドヴィアを必死に止めるヴェントを尻目に二人は広場から離れる、気分転換の散歩の筈がツッコミしかしてない様に感じてきたアウレオルスだがふと街中である人物を発見する

 

「おい、そこの老婆よ…俺様がその荷物を持ってやろう」

 

「え?でも重いですよ?」

 

「ふ、構わん」

 

「まあ、優しいねぇお兄さん」

 

フィアンマが重たい荷物を風呂敷に包んで背中に背負っているお婆さんに荷物を持ってやると言う、そして右肩から第三の腕を出しお婆さんの荷物を持つ

 

「力持ちだねぇ」

 

「それ程でもない…俺様の聖なる右は全てを救済するのだからな」

 

((いや使い方))

 

聖なる右をお婆さんの荷物を持つ為だけに使うフィアンマ、あまりにもしょうもない使い方にアウレオルス達は別の使い方があるだろとツッコむ

 

「しまった…うっかり高い所に荷物を置いて下ろせなくなっちゃった」

 

「俺様が取ってやろう」

 

「あ…風船が飛んでちゃった…」

 

「ほら、もう手を離すんじゃないぞ」

 

「あ〜背中痒い…でも手が届かない…」

 

「俺様が背中を掻いてやろう」

 

((使い方が地味すぎる))

 

フィアンマは第三の腕を駆使して高い所の物を掴んだり、空へと上がっていく風船を掴み取る、背中を優しく掻く…世界を救う力がこんな風に使われているのかと二人は思った

 

「ふぅ…いい事をした後の汗は格別だな」

 

「唖然、清々しい笑顔だな」

 

「あれだけの力があるのに。扱い方が間違ってるね」

 

右方のフィアンマ、彼は実力と能力だけなら高いポテンシャルなのだが能力の使い方を間違っている事で有名な男である、その世界を救える聖なる右を荷物運びや背中を掻く事にしか使わないのだ。戦う事も滅多になく使うとしても空間移動のみ…つまりアホの子である

 

「お疲れ様です、とミサカはお仕事終わりのフィアンマさんにコーヒーを渡します」

 

「すまんな13857号、やはり仕事終わりのコーヒーは最高だな」

 

彼にコーヒーを渡したのは妹達の一人でローマ正教のアニェーゼ部隊に所属するミサカ13857号。フィアンマは彼女に礼を言うとコーヒーを飲み干す

 

「…確か彼女は御坂美琴のクローンだったな」

 

「うん。他にも01253号とか00081号とかも。アニェーゼ達の部隊にいた筈」

 

アウレオルスと姫神は13857号を見てそう呟く、学園都市からの魔術の研修という事で何人かの妹達がバチカンに来ており13857号はその内の中の一人である

 

「いつもすまんな13857号よ」

 

「い、いえ…ミサカがいつも勝手にしてるだけですから…とミサカは顔を逸らします」

 

「?…何故顔を逸らすんだ?」

 

「な、なんでもありませんとミサカは更に顔を顔を逸らします」

 

フィアンマがイケメンスマイルを向けると顔を赤くして顔を逸らす13857号、フィアンマは何故顔を逸らすのか理解出来ない

 

「…喟然、見てみろ姫神…あれが恋に鈍感な男だ」

 

「顔を赤くしてても。気づかないものなんだね」

 

アウレオルスと姫神がフィアンマと13857号を見てそう呟く、もしやフィアンマはカミやん病に感染してるのではないだろうか?

 

「さて…そろそろ帰るとするか」

 

「ん。わかった」

 

アウレオルスは腕時計で時間を確認しそろそろ仕事に戻ろうと呟く、姫神は頷き聖ピエトロ大聖堂へと戻る為歩き始める

 

「……ねえ、アウレオルス」

 

「空然、なんだ?」

 

「バチカンでの生活はどう?前より楽しい?」

 

「……莞然、そうだな。確かに昔より楽しいな、昔と違ってローマ正教も丸くなっていたからな」

 

姫神はこの生活は楽しいかと尋ねる、それに対しアウレオルスは笑ってこの生活に充実していると呟く

 

「……私は感謝している、あの超能力者達に。彼等がいなければ私はインデックスを救う事も出来なかったのは愚か、人として踏み外してはいけない場所に行っていたかもしれない」

 

「……そうだね」

 

「だが、私はインデックスを救った後一瞬思ってしまったのだ…インデックスを救うのが私の目的なら…それを終えてしまったら何をすればいいのかと」

 

アウレオルスは言葉を続ける、垣根達が自分を止めていければインデックスの救いになる事は愚か、踏み外してはいけない一線を超えていたかもしれない。だが彼は救い終わった後こう思った…自分の目的が終わったら次は何をすればいいのかと

 

「だが、その考えはすぐに消えた…姫神、お前のお陰だ」

 

「……私?」

 

「ああ、インデックスを救った後は君を立派な魔術師…いや魔法使いにしてみせる。それが今の私の目標だ」

 

アウレオルスは自分の次の目標は姫神を彼女が夢見た魔法使いにするという事だった、それを聞いた彼女は笑う

 

「……ありがとう」

 

「感謝をするのは私の方だ」

 

彼等は互いに笑い合う、その光景は正しく主人公とヒロインの物語の一場面の様だった。この話は主人公になれなった男とヒロインになれなかった少女が主人公とヒロインになれた物語である

 

 

 

 




主人公になれたアウレオルスさんとヒロインになれた姫神さん…この人達はもうヘタ練と■■とは言わせない。これからも彼等はこんな穏やかな生活を続けていくのでしょうね…アウ姫流行れ〜

そして次回から新章 天使崇拝編スタート!ていとくんの宿敵が登場、そして追い詰められるていとくん、その時帆縦ロールちゃんは……

次回もお楽しみに
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