カプ厨がていとくんに憑依転生しました   作:暗愚魯鈍

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さて、今回は怒涛の展開です。最初は木原加群VS木原病理…そしてその次は新しい能力を二つも持って現れたていとくん…新能力は賛否両論でしょうがお許しください

後お気づきの方もあるでしょうがシリアスな時はサブタイが真面目になるんです。つまり今回も大真面目て事です。そしていつもより長いです、いつも長くてすみません


天使は闇へと堕天して…

加群は勝利の剣(レーヴァテイン)を振るう、ネッシーと化した病理は万物を薙ぎ払う尻尾を振るう。剣と尻尾がぶつかり尻尾は勝利の剣に切断され切られた直後に紅蓮の炎が尻尾を覆い尽くし尻尾を焼失する

 

「…本来なら燃える筈がない未元物質を焼失させるとは…それが貴方の魔術ですか?」

 

「その通り…これは万物を焼き払い自動的に敵を切り裂く術式だ」

 

レーヴァテイン…北欧神話においてグングニルやミョルニルと並ぶ武器の名であり神話上においてはロキがルーンを刻み作ったとも、豊穣神フレイが持つ勝利の剣だとも炎の巨人スルトが持つ炎の剣とも言われている剣…正確には剣なのかもわからない武器である。加群はこの謎に包まれた武器を自らの術式に組み込んだのである

 

「レーヴァテインは豊穣神の剣とも炎の巨人の剣とも言われている…だから私はこう考えた。両者の武器の特性を組み合わせれば万物を焼き払い、剣術が得意ではない私でも自動で敵を切り刻む術式が出来るのではないかと」

 

加群の勝利の剣の効果はたった二つ、スルトの剣として世界を焼き払った時の様に本来なら燃える筈のない物質すら焼き尽くす力とフレイの剣として敵に自動的に攻撃できる力を組み込んだ術式。剣の達人ではない加群でもこれを使えば例え神裂の様な剣の達人とも互角に戦える、更に万物を焼失すると言う特性上防御不可の一撃を敵に叩き込める攻撃特化の術式を作り上げた

 

「それは何とも厄介な能力ですね…ですが防御が疎かになってますよ!」

 

ネッシーと化した病理はその巨体を活かしその巨大な顎をハンマーの様に加群に振り下ろす、加群は勝利の剣のお陰で剣術は達人並みの動きだがそれはあくまで剣術のみ、聖人の様な身体能力を持たぬ加群にはこの一撃は避けれない。攻撃に特化していても防御が低ければ意味がない…そして加群は竜の顎に押し潰され病理は竜の顔のままニヤリと笑うが…

 

「その程度か?」

 

「な…!?」

 

ザクッ、と病理の頭が切断され頭が胴体と泣き別れする、そして頭は炎に包まれ焼失し押し潰された筈の加群は平然と顎を叩きつけられた場所に立っていた

 

「……頭部を切断しても死なないか」

 

加群は切り落とした筈の胴体から白い何かが溢れ出すのを確認する、そしてそこから再びネッシーの首が再生し病理は血の様に赤い目を加群に向ける

 

「…何故生きているのです?私は確かに貴方を叩き潰した筈なのに」

 

「……ジークフリート、この名は科学者のお前でも知っているだろう?」

 

ジークフリート、北欧神話における悪竜(ファフニール)を殺した竜殺しの英雄、竜血を浴びた事により甲羅の如き硬さを得、あらゆる武器での一撃を防ぐ不死身の肉体となった逸話を持ち、加群はその逸話を参考にしある一点を除いて自分の身体を不死身の肉体にする術式を完成させた…と言っても硬度は加群曰くウルツァイト窒化ホウ素の約10倍程度らしくお世辞にも防御特化とは言えない…だがハンマーの様な一撃を堪える程度は造作もない

 

「攻撃特化の勝利の剣、防御特化の竜血の鎧…貴様はこれらの術式を扱う私に勝てるのか?」

 

「……は、つくづく魔術というのは非科学的ですね…でもそんなに使い勝手がいいものではないという事くらいは知ってますよ」

 

加群は勝利の剣を携えながらそう呟く、だが病理は焦る事なくそんなに都合のいい力なのかと笑いながら前脚を加群へと叩きつけようとし加群はそれを回避する

 

「確かに攻撃特化に防御特化…嫌な組み合わせです…ですがそれには何らかのリスクが生じる筈です…例えば…持続するのに多量の力を使うとか……ね?」

 

「………ふん」

 

病理の言う通り、勝利の剣と竜血の鎧は破格の能力を持つ術式だ。だがこんな強力な能力がノーリクスで使える程魔術は甘くない、これには多量の魔力を常時つぎ込む必要がありこの二つを全力で使えば僅か10分足らずで魔力が底を尽きてしまう欠点がある、更に魔力とは生命力を変換させた力のこと。つまり魔力がなくなれば死に至る…まさに諸刃の剣であり短期決戦向けの術式である

 

「それがどうした、魔力切れまでに貴様を倒せばいいだけだ」

 

「…そう簡単に行きますかねー?形態参照 サンダーバード」

 

加群は時間切れまでに病理を倒すと呟く、病理がそれを聞いて笑うと身体をドロリと溶けてネッシーの姿から頭部はワニに似た巨大な羽毛のない翼を持つ鷲の姿へと変化させる。病理は翼を羽ばたかせ烈風を巻き起こし加群はそれを足に力を込めて烈風に耐える

 

「耐えますねー、でもいつ迄で続きますかね?」

 

サンダーバードと化した病理はその爪で加群の身体を引き裂こうとし加群は爪を勝利の剣で切り落とす、ならばと槍の様に鋭い嘴で加群の胸を穿とうとするが服が裂かれただけで肉体に傷はない。サンダーバードは翼を羽ばたかせ何度も人肌なら簡単に裂くであろう烈風を何度も何度も加群に放つが服が千切れるだけで加群には何の傷も与えられない

 

「この程度で限界か?」

 

「いちいち煩いですね、喋らないと死んじゃうんですか?」

 

病理は鬱陶しそうにビルくらいなら容易く切断できる翼を振るうが加群はそれをジャンプで避け翼に飛び乗る、加群は病理の左翼を駆け上がり背中まで辿り着くと背中に剣を突き刺し背中を切り刻む。だが病理は激しく体を震わせ加群を振るい落とす

 

「だから私にはそんな攻撃は通じませーん!未元物質による再生が可能な私にそんなチンケな攻撃は…」

 

「ああ、だろうな…だから一撃必殺の技を仕込ませて貰った」

 

「………はい?」

 

病理はそんな攻撃は効かないと笑うが加群はそれを知っているからこそ必殺の一撃を仕込んだと呟き病理は怪訝な顔をする、彼女は気づいていなかったが彼女の背には何やら文字が刻まれていた…それは科学者である病理には理解できないだろうが魔術師ならばそれがルーンだと気付くだろう

 

燃えよ(・・・)

 

ただ簡潔に加群がそう呟くと病理の肉体が紅の炎に一瞬で覆われる

 

「!??な、何が…!?」

 

「勝利の剣は単なる接近戦用ではない、勝利の剣でルーンを刻む事によりその対象を燃やし尽くす…レーヴァテインと言うのは本来は悪神ロキがルーンを刻んで作ったともされているからな」

 

何が起こったのか理解できない病理は呻き声をあげながら床をのたうち回る、皮膚が灼け爛れボロボロと身体が黒い炭になって崩れ始める…それでも病理は床を這う様に加群へと近づきその翼をを伸ばす…だがその翼も燃え尽き崩れてしまった

 

「か"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あぁぁぁぁぁ!!」

 

その断末魔を最後に病理の肉体は燃え尽き黒い炭となって焼失した、それはまるでレーヴァテインで殺されると言う雄鶏(ヴィゾーヴニル)を表現しているかの様だった

 

「……呆気ない幕引きだな」

 

それを確認した加群は呆気なかったと呟き勝利の剣を消す、そして上条達の拘束を解こうと考えた直後自分の胸から白い刃が生えた

 

「……カハッ…」

 

「「「「「「!?」」」」」」

 

加群はその刃を暫し呆然と見た後口から血反吐を吐く、それを見て驚く上条達。そして加群は自分の首を後ろへとゆっくりと動かし背後を見る…そこに立っていたのは白い刃が生えた腕を加群の背中へと突きつけた病理がいた

 

「な……に?」

 

「やだもー加群ちゃんたら〜私が死んだとでも思ったんですか?でも残念!私は生・き・て・ま・すぅぅ!」

 

そう言って病理は刃を胸から抜き加群の背中から大量の血が噴出する、そのまま倒れる加群に病理は黒い笑みを浮かべる

 

「何故だ……私が確実に殺した筈…」

 

「ええ、疑問に思っちゃいますよねー。でも残念ながら…ネタバレはしませんよ?ただ『諦め』を司る病理さんがあの程度で終わりとは思わない事ですねー」

 

ヘラヘラと笑う病理に加群が顔を歪める、油断したらこのザマだ、と自分を責めていた

 

「あ、因みにサンダーバードでの烈風攻撃は貴方の体の弱点を探る為の攻撃です。あの攻撃で貴方の体は一切傷を負わなかった…でも一箇所だけ薄くですが切れた箇所があったんですよ…それが背中のある一点…そこが弱点だったんですねー」

 

「……くっ」

 

竜血の鎧の弱点、それはジークフリートと同じ背中の一点のみ普通の人間と変わらない事。それを看破され加群は焦る…もう呪力は尽きかけ竜血の鎧の維持もキツい…勝利の剣ももうルーンを刻む事による必殺技も使えず加群は窮地に立たされる…それでも加群は立ち上がる、雲川鞠亜(生徒)の元へ帰る為に

 

「もう『諦め』てくださいよ。戦うのも面倒なんです」

 

「断る、私には譲れないものがあってな…私は貴様を倒し鞠亜の元へと帰る。そして垣根の友を救う…それが私の使命だ」

 

「はぁ……暑苦しいのとか本当にウザったいです」

 

加群は折れない、生徒の元へ帰る為、上条達を救う為にここで折れるわけにはいかない。そんな加群(ヒーロー)の姿を見て病理は笑いながら背中から漆黒の三対の翼を顕現させる

 

「では…あの世でいつか会いましょう」

 

病理は漆黒の翼を槍の様に加群に放つ、加群はそれに対し拳で立ち向かうとする…その直後純白の翼の槍が六本飛び出し病理の漆黒の翼の槍と衝突、爆破が起き加群はそれに吹き飛ばされる

 

「……やっと来ましたか」

 

病理は白い翼の槍が飛び出した方へと顔を向ける、そこに立っていたのは垣根帝督。横には帆風も立っていたが病理は彼女を視界に入れていない

 

「やっと来てくれましたね帝督ちゃん」

 

「よお、あの日の因縁を終わらせに来たぜ」

 

睨みつける垣根に黒い笑みを浮かべる病理…彼女の眼は垣根を瞬きする事なく見つめていた。彼女の目にはもう垣根しか映っていない、横にいる帆風も先程まで交戦していた加群も、捕らえた上条達も彼女の眼には映らない…彼女の興味があるのは垣根だけだった

 

「お前をここで殺して当麻達を助け出す…で、死ぬ前の遺言はねえか?」

 

「あは、言ってくれますね、前回負けたとは思えない強気…嫌いじゃないです」

 

「ほざけ、前のは油断してただけだ…知ってるか?ヒーローて奴はどんな奴にも勝てる可能性があるんだぜ?」

 

「あー。確かに…でも貴方がヒーローだなんて笑わせますね…貴方だって気づいているんでしょう?自分がヒーローの器ではない(・・・・・・・・・・)と」

 

垣根の発言を聞いてくすくすと笑う病理、そして彼女は言ったのだ、垣根はヒーローではないと。それを聞いて目を見開く帆風と上条達…垣根は何も答えない…病理はニヤリと笑いながら呟いた

 

「ねえそうでしょう?だって貴方は人殺し(・・・)ですからね、それも貴方がかつて住んでいた施設の友達を自らの手で殺しちゃったんですからね」

 

「「「「「「え………!?」」」」」」

 

「……殺、した?」

 

「……!!」

 

病理はこう言った、かつて垣根の友達だった人物を自らの手で殺したと。それを聞いた上条達は驚きの目を垣根へと向ける、帆風も垣根の顔を見る…垣根は唇を噛む…そこから血が流れているのにも気づかぬくらい彼は怒っていた

 

「それに貴方は無数の人を殺した…学園都市に仇なす者、学園都市を裏切った者、そして…貴方の超能力者(お友達)を使って悪質な実験を行おうとした科学者を…全部貴方が殺したんですよね」

 

「……本当なのか?」

 

「………」

 

病理の言葉を聞いて上条は垣根へと本当かと尋ねる、垣根は何も言わない…それこそが彼の答えと言わんばかりに

 

「貴方の翼は純白なんかじゃない…血で赤く染まった汚れた翼です、そんな貴方が甘ったるい光の世界に生きてるなんて…殺した子供達に申し訳ないと思わないんですか?貴方には光の世界に生きる資格はない、闇の世界しか貴方の居場所はないんですよ」

 

病理は光の世界には垣根の居場所はない、闇の世界こそが垣根が本来いる場所と笑う。垣根は何も答えず無言で背中から未元物質の翼を展開する

 

「……縦ロールちゃん、加群先生を背負ってここから逃げろ」

 

「な…!?」

 

「ここに行っても邪魔だ、早く逃げろ」

 

「そんな…わたくしだって戦「自惚れるな」…!?」

 

加群を連れて逃げろと言う垣根に反発する帆風だが垣根に大声で睨まれ帆風は驚く

 

「あんまり調子に乗るんじゃねえ、お前じゃあ何の役にも立ちやしねえ…あいつに殺される前にさっさと失せろ」

 

「そ、そんな事は…!」

 

垣根にいても役に立たない、殺される前に早くここから立ち去れと言う垣根に帆風は反論しようとする…それを見て病理が笑った

 

「帝督ちゃんは女の子の扱いがなってませんねー、そんな帝督ちゃんに問題です、私の手駒を前に貴方はそのお姫様を守り通せますかー?」

 

「あ?」

 

病理が指を鳴らす、そして部屋の壁が破壊され現れたのは白いのっぺらとした人型の何か。両手両足もあるが目や鼻はなく人間の様な歯が生えた口があるのみ…そんな異形な生物が無数に現れそのうちの一体が帆風に襲いかかり垣根は背中の翼で生物を真横に切り裂く…そしてその生物から真っ赤な血(・・・・・)が飛び散った

 

「………あ?」

 

「あーあ、また殺しちゃいましたね…人間(・・)を」

 

「……人間?」

 

病理はその生物を殺した垣根に言った、人間を殺したと…それを聞いてどう言う意味かと帆風が呟くと病理はニンマリと笑う

 

「その生物は…私が未元物質をノーリスクで人体を作る為に実験動物にした一般人ちゃん達です。その子達は上手く未元物質に適合しなかったようで…あ、でもご安心を自我ぐらいはありますよ?痛覚とか痛みを感じる事くらいは分かるんじゃないんですかね」

 

そう言った病理に垣根は気づく、この帆風に襲いかかろうとしている全ての生物が元人間で単なる被害者だと…その実験の被験者にされた人間達は病理が命じるままに帆風へと襲いかかる…そんな様を見て病理は笑った

 

「さあ、貴方は人を殺してお姫様を守る事はできますか?」

 

「……!?…くそ!」

 

垣根は六翼を高速で振るい回し襲い来る元人間達の身体を斬り刻む、刹那飛び散る赤い血に垣根の翼が赤く染まる。飛び散った赤い血は垣根も帆風にも降りかかり二人の服や身体を赤く染め上げる

 

「……ぁ」

 

帆風は垣根の雰囲気がガラリと変わったのに気づいた、あの元人間達を翼で斬り裂いたあの瞬間。垣根が致命的なまでに自分とは違う世界に行ってしまった気がした…そんな帆風の心情に気づかず垣根は帆風を一瞥し口を開いた

 

「……もうここは縦ロールちゃんのいていい世界じゃねえ…ここにいたら殺される…早く逃げろ」

 

「〜〜〜ッ!」

 

帆風は垣根の言葉で背中を蹴られたかの様に加群を背負ってこの場から脱兎の如く逃げ去った、垣根はそれを見届けた後ボソッと続いた

 

「……元気でな」

 

垣根は未だ拘束されたままの上条達をチラ見した後怒りの眼差しで病理を睨む

 

「……準備はよろしいですね?」

 

「……ああ、さっさとお前を殺してやる」

 

「なら行きましょうか、形態参照 イエティ、クラーケン、リトルグレイ」

 

垣根と言葉を交わした後彼女は右腕を毛むくじゃらな巨大な腕へと変貌させ左手の五本指が膨らみオレンジサイズの脳が製造され、脚が十本の触手が生える異形の姿と化した病理…彼女は垣根へと飛びかかり攻撃を仕掛けるが、垣根は左眼を赤く染め多才能力(マルチスチル)を発動。風力使いの能力で風を起こし病理を吹き飛ばそうとする。だが病理はその風を変化させた右腕で払い拳を叩きつけようとする、垣根はそれを座標移動を発動して垣根は回避する

 

「多才能力ですか…でも私には通用しませんよ」

 

「だろうな…なら…原石(・・)の力はどうだ?」

 

垣根はそう言うと病理へと拳を伸ばす。それだけで見えない力が放たれる、病理は僅かながら眉をひそめ漆黒の翼を盾にしてその見えない力を防ぐ

 

「……今のは俺の?」

 

削板は今のは自分の能力…原石だと気づく、だがあれは超能力ではなく原石…未元物質で再現可能なのは超能力だけではなかったのかと削板は考える…その疑問に答えるかの様に垣根が口を開いた

 

「俺の未元物質は人の人体まで複製できる、軍覇の脳を再現しちまえば原石の力は再現できるし、原石とはいえ超能力と原石は脳の開発によって誕生する、それが自然か人工かの違いてだけだ。なら多才能力に組み込む事も可能だ」

 

「流石帝督ちゃん、原石も完璧に再現できる様になりましたか…でもそれくらいじゃあ私には届きませんよ?」

 

「だろうな、ならこれはどうだ?」

 

垣根は懐からある物を取り出す…それはあのインデックスの遠隔制御霊装に似た物だった、そして垣根は口を開く

 

「「超能力」は未元物質。「魔術」は未元物質、「天使の力」は未元物質、未元物質は「超能力」、未元物質は「魔術」、未元物質は「天使の力」」

 

そう呪文を呟いた後霊装のダイヤルが動き出し垣根は更に言葉を続ける

 

「警告、第二十二章第一節。『竜王の殺息(ドラゴンブレス)』発射」

 

垣根の目の前に魔法陣が現れ魔法陣に謎の亀裂が入りそこから純白の光の柱と呼ぶべき光線が放たれる、病理は翼を広げ空へと飛翔する事でそれを避けるも垣根は魔法陣を上へと動かし光線も上へと上がっていき部屋の天井を穿つ

 

「…魔術…ですか、加群ちゃんと違い能力開発を受けている貴方が使ってしまえば血管が破裂すると思っていたんですが…どんなトリックが?」

 

「……神の右席から学んだ原罪を薄める事によって使える天使の術式…とだけ言っておくか…ま、簡単な言うと俺専用の術式て訳だ」

 

天使の術式、そう聞いた病理は薄く笑う。垣根が扱う天使の術式の名は『三位一体』

 

一つの存在に三つの異なる性質の物の性質を兼ね合わせる術式、これは未元物質に魔術と超能力、天使の力の性質や特徴を同じモノと定義する事により未元物質を使えば超能力者が魔術の副作用を受けずに済む(魔術と超能力が同じものなら超能力を使っても血管が破裂しないのと同じ)。魔術も超能力と同じな為火花を生じない…たったそれだけの能力だがこれにより垣根は魔術を使っても血管が破裂するなどのデメリットが生じることは無い。だがまだ未完成なので副作用が生じる可能性もある

 

「さあ…魔術と超能力、原石の力を扱える俺に勝てるか?」

 

垣根はそう呟くと未元物質で白いカブトムシ達を形成、更に昆虫型や恐竜型、魚類型の自律兵器を形成させそれぞれにレベル5の超能力、削板の原石を実装する

 

「…成る程、無尽蔵の兵器に魔術と超能力…魔術と科学の融合体…加群ちゃんといい、貴方といい…何故魔術を取るんでしょうか?」

 

「煩えよ、さっさと死ね」

 

垣根は演算を行い生命力の代わりに演算を魔力の代わりにする事で魔術を発動する、天から無数の火矢が降り注ぐ、病理はそれを翼を傘の様にして防ぐ。だが自律兵器達が砲弾や能力での攻撃を一斉に行う。それを病理は空を飛ぶ事で回避し自律兵器達に漆黒の翼を羽ばたかせる事で黒い粒子を散らし、それが自律兵器達に当たると自律兵器達が爆散する

 

「……その翼…俺の未元物質と全く同じ物だな…ただ素粒子の電荷とかが未元物質と真逆な(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)だけで」

 

「ようやく気づきましたか…その通り、この翼は帝督ちゃんの未元物質と同じにして真逆な物質…いうなれば反転物質(アンチマター)。これを未元物質とぶつける事により対消滅を起こし質量がエネルギーへと変換され爆発となる…これがトリックの正体です」

 

彼女の背中の翼は未元物質とは逆の性質にしてほぼ同じ物質…反転物質といい、これをぶつける事により未元物質と対消滅を起こし爆発を発生させたのだ。病理はそう言うと翼を羽ばたかせ反転物質の素粒子を撒き散らし自律兵器達をエネルギーへと変換し爆破させる。垣根は新たに自律兵器を形成する…それも今までの自律兵器と違いその白い身体の中心部に光り輝く人魂の様なコアが存在した。しかも赤青緑黄とそれぞれの個体によって色が違う

 

「天使の力…四大天使の属性である火水土風の四大元素を元に生命や魂に近い擬似生命を作り出しそれをコアとして生み出す…言わば人工生命体だ…これは唯一先生の『エレメント』を参考にさせてもらった。三位一体によりこいつらはコアの色にあった属性の魔術を行い更に超能力も使用できる科学と魔術のハイブリット兵器て訳だ…しかも未元物質と天使の力は同じ物と定義してあるから擬似天使とも言えるな」

 

その科学と魔術が交わりあった自律兵器は様々な魔術と超能力を病理へと放つ、火のコアの自律兵器なら火炎放射を、水のコアなら超高水圧の水、緑のコアなら巨大な土塊の槍を、黄のコアなら暴風を放ち更に超電磁砲の電撃や原子崩しがこれでもかと言う程に放たれ病理はそれをイエティの腕や翼で防ぎながら素粒子をばら撒き自律兵器を爆破していく

 

「俺を忘れるんじゃねえ」

 

垣根は未元物質を覚醒させ翼を無機質な光を発光する翼へと変化させ病理へと接近する、病理は漆黒の翼をぶつけ相殺しようとするがそれより先に病理の身体に翼がぶつかり病理は派手に吹き飛ばされる

 

「いたた〜、痛いですね」

 

病理はそう言っておどけるが垣根は容赦なく自律兵器達に病理を殺す様命令し自律兵器達の内カマキリやティラノサウルス等の接近戦向けの兵器が病理を殺そうと歩み寄る…それを見た病理は軽く笑う…そして攻撃を仕掛けた兵器達が病理から放たれた原子崩し(・・・・)によって破壊された

 

「……原子崩しだと?」

 

「帝督ちゃんなら恋査(れんさ)くらい知ってますよね?」

 

恋査、薬味久子の助手を務める『学園都市に七人いる超能力者が全て同時に統括理事会へ敵対行動を取った場合の対応策』と言うコンセプトを元に作られたサイボーグの事だ、その能力は超能力者の人間の身体構造を機械的に再現し能力の噴出点となる事で超能力者の能力が扱える様になる…病理はそれを未元物質で構成された身体で超能力者の肉体を再現する事により噴出点を作りその超能力を操れる様にしたのだ

 

「超能力に加え魔術も使える帝督ちゃんも随分反則ですが…これなら私も同等ですね」

 

病理は左手の脳から念動能力の力を放ち、脚の触手が伸びて垣根を潰そうとする、更に超電磁砲の能力が使える様に身体を改造し超電磁砲を放つ、それを垣根は竜王の殺息を放ちそれらを全て粉砕する。病理は超電磁砲から一方通行へと能力を変え空気を圧縮させ高電離気体(プラズマ)を作成し反転物質の六翼を重ね巨大な槍とし背から切り離しプラズマと共に垣根へと放つ…未元物質では防げないその一撃に垣根は右手をかざす、直後垣根の未元物質で構成された義手の右手がボロボロと崩れ右手から天使の姿をした()が現れた

 

ーーーキュラアアァァァ〜!ーーー

 

「!?それはアウレオルスの時の…!」

 

上条がその竜を見て叫ぶ、あの竜はアウレオルスと戦っていた時に自身の右手から現れた八体の竜の中の一匹だったからだ

 

「これで10万3,000冊の魔道書の原典の汚染を防ぐ事で俺は魔術を使ってる…三位一体とこの天使型の竜王の顎の相性はバッチリの様だな」

 

「……第二位の幻想殺しに第七位の原石…つまり帝督ちゃんは他の超能力者の能力の全部乗せて事ですか…もう超能力者は貴方だけでいいんじゃないんですかね」

 

病理が右手から出現した竜を見て面白げに笑う、彼女は超電磁砲を放ち反転物質の翼を槍の様に突き出すが垣根は竜を動かしてその顎で超電磁砲と翼を喰らい消滅させその竜を病理の身体を喰らわす為に伸ばす

 

「チッ!」

 

病理は慌てて翼を羽ばたかせ空へと逃げるが竜は病理を追って上へと首を伸ばす、そして竜が病理の身体を噛みつきボロボロと病理の身体が砂の様に崩れ始める

 

(やはり反転物質は未元物質と同じ異能の存在…幻想殺しにはこの身体も相性が悪い様ですね)

 

病理は幻想殺しと自分の反転物質で出来た肉体は相性が最悪だと内心で呟き崩れゆく身体から自分の頭部を切り離す、その瞬間病理の身体は完全に崩壊するが首だけになった病理は首から下を一瞬で再生させ平然と出来上がった足で立ち上がる

 

「化け物が…だがこの竜ならお前の身体を完全に殺せる。なら俺の勝ちは時間の問題だ」

 

「……ですね、超能力者の能力が使えても第一位の帝督ちゃんには敵いませんし…貴方は多才能力で強化した様々な超能力とその術式とやらで強力な魔術を扱える、挙句には私にとって弱点となる幻想殺しも扱う…確かに普通に戦えば負けてしまいますね…普通に戦えば(・・・・・・)…ですがね、でも病理さんにも計画を絶対に成功させる為にはこんな所で『諦め』る訳にはいかないのです…ですから」

 

垣根が竜王の顎なら反転物質で出来た身体を破壊できると笑う、だが病理はそんな危機的な状況でも笑みを崩さずそれを怪しむ垣根…そして彼女は口を開いた

 

「帝督ちゃんにはここで全てを『諦め』て貰いましょう」

 

病理は指を鳴らす、彼女の周囲に反転物質が人の形を形成させ7.8歳くらいの十数人の少年少女の姿をした反転物質で出来た人形が出来る…それを垣根が見た瞬間彼は全身から冷や汗が流れる

 

「……ぁ」

 

「感動の再会ですねー、貴方の記念すべき最初に殺した子供達(・・・・・・・・・)ですよー」

 

この人形達の姿は垣根が孤児院で一緒に暮らしていた友達の姿を反転物質で複製したもの、垣根はその姿を見て思わず一歩後ろに退がる…そして人形達は恐るべき速さで垣根へと迫り大型ハンターに匹敵するその拳を垣根に放ち垣根はそれを天衣装着や一方通行で強化した肉体でジャンプして避ける…そして人形達は口を開いた

 

「なんで僕達を殺したの帝督?」

 

「!?」

 

「なんで?私達はまだ生きていたかったのに…」

 

「許さない、俺達を殺したお前を絶対に許さない」

 

人形達が呟く怨念の声に垣根が顔を強張らせる、その言葉は単に病理が垣根の心を抉る為に言わせているだけなのか殺された子供達の本心なのか垣根には分からない

 

「お前のせいだ、お前さえいなければ僕等は死なずに済んだのに」

 

「私達を殺したアンタがなんでのうのうと生きてんのよ」

 

「許さない、絶対に…死んで謝れよ、いや死んでも絶対に許さない」

 

「ぁ…ぁ…」

 

拳を避け続ける垣根の耳に人形達の怨念の声が響き垣根は顔を青くし始める、人形達は更に言葉を続ける

 

「「「死ねよ帝督、罪の標に押し潰されて」」」

 

「あ…ああぁぁぁ!!」

 

人形達の死んだ様な目に怯えた垣根はその言葉を頭から消す為か翼を乱暴に振るう。それだけで人形達が陶器の様に砕ける…そして完全に消滅する前に人形達は口を開き笑った

 

「「「そうやってまた殺すんだ、この人殺し」」」

 

「あ……」

 

垣根を罵った人形達に垣根が目を見開く、また友達を殺してしまったと言わんばかりに…それを見て病理は笑う

 

「いいですね。なら次は今のお友達(・・・・・)に攻撃してもらいましょうか」

 

病理がそう言って手を叩くと垣根の周囲に六人の人型が形成される…それは垣根がよく知る人物達の姿形をしていた

 

「……俺、達…?」

 

上条が呟いた通り、その六体の反転物質で出来た人形達は上条や一方通行、麦野、美琴、食蜂、削板の姿をしていた…姿形だけではない。本人達の能力も上条と削板以外実装している…本物に見える様に色まで付いていた

 

「さあ、存分にお友達同士で殺し合いなさってくださいー」

 

病理が引き金の言葉を呟くと複製上条達は先程の人形達と同じスピードで垣根へと迫り垣根を攻撃する、垣根は一方通行の反射で防ごうとするが複製上条の拳はそれを無視して垣根の腹にその拳を当てる

 

「がぁ!?」

 

原理としては数多の木原神拳に近かったかもしれない、だが垣根にはそれが上条当麻の幻想殺し(・・・・・・・・・)にしか見えなかった、そして複製上条が口を開く

 

「この偽善者が」

 

「!?」

 

その声色は正しく上条そのもの、複製と分かっていても垣根は目を見開いて複製上条を見る

 

「テメェなんかいなければあの子達は死ななくて済んだんじゃねえか!テメェがいた所為であの子達が死んだんだろ!」

 

複製上条は怒っていた、先程の人形達の元になった子供達が死んだのはお前の所為だと…本物ならば言わないであろう言葉に垣根に怯えた様な目で複製上条を見る…それはまるで友達に知られたくない過去を知られ拒絶された様な表情だった

 

「見損なったわよ、私達に隠れてそんな事してたなんて…この外道」

 

「こんな外道と一緒にいたなんて…私の汚点そのものだわぁ」

 

「…あぁ……」

 

美琴と食蜂がゴミを見る目で垣根を一瞥し垣根の腹に蹴りを入れる、その一撃に垣根は吹き飛ばされる…だかその痛みよりも二人に拒絶の言葉を吐かれたことによる精神的な傷の方が垣根には効いていた

 

「この人間の屑が…死ねよ第一位。私達が直接引導を渡してやる」

 

「人間のクソだなオマエ…この善人気取りの偽善野郎が」

 

「見損なったぞ、この根性無しが…」

 

「…や、やめろよ…その声で、その姿で…俺を拒絶するな!」

 

麦野の言葉が、一方通行の言葉が、削板の言葉が垣根の心に傷を与えていく。もう演算できる様なまともな思考はしていない…多才能力も接続が切れ霊装はコロコロと左手から転げ落ち右手の竜は薄っすらと虚空へ消える…唯一の自分の能力である三対の翼も弱々しい光を放っており頼りなく見える…それを見た病理が笑う

 

(いい感じに壊れてきましたね…まさかここまでとは驚きです。それ程まで彼らに執着していたのでしょうねー、病理さん妬いちゃいます)

 

黒い笑みを浮かべる病理、複製上条達は無抵抗の垣根に蹴りや拳をその身体に叩き込む、それを見ている事しか出来ない上条達

 

「やめろ!俺達の姿をした偽物で帝督を攻撃するんじゃねえ!」

 

「ていとくン!そいつらは偽物なンだ!俺達の声を聞いてくれ!」

 

「垣根もしっかりしろ!それは私らの姿を真似ただけの偽物だ!」

 

「あ、大声出しても無駄ですよ。貴方方の声は聞こえない様細工はしてありますから…貴方達は精々帝督ちゃんが壊れていく様を間近でご覧ください」

 

削板と一方通行、麦野が必死に叫ぶがもう垣根に彼らの言葉は届かない、無抵抗になった垣根に複製食蜂が心理掌握の力を使い彼等の声が聞こえない様細工しているからだ…垣根は無抵抗のまま複製人形達に攻撃される

 

「が、あ………!」

 

垣根は成すすべなく床を転がる、複製人形達は垣根を殺さない様にじわじわと甚振っていく…その途中で垣根の心を抉る言葉を言い確実に垣根の心を精神的に追い詰める…そんな垣根を嘲笑う様にいつの間にか垣根を見下ろす様な形で現れる病理

 

「今どんな気持ちですか帝督ちゃん?」

 

「……地獄に堕ちろ」

 

「まだ元気溢れてますねー、そんな帝督に『諦め』の一言です」

 

垣根は吐き捨てる様に呟くが病理は笑みを浮かべこう言った

 

「あの子供達が死んだのは私の所為ではなく貴方の所為なんですよ」

 

「…あ?」

 

「いい加減理解してないふりはやめましょう、気づいていた筈です。貴方が未元物質という能力を持っていたからあの子達は私に洗脳され貴方に襲いかかり貴方は正当防衛としてあの子達を殺したのだと…でも貴方がいなければあの子達は死にませんでし(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)たよね(・・・)

 

「な…」

 

病理が言ったのは垣根が心の奥底で思っていた事、垣根という存在がいなければあの子達は死なずに済んだのでは?という考え。それを病理は笑いながら告げ垣根は反論しようと口を開く

 

「そんな訳「あるんですよねこれが」!?」

 

「貴方がいなければあの子達は死なずに済んだ、他にも貴方が余計な事をしなければ幸せだった人達もいる筈です。貴方のその偽善行為が誰かを追い詰めている事に気付いていますか?」

 

「あ、あ…ち、違う俺は間違って…」

 

「いい加減『諦め』なさい、貴方は学園都市に…この世界には不要な人間だったという事実を受け入れなさい」

 

慈母の様に、されど悪魔の様に話す病理の言葉に垣根の根本的な何かが崩れようとする、垣根は何か否定の言葉を探すが…

 

『もう諦めろよ偽物(・・)

 

「……は?」

 

背後から声が聞こえ振り向くとそこにいたの垣根自身(・・・・)だった、困惑する垣根にその垣根は口を開く

 

『初めまして…て、言っておくか…俺は垣根帝督だ』

 

「な、何を…俺が垣根帝督だ…」

 

『違えだろ偽物(・・)、お前は偽物だ…俺の身体に勝手に入ってきて(・・・・・・・・・・・・・)好き勝手してた癖によ』

 

「!?ま、まさかお前は…」

 

垣根帝督と名乗った人物に垣根が自分が垣根帝督だと言いかけるが彼は垣根を偽物と嘲笑う、その真意に気づいた垣根は口を震わせながら何か言おうとする…それを見たもう一人の垣根は口を歪ませる…果たして彼は垣根の幻想か或いは…

 

『そうだよ、俺が正真正銘本物の垣根帝督だ。この偽物野郎が』

 

垣根(転生者)とは違う本物の垣根帝督に偽物と言われ垣根の顔が青ざめていく…それを見た垣根帝督が笑う

 

『誰もお前の事なんじゃお呼びじゃねえんだよ。この垣根帝督の名を偽る誰か(・・)さん?さっさと俺に身体を返しやがれ』

 

「ち、違う俺が垣根帝督だ!俺が垣根帝督なんだ!」

 

『言い訳苦しいな…お前は所詮偽物だ、まあ俺と同じ誰も守る事なんざ出来ねえ出来損ないのヒーローて点は一緒だがな』

 

垣根帝督の言葉に垣根が反論する、垣根帝督と話す度に垣根の自己やアイデンティティが崩れていく感覚になる…自分は誰だ?自分は垣根帝督になったのではなかったのか?そもそも自分は何がしたかったのだと頭を抱える垣根に垣根帝督は駄目押しの一言を告げる

 

『消えろよ偽物、お前さえいなけりゃあの餓鬼共は死なずに済んだんだ…このヒーロー気取りの偽善者が…まさかあの人形達が言っていた言葉が嘘だとでも思ってんのか?皆心の中ではお前の事をそう思ってたに決まってるだろ』

 

「…あ、ああぁぁぁぁ!!?」

 

『さあ、壊れちまいな。まあ安心しろ、その身体は俺が貰ってあの女を殺してやる…ま、その後でお前のお友達の一方通行とアレイスターも殺すがな』

 

「あ、ああ………ア"ア"ア"ア"ア"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ぁぁぁぁぁぁ!!?」

 

完全に壊れた声を出す垣根を見て笑う垣根帝督、垣根は膝を崩れ落ちる。そして両手で頭を抑え身を震わせる…直後垣根の翼が爆発的に展開されその余波で複製上条達が破壊される

 

「おお!」

 

「か、垣根?」

 

歓喜の声をあげる病理とは真逆に上条達は驚きの眼で垣根の背から生えた翼を見る…それは何時もの純白の翼…ではなく垣根の心情を表すかの様なドス黒く変色し翼から赤い不気味な眼がぽこぽこと噴き出す様に現れる、その眼は笑っている様にも泣いている様にも見える…更に翼から異形の手や唇が生える…そんなグロテスクな翼を見て病理は歓喜の笑みを露わにする

 

「来ました来ました!これですよこれ!これが私が求めていたものなんです!さあ!実験のフィナーレですよ!超能力者の皆さんもその目に焼き付けてください!絶対能力者(レベル6)の誕生です!」

 

「れ、絶対能力者?」

 

病理が絶対能力者の誕生だと叫び困惑した声を出す美琴…グロテスクな翼を顕現させた垣根は両目が()に染まった目で病理を見据え口を開く

 

「lnslljourgj俺vnlxadj誰vel!!?」

 

「おー、これは科学では1ピコメートルも理解できませんねー。だからこそ面白いのですが」

 

ガブリエルの様な理解できないノイズを叫ぶ垣根、上条達はその言語は理解できなかったが垣根が苦しんでいる事は理解していた。だが自分達では助ける事は出来ないと歯噛みする

 

「帝督ちゃんは無事に天上の意思(レベル6)に辿り着けるのでしょうか!?まあ、帝督ちゃんの人格は変質してしまうでしょうが…ま、そこら辺は『諦め』ましょう。私が知りたいのは絶対能力者がどれ程なのか調べたいだけですしね」

 

病理はそう言って笑うと苦しむ様に身を悶えさせる垣根を魅入る、垣根のグロテスクな翼は膨張を重ね翼の長さは数百メートルを軽く超え天井を破壊し空へとその翼を晒す…更に周囲にも異常が起こり第十学区全域の空が赤く染まり物が宙に浮いたり落ちたりを繰り返し、水が氷になったり気体と変化していく…そんな異常現象が起き始める

 

 

「「「がぁ…!?」」」

 

「!?どうしましたのインデックスさん達!?」

 

その影響はインデックス達にも及び彼らは血反吐を突如として吐き出し黒子がそれに駆け寄る、インデックスはその異常にいち早く察する

 

「これは…界の圧迫?それにあの空にこの現象……まさか…ていとくの身に何かが…?」

 

「……兄さん」

 

 

「!?なんだこの気配は!?」

 

「虚数学区…いや違う、これは変異した虚数学区と言うべきか」

 

「……盟友」

 

メイザースが窓のないビルからでも分かる異常事態に目を見開いて驚く、脳幹は虚数学区が何らかの原因に関わっていると呟きオティヌスが垣根の心配をする…エイワスは軽く笑う

 

「何やら面白くなって来たじゃないか…さて帆風潤子。君はどう動く?」

 

 

 

垣根は子供の様に叫びながらグロテスクな翼を病理へと振るうも病理はそれを軽々と避けクスクス笑う

 

「……25%、て所ですかね?これが完璧に絶対能力者になればどれ程の力がこの世界に誕生するのか!?『諦め』のエキスパートである病理さんがここまで頑張ってこの実験を『諦め』なくて正解でしたね!」

 

頬を紅潮させて笑みを浮かべる病理、そんな彼女に対し垣根はまるで何かを否定する様に頭を振るいながら叫びをあげる

 

「voyvjjyfyr助onvot!」

 

垣根は助けを求めているのだろうか?だが上条達はそんな彼を助ける事が出来ない。いつも彼に助けてもらっていたと言うのに…彼等は垣根を助ける事は出来ずただ見ているだけであった

 

「やめてくれ…」

 

上条はそうボソッと呟いた

 

「もうやめてくれ!あいつを…垣根を苦しめないでくれ!」

 

「先輩……」

 

「上条さん……」

 

上条は泣いていた、一方通行達も泣いていた。友達を助ける事が出来ない己の無力さを嘆く様に…変わっていく友を見てられないと言う様に…だが病理にはその言葉は届かない。彼等はこのまま垣根が苦しみ、最後には垣根と言う人格が消えるのを見ている事しか出来ない

 

「vnvotdc俺gjgtyjcnl偽lellnvyv!本j物ovytyosl垣lnvy帝obvot!!」

 

「あは、あはははははは!あははははははははは!!!!」

 

悲鳴をあげる垣根に狂った様に笑う病理…この空間はその二つの声に支配されていた、もう誰も垣根を救う事は出来ない、ただ見ている事しか出来ない…誰も垣根を助ける事など出来ない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな絶望を打ち砕く様に最後の希望(彼女)はこの場に戻って来た

 

 

 

 

 

 




魔術とか原石の能力とか竜王の顎使ってたのに呆気なく負けて闇堕ち寸前のていとくん、何も出来ない上条さん達に呆気なくやられた加群さん、ヒロインなのに逃げ出した縦ロールちゃん。そして原作よりも鬼畜外道な病理さん(魔改造)…中々カオスです

精神攻撃は微妙だったな…もう少しキツくするべきでしたね。でもこれより酷いのが浮かばなかったし…新約9巻と比べるとショボいショボい…作者の技量が足りず申し訳ない。なお竜王の顎はとある科学でも上条さんじゃない人にNTRてたからていとくんが使っても問題なし、それに同じ天使をモチーフにしてるから相性良さげに見えるし前からていとくんに竜王の顎が存在してるて伏線を入れておいたから大丈夫…な筈

三位一体はキリスト教の考えから。まあ簡単に言えば魔術と超能力は同じ物、だから使っても問題ないんだぜ!て感じの科学と魔術が交差するこの作品に相応しい能力です。ま、まだ未完成の様ですが。反転物質は文字通りの反物質、これはウルトラマンガ○アに出て来た怪獣の名前から撮りました。翼のイメージは反物質を司るの言われるギ○ティナのアナザーフォルムですね

さて、もう色々ヤバい状態ですね。そんな中現れた最後の希望は誰なのか(丸わかり)。次回縦ロールちゃんが本格的にヒロインやる回…頑張って描写しないと…そしてもしかしたらこの作品の中で一番長くなるかも…べ、別に長くなってもいいですよね?

次回もお楽しみに!
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