カプ厨がていとくんに憑依転生しました   作:暗愚魯鈍

38 / 111
さあエンデュミオン編スタートです、原作とは大幅に違う点がありますがそこは二次創作だからと大目にみてください。作者はハッピーエンドが好きなんです

そして漸く理想送りが本格的に動き出す


奇跡も超能力もあるんだね

学園都市の第七学区のある家にて一人の少女が荷物を背負いながら靴を履き何処かへ出かけようとしていた

 

「また路上ライブをしに行くのかアリサ」

 

「うん、行ってくるねシャットアウラお姉ちゃん」

 

その少女に話しかけたのはシャットアウラ=セクウェンツィアという黒い長髪の少女、アリサと呼ばれた鴇色の髪の少女はニッコリと笑いながら扉を開けて外へ出て行く。シャットアウラはそれを見送った後ダイニングキッチンに入りそこでコーヒーを飲んでいる彼女の父親 ディダロス=セクウェンツィアが娘に話しかける

 

「不満か?アリサがアーティストを目指している事に?」

 

「いや…そうじゃない。ただ申し訳ないだけだ…単にアリサの歌が聴けなくて残念なだけだ」

 

「そうか…あの時からだな。お前が音楽が聴けなくなったのは…」

 

親子の会話がダイニングキッチンに響く、先程の少女…鳴護アリサはディダロスの養子だ。三年前のあの事故…俗に言う『89の奇跡(・・・・・)』で見つかった謎の少女。ディダロスが機長を務めていたオリオン号で発見された身元不明戸籍不明の記憶喪失の少女。引き取り手のなかった彼女をディダロスは養子に迎え彼女を一時的に預けていた孤児院から名付けられた「鳴護アリサ」と言う名前で自分の養子に戸籍に登録している

 

「…もうあの事件から三年間か…早いものだな」

 

「……うん」

 

二人は昔を懐かしむ様に天井を見上げる、彼等は三年前のあの事件をつい昨日の様の出来事の様に思い出し始めた

 

 

 

「左翼エンジン脱落!も、もう駄目です! 機長ッ!」

 

「諦めるな!まだやれる事はある筈だ!」

 

航空事業系企業 オービットポータル社のスペースプレーンであるオリオン号は現在墜落しかけていた、オリオン号は開業記念試験飛行にてオリオン号は機長らも含む88人を乗せて宇宙旅行へと旅立っていた、そして地球に戻る際スペースデブリにぶつかってしまいエンジンブロックに損傷を受けてしまい現在に至るのだ

 

「もう無理ですよ機長!」

 

「最後まで希望を捨てるな!私達は乗客の命を預かっているんだ!そう簡単に諦める訳にはいかない!」

 

もう無理だと諦めコックピットから逃げ出したい副機長だが機長…ディダロス=セクウェンツィアは最後の瞬間まで決して諦めない

 

 

(お願い…誰でもいいから皆を助けて…私の大事なもの、全部あげるから…皆に奇跡を)

 

機内で一人の少女…シャットアウラ=セクウェンツィアが手を合わせて祈る、彼女はオリオン号にいる人全てを、父親を誰でもいいから救ってくれと願う…そしてその願いは成就し奇跡が生まれた

 

 

「もう無理です機長!奇跡なんて起きない!起きる筈がないんだ!」

 

「……もうこれまでか」

 

泣き喚く副機長に自分の命運もここまでかと目を瞑るディダロス…だが急にオリオン号を巨大な揺れが襲う

 

「ッ!?なんだ今のは!?何処か爆発したのか!?」

 

「い、いえ何処も爆発していません!」

 

突然の出来事に混乱する二人…そして副機長がふと窓の外を見ると…オリオン号の先端に誰か立っていた(・・・・・・・)

 

「な…!?き、機長!あそこに人が…!」

 

「何!?」

 

そこに立っていたのは西洋の魔女の様な服をした14歳くらいの少女だった、彼女は暴風が吹き荒れるこの大空を平然と歩きコックピットの窓の近くまで歩み寄る、そしてオリオン号の壁をすり抜けてコックピットに彼女は侵入した

 

「どけ」

 

彼女は副機長に邪魔だと呟くと副機長のシートベルトが勝手に解除され彼女に押しのけられ床に転がる、彼女は機械類を一瞥し手をかざす…それだけで不安定だった機械が安定しだしオリオン号が勝手に動き始める

 

「な…!?こ、これは…」

 

「科学には少々疎いが…魔術で操れば問題ない」

 

ジグザグに飛ぶ、90度からの急降下から急なカーブ等普通ではありえない動きをするオリオン号、しかも不思議な事に機内は揺れ一つ起こらない…この不可思議な光景に副機長は圧倒され声も出ない…だがディダロスは少女に口を開く

 

「き、君は一体…?」

 

「私か?私はオティヌス、盟友からこの旅客機を救う様頼まれた元魔神だ」

 

 

乗客達は驚いてはいたが揺れが収まった事から助かったのかと安堵し始める、シャットアウラも自分の祈りが叶ったのだと笑みを浮かべかける…そして彼女は気づく、自分の真横の床に全裸の少女が倒れている事に

 

「え……?」

 

その長い桃色の美しい髪を持つ少女は床に倒れたまま死んだ様に動かない…シャットアウラはシートベルトを解除して席から離れその少女に駆け寄る

 

「貴方大丈夫!?」

 

「…………ぅ」

 

シャットアウラの声に反応したのか少女はゆっくりと目を開け始める…その桃色の瞳にシャットアウラが映りシャットアウラは証書が無事な事に安堵する

 

「……ここは何処?」

 

「え?」

 

「……何も思い出せない…私は…誰?」

 

奇跡は生まれた、ただその奇跡が乗客を助ける前にもう一つの奇跡が生じた為その奇跡が本来奪う筈だったシャットアウラの大事な物(父親)は奪われなかった。これが俗に言うオリオン号の『89(・・)の奇跡』である

 

 

 

 

「今日もいい天気だな〜そう思わないか潤子ちゃん」

 

「ええ、そうですわね」

 

九月六日 晴天の下、垣根と帆風が朗らかに笑いながらいい天気だと笑う

 

「お前らもそう思うだろ?」

 

「「「「「「…………」」」」」」

 

垣根は後ろを歩く上条達に同意を求めるが彼らはジト目を垣根に向けるだけで何の返事もしない

 

「あ?何でそんなに態度悪いんだよ」

 

「……別に、普段通りですけど?」

 

「そうよ、別に磔にされたまま何日も放置された事なんか気にしてないわよ」

 

「そうよぉ、別に怒ってないんだからねぇ」

 

(あ、皆さん怒ってますね)

 

帆風はあの時放置した事を根に持ってるなと気づいた、まあ確かに助けに来たのに存在を忘れられて放置されれば怒るだろう

 

「ま、いいや。潤子ちゃんは何処か行きたい場所ある?」

 

「「「「「「いや少しは気にしろよ!」」」」」」

 

「こいつら面倒くせえ」

 

「あはは……」

 

垣根はそんな上条達をさらりと無視するが彼等は無視するなと叫ぶ、それを見て面倒くさそうな顔をする垣根に曖昧に笑う帆風

 

「俺らはずっと待ってたてのに…なんか褐色肌の外人と段ボール被った妹達の誰かが来てくれなかったら飢え死ぬかと思ったわ!」

 

「へー、良かったじゃん助けてもらえて。ラッキーだったな」

 

「…反省の色なしとはいい度胸だなァていとくン」

 

反省の色を見せない垣根に上条達は手首をゴキゴキと鳴らしながら垣根に詰め寄る、それを見てはわわ!と慌て始める帆風…その時彼女の耳に心地よい歌声が聞こえた

 

「あら…?これは歌でしょうか?」

 

「……この歌…まさか」

 

帆風が何処から聞こえてくるのかと首をキョロキョロさせると遠くに人集りが見えた、垣根はこの歌に聞き覚えがあるらしくその人集りに向かって行く…帆風達も慌てて垣根の後を追う、垣根はその人集りを押しのけて前の方まで向かう…そこにいたのはピアノを弾きながら歌を歌う鴇色の髪の少女だった

 

「〜〜♪〜〜〜♪」

 

「……やっぱりか」

 

「垣根さんの知り合いですか?」

 

「いや初対面だ、ただ名前は知ってるがな」

 

垣根はやはり彼女だったかと頷き帆風が知り合いかと尋ねるが垣根は首を振る、上条達も垣根の近くに辿り着き彼女の美声を間近で聞く

 

「〜♪〜〜〜〜♪」

 

彼女は歌う、彼女の奏でるピアノの旋律と彼女の美声が周囲一帯を支配する…その歌声に引き寄せられ集まり始める人々…それはセイレーンの歌声に誘われるかの様…そして彼女は歌を歌い終わると大勢の人が拍手を鳴らす。まさにそれは拍手喝采

 

「ありがとうございました!」

 

「いい歌でしたね」

 

「そうだな……ん?」

 

少し照れながら手を振る彼女、帆風はいい歌だったと感動の笑みを浮かべながら同意を求め垣根もそれに頷く…そこで垣根はふと横目である人物達を発見する

 

「最高なんだよアリサ!アリササイコー!略してアリサイコー!」

 

「よ!学園都市一の歌姫!未来のアイドル歌手!」

 

「「「アリサ!アリサ!アリサ!アリサ!アリサイコー!!!」」」

 

「……恥ずいですの」

 

「あはは…」

 

インデックスと佐天がノリノリでペンライトを振りながらアリサと呼んだ少女に歓声を上げ、ペンライトを両手に持って見事なオタ芸を披露する神裂とステイル、初春の三人。それを見て溜息を吐く黒子と曖昧に笑う風斬がいた

 

「……お前ら何やってんの?」

 

「あ、とうま達も来てたんだね」

 

「「!?か、上条当麻!?」」

 

六人に気づいた上条が何してんだと声をかける、インデックスは上条達も来ていたのかと笑うがステイルと神裂はビクッと震えペンライトを隠す

 

「やややややあ、上条当麻…元気かな?こんな所で会うとは奇遇だね」

 

「なあステイル、神裂と一緒にオタ芸をしてなかったか?」

 

「お、オタ芸ですか?そんなもの知りませんね。ええ知りません、知らないたら知らないんです」

 

「隠すのに必死ね」

 

上条がオタ芸してた?と聞くと二人は大慌てで言い訳をするがバレバレである

 

「あ、実は私達『鳴護アリサファンクラブ』なんですよ。私がNo.2で佐天さんがNo. 1、インデックスさんがNo.3でステイル君達も会員なんです」

 

「…へェ、お前らもアイドルとか興味あンのか」

 

「ええ、なんたってアリサさんの歌はネット上でも大人気ですからね。何せあのエンデュミオンのイメージソングを歌うらしいですからね…何でもエンデュミオンのオーナー兼統括理事会のメンバーの一人が推薦したとか何とか…」

 

自分達は鳴護アリサファンクラブ(会員7名)だと教える初春、佐天は彼女があのエンデュミオンのイメージソングを歌うと教えへぇ〜と上条達がその少女 アリサを見る。彼女はピアノのチューニングをしていた

 

「いや〜本当に素晴らしい曲なんだよ、詩にスペルを乗せてるわけでもないし、精神感応(テレパス)でもない…正しく彼女は天才だね」

 

「全くです、もし彼女が聖歌を歌うとなれば神からの加護も他とは桁違いになるかもしれません」

 

「おい君達、ここは科学サイドなんだ。魔術サイドの事は置いておいて今は彼女のCDを買いに行こう」

 

ステイルがCDを買いにアリサの元へ向かう

 

「すみませんCD三つくださいなんだよ」

 

「いや一つでよくないかにゃーん?」

 

「何を言ってるんです麦野沈利、聴く用と観賞用、保存用に決まってるじゃないですか」

 

「そうですわよ麦野さん、わたくしもゲコ太グッズを手に入れる時もいつも保存用と観賞用を買ってますしね」

 

「俺にはよく分からん世界だな」

 

垣根達は携帯に彼女の曲をダウンロードし佐天達はCDを買う、それを見たアリサは朗らかに笑った

 

「皆ありがとう、それに貴方達もいつも私のライブに来てくれてありがとう」

 

「ふ、アリサのライブなら例え天国だろうが地獄だろうが行く自信があるんだよ」

 

「例えテロリストが邪魔をしてもそいつらを焼き殺して僕は君の歌を聴く」

 

「それぐらいのファンですから、私達は」

 

「わたくしはインデックスさん達程ではないですが…貴方の歌を聴く為なら風紀委員の仕事をサボってもいい気がしますの」

 

「私もインデックス達と同じくらい貴方の歌大好きです」

 

インデックス達はニコニコと彼女のファンならばどんな場所でも歌を聴きに行くと笑い、インデックス達の話を聞いて頬を赤くするアリサ

 

「あ、もうこんな時間なんだよ!タイムセールが始まっちゃう!」

 

「何だと!?もうそんな時間か!」

 

「では皆さん御機嫌よう、私達は戦場(スーパー)へと向かいます!」

 

「あ、わたくしもピラルクーの散歩の時間ですの」

 

「あ、私もクロちゃんのお昼ご飯作らないと…兄さんは外で食べるから要らないよね」

 

「あ!私達もむーちゃん達と遊びに行く約束してたんだ」

 

「私も風紀委員の仕事があったんでした!」

 

インデックス達はそう叫ぶと全速力で第七学区のスーパーを目指す、黒子も散歩の時間だと言って空間移動で姿を消し風斬は垣根にご飯は外で食うのかと確認を取るとそのまま家に帰って行く。佐天と初春も用事があったらしく手を振りながら立ち去る…この場に残ったのは垣根達とアリサのみとなった

 

「それにしてもいい歌だったにゃーん」

 

「ありがとう、それで貴方達もあの子達と同じファンクラブの人達ですか?」

 

「いや俺らは単なる仲良しレベル5(絶滅危惧種)です」

 

「………え?超能力者…?」

 

アリサが垣根達もファンクラブの会員かなと笑いながら尋ねる、垣根が超能力者だと言うとアリサが固まる

 

「ああ、俺は超能力者の第一位 垣根帝督だ」

 

「俺は超能力者の第二位 上条当麻。で、こっちが俺の彼女の超能力者の第五位 御坂美琴と第六位 食蜂操祈だ」

 

「俺は第三位の一方通行だ」

 

「私は第四位の麦野沈利、よろしくね」

 

「俺はナンバーセブン 削板軍覇だ!宜しくな!」

 

(が、学園都市の最強の七人が私の歌を…?これはお姉ちゃんに自慢しなきゃ)

 

超能力者が自分の歌を聴いていたと知り家に帰ったら姉に自慢しようと密かにアリサは思った

 

「私はアリサ、鳴護アリサ。よろしくね」

 

アリサは超能力者達に自己紹介をしながら手慣れた手つきでピアノを片付け始める

 

「しかし沢山の人がいる場所で自分の歌を歌うなんて凄いな、見かけによらず根性あるな」

 

「根性かどうかは分からないけど…私は歌を歌うのが大好きなんだ。私は歌う事しか出来ないけど…そんな私の唯一の長所で誰かを笑顔にしてみたいんだ。私の夢は私の歌で学園都市の皆を笑顔にする事なんだ」

 

アリサは自分は歌を歌う事しか取り柄がない、ならそれを伸ばしていつか学園都市の皆を自分の歌で、自分の唯一の力で笑顔にすると言う夢を語る。そして聖母の如き笑みを浮かべると彼女の周りが後光の様に光っているような幻覚が見えた…

 

「「「「「ぐああああぁぁぁぁ!!!目がぁぁ!目があああぁぁぁ!!!」」」」」

 

「えぇ!?急に女王達が倒れましたわ!?」

 

「ど、どうしたの?!」

 

「ま、まさか魔術師の襲撃か!?おのれ魔術師!」

 

すると突然手で目を抑えながら地面に倒れジタバタする上条、美琴、食蜂、麦野、一方通行。それを見た帆風とアリサが何が起こったのかと驚き削板は魔術師の仕業かと叫ぶ

 

「ああ、気にすんな。鳴護っちの輝きに目が潰れただけだ」

 

「え!?どう言う状況!?」

 

「簡単に言うとバルス食らったムスカ大佐みたいな状況だよ。鳴護っちの浄化の光でこいつらの汚い部分が浄化されてるんだよ…多分な」

 

まるで「人がゴミのようだ!」やら「あ~あ~目がぁ~、目がぁ~!!」と言う名言を持つ天空の城の王族の末裔のように目を抑える上条達…彼らはアリサの夢を語る無垢な輝きによりその眼を潰され彼女の光によって彼らの煩悩が浄化されているのだ

 

「あれ?でも女王達よりも煩悩の塊で不純の極みである垣根さんは何故浄化されないんですか?」

 

「傷ついた、その一言が俺のピュアピュアなハートを傷つけた。俺もう二度と潤子ちゃんと口聞かない」

 

「え!?う、嘘ですよ!垣根さんはわたくし達の中で一番心が綺麗です!」

 

帆風は一番の煩悩の塊である垣根は何故浄化されないのかと疑問に思う、それを聞いた垣根は帆風からそっぽを向き二度と口を聞かないと告げる。それを聞いた帆風は慌て始めるが垣根がそっぽを向いたまま笑っている事に気づくと揶揄っているのだと気づき頬を膨らませながら垣根の背中をポコポコと殴る

 

「くそ…まだ目がチカチカする…」

 

「俺の反射をすり抜けるなンてなァ…」

 

「てか純粋な少女が夢を語るときて本当にキラキラが出るんだな…てっきり漫画とかの描写だけかと思ってたにゃーん」

 

上条達はのろのろと立ち上がる、まだ目の痛みが消えていないのか視界がはっきりとしないが彼らはあるものに気づいた。削板がアリサを見たまま硬直している事に

 

「あ?何してンだ削板」

 

「………した」

 

「え?今なんて言ったのかしらぁ?」

 

小声で何か呟いた削板に垣根達はん?と耳を削板に近づける、アリサは首を傾げて遠目で削板を見る…そして垣根達が削板に近づくと彼は口を開いた

 

「……一目惚れした」

 

「「「「「「「………は?」」」」」」」

 

「………!」

 

アリサに一目惚れしたと呟く削板に呆けた顔をする上条達、垣根は目をキラリン!と輝かせて惚れ話=カップリング!と携帯電話を片手に削板の話に耳をすませる

 

「俺はあいつに一目惚れしてしまったらしい」

 

「待て、待てよ、待ってくださいの三段活用。え?何?軍覇はあの子に惚れたってことか?」

 

「ああ…そう見たいだ…顔を見ているだけで心臓がバクバクするし胸がドキドキする…これが……恋!」

 

「……根性馬鹿が恋をしただと…?頭の中まで筋肉で出来てそうなこいつがか?あり得ねえにゃーん、てか興奮し過ぎて爆発させんじゃねえよ」

 

一目惚れををした!と言って削板は興奮のあまり能力の爆発が起きカラフルな煙が上条達の視界を覆う、アリサは何が起こっているのかと首を傾げ上条達は興奮する削板をどう宥めるか考えていたが垣根が削板の両肩を両手で掴む

 

「俺はお前の恋を全力で応援するぜ軍覇、この俺がお前と鳴護っちをくっつけてやるよ」

 

「!本当か帝督!」

 

「当たり前だ、俺はカプ厨で超能力者の第一位だぞ?削板×アリサていう新カップリングに喰いつかないわけがねえだろうが!」

 

どうやら彼のカップリング魂に火を点火してしまったらしく垣根も削板と同じくらい興奮していた。それを見て溜息を吐く帆風達

 

「なら文通が出来るぐらいの仲まで取り持ってくれ!」

 

「ああ!任せとけ!この俺にかかれば恋愛のABCをクリアさせる事なんざ朝飯前……え?文通?恋人とかじゃなくて?」

 

「バッ……!いきなり恋人とか早過ぎるだろ!まずはお互いのことを良く知ってからじゃないとダメだ!だから文通から始めたいんだ!」

 

「……あ〜一昔前の少女漫画みたいにな、オッケー分かった。まあ文通から始まる恋てのもいいよな。うん」

 

削板の昔の純愛物のような価値観にあのカプ厨である垣根ですらたじろいだ

 

「で、削板はあの子ともし付き合ったら何がしたいんだにゃーん?」

 

「そ、そうだな…こ、恋人の定番の…あれだろ、あれ」

 

「あれじゃ分かンねえよ削板くンよォ?ちゃんと言ってくンねェとなァ?」

 

「そうよぉ〜具体的に何をしたいのか言ってくれないと私達は理解出来ないんだゾ☆」

 

(削板さんを揶揄う気満々ね)

 

麦野と一方通行、食蜂が削板に恋人になったら何がしたいと尋ね削板が顔を赤くする、美琴はそんな三人にジト目を送る

 

「あ、あれだ……恋人の定番で言われてる…お互いの体と体が触れ合う…あれだ…」

 

「お〜!そんな事がしたいなんで大胆だにゃ「そう!恋人繋ぎだ!」……は?」

 

「くそ!恥ずかしいから言わせないでくれ!」

 

「……あのぉ削板さん…もしかして手を繋ぐだけでお終いなのかしらぁ?」

 

「そ、それだけじゃない!恋人になったらあの…キ、キキキキ……ああ!この先は恥ずかしくて根性なしの俺じゃあ言えねえぇぇぇ!!」

 

「……え?こいつ本当に高1か?中1じゃなくて?」

 

「…削板さんはこの中で一番の純粋な心の持ち主ですわね」

 

削板は恥ずかしそうに恋人繋ぎをしたいと呟き麦野がえ?と目を点にする。彼は更にその先のキス…と言おうとしたが顔を真っ赤にして恥ずかしくて言えなかった。垣根と帆風はこいつ本当に高校男子?と内心で思った

 

「皆なんの話をしてるの?」

 

「いやくだらない雑談だにゃーん」

 

アリサが気になって喋りかけてきたが麦野がなんでもないと言って返す、流石の麦野も「こいつ、お前の事が好きみたいだにゃーん」とは言わないらしい

 

「なあ、軍覇……エロい事したくねえの?」

 

「……そのエロい事て何なんだ?」

 

「……あの削板さん、赤ちゃんはどうやって出来るか知ってますか?」

 

「それくらい知ってるぞ!コウノトリが運んでくるんだよな!」

 

「「………」」

 

垣根がエロい事しねえの?と聴くと削板はエロい事て何?と首を傾げる、帆風が削板に赤ちゃんはどうやって出来ると確認すると削板は自信満々の笑みでコウノトリが運んで来ると言い垣根と帆風は「あ、こりゃダメだ」と頭を抱えた

 

「ねえ皆」

 

「!な、ななななんだ!?」

 

「落ち着けよ削板」

 

アリサが話しかけてきた事で軍覇がアリサの方を向いて身体をカチコチになりながら話しかける、そんな彼に一方通行がペシッと頭を叩く

 

「良かったらお昼一緒にどうかな?実はレディリーさん…統括理事会の人に今度の大覇星祭で流すBGMを作曲して欲しいて言われてるんだけど…その内容が「能力者同士の熱いバトルを連想させる曲」でね…私は無能力者だから能力を使ったバトルを連想出来なくて…でも超能力者の貴方達なら分かるんじゃないかと思って…ダメかな?」

 

彼女は今度の大覇星祭で流すBGMの作曲に悩んでいるようで超能力者である削板達に色々聞きたいらしい…それを聞いた削板はこれだ!と力強く首を音速の二倍の速さで縦に振り周囲に爆風が生じる

 

「全然大丈夫だ!なあ皆!」

 

「本当!?ありがとう!」

 

「ははは!これぐらい当たり前だ!俺達は人の役に立つ事が好きだからな!」

 

(((((((下心丸見え……)))))))

 

これはアピールチャンスとばかりにいい笑顔を見せる削板、それを見て垣根達は白い目を向けていた

 

 

 

「ここが学園都市ですか…案外簡単に入り込めましたね」

 

第七学区のとある街中に真っ白なトーガを着た銀髪紫目の少女が歩いていた。この街では目立ち過ぎる服を着ているのにも関わらず周りの人間は彼女を一切気にしない…まるで彼女が見えていないかの様に

 

「さて、標的は何処でしょうか?まあいいです。時間はいくらでもあります…ゆっくり時間をかけて超能力者を皆殺しにし後から来る上里様達と合流し「奇跡の子」を捕獲しましょう」

 

 

 

第七学区のとあるスーパーにて、両手に荷物を持ったインデックス達がホクホク顔でスーパーから出てきた

 

「卵6パックゲットなんだよ」

 

「それに二割引きの肉も手に入りました…今日は焼肉ですね」

 

「ふ、魔導書図書館に聖人、そして身長が高い僕…僕達が揃えば戦場(タイムセール)を制する事など容易いものだ」

 

彼等は今日の夜は皆で焼肉パーティーだと笑う…なおタイムセールではインデックスが魔術を使い敵兵(おばちゃん)達の動きを阻害し神裂が聖人の身体能力の高さを活かして食材を取る、そして高い場所にある食材はステイルが取る…これが彼等の戦法である…こらそこステイルいらないとか言わない

 

「そろそろスーパーのタイムセールからデパートのタイムセールに行ってみないか?」

 

「ダメだよステイル、デパートは魔境なんだよ。聞いた話によるとデパートにいるおばちゃん達は口から炎を吐いて新参者を焼き殺すらしいんだよ」

 

「何!?口から炎を吐くのか!?…おばちゃんとは恐ろしいな」

 

そうインデックスとステイルが軽口を言い合う…そんな仲、インデックスがピタリと立ち止まる

 

「どうかしましたかインデックス?」

 

「……これは人払いだね、その証拠に私達以外誰もいないんだよ」

 

「「!?」」

 

インデックスに言われるまで神裂とステイルは人払いが発動している事に気付かなかった。神裂とステイルは急いで荷物を地面に置き七天七刀とルーンを刻んだカードを取り出す…そして三人の頭上に無数の真空刃が飛来する

 

「!七閃!」

 

神裂はそれをワイヤーで切り裂く、だが今度は無数の石飛礫がインデックス達を取り囲む様に四方八方から飛んで来る、それをインデックスは光の障壁で防御

 

「……ウンディーネ、逆月の象徴により万物から抽出されしものよ…」

 

「!?くそ…!吸血殺しの紅十字!」

 

しかし今度は竜巻の如き渦巻く水が頭上から迫る、それに対しステイルは両手から二つの炎剣を放つ吸血殺しの紅十字で相殺しインデックス達の頭上で水蒸気爆発が起こる。インデックスはその衝撃が届く前に障壁を張り自分達と荷物を守る

 

「……今の魔術は…まさか!」

 

ステイルは今の魔術に心当たりがあるらしく顔を硬ばらせる…そして水蒸気爆発によって生じた煙が晴れていくと三人の見える範囲に三人の少女が立っていた…金髪に青い目、スタンダートな魔女服を着た少女、茶髪に探偵服に似た魔女服を着た少女、濃い緑の髪の妖精の様な魔女服を着た少女…そして全員が胸元に赤い十字のブローチをつけていた

 

「赤い十字のブローチ…イギリス清教所属の証…つまり彼女らはイギリス清教からの刺客という事ですか」

 

神裂は冷静に彼女らを見入る、そしてステイルが彼女らに口を開いた

 

「メアリエ…それにジェーンにマリーベートまで…」

 

「お久しぶりですね師匠(・・)、いえ今は背教者と呼ぶべきですか」

 

最大主教(アークビショップ)からの名により貴方方を殺しに来ました」

 

「ついでに私達はししょーより強いと言うことを証明してあげますの」

 

金髪の少女…メアリエ=スピアヘッドはニコリともせずステイルの事を師匠と呼んだ、そうこの三人はステイルからルーン魔術を教わったステイルの弟子なのだ、メアリエに続いて緑髪の少女 ジェーン=エルブスと茶髪の少女 マリーベート=ブラックホールはステイルに話しかけた後三人はそれぞれの武器を構える

 

「「「さあ、お覚悟はよろしいですか師匠/ししょー」」」

 

「………く!」

 

ステイルの弟子三人がインデックス達に一斉に襲いかかる、それを見たステイルは両手に炎剣を作り出す。神裂は刀を握る手の力を強めインデックスはいつでも魔術を放てる様にする…こうして魔術師達の戦いは幕を開いた

 

 

 

「はぁ〜食べた食べた〜ありがとね垣根くん。ご飯奢ってもらって!」

 

「……あ、うん……大食いなんだな鳴護っちて」

 

アリサはお腹をさすりながら垣根に礼を言う、それだけなら普通の光景なのだが彼女のテーブルには大量に重ねられた皿の塔が出来上がっていた…

 

「……インデックス並みの痩せの大食いだったンだなオマエ」

 

「あはは…よくお姉ちゃんにも言われるよ。普段は我慢してるんだけど奢りて聞いてつい…あ、すいませんパフェ1つください」

 

「俺は好き嫌いなく沢山食べる女子は好きだぞ!」

 

一方通行が呆れた顔をするとアリサは照れながらも食後のデザートを食べる、ご飯とデザートは別腹とはよくいったものである

 

「そういえば貴女てあのエンデュミオンのイメージソングを歌う歌姫なんですてねぇ」

 

「うん。と言っても実力じゃなくてエンデュミオンのオーナーさんの推薦なんだけどね」

 

「オーナーの推薦?」

 

「オーナーさん…レディリーさんて言う人なんだけど、昔から私に親身にしてくれてたんだ。それでエンデュミオンが完成した時には歌を歌って欲しいて言ってきて…最近になってそれが実現したんだ」

 

「レディリーて…あの『89の奇跡』で有名なオービット・ポータル社の社長兼統括理事会のレディリー=タングルロード?凄い大物じゃない」

 

美琴はアリサがあの子供社長と影で言われるレディリーと知り合いであることに驚く

 

「レディリーさんと初めて出会ったのは孤児院に預けられてから3日後ぐらいだったかな?レディリーさんは記憶喪失の私を気にかけて会いに来てくれたんだよ」

 

「?記憶喪失?」

 

「うん、実は私三年前からの記憶が一切なくてね、何でもお姉ちゃんが言うにはいつの間にかお姉ちゃんの近くで倒れてたんだって…それに私がオリオン号に乗った記載もないらしくて…」

 

「……辛くなかったのか?」

 

「まあ…辛いと言うよりは…混乱したよ、自分は一体誰なんだって…でも孤児院の皆は私に優しく接してくれて…鳴護アリサていう名前もつけてくれた、それにレディリーさんもこんな私の為にエンデュミオンの歌姫ていう大舞台に立たせてくれたし、私には血は繋がってないけどお姉ちゃんとお父さんもいる、それにファンの皆もいるしね、だから私は幸せだから辛くなんかないよ」

 

自分は記憶喪失だとアリサが告げると上条が記憶をなくしてしまって辛くはないかと尋ねる、だが彼女は笑って家族や施設の皆、レディリーやインデックス達の様なファンの皆がいるから辛くないと笑顔を見せる。それを見て削板は泣いた

 

「うおおおおおお!なんていい話なんだ!凄く感動した!」

 

「泣くときも五月蝿えんだなお前は…」

 

暑苦しく大泣きする削板に麦野が呆れる…その直後、いきなり店内の電気が消え店内が暗くなった。停電かと店内の人々が騒ぎ始め、窓の外を見ると周囲一帯が闇の世界となっていた、外には一切の光がなく闇しか見えない

 

「停電でしょうか?」

 

「マジかよ…そうだミコっちゃん、火花バチバチさせてよ。懐中電灯代わりにするから」

 

「感電させるわよ」

 

「しゃーねえにゃーん、私の原子崩しを光代わりに…」

 

帆風が停電かと首を傾げる、垣根は美琴の能力が起こす火花を懐中電灯の代わりにしようとにこやかに言うと美琴はざけんなと睨む。麦野が仕方ないと原子崩しを携え灯り代わりにしようとしたその矢先パリンとガラスが割れる音がした

 

「!?何だ今の音は!?」

 

上条が席から立ち上がって音がした方を振り向く、窓のガラスが粉々に砕けガラスの破片が周囲に飛び散っていた…幸い誰もその近くにいなかった為被害者はゼロ…だがその窓ガラスの近くにあったテーブルの上に一人の少女が立ち尽くしていた

 

「見つけたわ「奇跡の子」。それに超能力者」

 

彼女はアリサを一瞥した後、虚空へと手を伸ばす…するとそこから黒い塊が生まれそれが鎌の形となる、突然現れた少女に店内の人が出口へと向けて逃げる中垣根達は彼女を見据えたまま動かない

 

「テメェ……魔術師だなァ」

 

「ええ、私は蛇神宛那(へびかみアテナ)。上里様の命により鳴護アリサを確保しに来た、そしてお前達の首を取りに来た上里勢力からの尖兵でもあるわ」

 

「上里…だと?」

 

垣根達は立ち上がりながら宛那を見据える、彼女は淡々とした声でアリサを確保し垣根達を殺すと宣告する。そして上里という名前に垣根が反応する

 

「上里て…俺の対になる右手を持っていう奴の事か?」

 

「は…笑わせるわね、上里様と貴方みたいな雑魚が同列?侮辱以外の何者でもないわ」

 

「……先輩が雑魚ですて?」

 

「……笑えない冗談力ねぇ」

 

宛那は上条の事を雑魚と称し美琴と食蜂はその一言に苛立つ、自分の彼氏を馬鹿にされた怒りを何とか抑えながら宛那を睨むが宛那は何の反応も示さない

 

「さて、殺し合いを始めましょう。私が欲するのは鳴護アリサの生け捕り、それに貴方達八人の首。貴方達は私に勝てるのかしらね?」

 

「舐めてやがるな、一介の魔術師如きが超能力者に勝てるとでも?」

 

「私をそこらの魔術師と同じにしないでくれる?私の実力は去鳴(サロメ)や獲冴と同格の力を持つ魔術師なのよ?」

 

七人の超能力者を前にしても彼女は余裕の笑みを崩さない、実際彼女は強いのだ、魔術師としての実力は高くこの停電も全て彼女が起こしたもの。その実力は神裂の様な聖人と互角に戦える程…だが彼女は何を思ったのか手にしていた闇の鎌を消した。そんな彼女の行為に超能力者達は目を丸くする

 

「なンのつもりだ?降参のつもりか?」

 

「まさか、ただ私よりも貴方達を倒すに相応しいお方が来たから私の出る幕はないと武器をしまっただけよ」

 

一方通行は降参かと呟くが宛那は自分よりも強い人物が来たと微笑む…そしてカツン、と上条達以外誰もいなくなった店内に靴音が響いた。垣根達は首をその音が聞こえた出口に向ける…そこには上条と同じくらいの歳の茶髪の少年が立っていた

 

「始めまして超能力者(レベル5)、魔神と共にこの世界に仇なす存在にしてぼくらの敵対者」

 

その声は優しそうな声色、その言動の節々に退廃的な雰囲気が漂っている…そんな彼の雰囲気に全員が唾を飲み込む

 

「………お前は何者だ」

 

上条はそう口に出した、それは自分の対になる者に対しての問いかけ、その問いに彼…上里翔流(かみさとかける)はこう答えたのだ

 

「どこにでもいる平凡な高校生さ」

 

その一言と共に彼は肩を鳴らそうとするも音は鳴らなかった…彼は気にせず自分の右手(・・)……上条が持つ右手(イマジンブレイカー)と対にして対極であるその右手(ワールドリジェクター)を垣根達に向ける

 

「さあ開戦の狼煙をあげようか、きみ達のこの世界からの消失という狼煙を」

 

 

 

 

 

 




宛那と戦うと思いました?残念上里君でした。個人的に上里君は好きなんですよね…でも世間では浜面と同じくらい嫌われてて悲しい…上里君の人気上がれー。そして理想送りの能力はチート、ていとくんの未元物質でも縦ロールちゃんの新能力でも願望が重複してるから理想送りには勝てない…魔神を新天地に送った一撃ですからね、現状ではていとくん達は上里君に勝てません

宛那の術式は今はまだ秘密です、ただ名前の通りアテナに関する術式と言っておきましょう。因みにアテナのCVは石原夏織さん、容姿は某神殺しのアテナ様(でも声はアニメオリジナルキャラのアテナの母親 メティス)、そして上里君のCVはリゼロのスバル君の声の人 小林裕介さんですね

次回もお楽しみに!

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。