カプ厨がていとくんに憑依転生しました   作:暗愚魯鈍

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ウルトラマンタイガを見て面白そうで今後が楽しみです、他にも今期はDr.ストーンやとある科学の一方通行、彼方のアストラもあって楽しみが沢山…全く今期は最高だぜ!後今日は七夕ですね、貴方の願い事はなんですか?

今回は物理戦メイン、削板君が女子と殴り合いをします。原作のド派手な魔法戦もいいけど偶には熱い拳の殴り合いもいいよね

阻害君は根性でどんな事も出来そうだから困る、後後半から戦闘描写が凄くなるけど原作もこんな感じじゃないかと作者は考えてしまった。音速を超えるなんてフツーフツー、フィアンマさんなんか地球を破壊できるて書かれてたし神威混淆は20巻でも猛威を振るってたからこれくらいはしないとね。

そして削板君の根性がうまくかけてるか作者は不安です



愛とはこの世で一番強い力を生む力

蛇神宛那は父親と母親の顔を知らない、彼女は孤児だった。養護施設の前に赤子だった彼女は籠の中に入れられて置き去りにされていた。彼女は捨て子だった、親にもせめてもの情があったのか「蛇神宛那」という名前が書かれた紙が一緒に添えられていた

 

彼女は施設では孤立していた、その日本人離れした銀色の髪と紫の瞳の所為で施設の子供達に化け物扱いされていた…小学校へ行っても、中学校へ行っても、高校に行っても変わらないと思っていた…だがそんな彼女の前に彼は現れたのだ

 

「やあ、君変わった髪の色だね」

 

「………え?」

 

彼は彼女を拒絶しなかった、彼は彼女と同じ図書委員だった。彼は目立つ容姿の宛那とは対照的に地味だった、何処にでもいる高校生…だが何処か違う…それが彼女の上里への第一印象だった

 

「……上里君は私の髪型気にしないの?」

 

「別に、綺麗な髪だとしか思わないよ」

 

上里は彼女を色眼鏡で見ない、変な髪の色の女とか捨て子と呼ぶクラスメイト達と違い彼は蛇神宛那をみてくれる…それが宛那は嬉しかった

 

(……上里君だけだよ、私と普通に接してくれるのは)

 

彼女はそんな上里に恋心を抱いていた…そして六月の上旬…上里の右手が覚醒したあの時…宛那は魔術師としての才を得た…その力を手にした時宛那は誓ったのだ。この力を惚れた相手(上里)の為に使うと

 

「そしたらいつか……上里君は私を選んでくれるかな?」

 

 

 

エンデュミオンのライブ会場で削板と宛那は睨み合う、両者の戦う理由は非常に似ていた。宛那は上里の為、削板はアリサの為…自分が恋した異性の為に二人はこの場に立っていた

 

「………ッ!」

 

宛那が動いた、両手に宿らせた赤黒い炎が更に激しく燃え音速の速さで削板へと迫る

 

「うおぉぉぉぉぉ!!!」

 

対する削板も音速の速さで拳を振るう、炎の拳と正体不明の力を纏った拳の激突。利用者の拳は拮抗し周囲の床に亀裂が走る…だがじわじわと削板の拳が後ろに下がり始める

 

「な………!?」

 

「ふ!」

 

宛那は更に力を込めて削板の拳を押し返す、そして削板の体勢が崩れるとその身体に拳を叩きつけて吹き飛ばす

 

「ぐ!?」

 

なんとか足に力を込め後ろに飛ぶのを堪えた削板、彼は反撃とばかりに右ストレートを放つ。だが宛那はそれをいなし削板の腹に足蹴りを命中させる

 

「がっ!?」

 

よろめいた削板に宛那は削板の身体に雨の様に拳を連打、一つ一つの拳の衝撃は空から落ちてきた隕石の激突に匹敵するその威力に削板は風に飛ばされた葉っぱの様に吹き飛ばされた

 

「削板!?くそ!」

 

「お前達の相手はこいつらだ」

 

上条が吹き飛ばされた削板の名を叫ぶ、そして上条が宛那に殴りかかろうと駆け出そうとするが宛那が指を鳴らすと宛那の影から無数の黒い炎で出来た蛇と梟、ライオンが出現する

 

「我が眷属達と戦っていろ。まずはあの男から先に殺す」

 

宛那はそう言うと未だに倒れたままの削板の元へと駆け出す、上条は目の前に現れたライオンに右手と触れ消滅させるが直後に蛇や梟、別のライオンが襲いかかりそれの相手をする所為で近づけない。美琴も食蜂を守りながら蛇達を蹴散らし一方通行も麦野も蛇達の相手で精一杯だった

 

「死ね」

 

宛那はそう言うと炎を纏った闇の鎌で削板を斬り裂こうとする、だが削板はそれを両手で受け止めその刃を折る

 

「まだまだぁ!こんなもんで俺は負けるわけにはいかん!」

 

「暑苦しい男だな、そんなにもあの女が大事か?」

 

「ああ!惚れた女の前ではカッコつけたいからな!」

 

「……ほう?だが私も負けるわけにはいかんのでな、上里様の為にも貴様らを鏖殺し「奇跡の子」を捕らえる!」

 

宛那はそう叫ぶとガトリングガンの如き拳の連打を放つ、削板もそれに対抗する為に拳を音速の二倍で振るい宛那の連撃に猛攻。拳と拳が激突しその余波で会場が破壊されていく、そして宛那の右拳が削板の顔面に直撃。宛那はふと笑うが直後油断した宛那の顔面に削板の左ストレートが炸裂

 

「ごぶぁ!?」

 

宛那は思わず後ろへと後退し顔面を右手で触る…鼻血が流れ舌を噛んだのか口からもポタポタと血が落ちる…宛那は乙女の顔を殴った削板に怒りの眼を向ける

 

「……嫁入り前の乙女の顔を殴るなど…非常識極まりないな」

 

「…確かにそうかもな、だがお前は自分の意思で俺と戦ってるんだ。つまり傷つく覚悟があるて事だろ?」

 

「……それもそうだ、私は上里様の為なら自らの顔を剥ぐ覚悟もある…この程度など軽いものか」

 

削板が戦う覚悟があるなら傷つく覚悟もある筈と言うと宛那はごもっともだと拳を構える、宛那が腕を振るう…それだけで灼熱の炎の波が削板に迫る。削板は口から音響兵器に似た咆哮と共に謎の波動が放たれ炎の波をかき消す、ならばと宛那は無数の闇の刃を作り出しそれを投擲

 

「すごいパンチガード!」

 

その刃の雨を磁力戦線(オーロラガード)と呼ばれる蜃気楼のような謎波動を纏った拳で弾いていく。そして刃を弾きながら宛那へと迫り右ストレートを放つが宛那は跳躍しそれを回避、そして右目を大きく見開きそこから太陽光の光線を発射、人を焼き殺すどころかエンデュミオンを蒸発させかねない程の威力を秘めたその一撃を削板は赤青黄色のカラフルな爆発を背負いその光線を受け止める

 

「超すごいガードぉぉぉぉぉ!!!」

 

右目からの光線を削板は両腕に力を込めて踏ん張る、所々から超すごいガードの煙が破れ太陽光線が漏れ出すが削板はそれを自分の手で穴が空いた部分を塞ぐ。直後焼け付く様な痛みが削板を襲い削板は思わず叫び声を出しそうになるが必死に堪える

 

「渋といな…さっさと消え失せるがいい!」

 

宛那が更に光線の威力を高め超すごいガードが削板の手では抑えきれない程崩壊が広がる…削板もこれ以上は限界だと諦めかける

 

「させるか!優先する!原石を上位に!魔術を下位に!」

 

「……む?」

 

上条が幻想片影で光の処刑を発動、優先順位を入れ替え削板の超すごいガードで太陽光線を受け止められる様にした。宛那はその事に眼を細めるが削板が叫び声をあげて超すごいガードを殴りつけ宛那へと太陽光線ごと吹き飛ばす

 

「ふん」

 

宛那は背中から梟の翼を出現させ飛翔、それを回避すると足に炎を宿らせ削板へとドロップキックを放つ、削板はそれを腕をクロスさせて防御し宛那の足を受け止めるとクロスを解き宛那の足を右手で掴みハンマー投げの様に宛那を壁へと投げ飛ばす

 

「ぐぅ!」

 

壁に激突した宛那は苛立ちつつも自らの炎をライオンの様な荒々しい鉤爪に変化、削板へと音速で迫るとその鋭利な鉤爪で斬りかかり削板も蜃気楼の様な謎波動を拳に纏って鉤爪とぶつけ合う

 

「……凄い、これが……超能力者」

 

アリサは目の前の光景に見惚れていた、それはまるで漫画の世界の様、拳と拳の激突、炎と謎の波動の衝突、能力による攻防一体…そんな光景を見てディダロスとシャットアウラは冷や汗を流しているがアリサには不思議と恐怖はなかった

 

(……軍覇くんなら勝ってくれるよね)

 

アリサは削板を信じていた、絶対に勝ってくれる、宛那なんかには負けないと彼女は奇跡(勝利)を信じていた

 

「くそ!キリがねェな!」

 

「倒しても倒しても湧いてきやがる!」

 

「これは術者本人を倒さなきゃいけないとかそう言うタイプみたいね!」

 

「もう!本当にしつこいんだゾ!」

 

一方通行は強化した足で蹴りを放ちライオンの頭を粉砕する、麦野の原子崩しが空中を縦横無尽に飛び回る梟を撃ち殺す、美琴の電撃の壁で蛇達が黒焦げになる、食蜂のフリーズドライに似た現象でライオンも梟も蛇もボロボロと崩れ去る…だが数は一向に減らない…影という影、闇という闇から蛇達は無限といっても過言ではない程溢れ出てくるのだ

 

「……頼むぜ削板」

 

上条は蛇達を右手で触れて消滅させながら宛那と戦う削板を一瞥する

 

「ふん!」

 

削板は一蹴りで宛那の近くへと移動し宛那は翼を羽ばたかせれ空中へと逃げる、だが削板は空気を蹴って空中歩行で宛那へと近づく

 

「空気を蹴っているだと…?」

 

「空気を蹴るくらい普通だろ?」

 

削板の右ストレートが宛那へと迫り宛那は鉤爪をクロスさせその一撃を防ぐ。そして宛那が鉤爪を振るい削板の体の表面を浅く裂き血が滲み出る

 

「すごいパーンチ!」

 

削板のすごいパーンチを宛那は軽くいなしながら炎の鉤爪を振るう、その度に削板の体を裂き血が流れるが削板が力を込めると血は止まる。宛那の拳が振り下ろされ削板の頭部に当たり脳震盪を起こすが根性で踏ん張り宛那の顎にアッパーを叩き込む、宛那は痛みを堪えながら翼を羽ばたかせ床に降り立つと左目を大きく見開く

 

「石化せよ」

 

そう言った直後削板の体全体が石になり始める、だが削板が力を込めると身体から赤青黄色の爆発が発生し石化した表面が粉々に吹き飛ぶ。ならばと宛那が闇から生み出した毒蛇が削板を丸呑みにしようと大口を開けるも彼は両手でその顎を受け止めそのまま真横に引き裂き蛇は闇へと帰った

 

「隙だらけだぞ」

 

宛那は赤黒い灼熱の炎を纏った脚で削板を蹴りつける、削板はそれを右腕で防ぎカウンターを放つが宛那はひらりと避け鳩尾に拳を叩きつけ削板を吹き飛ばし床にめり込ませる

 

「見抜いたぞ、貴様はその怪力とその能力こそ厄介だが…武術など身につけていない…我流の戦い方なのだな」

 

削板は武術など知らない、彼はがむしゃらに筋肉を鍛えているだけでありボクシングや空手の様な武術の心得はない…それを戦いの中で見抜いた宛那。彼女は更に両手の炎の火力を上げ鉤爪を更に鋭くする

 

「この霊装も身体に馴染んできたところだ、ウォーミングアップはもうおしまいといこう」

 

宛那は霊装の力を十二分に発揮出来る様になったと呟くと両手を広げ片足を思い切り地面に叩きつけ跳躍、一瞬で削板へと肉薄し彼の身体に炎を纏った拳を何百発も叩き込む、一発一発がナパーム弾2、30発に匹敵する威力で身体に命中する度に小規模な地震に匹敵する程の振動が周囲を破壊していく

 

「あははははは!これがセクメト=アテナの本領だ!」

 

ラッシュ、ラッシュ、ラッシュ、ラッシュ。連続して放たれる拳が削板を襲う、削板は反撃する暇もなく拳の連撃に派手に吹き飛ばされる、それでもなお立ち上がる削板に宛那は下段回し蹴りを放ち削板の足の骨を折る

 

「がっ!?」

 

呻く削板など気にせず宛那はガラ空きになった腹に鉤爪を突き刺す、鈍い音がした。それは炎の鉤爪が削板の身体を貫通した音だった

 

「削板あああァァァァ!!!!」

 

上条の叫びが会場に響く、ごふっと削板は血反吐を吐き出しその血が宛那の顔に思い切りかかる、それを不快に思ったのか宛那は顔をしかめながら削板を突き刺した右手を振るい削板を壁へと激突させ削板は床に倒れこむ

 

「宛那ぁぁぁぁ!!!!」

 

ーーーグギィガアアアアァァァ!ーーー

 

上条が宛那の名前を叫ぶと彼の腕が変化し始め竜王の顎(ドラゴンストライク)へと変貌させる、それで周囲の蛇達を消滅させ竜王は宛那へと向かう宛那はそれを一瞥し翼で飛翔、竜王の顎も宛那を目掛けて空へと首を伸ばすが宛那の方が速い

 

「その竜については最大主教から聞いている、あらゆる魔術、霊装、超能力を破壊すると…だがその竜が脅威なだけで貴様自体は大した脅威ではない」

 

宛那はそう言うと無数の闇の刃を放射、竜王はそれを飲み込む又は破壊していくが宛那は右手に眩い光を、左手に漆黒の闇を展開し両掌を合わせゆっくり開いていくと頭上に闇と光が混ざり合った混沌の球が出現する

 

「西洋人にはエジプト神話が理解できずギリシャ神話を対応させ解釈した…それがこの霊装の本質、お互いがお互いを諦めてしまう悪意を火力へと変化する。お前達には私の行動は一切理解できない、私もお前達の行動は一切理解できない。それでいい、それこそがこの球の威力を高めるのだから」

 

宛那は混沌球を竜王へと叩き落とす、竜王はそれを丸呑みにしようとし顎を広げる…そして混沌球と竜王は激突し竜王が喰らおうとするが混沌球に無数の亀裂が入るだけで消えていかない…それ程この球には絶対な質量があるのだ…だが竜王の顎は更に力を込める

 

ーーーグギィガアアアアァァァ!!ーーー

 

バキン!と竜王が球を噛み砕いた、光の粒子となって消えていく球を見て竜王は次は宛那を飲み込もうとするが肝心の宛那がいない

 

「な!?何処に…」

 

上条が何処へ行ったと周囲を見渡す…だがその返答は自分の背後から聞こえた

 

「お前の後ろだよ」

 

言葉と同時に放たれた遠心力を最大限に生かし威力を高めた回し蹴りが上条の腹へとめり込む。上条は自分が蹴られたと理解したと同時に壁に激突し意識が一瞬飛んだ

 

ーーーグギィガアアアアァァァ……ーーー

 

竜王の顎は上条の意識がほんの僅か無くなった瞬間に存在が保てず粒子となって消えていく……上条は立ち上がろうとするが激痛が走り痛みを堪える…宛那の蹴りで肋骨にヒビが入ったのかもしれない

 

「先輩!」

 

「上条さん!」

 

美琴がコインを弾き超電磁砲の発射準備の構えをとる、食蜂がリモコンを向け美琴の精神に介入、最大の必殺技 液状被覆超電磁砲(リキッドプルーフレールガン)を宛那へと放つ、だが宛那は右掌を広げそこから太陽の紅炎(プロミネンス)と見間違える程の火柱が出現し液状被覆超電磁砲のコインを焼失させその余波で美琴と食蜂をステージの床まで吹き飛ばす

 

「チッ……化け物が」

 

麦野が0次元の極点で宛那の背後へと出現、原子崩しを無数に放つが宛那の側面に黒い穴が誕生し原子崩しはブラックホールに吸い込まれる光の様に吸い込まれていった

 

「な……!?」

 

驚く麦野に宛那は思い切り彼女の腹に拳を叩きつける、麦野の身体がくの字に曲がりその場に倒れこむ…宛那は右手の鉤爪でトドメを刺そうとするが一方通行が放った暴風を反対の左手で受け止める

 

「調子に乗ンなよクソが!」

 

二段蹴りの容量でエンデュミオンの床を砕き砕いた床の一部分を思い切り蹴り飛ばす、それだけで超電磁砲以上の速度で床の一部が進み衝撃波となって宛那を襲う。宛那は衝撃波に向けて左の手で扇ぐ、それだけで衝撃波が蹴散らされる

 

「霊装の本領を発揮してしまえば…こんなものか」

 

宛那はそう言うと右目を大きく見開く、そして一方通行の周囲が大爆発を起こし床や壁が融解する…それはフレアそのもの、そして爆煙が晴れるとそこには床に倒れこむ一方通行の姿が…

 

「酸素をなくしてしまえば貴様でも対処できまい」

 

その爆発のせいで殆どの酸素がなくなり酸素濃度を低下させて酸欠を起こした一方通行にそう言う宛那、ほんの3分で宛那は超能力者を片付けそれを見たアリサ達は戦慄する

 

「ま、だだ……俺がいるぞ宛那」

 

「まだ立ち上がるか、渋といものよ…だがお前一人で何が出来る」

 

上条は立ち上がりまだ戦えると叫ぶが宛那は上条一人で何が出来ると皮肉げに笑う、美琴と食蜂は床に倒れ気を失い、麦野も意識を保っているので精一杯、一方通行は酸欠で気を失った、削板も足を折ってしまえば動けない…宛那は勝利を確信した

 

「何故そこまで奇跡の子の回収を阻止しようとする?貴様らにとって赤の他人だろう?」

 

「赤の他人じゃねえ、アリサは俺達の友達なんだ…助けるのは当たり前だ」

 

「……は、友達……か、人間ではない存在(・・・・・・・・)を友達と呼ぶのか貴様らは」

 

「……どう言う意味だ?」

 

その言葉に反応したのはシャットアウラだった、宛那は今こう言った、アリサは人間ではないと、シャットアウラはどう言う意味だと宛那に尋ねディダロスは目を見開く…アリサは自分の正体を知っているのかと宛那を瞬き一つせず見ていた

 

「…シャットアウラ=セクウェンツィア、貴様はオリオン号で祈った筈だ。自分の大事なものと引き換えに皆を助けてくれ…とな」

 

「……何故それを知っている」

 

「そんな事はどうでもいいだろう、その願いが奇跡を生んだ、お前の"音楽を認識する脳の機能"と引き換えに生み出された奇跡の具現化…それが鳴護アリサ、お前だよ」

 

「……奇跡の具現化?」

 

「心当たりがある筈だ、お前の周りで奇跡は起こった事はないか?普通ではあり得ないような自体が起こった事がある筈だ、そうまるで奇跡の様な現象が」

 

アリサはシャットアウラが失ってしまった音楽を認識する脳の機能を媒体に生み出された奇跡の結晶だと宛那は笑いながら言う、アリサは今まで自分の周りで起こった事件を思い出す、確かに宛那の言う通り奇跡と呼べる現象が起こっていた

 

「だがその奇跡は代償がある、必ず誰かが怪我をしてしまう、等価交換というやつだな、奇跡で大多数を救う代わりに一人が犠牲になる…所詮貴様の奇跡はその程度だよ」

 

宛那は見下した様にアリサを嘲笑う、所詮奇跡などそんなものだと…上里とは比べ物にならないと言わんばかりに嘲笑う

 

「しかし馬鹿な奴らだな、人間でない奴と人間の友の様に扱い助けようとするなど…馬鹿げている、お前達は船や動物を擬人化させて発情しているオタクか?奇跡の擬人化と友達とは全く笑わせる」

 

「テメェ………!」

 

宛那の心無い言葉にアリサは涙をこぼしそうになる、自分は人間ではない、それは心の奥底で分かっていたのかもしれない…自分は人間じゃない、ならあの少年に恋してはいけなかったのか?アリサの悲痛な表情を見て上条が叫ぼうとした時

 

「取り消せよ」

 

「!?」

 

その言葉を放ったのは削板だった、宛那は目を見開く、削板の足は折れている筈だった、なのに彼は両足で立って宛那を睨んでいる

 

(まさか…折った骨をくっつけたのか?あり得ん、そんな事できる筈が…)

 

「……取り消せよさっきの言葉、アリサに言った言葉を」

 

削板は宛那を見据えながら口を開く

 

「人間じゃない?だからどうしたんだ?人間じゃないから仲良くしちゃいけないのか?奇跡の具現化?だからどうした、アリサは人間だ、俺達と同じ楽しい事があれば笑うし悲しい事があれば泣く…どこにでもいる女の子だ…少なくともお前にそんな事を言う言われない」

 

アリサは削板の言葉を聞いて目を見開く、彼は立っているだけで辛い筈なのにそれを堪えてまで宛那と戦うとしている…何がそんなに彼を奮い立たせるのかアリサには理解できない

 

「何故だ、何故立ち上がれる?!何故諦めない?!」

 

「は、決まってんだろ」

 

宛那のその問いに削板は顔に笑みを作ってその言葉を呟いた

 

「好きだから、アリサが好きだから。だから俺は折れねえんだ」

 

アリサはその言葉を聞いて顔を赤くした、愛の為に自分は根性を奮い立たせて宛那に立ち向かっているのだと、愛とは根性、根性とは愛だ。アリサを守る為なら何度でも立ち向かう

 

「……ならばそのボロボロの身体で何処まで立ち向かえるか見せてもらおうか」

 

宛那は炎の鉤爪の火力を上げ炎の翼を漆黒の闇を噴出する翼へと変化、今の削板が一撃でも喰らえば死んでしまうかもしれない…それでも彼は止まらない

 

「……歯を食いしばれよこの根性なしが」

 

削板は最後の力を振り絞って宛那へと迫る、宛那の鉤爪が削板を狙う、それを削板は紙一重で避け宛那の胴体に拳を突きつける。宛那は痛みを堪えながら左手の鉤爪を振るい下ろす、それを避けて至近距離からすごいパーンチを放つ削板、その衝撃を足に力を入れて踏ん張る宛那に削板は音速を超える動作で宛那に詰め寄り宛那の頭部を掴み床に叩きつける

 

「おのれぇ!」

 

宛那は反撃とばかりに周囲の闇という闇から蛇を無数に召喚、削板に襲いかかられるが削板はそれを謎の爆発で薙ぎ払い宛那へと殴りかかる、それを避ける宛那に追いかける削板

 

「……何でそこまで頑張るの軍覇くん」

 

それを見てアリサは何故自分の為に頑張るのかと呟く、自分は人間ではないのに、何故ここまで頑張れるのかと…

 

「決まってるじゃない、貴方がそれだけ好きなのよ」

 

「!レディリー……さん?」

 

その問いに答えたのは血で赤く染まった服の腹の部分を抑えながらアリサに近づいてきたレディリーだ、彼女はそれだけアリサが好きなんだろうと呟く

 

「でも私は人間じゃ…」

 

「それでも彼は貴方が好きなんでしょう、それにそれも言ったら私も同じよ、八百年以上も生きてる人間…それは人間と呼べるのかしらね?でも垣根は言ってたわよ、私は人間だってね」

 

レディリーはそう言って笑うと削板と宛那の戦いを見る…削板が圧倒的に不利だ、セクメト=アテナを打ち破るには削板にも圧倒的な力が必要だ、それこそ覚醒した未元物質か天使崇拝レベルの力が

 

「信じなさいアリサ、彼の勝利を、奇跡が起こると……」

 

「……奇跡」

 

レディリーには削板の勝利を信じることしか出来ない、誰も削板を助ける事ができないなら奇跡を信じるしかないと…だがアリサは違った、奇跡を待つのではない、起こす(・・・)のだと

 

(……お願い、私の全てを犠牲にしても構いません…だから軍覇くんに…私の好きな男の子に勝利を……お願い、勝って軍覇くん)

 

アリサは両手を合わせ祈る、削板の勝利を…その為なら自分を犠牲にしてもいいと…彼女がそう祈った時その奇跡は起こった

 

(……何だ?何か分かんねえが…何か…何かを掴めそうな気がする)

 

宛那との戦いの中削板は自分の中の何かが変わる気がした、否理解したという方が適切か、自分の能力、自分でも一切理解できずどんな力か分からなかったその能力…それを何か掴んだ気がする

 

(…この力が何なのかは分かんねえ、だが…使い方は分かる…何で今分かったとかそんな事はどうでもいい…)

 

何故今理解できたのか、何者かの意図があったのか単なる偶然か…彼にはどうでもよかった。重要なのはたった一つだ

 

(アリサを守れるのならそれでいい)

 

恋した少女を守れるのならそれでいい、その力に何かしらの代償があったとしても構わない、アリサを守れるのならそれも受け入れる。削板は力の片鱗を掴んだ、直後削板の周囲が爆ぜ宛那が吹き飛ばされる

 

「なぁ……!?」

 

宛那は吹き飛ばされ床をバウンドし壁に激突する事でようやく止まる、そして削板を見る…彼の周囲には蜃気楼に似た赤青黄のエネルギーが充満していた。そのエネルギーは削板を包み込むように彼の周囲に漂っていた

 

「……何が起こった?」

 

宛那のその問いに削板は答えない、彼は両手を広げ彼は説明できないその力を具現化し武器として顕現させようとする、連想するのは自身が真っ先に思い浮かぶ最強の姿…彼の脳裏には垣根の姿が思い浮かぶ、正確には彼の力の根源たる翼だ

 

(……そうか、帝督も当麻も…誰かを守る時はこんな気持ちだったのか)

 

垣根が覚醒した未元物質を展開する時はいつも決まって守るべき何かがあった

 

自動書記の時はインデックスの幸せとステイルと神裂の思いを、アウレオルスの時はアウレオルスのインデックスを守りたいという気持ちを、ガブリエルの時は上条の両親を守る為に、木原病理の時は自分達を守るために

 

上条もそうだった、竜王の顎を覚醒させた時もアウレオルスの信念を守りたかったから、ガブリエルの時も自分の家族を守る為、今だってアリサを守る為に竜王の顎を出現させた

 

(これが大事な人を守る為の力か)

 

削板もアリサを守る為にその力を解放した、削板の目が一瞬発光しその瞬間彼の背に力が集結し赤青黄の煙の柱として形成された。それは煙を圧縮し背中にただくっついているだけとも四枚の翼にも見える…アリサはそれを見てこう呟いた

 

「天、使………?」

 

その一言と削板が宛那へと肉薄し拳を放ったのは同時だった、削板の拳が宛那の腹にめり込み宛那は音を置き去りにして吹き飛ばされた

 

「がっああああああああああああああああああああああああああああああああッ!?」

 

宛那は背中に激痛を感じた、その痛みは自信がエンデュミオンの内部の壁、もしくは天井を破壊しているからだと気づく間も無く宛那の視界に黒い空間が映った…星々が瞬く夜空…違う宇宙空間。そこに宛那は浮いていた

 

(な、何が起こった!?何も見えなかった!?気づいたら痛みが襲いそしてエンデュミオンから宇宙に浮いていた?どういう事だ!?)

 

削板が取った行動は実にシンプルだった、ただ宛那を殴る、それだけだ。だがその行動をとった彼には速さという概念はなかった、そして宛那との距離というものを無視して殴りつけた様に第三者からは見えた。そして単に殴りつけただけでエンデュミオンの内部から宇宙空間まで吹き飛ばす桁違いの威力という事しか理解できなかった

 

「…………」

 

彼の背中の翼が音を立てて広がる、それは今にも大空に飛び立とうとする鳥の様、それを見てアリサは削板に口を開く

 

「………頑張ってね」

 

「………おう」

 

その短い会話だけで十分だった、翼が羽ばたいたかと思うと削板の姿は一瞬で消え動いた時に起こる風圧がまるで台風の如き暴風を撒き散らしていた…アリサは微笑む。絶対に削板が勝つと信じて

 

 

「!?」

 

宛那は嫌な予感を感じ両手をクロスさせる、それと同時に削板の拳がクロスさせた両手に命中し宛那は吹き飛ばされるも翼を羽ばたかせそれを何とかその場に止まった

 

(まただ…いきなり現れたぞ…瞬間移動?いな、違う…ただ単に早いだけだ…音速や光速などという次元ではない…これが世界最大の原石…)

 

その余りの桁違いさに宛那が苛立つ、だが負けるとは思っていない。セクメト=アテナの力があれば原石の力など打ち砕いてやると言わんばかりに鉤爪を削板に振るう、だが削板の身体にぶつかると同時に炎の鉤爪が音を立てて砕け散った

 

「は………?」

 

宛那が目を見開いたと同時に削板は宛那の背後へと回り宛那にすごいパーンチを放つ、それを宛那は左手の鉤爪で打ち消し右手の鉤爪を再生。右目から太陽光線を放つが削板はそれを翼でガードし反対側の翼を宛那の腹に突き出し宛那を吹き飛ばす

 

「ぐあっ……!」

 

そのまま宛那は月まで落下していき月面に激突、大きなクレーターが出来その中心に宛那は横たわっていた。そして月面に削板が着地する

 

「立てよ、これくらいじゃあお前は倒れねえだろ」

 

「馬、鹿な…何だこの力は…それに何故宇宙空間にいるというのに息が出来る(・・・・・)!?」

 

「?そういえば何でだろうな、まあそんな小せえ事よりもお前と決着をつける方が先決だな」

 

削板は何故自分が宇宙で息が出来るのかと疑問に思うがそんな事はどうでもいい、今は宛那を倒す方が優先だと呟く

 

「……私は負けるわけにはいかない、上里様の復讐の為に!私は負けぬ!」

 

「来いよ、宛那。俺の根性、俺のアリサへの愛てのを見せてやる」

 

上里の為に戦う者(宛那)アリサの為に戦う者(軍覇)が同時に動いた、二人の拳が月面にてぶつかり合い月面に亀裂が入る。そして二人は何度も何度もお互いの身体に拳を刺突させ血を吐き出しながらお互いの敵に拳を振るう

 

「俺はお前に勝つ!アリサを守る為に!」

 

「私は負けない!上里様の為に!」

 

「俺の根性でお前に勝つ!」

 

「私の全ては上里様の為に!」

 

一方的な会話をしながら二人は殴りつけるのをやめない、削板の拳が宛那の顔面に当たる、宛那の鉤爪が削板の体を裂く。互いに傷ついても削板はその力で傷口を止血し宛那は傷口を再生する

 

「私は奇跡の子を回収する!それが私の使命なのだ!」

 

「そんな事はさせん!アリサは俺がこの手で守ってみせる!」

 

「何故だ!何故そこまであの女を守る!」

 

「好きになった女を守るのは当然だろうが!」

 

拳と拳の激突、炎を纏いし拳と説明不可のエネルギーを纏った拳。二人は音速を超えた挙動で動き彼らが動く度に月面が破壊され亀裂が入っていく…何度も何度も拳が激突しその余波で起こった衝撃波で更に地形が破壊される、宛那の太陽光線は翼で防がれ石化の蛇眼も全身を覆い尽くす説明不可の力に阻まれる。音速を超えた速度で放つ闇の刃も背中の翼を振って薙ぎ払われる

 

「これが超能力者第七位…これが世界最大の原石の力……」

 

「いや違うな、これは根性よりも凄え力…愛の力で奴だ。覚えとけ」

 

「……愛、か。だが愛なら私も負けない!上里様への愛は去鳴にも獲冴にも誰にも負けない自信がある!私の行動は全て上里様の為!」

 

「……じゃあ何でお前はあいつを止めねえんだよ」

 

「何?」

 

削板はこの力は愛のなせるものだと叫ぶと宛那も上里への愛なら誰にも負けないと叫ぶ、だが削板はじゃあ何故上里を止めないと言い宛那は目を見開く

 

「俺は復讐に溺れかけた奴を知ってる、そいつは苦しそうだった、俺には復讐したいて思ったことがないから分かん!上里て奴が何をそんなに恨んでるのかも知らない!もしかしたら俺達が悪いのかもしれない!だがそれに無関係な奴を巻き込むのはおかしいだろ!」

 

削板は垣根が木原への憎悪に取り憑かれた姿を知っている、それはとても辛そうだった。上里もきっと同じなのだろう。何か許せない事があって学園都市に攻撃を仕掛けているのかもしれない…だが無関係な人達を巻き込むのはおかしい筈だ、アリサにしても、アリサのライブを聞きにエンデュミオンに来た人達も、地上でトライデント達の攻撃を受けている人達も無関係な筈なのに…何故巻き込んだのか…それに

 

「なんで止めてやらない!お前は上里て奴が好きなんだろ!?なら止めてやれよ!復讐なんてそいつが辛いだけなんだよ!本当に好きならそいつの行動を肯定するんじゃなくて否定してやれよ!好きな奴が間違えを起こしているなら止めてやるのが愛てもんじゃねえのかよ!」

 

それは詭弁かもしれない、上里には上里の事情があるかもしれない。それは削板の一方的な主張かもしれない、相手の考えを間違っていると一方的に言っている様なものだ

 

「知った様な口を聞くな!貴様に何がわかる!あの時から上里様は……上里君(・・・)は変わり果ててしまった!願ってもない力の所為で周囲の女の子達の人生が捻れ上里君の人生も狂ってしまった!それもこれも全ては魔神の所為!そして魔神達が『採点者』として見ていた幻想殺しに介入し過ぎて理想送りを誕生させてしまう結果となった垣根帝督の所為だ!」

 

「……帝督の所為で理想送りが誕生した…だと?」

 

「そうだ!最大主教の話では魔神は幻想殺しは歪められた世界を正す為に存在する『世界の基準点』だった、上条当麻は魔神達の採点者だった…それを垣根帝督が歪めた!故に魔神達は失望し幻想殺しの代わりとなる力…理想送りを誕生してしまった、そんな魔神達の身勝手で上里君の人生が滅茶苦茶になった!だから私は許さない!理想送りを誕生させた魔神達も!それを作るきっかけになった垣根帝督も!上条当麻も!学園都市も全部全部破壊して破壊し尽くしてやる!全ては上里君の平穏の為に!」

 

垣根が上条と接触した所為で魔神達の計画から大きくズレが生じ幻想殺しは使い物にならないと判断した魔神達が幻想殺しの代わりとなる力を望んだ、それが理想送り。それを宿した所為で自分の恋した男の子の人生が狂ったと叫ぶ宛那、だから彼女は魔神達も垣根も上条も学園都市も許さない。彼女の怒りは全てを焼き尽くし灰燼にするまで止まらない。上里が平凡な高校生に戻るまで彼女は殺戮をやめないのだ、まるでエジプト神話のセクメトの様に、ギリシャ神話のアテナの如き執念で…だがそれを聞いて削板はこう返した

 

「馬鹿なのかお前は」

 

「な…!?」

 

ただ簡潔に削板は馬鹿と返した、その答えに宛那は目を見開く。それを無視して削板は口を開く

 

「確かにそれは魔神て奴らが悪いな、勝手に当麻に期待して自分達の役に立たないと思ったら別の奴に頼る…トンデモねえ根性なしな奴らだ…だが帝督を責めるのも当麻を責めるのも筋違いだろ!」

 

「そんな事あるか!垣根帝督の所為で理想送りが生まれた!上条当麻が垣根帝督とさえ合わなければ上里君は不幸にならなかった!垣根帝督がいなければこんな事には「巫山戯んな!」!?」

 

「帝督がいなかったら俺は変われなかった!当麻も不幸のままだったかもしれない!確かにお前らには全ての元凶かもしれねえが…俺らにとって帝督は大事な友達なんだ!」

 

削板は垣根と上条、そして学園都市を恨むのは筋違いだと叫ぶ、そして垣根を全否定した宛那に削板は拳を振るう。それを宛那は回避し削板に怒りの咆哮をぶつける

 

「お前らの友情なんざ関係ないんだよ!上里君の人生滅茶苦茶にした罪は未来永劫地獄で贖いやがれ糞野郎共がぁぁぁぁぁ!!!」

 

宛那の絶叫と共に彼女の背に生えた右側の闇の翼が光の翼へと変貌する、右の光の翼と左の闇の翼…混沌の両翼で飛翔し削板は四枚の翼を羽ばたかせ宛那を追尾する。宇宙空間で黒と白の流星と赤青黄の流星が激突を繰り返す、宛那は掌から太陽に匹敵する熱量を誇る火球や全てを焼き払うプロミネンスを放射。削板は火球を拳で弾く、プロミネンスは口から放った謎の波動で相殺する。再度二人は激突、3回ほど激突を繰り返した後宛那は闇の刃を放つ、その数は数十万…だが削板は翼を横に振るう事で全て粉砕する

 

何度も何度と彼らは激突を繰り返し宇宙空間を駆ける、削板が放った謎の波動を彼女は左手で防御、削板が放ったすごいパーンチも宛那は右手から放つ太陽光線で相殺する。何回も攻防と激突を繰り返し宛那はエンデュミオンの前方へと現れ削板もエンデュミオンに背を向ける形で彼女の前に現れる

 

「これで終わりだ……」

 

宛那はそう言うと翼が何十メートルにも広がり両手を頭上へと掲げる。そして生み出されたのは黒と白が混ざり合った球体…それは上条へと放った魔術だが規模が桁違いだった。その大きさは半径30キロメートル、もはやその大きさは擬似天体と表現するしかない…それを削板目掛けて放ったのだ

 

「エンデュミオンごと消えてなくなれぇぇぇぇ!」

 

宛那のその一撃は避ければ背後にあるエンデュミオンを破壊し尽くしアリサ達も死んでしまうだろう、だから削板は避けない。そう宛那は思っていた…事実削板は避けなかった。彼は右手に力を集中させその右手でその擬似天体を払いのけた

 

「……は?」

 

宛那の気の抜けた声と共に払いのけられた擬似天体は爆散、その衝撃波は宛那にも届き周囲に散らばっていたスペースデブリが吹き飛ぶ…宛那は自分の最大の技がまさか払いのけられるとは思ってもみなかった宛那は呆然としその隙を削板は見逃さなかった

 

「終わりだ…ハイパーエキセントリックぅぅ……」

 

「!くそ!」

 

宛那は削板が拳を構えたことから大技が来ると察し自身を覆う様に光と闇の翼を繭の様に丸め防御態勢に入る。更に何重にも闇の障壁を展開しその一撃を堪える様にする

 

「ウルトラグレートぉぉ……」

 

削板は翼を思い切り羽ばたかせ一瞬で宛那を覆う闇の障壁へと肉薄、その凄まじいエネルギーが込められた拳を障壁へと思い切り突きつけると闇の障壁は飴細工の様に砕け散り光と闇の翼に守られる宛那の姿が露わになる

 

「ギガエクストリームぅぅぅ……」

 

削板はそのまま翼に拳を激突、それだけで宛那を守る最後の障壁が粉々に砕け散った。宛那の眼が大きく見開かれ迎撃の為に拳を振るおうとするがもう遅い

 

「もっかいハイパーぁぁぁぁ…」

 

削板の目が発光する、彼の背の翼が何十メートルも巨大化し更に力がその右手に込められる。その光景を見て宛那は理解した、その力が一体なんなのかを…

 

(ま、さかこの力は原石とAIM拡散力場の…?あり得ない…天然と人工が混ざり合っているなど…いや、そう言うことか?なら超能力者とは……科学における人工天……)

 

「すごいパーンチぃぃぃぃぃぃ!!!」

 

宛那の思考を遮る様に削板の拳が宛那の左頬に激突、宛那の身体は猛スピードで突っ込んできたトラックに激突したかの様に地球の方向へと派手に吹き飛ばされ地上へと堕ちていく

 

「削板軍覇ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

彼女は隕石の様に堕ちていった、彼女の身体は炎に包まれ地上へと墜落していく…身体は火に包まれ少女の姿は見えない、宇宙空間には彼女の怨嗟の声が響く。宇宙空間に佇むのは勝者(削板)ただ一人

 

 

それは一人の少年の根性()が狂愛の少女に打ち勝った瞬間だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




愛の力で敵を倒す、根性と奇跡で覚醒して強敵蛇神宛那SAを撃破。とまあ戦闘描写はかなり雑だったと思います。上条さん達が軽く撃破されましたし…ただ言い訳をさせてもらうなら神威混淆て新約のボスですし新約のボスまで対抗できる様になってるのは今の所縦ロールちゃんとていとくん、上条さんと今回覚醒した削板君だけですし…

あと削板君は偽典 とある自販機の存在証明にて削板君のAIM拡散力場を観測しようとした那由多ちゃんの能力でも【まともに観測できない】と言っていました、つまりAIM拡散力場はあるのはあるのかと作者は解釈しました。他にも姫神さんの吸血殺しのAIM拡散力場で吸血鬼がやって来ると言う話からやはり原石にもAIM拡散力場に似た何かが出ているのかもしれないと自己解釈、レイヴィニアが新約2巻で「天然モノ」の能力は、あらかじめ環境に合致した設定を施されている と語っていますので魔術と違い原石は火花を生み出さない。だからアレイスターは原石をモデルに超能力を生み出したのかな〜と考えてみたり

後作中でも言ってましたが原作より早く理想送りが生まれたのはていとくんが上条さんと関わったから。魔神達はていとくんがこの世界の住人でないことに気づいてたので「あ、こいつのせいで採点者の方向性ズレるんじゃね?」て原作よりも早く失望した魔神達のせいで理想送りの誕生が早まりました。それが覚醒したのは六月の初めてだけです。つまり上里君が暴挙に出たのも全てていとくんの所為です

さて次回はエンデュミオン最終話、まさかの展開の最後にあいつが登場…果たしてその人物の正体とは?

次回もお楽しみに!
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