さて今回は番外個体ちゃん&魔改造Gatling_Railgun戦…であると同時にラスボス戦の登場回でもあります…そしてコモドオオトカゲの正体が明らかに…!まあ何人かはお気づきと思いますがね
さて今回で漸くラスボスの名前が明らかに…!そしてラスボスの棺桶の規格外さにご注目!次回から熱くなる展開…なのに就活で学校へ行かねばならん…だから遅くなるかもです。本当に申し訳ない
そして今回のラスボスですが…とある特撮の映画のラスボスがイメージなのですが…知ってる人いるかな?
その機械…棺桶は巨大だった、全長32メートルの巨大兵器と表現すべき棺桶の全身にはガトリング砲やキャノン砲、ミサイル等の砲門や砲塔が取り付けられ頭部に当たる場所には牛の様な角を持つ竜の形状をした顔がある固定砲台と言うべき棺桶に檮杌は歓喜する
「いい…実に良い!器としては理想的だ、この棺桶に先程入れた超能力者の死体…私の新しい擬似魂魄「応竜」と「蚩尤」が加わればもう私に敵う者などいなくなるだろう」
だがこの兵器は単なる科学兵器ではない、過去の超能力者の死体をこの棺桶に組み込み檮杌の死霊術を使う事によりその能力を増幅する。科学と魔術の融合…それによって生まれた禁断の兵器…それがこの「応竜・蚩尤」だ
「だがこの「応竜・蚩尤」は足掛かりに過ぎない。私の目的は今の超能力者の死体を手に入れる事…これは単なる私の新しい依り代に過ぎない…」
そう言って檮杌…いな檮杌に宿っていた霊魂が宿っていた肉体から分離し応竜・蚩尤へと入り込む…直後応竜・蚩尤の目が光り音を立てて起動、その鈍重な機体がゆっくりと動き出す
「さあ行くぞ下僕達、この日私は完全なるゴレムを完成させるのだ」
応竜・蚩尤がそう呟くとナンバーズの悪霊である窮奇・混沌・饕餮の擬似魂魄が組み込まれた棺桶が起動し応竜・蚩尤の後に続く。そして第十学区で掘り起こした能力者の死体達も動き出し後に続いていく……それを菱形兄妹は見ているしか出来なかった
襲来した番外個体とGatling_Railgunの集団を前にどう攻めるか思考していた、Gatling_Railgunは中に一般人が搭乗しているなら迂闊に手が出せず番外個体も妹達の一人…下手に傷つけたりは出来ない
「……!攻撃来るぞ!」
垣根がそう叫んだ瞬間、Gatling_Railgunの左右の鎌に備えられた三つに束ねられたガトリング砲が回転し始め、電磁力で金属砲弾が射出される
「くっ……!」
垣根は金属砲弾を未元物質の翼で防御、帆風も天使崇拝で降ろしたカマエルの高速移動で弾丸を避ける、上条は異能が関わっていない攻撃には幻想殺しは不利と見たのか一方通行の能力を使い弾丸を掻い潜る用に避ける。美琴は食蜂を抱えながら弾丸を雷撃の槍で相殺、一方通行はエステルを庇いながら反射で弾丸をGatling_Railgunに返すのではなく斜め横に飛ばす、削板はすごいパーンチで弾丸を蹴散らし麦野は0次元の極点で回避する
「ねえねえどうしたの?避けてないで早く破壊してごらんよ!」
番外個体はケラケラ笑いながら叫ぶ、それが出来ないと知っていてわざと超能力者を挑発するのだ。Gatling_Railgunが1秒間に66発もの弾丸を放射し周囲の地面を破壊していく。Gatling_Railgunは見ただけで三十体はいる…そんな弾丸の雨あられに超能力者達は防戦一方だった
(くそ……下手に攻撃したら無関係な人間が死んじまうからな…
透視したところGatling_Railgun全機には全て人間が搭乗している、全員が気を失っており番外個体か彼女の仲間かは分からないが誰かが一般人を攫って無理矢理中に押し込んだのは明白だった
「私の能力を勝手にこんな兵器に使って…!著作権の侵害で訴えてやるわよ!」
「それに単純な威力だけなら美琴以上よねぇ…でも砂鉄の剣や電撃自体は操れない様だけどぉ」
「取り敢えず腕の部分を破壊すれば良いんだが…あのロボット、腕を狙おうとしたら人質に当たる様に微調整してやがる」
美琴は食蜂を腕で抱えながらGatling_Railgunの猛攻を避けながら話す、麦野も原子崩しで腕のガトリング砲を破壊しようと企むがGatling_Railgunはそれを察して腕の位置を微調整し腕を破壊しようとすれば人質にも当たる様にしてくる為迂闊に攻撃できない
「人質なんてなんて根性なしなんだ!正々堂々かかってこい!」
「やーだよ!正々堂々やったらミサカが負けるしねー、これが悪の美学て奴だよ第七位」
削板は音速を超える速さで弾丸を避けながら番外個体に叫ぶが彼女は嘲笑うだけ…ならばも削板は回避をやめ捨て身の覚悟で一体のGatling_Railgunへと駆け出す、何発も美琴の超電磁砲を超える威力の弾丸をその身に喰らうが彼はその痛みを堪えGatling_Railgunへと肉薄、その腕で閉じ込められた人を助けようとするが…
「無駄だびょん☆残念でした〜♪」
「な……!?」
番外個体の小馬鹿にする声と共にGatling_Railgunは羽を羽ばたかせて空へと飛翔する、それを見て驚く削板に何体ものGatling_Railgunが削板へ銃口を向け弾丸を何千発も削板へと命中させる
「がっあああああああああああああ!!!?」
「削板!くそ!」
上条はGatling_Railgunへと駆ける、兵器相手には自分の幻想殺しは役に立たない。だが幻想片影なら役に立つ
「優先する!肉体を上位に!弾丸を下位に!」
光の処刑、優先順位を変更するその魔術に削板を襲っていた弾丸は彼の肉体に傷は愚か衝撃も与える事はない。それを見て上条はこれでGatling_Railgunの最大の武器を奪い取ったと安堵するが
「甘〜〜〜い!チョコレートよりも甘過ぎるよ第二位!」
番外個体のそんな声と共にGatling_Railgunの頭部からレーザー兵器が出現する…その砲身にはこう書かれていた「Melt Downer」と
「なっ!?原子崩し……だと!?」
「ギャハ☆まさかおねーたまだけの能力だと思った?残念!原子崩しも実装されてるんだよねこれが!」
上条が目を見開き番外個体は歪んだ笑みを向ける…原子崩しの力を再現しただけでファイブオーバーの定義に合致していない…言わば威力のみを再現した擬似メルトダウナーといったところか。だが威力だけなら本物並みである上に弾丸でない為に光の処刑の効果も受けない
「くそ!」
上条は擬似メルトダウナーを避ける、麦野の原子崩しであれば消せるが擬似メルトダウナーは科学技術で再現されたもの…幻想殺しでは消せない。未元物質の翼で空へと逃げるも何体ものGatling_Railgunが擬似メルトダウナーを放ちそれを上条は必死に回避する。砲塔は一本、だが敵は何体もいる…緑の光線が空へ無数に放たれ避ける上条。更にダメージが与えられない筈の弾丸を敢えて地面に撃ち続ける事により足場を不安定にさせ擬似メルトダウナーを当てようとする
「チィ……!面倒くせェ奴らだ」
一方通行は擬似メルトダウナーを上の方へと反射させ攻撃を防ぐ、彼には弾丸も擬似メルトダウナーも反射できる為脅威ではないが中に人質がいるなら迂闊には攻撃出来ない
「なんという威力だ…これが学園都市の技術…」
「感心してる暇があンならオマエも手伝いやがれェ!」
「無理無理、私は肉体労働は得意じゃないんだ。頑張れ応援してやろう」
「……オマエを盾にしよォかな」
「おい、まて。私を盾にしたも意味はないぞ。そもそもお前には反射があるだろう。だからお願いします、盾にしないでください」
一方通行はエステルに手伝えというがエステルは自分は働きたくないと呟く、一方通行は無言で彼女を盾にしようとしエステルは即座に謝罪する
「案外余裕そうじゃん!ならこれはどうかな?Dark Matter起動!」
「……!?それは……!」
番外個体がそう叫ぶとGatling_Railgunの前脚から尖った有機的な翼が展開される。それを見た垣根が目を見開く
「まさかその兵器……病理の…!」
「ピンポーン!大正解!木原病理から貸し与えられた兵器てミサカは聞いてるよん」
このGatling_Railgunの製作者は病理だと垣根は気付き舌打ちする、厄介な物を作りやがったと言わんばかりに
「ほらほーら!早く倒さないと!そうじゃなきゃ貴方達が死んじゃうよ?!ほら早く壊しなよ!中にいる一般人ごとさぁ!」
番外個体は甘過ぎる超能力者達を見て笑う、本気を出せばGatling_Railgun等一瞬で破壊できる筈の超能力者達は中に人がいるという理由だけで破壊できない…中にいる人を傷つけない様に…それが番外個体の笑みの理由だ。偽善者気取りの怪物達が自分達の命を取るか他人の命を取るか…その天秤が揺れる表情を見たいと心の底から思っていた
「偽善者ぶるのはやめたら?所詮人間なんて自分以外はどうでもいいんだからさぁ!貴方達だって同じでしょ!?まさか自分一人の命と引き換えに世界を守る!とか漫画とかのこっ恥ずかしいヒーロー気取ってたりする!?そんな訳ないでしょ!」
番外個体は歪んだ笑みを浮かべながら叫ぶ、自分では超能力者には勝てない。なら心を折ってしまおう。二度と能力が使えなくなるほどまで完膚なきまでに心を破壊しよう…それが番外個体の考えだ
「夢を見てんじゃねーよバーカ、貴方達は怪物だ、人を蟻を潰す感覚で殺せる能力を持った怪物なんだよ。そんな怪物がヒーローなんかになれる訳ないんだよねぇ!」
「ほら早く殺しなよ!その蟷螂の中にいる一般人を!他人を助ける為に自分を犠牲にするとか馬鹿げてるでしょ!それにどうせこいつらは勝っても負けてもミサカが後で殺すんだからさぁ!結果は同じてことだよ!」
「あ、それともミサカを殺す?そうすれば一般人は助けられるかもねぇ〜。でもいいの?ミサカは好きで産まれてきたんじゃないんだよ?ミサカは被害者だ、貴方達のね。貴方達を憎む奴等がいるからミサカは産まれた、貴方達がいなかったらミサカは産まれてこなかったのに……」
番外個体は長々と心を折る為の言葉を喋り続ける、超能力者達は反論せずに番外個体の話を聞いていた。そして番外個体は一呼吸ついて笑みを見せながら最後の言葉を言う
「全部貴方達の所為だ、ミサカが産まれてきたのも、一般人が巻き込まれたのも…全部貴方達の所為だよ
そう番外個体が言い終わるとGatling_Railgunの砲撃の音以外の音が一切消えた。超能力者達は何も言葉を発しない。番外個体が心が折れたかなと薄っすらと笑みを浮かべる…だが垣根が口を開いた
「………
「………へ?」
番外個体が呆けた声を出した、その予想外の回答に番外個体は混乱してしまった
「全部俺達の所為?それは俺らを恨んでる奴等の責任転嫁だろ」
「……え?」
垣根のその言葉に番外個体は混乱する…自分が思い描いていた展開と違う。他の超能力者達も概ねそんな顔だ、動揺する番外個体に垣根が笑う
「まさかその程度の揺さぶりで俺らの精神を壊せるとでも?余程舐めてる様だな」
(な、んで……今ミサカは優位に立ってる筈…なのになんでこいつは余裕の笑みを浮かべている?!)
垣根のその笑みを見て思わず番外個体が一歩後ろへと退がる、自分が優位な筈なのに何故か自分が追い込まれている気がする…そんな筈はない…ある筈がないのに番外個体の不安は消えない
「……せ、殺せGatling_Railgun!早く超能力者達を殺せ!早く!」
焦る番外個体は不安を取り払う様に大声で叫ぶ、その言葉と共にGatling_Railgunは銃口を向ける……だが直後超能力者を殺す為に向けていた銃口がガクンと下がった
「………え?」
停止したGatling_Railgunを見て番外個体が目を見開く、何故停止したのかと混乱する彼女を見て垣根が口を開いた
「漸く関節部から侵入させた未元物質の素粒子が効果が効いたみたいだな」
「……そ、粒子……?」
「そうだ、関節部の僅かな隙間から素粒子を侵入させ回路を破壊する事で機能を停止させた…それだけだよ」
Gatling_Railgunの関節部から未元物質の素粒子を侵入させ回路を破壊し機能停止させる。これにより人質を無事に保護できる。仮に自爆機能があったとしてもその回路ごと破壊されている…もう二度とGatling_Railgunが動くことは無い
「………け!動け動け動け動け!!!動けよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
番外個体はGatling_Railgunに動けと命令する、だが兵器達が動き出す事はない…冷や汗をダラダラと流す番外個体…これで完全に立場は逆転してしまった
「これでお前は終わりだ、大人しく降伏しろ!」
「なンでオマエが偉そうに言ってるンですかねェ……」
何故かエステルが偉そうに番外個体に指をさして降伏しろと叫ぶ、一方通行は何もしてねえ奴が偉そうにするなとジト目で見る。だが番外個体はピクピクと震えているだけ…だが狂った様な笑みと共に狂気の笑い声を漏らす
「あひゃひゃひゃひゃひゃ!!!この程度で!こんな程度でミサカが止まるてでも思ってんの!?止まるわけないでしょうが!」
「……だよな」
この程度では番外個体は止まらない、彼女の使命は超能力者の抹殺、それが彼女が生まれた理由、存在理由なのだから…彼女は鉄釘を構え音速を超える速度で射出する。それを垣根は翼で弾きながらこの程度では終わらないかと呟く
「さあ!第二ラウンドだよ!もう人質なんかどーでもいい!貴方達を一人でも殺す!ミサカの実力を見せてあげるよ
番外個体がそう言って叫ぶ、もう彼女は止められない。覚悟を決めて彼女を倒そうと超能力者達が構えたその時
『やれやれ…飛んだ期待外れだよ番外個体』
「……え?」
「……この声は……まさか…」
突然何処からか声が聞こえた。その声を聞いて番外個体と垣根の顔が固まる。番外個体は自分を生み出した男の声が何故聞こえるのだと固まり垣根は自分が殺した筈の男の声がした事で固まっていた……その男の名は…
『久しぶりだな垣根帝督、あの時貴様に殺された時の恨みは1ミリたりとも忘れた事はないぞ』
「なんでテメェが生きてんだよ……
『どうでもいいだろうそんな事は…さて、番外個体…貴様の役目は終わった、御苦労だったな』
その男の名は蠢動俊三、かつて才人工房に深く関わっていた男にして垣根に殺害された筈の男。垣根が何故生きているのかと叫ぶが蠢動はそれを無視し番外個体に話しかける
「ま、待ってよ!ミサカはまだ負けてないよ!これからが本番……」
『言い訳は効かない、まあ本当は貴様が勝つなど一切考えてはいなかったが……貴様の本当の役目はこれだよ』
番外個体はまだ自分は終わってはいないと叫ぶが蠢動は有無を言わさず無感情な声で死刑判決を下す。その直後番外個体の身体から何かが破裂した音がし彼女の胸の辺りの服が弾け血が噴水の様に吹き出る
「「「「「「「「……は?」」」」」」」」
超能力者達の呆けた声が周囲に響く、エステルは声さえ出せなかった…血を流している番外個体本人でさえ状況が正しく理解できていなかった
「……な、に……これ?」
『お前の心臓に埋め込んでおいた小型爆弾だよ。死んで役に立て肉人形』
自分の胸を押さえる番外個体に蠢動は無感情な声で呟くと声が聞こえなくなる…番外個体は薄れゆく意識の中何故自分がこんな目にあうのかと思考する…そんな中で自分がこんな目にあう元凶である超能力者達に目を向け彼らに口を開く
「貴方、達の……所為……だ…」
番外個体はそう告げるとパタリと地面に倒れ動かなくなった…彼女が倒れた地面に赤い染みの様なものが広がっていく……
「……ざけんじゃねえぞ蠢動ゥゥゥゥッ!!」
垣根の叫びが響く、結局は番外個体の運命は決まっていた。彼女は自分達に負ける
「……なんだよ、これ…なんなんだよ!」
上条の叫びが轟く、まるで番外個体の命を駒の様にしか思っていない蠢動に怒りの咆哮をあげる上条…他も同じ様に唇を噛んで怒りを露わにしていた
「…まだだ、俺の能力なら助けられる…」
一方通行は番外個体に近づく…彼の能力は攻撃だけではない、ある程度の治療や応急手当ても可能とする…その力で番外個体を助けようとする一方通行だが垣根が片手で彼の肩を掴む
「……無理だ」
「……止めンじゃねェ…まだ助けられるかも知れねェだろ」
「……無理だ、もう助からねえよ」
垣根がもう助からないと言うと一方通行は番外個体を一瞥する、彼女は確かに自分達の敵だ、自分達を殺そうとした敵だ。だが死んでもいい存在ではない
「……なンなンだよ、その蠢動て野郎はよォ…こいつの命をまるで使い捨てみてェに扱いやがって……人間を…命をなンだと思ってやがるンだ!?」
「それが蠢動俊三のやり方だ…あいつはみさきちの能力を自分のものにする為に殺そうと考えてた男だ。番外個体のことなんざハナから使い捨ての駒としか見てなかったんだよ」
「……クソ野郎がァ……!」
一方通行は蠢動という男が許せなかった、番外個体を捨て駒としか見ていないその男に怒りの声をあげる…垣根や一方通行ですら死者の蘇生は不可能だ…だがそんな冷たくなっていく番外個体の身体にエステルが近づく
「どいてくれ、私がなんとかする」
「ァ……?」
エステルが二人を押しのけて番外個体の身体に触れる、そして服から札の様な物を取り出しそれを番外個体に貼り付ける
「……死霊術か?」
「厳密にはそれの応用だ、それと同時に回復魔術で心臓を治し血液を補充すれば……もしかすればだが助かるかも知れない」
エステルは死霊術を応用した蘇生術でもしかしたら番外個体を助けられるかも知れないと告げる、そして番外個体に札を貼りなんらかの儀式を行おうとする
「……潤子ちゃん、天使崇拝で
「……え?」
「神の薬は癒しの天使だ、回復魔術なんか目じゃない癒しの力がある…心臓を元通りにするくらいなんてことない筈だ」
「は、はい!」
垣根が帆風に天使崇拝でラファエルを降ろして心臓を治せと指示すると帆風は頷きラファエルをその身に降ろしエステルと共に番外個体の蘇生に取り掛かる。垣根も座標移動を使って冥土帰しがいる病院に番外個体を送り届けようとしたその時、ボコっと背後から音が聞こえた
「……ぁ?」
それは腕だった、普通の腕ではない、腐り果てた様な茶色く変色した腕…まるで死人の様…いや違う。あれは本物の死体の腕なのだと垣根は直感で気づく。その腕だけではない。様々な地面から大小様々な腐敗した腕が突き破る様に現れそしてその腐り果てた死体が超能力者達の目の前に現れる
「……おいおい、これは何処のゾンビのハザードだよ」
それはゾンビの群れだった、服も何も来ていない中・高生くらいの男女の死体…腐乱死体から完全に骨だけの死体まで様々だ、だが一つだけ言えることがある。その死体は全て
「これは……死霊術!?しかも私の…ローゼンタール家の!?」
エステルがこれは自分の家に伝わる死霊術だと気づく。だがこの死霊術はローゼンタール家の者しか扱えぬ筈…その筈なのに自分の目の前には数を疑う程の無数のゾンビ軍団がいる…混乱しているのはエステルだけではない、超能力者達もゾンビ軍団に驚愕する
「き、気持ち悪ぃ!なんなのよこれぇ!?」
「ちょ…私こんなグロいの無理なんだけど…!」
美琴と食蜂がそう叫んでしまったのも無理はない、ゾンビの中には腹から腸やら内臓が丸出しの存在もいるのだから気持ち悪くて当然だ
「何がどうなってるんだ!?これも蠢動て奴の仕業なのか!?」
「……いや違うだろ…蠢動て奴は科学サイドだ、これは明らかに魔術だろ……て事は魔術師が犯人だろ!」
削板がこのゾンビ軍団も蠢動の仕業なのかと叫ぶが麦野はそれを否定する、ゾンビ達はゆっくりとした動きで超能力者達に歩み寄り近づいてくるが麦野はゾンビ達を原子崩しで蹴散らす
「くそ何がどうなってる!?なんだよこのゾンビは!?」
垣根がそう言いながらも未元物質の翼で烈風を起こしゾンビを吹き飛ばしているとポケットに入れておいた携帯が鳴り始める…垣根は片手でそれを掴み通話に出る
「何だ!俺は今忙しいんだ!」
『垣根か!?やはりお前達の所にもゾンビがいるのか!?』
「!?レイヴィニアか!?これはどういう状況だ!?」
『分からん!さっきマークを調教…ゴホン!鞭打ちをしていたらな、突然ゾンビが現れたんだ!くそ!こっちはパトラシアを守りながらで精一杯だというのになんだこの数は!』
電話の相手はレイヴィニア、どうやら彼女もゾンビ軍団に襲われているらしい…電話からも爆発音が聞こえるあたり彼女は魔術を使って迎撃中なのだろう
『くそ!お兄ちゃ…垣根も駄目か!オティヌスも脳幹も全員駄目だった!この場は私とマークで乗り切るしかないか!』
「おい待てレイヴィニア!もしかしてゾンビ達は超能力を使ってくるか!?」
『ああ!発火能力や風力使いやら…まあ平たく言えば能力者のゾンビが沢山だ!』
垣根がゾンビ達は能力者かと尋ねるとレイヴィニアはそうだと返す、垣根は自分達を襲っているゾンビ達を見る…やはりこちらのゾンビ達も火や風、水等の能力を操っている…やはり能力者の死体を何者かが操っているとみて間違いないだろう
『そう言えば脳幹からの情報なんだが…テレスティーナ達…警備員に一時間前に第十学区のスキルアウト達からの通報があったそうだ!』
「どんな内容だ!?」
『何でも第十学区の墓場が荒らされたとか何とかだ!テレスティーナが調べた所、特力研の墓場も荒らされていたらしい!』
「じゃあこのゾンビ達は第十学区から掘り出された死体てことか!」
レイヴィニアが脳幹から聞いた情報を話し垣根がそれを聞いてこのゾンビ達は第十学区の死体だと理解する、それなら何故このゾンビ達が能力を使えるのか分かる
『もういいか!私も自分の身は自分で守らなければならないからな!て、おいマーク!パトラシアだけを連れて逃げるな!私を一人にするな!後で覚えておけよマーク!亀甲縛りの刑にしてや……』
垣根はレイヴィニアがまだ何か言っているのにもかかわらず通話を切る、そして携帯をポケットに戻し未だ番外個体の素性を行なっているエステルと帆風の肩を掴む
「当麻!アー君!軍覇!むぎのん!ミコっちゃん!みさきち!少しの間堪えててくれ!俺は潤子ちゃん達を冥土返しの所まで送り届ける!」
「分かった!だけどすぐに戻ってこいよ!」
上条が早く帰ってこいと叫ぶと垣根は頷きながら座標移動で番外個体とエステル、帆風ごと消える…それを見た上条達は能力を使ってゾンビ軍団の相手を取る
「すごいパーンチ!」
削板のすごいパーンチが放たれ死体達が派手に吹き飛ばされる、その衝撃で死体の腕や足がもげ地面に転がり骨死体は骨を砕かれ骨のかけらが地に落ちる…だが腕や足がなくなってもゾンビ達は削板へと向かい骨死体は破壊された骨を無理やりくっつけて再び歩き出す
「うわぁぁぁ!!再生能力と不死身の組み合わせとか最悪力高過ぎない!?こんな無理ゲーはお断りよぉ!」
「それにグロい!内臓がグチャってなって目が飛んできて…簡単に言うともう吐きそう!」
「何言ってんだお前らは!私の原子崩しで死体ごと消滅させれば解決だろうが!御坂の電撃で身体ごと焼き払うなり食蜂のフリーズドライで破壊すればいいだろ!」
美琴と食蜂が肩を抱き合いながらゾンビ達に怯える、それを麦野が能力で再生できない程まで破壊しろと叫ぶ
「再生力が凄い?だからどうした?俺の幻想殺しに触れられたらお終いだろ」
ーーーグギィガアアアアァァァ!ーーー
「…………」
そんな中一方通行だけは何の行動も行わなかった、彼は自分の両手を見ているだけで何の行動も起こさない
(……俺の能力じゃあ
一方通行が思い出すのは自分が小学生になった頃のこと、能力が発言し同い年くらいの少年を傷つけてしまったこと…自分の能力を危険視したのか或いはどれくらいの能力なのか確かめる為か戦車やら軍事ヘリ、武装した人間に囲まれた時彼はこの世に自分の居場所がないと理解した。あの頃から自分は周りを拒絶していた…
「……結局…俺はていとくンみてェなカッコいい奴にはなれねェのかよ」
「!?一方通行!後ろ!!」
そう呟いた彼の背後には五体のゾンビが襲いかかっていた、反射があると知っていながらも上条が一方通行に向かって叫ぶ…だが一方通行は右手を広げ風を操る。周囲の風を操ることにより動きを封じられたゾンビ達をそのまま薙ぎ払う
「……クソが」
一方通行はそう吐き捨てる様に呟くとゾンビ達を風で搦め捕り上空へと舞い上げる…そして一方通行が上条に向けて叫ぶ
「魔女狩りの王でこいつら全員焼けェ!」
「!?お、おう!」
上条は言われた通りに魔女狩りの王を出し3,000度の灼熱の炎が一方通行が操る風に触れその炎が風を伝い灼熱の嵐と化す。ゾンビ達は断末魔の様な声を叫びながら魔女狩りの王の炎により灰と化された
「……これでゾンビ共は全滅……だなァ」
一方通行はこれでゾンビは全て倒したと呟く…上条達もこれで一安心だと安堵したその直後…空から声がした
「ほう?我が下僕達を倒した様だな」
「「「「「「!?」」」」」」
全員が空を見上げる…そして空から巨大な人工物が飛来。隕石の様に落下するそれをみて超能力者達が目を見開く、そしてその巨大な機械が地面に落下すると凄まじい程の衝撃波が発生し上条達は吹き飛ばされそうになる…砂の煙が消え視界が晴れていくとそこにはガトリング砲やキャノン砲、ミサイル等の砲門や砲塔が取り付けられ牛と竜を合成した様な頭部を持つ機械がいた
「初めまして超能力者の諸君。私はイサク…イサク=
その機械…いな棺桶に憑依した霊魂だけの存在たるエステルの先祖 イサク=ローゼンタールはそう告げる。超能力者達はその巨大な棺桶を見る…一方通行に至っては昨日破壊した棺桶とは比べ物にならないその巨体に漠然としていた
「私の目的は君達を殺し君達の死体を回収する事」
「……私達の死体を回収するだと?」
「そうだ、君達程の能力者ならより一層私は「完全なるゴレム」に近づく…君達は礎だ。私が神となる為のな」
イサクはそう言うと頭部の目と中央のコアの様な部分を赤く光らせる。それと同時に台風の様な暴風が発生し周囲の大地から無数もの金属の槍が出現する
「さあ、始めよう。この応竜・蚩尤の性能をテストさせて貰おうか」
その一言と共に科学と魔術が醜悪に混ざり合った悪夢の機械が超能力者達に襲いかかった
応竜・蚩尤のイメージは劇場版ウルトラマンジードに登場したラストジャッジメンター ギルバリスです。ほらとあセラに出てくるDAは歪んだ正義じゃないですか、ギルバリスも歪んだ正義掲げてるのでそれをイメージして見ました。因みにイサクのCVは個人的に三木眞一郎さんですね…本当は小西克幸さんが適任かと思いましたが…あの人は黒妻さんの声やってるから…
原作ではこんな事が出来るか分からないけどゾンビの大集団とかマジバイオハザード…てかイサクさんの口調がわからん。そして番外個体ちゃん…かませみたいになってごめんね。なお先に言っておきますが…僕は番外個体ちゃんは嫌いじゃないですよ!ただ今回は扱いが雑になっただけなんです!これも全部蠢動俊三て奴が悪いんだ!
応竜・蚩尤の気になる能力とは?そしてていとくんと縦ロールちゃんがいない今一方通行達に勝ち目はあるのか?
次回もお楽しみに!