応竜・蚩尤の名前の由来は中国の神 蚩尤とそれを殺す応竜と呼ばれる龍から名前を取りました。蚩尤は弓や槍、刀等の金属武器を作り出したと言われ中国の神でも最強クラスの実力を誇りそんな神すら殺してしまった応竜…まさにボスの名前に相応しい強さです。また応竜の歳をとった姿が四神の長である黄龍であると言われ蚩尤はあの日本神話のトリックスタースサノオの原型である牛頭天王の元ネタとも呼ばれています…まあ、そんな大層な神様と竜の名前を持っていますが…今までのボスの中では一番弱いです(アウレオルス=ペンデックス=木原病理>ガブリエル>宛那>応竜・蚩尤)
今回はオリジナル設定やオリジナル能力のオンパレードです。後ブックオフでとあセラの一巻から6巻までを立ち読みしてイサクの口調を調べて来ました…私じゃなくて俺だったですね…うわぁ恥ずかしい、全然違うじゃないですか…では白熱のバトル戦をお楽しみください
第七学区のとある病院、番外個体はエステルと帆風の尽力により無事に助かり今はベットの上で眠っていた
「ふむ、命には別状はなさそうだね。血液も補充したし心臓も元通りだ。これも君達のおかげだね」
冥土帰しがそう言うと帆風とエステルが息を吐く、彼が安心というなら絶対に安心だ。そんな風に二人は思ったのだ
「ところでリアルゲコ太先生、この病院は安全なのか?見た所外にバイオハザードも真っ青な量のゾンビで溢れてるんだが?」
「大丈夫だとも、この病院にはメイザース達が張ったいざて時の防御結界があるからね。超能力者クラスの攻撃でもない限りこの病院に一歩も入れないよ。あと僕はリアルゲコ太先生じゃないんだけどね」
「それは安心です、これならエステルさんも番外個体さんもここなら安全ですね」
垣根がこの病院はゾンビに襲われないのかと外を覗きながら呟く…外には病院に入り込もうとするゾンビ達の姿が見える、だが見えない壁に弾かれる様にゾンビ達は病院に入る事は愚か傷つける事も出来ない…冥土帰しがここは防御結界が張ってあるから安全と言うと帆風が安堵する
「それにしても貴方は何者なんだ?魔術と聞いても驚かないから魔術の関係者だとは思うが…貴方は一体?」
「僕は医者だよ、それ以下でもそれ以上でもない」
エステルが冥土帰しは何者なのかと尋ねると彼はただの医者だと告げる、だが垣根がそれを聞いて笑う
「いやいや、何を言ってんだよ先生。貴方ほどの
「魔術師…?先生が……」
「………」
「ああ、そうだよ。なあ
垣根が冥土帰しの事をアラン=ベネットと言うとエステルが驚愕の顔になる
「!?アラン=ベネットだと!?あの黄金夜明の!?」
「黄金夜明て…あのメイザースさん達と同じ!?」
「…………ふむ」
黄金夜明と聞いて帆風も驚く、冥土帰しは目を細めて垣根の方を向く
「……垣根君、嘘をつかないで欲しいね。僕はアラン=ベネットと言う人物ではないよ?」
「うん知ってる、ジョークだよジョーク」
「「ズコッー!!」」
冥土帰しが嘘を行くなと呟くと垣根が舌を出す、帆風とエステルは嘘だったのかと転んでしまった
「まあ僕の事はどうでもいい。垣根君と帆風君は早くお友達の所に戻ったほうがいいんじゃないのかな?」
「!そうでした!早く女王達を助けに行きましょう垣根さん!」
「そうだな、エステルちゃんはここで待機してな。後は俺らに任せるんだ」
「分かった……私は何の役にも立たないからな…私はここで待って……」
冥土帰しが早く上条達のところに行ったほうがいいと言うと帆風と垣根はその通りだと頷く、エステルにここに残っていろと言うと彼女がそれに頷こうとしたその時。爆音が響いた
「「「!?」」」
「……これは不味い」
驚く三人とは対照的に冥土帰しは冷静に言葉を呟く
「防御結界が破られた様だね…もしや超能力者クラスの兵器でも出てきたのかな?」
結界が破られたと呟く冥土帰し、彼らが知る余地がないが結界を破ったのはナンバーズの悪霊の三体 窮奇・混沌・饕餮だ。それ以外にも大能力者レベルのゾンビ達が病院内に侵入し垣根と帆風をターゲットにしている
「……垣根君、帆風君」
「ああ、病院の中に入ったゾンビ達を一掃すればいいんだろ?」
「女王達の所へ行きたいところですが…病院の中にいる皆さんを見捨てる訳には行きませんね」
「………すまないね」
垣根と帆風は上条達の所へ行くのは後回しで病院をゾンビ達から守ろうと、二人は駆け出し病院内に入ったゾンビ達を迎撃しに行く。それをエステルは見ている事しか出来なかった
「……やはり私は足手まといか」
そう彼女か呟いた時だ、エステルと冥土帰しがいる病室に何者かが入り込んでくる。ゾンビかとエステルが身構えるが入り込んできた人物達を見てエステルが目を見開く
「蛭魅!それに幹比古!?」
「……エステルか」
入って来たのは蛭魅に肩を貸してもらいながら引きずる様に歩く幹比古だった自分の友人である蛭魅とその兄である幹比古が現れて驚くエステル、幹比古はエステルの姿を見ると少し頬を緩ませる
「無事だったのか!」
「ああ……だがあいつ…檮杌に脅されて棺桶を作ってしまった。その棺桶には過去の超能力者の遺体が二つも組み込まれている」
「何だと……?二つも死体を組み込んだのか?それも超能力者だと…?」
「……すまないエステル、君と一緒に作り上げてきた僕らの平和の為の機械は……悪魔の兵器になってしまった」
「……幹比古」
幹比古は自分達が学園都市の平和の為に作り上げた棺桶はイサクの手によって悪夢の兵器になってしまったと告げ目から涙をこぼす
「…エステルっち、檮杌…いえ檮杌に宿っていた人物の名前はイサク=ローゼンタールよ」
「!?イサクだと!?馬鹿な…何世紀も前の人物だぞ!……いや、今はそんな事はどうでもいいか…兎も角イサクがこの事件の元凶なんだな?」
「ええ……ごめんなさいエステルっち。私達には止める事は出来ない……こんな事親友の貴方に頼むべきではない事は分かっているけど…お願い、棺桶を破壊して…」
蛭魅は
「………分かった、私に出来る精一杯の事をしよう。私が棺桶を……イサク=ローゼンタールを止めてみせる」
「…………ありがとう」
「………先生、蛭魅と幹比古を頼む」
「分かったよ、君も気をつけるんだよ」
エステルは冥土帰しに菱形兄妹を頼むと言うと冥土帰しは任されたと頷く、エステルはそのまま病室から飛び出し病院内を駆ける。途中で襲いかかるゾンビ達をエステルはゾンビ達の間をすり抜けるように駆け抜け出し病院の外へと脱出する
「……しまった、イサクが何処にいるか分からない…さてどうする?」
エステルはイサクが何処にいるのか分かっていない事を思い出し頭を抱える。菱形兄妹も知らないだろうしどうしたものかと考える…そんな彼女に声をかける人物が
「イサク=ローゼンタールは現在一方通行達と戦闘を行なっている」
「!?誰だ!?」
エステルの背後に立っていたのは長い銀髪の男だった、彼を警戒するエステルだが男は構わず言葉を続ける
「私に構っている暇などないぞ。イサク=ローゼンタールは強敵だ、垣根帝督と帆風潤子がいない彼らでは勝てるかどうかわからない…急ぎたまえ」
「……その話は本当か?」
「本当だとも、さあ早く行けエステル=ローゼンタール。超能力者に手を貸してやってくれ」
男はイサクは先程の場所にいると告げるとエステルは本当なのかと睨む、男は気にせず早く行けと告げる
「……信じてみよう、それが本当なら教えてくれて感謝する」
「待て、これを持っていけ」
「?これは……
男から投げ渡されたのは刀身がひび割れた両刃の短剣…舜帝の剣という霊装でありこれで死体に貼られた符を傷つけることで、疑似魂魄を強制的に分離させることができる霊装だ
「正確に言えば舜帝の剣を強化した霊装だ、それならばイサク=ローゼンタールの霊魂を完全に斬り裂きこの世から消滅させる事が出来るだろう」
「……一つだけ聞かせてくれ、何故お前は私に手を貸す?」
「君に手を貸すのではない、私は超能力者に死なれるのは困るだけさ。だが私が手を貸すのもあれだ…彼らには強くなってもらわないといけないからな」
「……まあいい、この剣ありがたくお借りするぞ」
男がその剣ならばイサクの魂ごと斬り裂けると告げるとエステルは何故ここまで協力すると尋ねる、男はエステルに手を貸しているのではなく超能力者の為に手を貸しているだけと呟く。エステルは舜帝の剣を片手で持ちながら一方通行達がいる場所へと走り去っていく
「……エステル=ローゼンタール、君は一方通行のヒロインになれるかな?」
その男…アレイスターはそう呟くとその場から立ち去っていった
「はぁ……はぁ……!」
「もうなんなのよこれ!私は今日普通に友達とカフェに行ってただけなのに……なんなのよ!」
彼女は理不尽に怒る、何故こんな目に会うのかと…だがそんな彼女の怒りも襲いかかる理不尽には無意味だった。脇道からゾンビが現れ彼女に襲いかかる
「……あ」
彼女は他人事の様に自分の喉笛を噛み千切ろうとするゾンビを見る…彼女は「ああ、死んだな」と内心思いせめて痛みなく死ぬ様祈る…だが彼女が死ぬことはなかった
「そぉい!」
「わぉ!数多のパンチ凄い!てミサカはミサカは驚いてみたり!」
「!?」
突然現れた刺青の男…数多と彼にしがみつく幼女…打ち止めが狭美の目の前に現れ数多の右ストレートがゾンビの顔面に命中。ゾンビの頭部がまるで国民的アニメの喋るパンの様に吹き飛び首無し死体となったゾンビはそのまま地面に倒れる
「怪我はねえかい嬢ちゃん?」
「あ……は、はい…助けてくれてありがとうございます」
「礼はいい、あと2メートル走った所にある建物に乱数が…変な格好のオッさんが民間人を保護してる場所がある。そこにいけば安全だぜ」
数多は狭美にここから先に行けば木原が街の人達を守っている場所があると教える。狭美は礼を言いながら頭を下げて数多が教えた場所へと走っていく
「ねえ数多、一方通行は何処にいるんだろうね?てミサカはミサカは疑問をぶつけてみたり」
「さあな、多分この状況を解決する為頑張ってんじゃねえの?」
「ぶぅー、またミサカを放ったらかしにして危険な事してるのね。てミサカはミサカは負担を露わにしてみたり」
「まあまあ、そう怒りなさんな。あいつにもあいつの考えがあるんだからよ」
数多と打ち止めはそう軽く会話をしながら逃げ遅れた人がいないか探す為にゾンビの巣窟となった街中を走る。そんな二人の前に数十体のゾンビが地面から現れる
「ゲームみたいに現れた!?てミサカはミサカは驚いてみたり!」
「沢山出てきたな。まあいい、全員殴り倒してやるぜ」
怯える打ち止めに数多が拳をぶつけ殴りつけようと考えたその時
「ニョルニーーールッ!!」
ゾンビ達は黄金の閃光に焼き切られ消滅した、呆気にとられる打ち止めだが数多は今の攻撃は誰によるものか理解し笑みを浮かべる
「よお、トールじゃねえか」
「やっほーあまたん!」
肩にストールを纏い黄色と黒を基調としたぴったりとした上着とズボンを着用した腰まである長い金髪の少年が立っていた、数多は彼に声をかけるとその少年も笑って手を振る
「知り合いなの?てミサカはミサカは尋ねてみたり」
「おう、俺はトール。よろしくな」
「お前もゾンビ狩りに来てたんだな」
「まあな、オティヌス達は向こうでゾンビ狩りもとい無双ゲームしてるぜ」
「はは、マジか。魔術師て本当にチートだなオイ」
打ち止めに軽く挨拶をするトール、数多はオティヌス達が向こうでゾンビ達を蹴散らしていると聞いて笑うが彼もトールも話し合いながら拳をゾンビに当て続け蹴散らす無双をしているのでこいつらもチートである
「でも流石に数が多いな…こりゃ親玉倒さないとダメなヤツじゃね?」
「ま、何とかなるだろ。俺の自慢の息子が解決してくれるさ」
応竜・蚩尤ことイサク=ローゼンタールは超能力者達をその巨体で見下ろしていた
「……さて、そろそろ檮杌の口調は終わりにするか。この
イサクは本来の喋り方に戻ると応竜・蚩尤の身体を動かし周囲の風を操作。一方通行達に風の刃を放つ
「風力使いの能力か…!」
「この力……まさか
「チッチッチッ……お前らと一緒にすんなよ。お前らの前時代の超能力者の死体を組み込んだ棺桶…それにより格段に能力が上がりその実力はお前らとは一線を画する能力だからよ!」
美琴が自分達と同じレベルの能力かと叫ぶとイサクは超能力者以上の能力だと告げる。彼は暴風を操るだけに留まらず空からウォーターカッターを数十個降らし更に空を暗雲で覆い落雷を発生させる
「!?風力使いの能力じゃないのか!?」
「そんなありふれた能力なんかじゃねえよ、こいつの能力は「
削板が風力使いの能力ではないと気づくと自慢する様にイサクが能力について話す、天象操作という能力の証明をする様に落雷を一方通行達に放ち美琴と麦野が能力で逸らす
「そしてもう一つの能力が…これだ」
イサクがそう呟くと周囲の地面から金属で構成された杭が出現し一方通行達はそれを避ける。更に応竜・蚩尤の周囲に金属剣が形成、それが一斉に投擲され麦野が原子崩しを壁状に展開し金属剣を防ぐ
「な……能力が二つだと!?」
「これがもう一つの能力…「
金属加工と呼ばれるその金属操作能力に上条が驚く、通常能力者は一つの能力しか使えない。垣根の多才能力は無数の能力を使っている様に見えるが垣根本人の能力は「未元物質」のみであり基本一人一個の能力である。だがこの応竜・蚩尤は二つの能力が扱える…天候を操る能力と金属を操る能力。この二つの能力で一方通行達を攻撃してくるのだ
「どうだ?これがお前らの
「!私達の前の超能力者…?」
食蜂はイサクの言った前の超能力者という単語に反応する、イサクは攻撃をやめ一方通行達へと口を開く
「なんだ知らないのか?お前達…現 超能力者よりも前に超能力者はいた。まあ当然だな。まさかとは思うが超能力者は今の世代しかいないと思っていたのか?」
「ーーーッ!それは……」
イサクの話ではこの棺桶に組み込んでいる死体は自分達よりも何年も前に存在した超能力者の死体だという、確かに学園都市は50年以上も前から存在した。それならば自分達よりも前に能力者はいた筈だし自分達よりも前の超能力者がいてもおかしくはない
「「天象操作」と「金属加工」はかつての第一位と第二位の能力だったそうだ。それをとある木原一族の者がその能力が失われない様にその能力者二人を殺害し死体をホルマリン漬けにして保存していた…それを回収して俺が有意義に使わしてもらってるのさ」
「…能力が…失われるだァ?どういゥ事だ?」
イサクがこの死体はかつての第一位と第二位と自慢げに語る。だが一方通行はそれよりも能力が失われるというところに反応しイサクに問いかける
「…成る程、貴様達は知らないのか。
「能力の損失……?」
「いいぜ教えてやる、超能力てのはな俺にはよく分からんが子供にしか使えねえんだよ」
イサクは余裕の表情で能力の損失について話し出す
「超能力は子供にしか扱えない、故に大人になれば能力は消えてしまう…それは超能力とて例外ではない。だからその木原は強力は能力が消えるのを許せず当時の第一位と第二位を殺しその能力を発動させる為だけの装置として保存していたのさ」
テレスティーナ=木原=ライフラインという女性がいる。彼女は「能力体結晶」…つまり体晶の投与実験の第一被験者である。だから彼女は能力者なのだろう。だが彼女が能力を使っているところは誰も見たことがない。別に何に立たない程の強度の低い能力と言うわけではない。単に大人になった使えないだけだ。これは他の大人の能力者も当てはまる。学園都市は50年以上も前から能力者はいた…だが大人が能力を使っている所は誰も見たことがない…つまり大人は超能力が使えなくなってしまうのだ
(そういえばママが「私も能力者になろうと思ったんだけどこの歳じゃ無理て言われたのよね〜」て言ってたけど…こういう事だったの)
美琴は母が昔言っていた言葉を思い出しイサクの話した内容が真実なのだと理解した。イサクは言いたい事を言い終わったからか風の刃や落雷、地面からの金属杭を放ち超能力者達はそれを避ける
「さあテメェらの死体でさっさと完全なるゴレムにならせてもらうぜ、てな訳でさっさと死ねや」
イサクは単に能力だけでなく全身に付属されたガトリング砲やキャノン砲から弾丸を発射、更にミサイルを何発も放ち上条達を攻撃する。挙句には地面からゾンビ達を呼び出す等能力だけに頼らず上条達を全力で殺しにきている
「くそ!竜王の顎!」
ーーーグギィガアアアアァァァ!ーーー
「は、異能を喰らう竜か…だがそれの対処法も熟知している」
上条は竜王の顎を顕現させ応竜・蚩尤を破壊しようと竜王が大口を開く…だがイサクは冷静にガトリング砲やキャノン砲、ミサイルを竜王の口に集中して放つ
ーーーグギィガアアアアァァァ!!?ーーー
「その竜は異能しか喰らえない!物理的な強さもあるかもしれんが…口内にこれだけの弾丸をぶち込めば動けまい!」
「くっ………!」
絶叫をあげる竜王に苦しげな顔をする上条、それに対しイサクは笑いながら攻撃を続行。次々と竜王の口内に撃ち込まれる銃弾の嵐に竜王は悲鳴をあげていく
「まだ……だ!こんな鉛玉で……俺は負ける訳ねえだろ!」
ーーーグギィガアアアアァァァ!ーーー
上条の叫びを肯定するかの様に竜王が咆哮を轟かせる、そして銃弾の嵐を耐えながら竜王はその口を大きく開き応竜・蚩尤を噛み砕かんとする…だがそんな彼の横腹に突如地面から生える様に現れた金属杭が身体に命中する
「がっあああああぁぁぁぁ!?」
銃撃ばかりに集中していた所為で金属杭を避けるのが遅れ上条は派手に吹き飛ばされる、同時に右手から顕現していた竜王も虚空へ溶ける様に消えていき上条は地面に倒れこむ
「まず一人」
「当麻!?テメェよくも……!」
削板が音速の二倍の速さで接近し応竜・蚩尤を殴りつける、だがイサクは金属加工の能力で金属の壁を形成し防御。更に天候操作の能力で風の刃や落雷を削板へと集中攻撃させるが彼はその全ての攻撃を耐えきり金属の壁を破壊し応竜・蚩尤の機体へと拳を突きつける
「ぬお!?くそが……俺は痛くねえが棺桶に異常が起きたらどう責任とってくれんだよ!」
イサクは削板の身体を穿とうと一斉に金属の杭を地面から放つ、だが彼の肉体はそんな杭では貫けず逆に身体に当たった杭が破壊される…イサクは暴風を応竜・蚩尤に纏ってその巨体を浮かし後方へと移動。削板はそれを追うが応竜・蚩尤の口が開くとそこから黒い霧の様なものが噴射し削板の視界を覆う
「……砂鉄?目くらましのつもりか?だがそんなもの……俺には効かん!」
削板の拳が地面へと直撃、その衝撃波で砂鉄の霧が四方八方へと吹き飛ばされ視界が晴れる。そして削板が応竜・蚩尤へと近づくと拳を大きく振るい機体を粉々に破壊しようとする…だがイサクはそれを見て笑っていた
「……まさかさっきのは単なる目くらましだと思ってんのか?」
その言葉と共に削板の
「な………?」
「先程の砂鉄の霧はお前の体内に砂鉄を入れる為の罠だ。今頃身体の内側は血で溢れてるだろうなぁ」
幸いなのか心臓には槍に貫かれていないらしい…削板は口から血を吐いて倒れその場にゆっくりと倒れる。それをイサクは一瞥して前方へと足を動かし削板をついでとばかりにその巨大な脚で踏みつける。それを見た一方通行の頭からブチッと何か切れる音がした
「テメェ…俺のダチに何しやがンだァァァァ!!」
叫びと共に周囲一帯の風を支配し、空に
「私らを忘れてんじゃねえぞ!」
「む?」
麦野が応竜・蚩尤の背後へと出現し原子崩しを連射、それを機体の周囲に電撃の膜を生み出し原子崩しの軌道を逸らす。だが麦野はニヤッと笑いイサクが不審がったその瞬間。無数の超電磁砲が応竜・蚩尤へと飛来する
「ッ!?これが狙いか!」
超電磁砲の弾丸はコインではなく金属加工でイサク自身が生み出した金属杭。それが応竜・蚩尤を穿たんとばかりに放たれイサクは風を纏って空へと逃げる、だが美琴と食蜂は
「なッ……!?」
ドッカーン!とド派手な爆発音が響き応竜・蚩尤の姿が爆煙に隠れる…美琴と食蜂はそれを見てハイタッチ
「どんなもんよ!私と操祈の合体必殺技ならそんな機械スクラップ同然よ!」
「さて…削板さんの傷を止血しますか」
食蜂は削板に近づきリモコンを削板に向けてボタンを押す、彼女の能力は水分を操る能力者だ。洗脳だけでなくこういった止血にも応用できる…彼女がその能力を発動しようとした直後、美琴と食蜂の頭上から巨大な突風が舞い降りてきた
「「は?」」
ダウンバーストと呼ばれる現象に近いそれは少女二人を軽く吹き飛ばし地面へと激突させる。美琴と食蜂は叫ぶ間も無く意識を刈り取られ地面へと力なく倒れた
「は、驚きはしたが…あの程度の攻撃で俺の応竜・蚩尤を倒せるとでも思ってんのかよ!」
「テメェ……ッ!」
空から勢いよく地面へと落下する応竜・蚩尤。機体に付属されたガトリング砲やキャノン砲の一部は折れ曲がっていたり破壊されていたりと使い物にならなくなっているが被害はそれだけだ。麦野は美琴と食蜂を倒したイサクに怒りを向け原子崩しを放とうとするが
「おっと、お前も寝てろよババア」
「がっ……!?」
イサクが放った鉄球が麦野の腹にめり込む。麦野の身体がくの字に曲がり彼女は吹き飛ばされ建物にぶつかりそのまま地面に倒れる
「むぎのん……オマエ!」
「おいおい、そう怒るなよ第三位。お前もあいつらと同じく気絶させた後仲良く殺して俺の野望の為に使ってやるからよ」
仲間を倒され怒る一方通行に対しイサクはヘラヘラと笑う。一方通行は地を蹴り応竜・蚩尤へと接近しようとする、それに対しイサクは天から降り注ぐ雨の量を増大しこの地一帯を集中豪雨へと天候を変え一方通行の視界を塞ぐ。イサクの姿が見えなくなった一方通行は立ち止まり周囲を見渡す
「隠れてねェで出て来やがれェ!」
イサクは姿を隠しながら金属剣を四方から放ち一方通行は反射でそれを跳ね返す。だがいくら反射しても相手に当たらなくては意味がない…とここで雨の勢いがなくなり始め視界がクリアになっていき自分と向かい合う様に立ち尽くしている応竜・蚩尤の姿を見つける
「見つけたぜクソが!スクラップにしてやんよ!」
一方通行は笑みを浮かべながら大地を蹴り応竜・蚩尤へと一瞬で迫る。応竜・蚩尤は動く事はなくそのまま一方通行の手が応竜・蚩尤に触れその機体をスクラップにする…その瞬間ガクッと一方通行の腕が、いな身体が地に落ちた
「がぁ……!?は……!?」
一方通行は自分の手を喉へと伸ばす…呼吸が出来ない、これは能力の弱点の一つである酸欠だと気づくのに数秒遅れた
「お前の反射は俺の応竜・蚩尤じゃあ破れねえよ。その点だけは誇っていいぜ…だがお前は無敵て訳じゃねえ。酸素を無くしちまえば人間は死ぬんだぜ?」
天候操作を使った風の操作、それを応用し応竜・蚩尤一帯の酸素濃度を低下させていたのだ。応竜・蚩尤は完全な機械な為酸素がなくとも行動可能。イサクも霊体である為酸素など必要ない…これが金属加工や天候操作による風と雷、雨が通じない一方通行に対して唯一の突破口なのだ
「分かったか超能力者?このイサク様にかかればテメェらなんか虫ケラ以下なんだよ。そうこの応竜・蚩尤の前ではなぁ!」
イサクは応竜・蚩尤の両手を広げながら倒れ伏した一方通行を見下ろす、超能力者如きに崇高なる自分が負ける訳がないとそれが当然だと言わんばかりに叫ぶ
「最高にして最強、そして至高…それがこの最高傑作「応竜・蚩尤」だ!」
イサクはそう叫ぶと一方通行の身体を踏み潰そうと巨大な脚を動かす、そして踏みつけた瞬間に反射により跳ね返されイサクは舌打ちする
「チッ……反射はまだ生きてんのか。まだ死んでねえとなると少しばかり風を操って酸素を補給してんのか?まあいいか、ここら一帯を爆撃すれば酸素も消し飛ぶだろ!」
イサクはそう言うと応竜・蚩尤の口を開きそこからミサイルを覗かせる。そのミサイルは燃料気化爆弾と呼ばれる兵器で燃焼により酸素をなくし一方通行を殺そうとしているのだ
「まあ感謝しろ、貴様らの死体は俺が「完全なるゴレム」になる為に役立つんだからな。光栄に思え」
「ーーーッ!?」
もう言葉も出せない一方通行にそう言って笑うイサク、そしてミサイルが発射されようとしたその時。何匹もの頭部に札が貼り付けられた鳥が勢いよく応竜・蚩尤へと頭部へと突っ込んで行きミサイルに激突する
「なっ………!?」
イサクが驚いた声を出した直後、札が貼り付けられた鳥達はミサイルに激突した直後札を輝かせ爆散する、それによりミサイルは応竜・蚩尤の口の中で爆散し応竜・蚩尤の頭部を破壊する
「あああああアアアアぁぁぁぁぁぁぁぁァァァ!!?」
最高傑作の頭部がなくなった事に叫ぶイサク、その驚きのあまり演算を放棄してしまい天候操作の影響が消え小降りだった雨は消え暴風も止んだ…一歩一歩退がっていく応竜・蚩尤を呆然とした顔の一方通行が眺めていた。そんな彼に駆け寄る様に誰かが走ってくる音が聞こえ彼はゆっくりと首を動かし駆け寄って来た人物を眺める
「……エステル?」
「無事か一方通行!?」
一方通行の目の前に現れたのはエステルだった、彼女は舜帝の剣を右手に持ち左手に複数枚の札を携えていた
「……さっきの鳥はオマエの魔術か」
「ああ、お前達の戦闘の余波で何匹かの鳥が死んでいたからな…可哀想だが私の死霊術で操らせてもらった」
何とか立ち上がった一方通行にエステルがそう気まずそうな顔で呟く、そして頭部を失った応竜・蚩尤が二人の方へと向き直しイサクが怒りの声を上げる
「貴様ァ…!俺の子孫が俺の野望を邪魔立てするとは!何を考えているのだ!」
「黙れ!私はお前とは違う!私は完全なるゴレムなど求めてはいない!お前の様な死者を冒涜する非道は許さない!」
「ほざけ!それでも貴様ローゼンタール家の当主か!?完全なるゴレムこそが我ら一族の悲願!それを邪魔立てする貴様なぞローゼンタール家の当主ではない!」
「それがどうした!私は学園都市に来て大切な事を学んだ!友ができその友を死者を操ることしか出来ぬ魔術で助けた!その時私は気づいたんだ!死霊術で死者を操るということは死者への冒涜だと!故に!私は人の死を弄ぶ貴様を許す訳にはいかない!」
「黙れぇ!小娘が俺に盾突きやがって…!楽には殺さんぞ!地獄すら生温く感じる本当の恐怖というやつを教えてやろう!」
過去のローゼンタール家の当主と今を生きるローゼンタール家の当主の主張が響きあう、イサクは完全なるゴレムを完成させることこそがローゼンタール家の悲願と叫び、対するエステルは死者への冒涜は許さぬと叫び返す。互いに平行線の舌戦の後イサクは怒りに身を任せ全門のガトリング砲やキャノン砲から銃弾を射出、更にはミサイルや落雷や風の刃がエステルへと迫る。対するエステルはそれを防ぐ手立てはあらず目を瞑ろうとするが一方通行が彼女を守る為に彼女を抱き寄せ反射でそれらの攻撃を防ぐ
「あ、一方通行!?その近いというかその…」
「何赤くしてやがンだオマエは……早く逃げやがれ…ここは俺がなンとか「それは出来ないな」…ンだと?」
エステルが急に抱き寄せて来た一方通行に頬を赤くし一方通行が戦闘中に何やってんだと息を吐く、そして彼女にここから離れる様言うが彼女はそれを拒否し一方通行が目を見開く
「悪いがそれは出来ない。あいつ…イサク=ローゼンタールは我が先祖…つまり身内だ。身内のしでかした事は身内がなんとかする…だからイサクは私が倒さなければならないんだ!」
「……寝ぼけてンのか?あいつは俺ら超能力者と互角以上に戦える化け物だ。オマエ如きに倒せるかよ」
「それはやって見ないと分からないだろう!それに一方通行も酸欠で死にかけていた癖に…だからここは私に任せろ!なに心配することは無い!先程何者かは知らんが舜帝の剣を貰ってな!これでイサクを斬り刻んでやる!」
先祖のしでかした事は子孫である自分が解決すると告げるエステル、一方通行は無理だと言うが彼女の決意は固かった…だが一方通行は気づいていた。彼女が強がっている事に
(足を子鹿見てェにプルプルさせてよォ…バレねえとでも思ってンのかこいつ?今にも逃げ出してェのを我慢してンのバレバレじゃねェか)
彼女の足は震えていた、彼女は叶うならこんな相手とは戦いたくなかった。彼女は世界を救う為に自分の命を捧げられる様な聖女でもなければ世界を滅ぼせる力を持つ悪魔と戦う勇者でもない。単なる魔術が使えるだけの女の子だ…なのに何故こんなにも強がるのかと一方通行は思っていた
「さあ来いイサク!ここからは私が相手になろう!」
「ほざいたなローゼンタール家の恥晒しが!この応竜・蚩尤の前で散れぇ!」
応竜・蚩尤へと舜帝の剣を見せつけるエステル、イサクはそんな短剣で自分は殺せぬと嘲笑い地面より百を超えるゾンビの群衆を招来させる。戦力的にも実力的にもエステルの方が不利…だが彼女は逃げない、学園都市を守る為に彼女は退く事は絶対にない
(……そゥか、こういう馬鹿を……ヒーローて呼ぶンだったなァ)
一方通行は昔を思い出す、あれは自分が子供だった頃…能力の所為で誰とも関われなくなった時…孤独な自分の目の前に現れたヒーローの事を
『よお、お前が一方通行か?へぇ…案外普通じゃねえか』
『あ、隣座っていい?いやぁ暑くて暑くて敵わねえや…お前もそう思うだろ?』
『え?初対面の癖に馴れ馴れしい?は、俺には常識が通じねえからな』
『ほらお前も飲むかコットンキャンデーソーダ、美味えぞ』
『は?自分に関わるな?そんな事言われたらていとくん余計に関わりたくなっちゃうなぁ』
『え?反射?そんなもん自分でコントロール出来るようになれや。そしたら誰も傷つけずに済むだろ?』
『しゃあねえな…俺が誰も傷つけられない様に能力の練習に付き合ってやるから感謝しろよ』
『何でこんな真似するかって?決まってるだろ?俺がメルヘンだからだよ』
『お前が化け物だぁ?おいおい…馬鹿を言うのも大概にしろよ。お前は化け物なんかじゃねえ単なる能力が強いだけの非力なもやしボーイだ』
『例え世界中の人間がお前を化け物て呼んでも俺はお前を化け物なんて呼ばねえ。だって俺らは友達だからな』
『そうだ友達なら渾名で呼び合わねえとな…そうだな、俺の事はていとくんと呼べ、俺はお前の事をアー君て呼ぶから』
『じゃあなアー君、また明日な〜。明日はサッカーでもしようぜ!他の友達も誘ってくるからよ!』
思い出したのは
(でもよォ…違えンだよ…俺は確かにていとくン見てェなヒーローになりたかった…でも
それは
(俺は
エステルを守りたい、そう一方通行が思った時彼の心の中に熱い何かが広がった…それて彼はその何かを理解し……笑った
(そォか、これが……守るべき力か)
直後一方通行達に銃弾の嵐と落雷と風の刃が降り注ぐ、反射が使えない様酸素濃度も低下させた。これで一方通行が酸欠になり演算が出来なくなったらエステルと一方通行は仲良くミンチだとイサクは笑う
「あははははははは!!!俺に刃向かうからこうなるんだよ馬鹿が!…あ、一方通行の死体も消し飛んだかもな…まあいいか」
「あ、一方通行……」
イサクは上機嫌で笑い上条は二人が立っていた所を見続ける、爆煙の所為で何も見えないがあれだけ喰らえば死んでいるだろうとイサクは興味なくし倒れた超能力者達を回収しようと考えたその時、ブワッと衝撃波が発生し爆煙が搔き消え
「!?な、に…!?無傷だと!?それに何だその
イサクが目にしたのは一方通行の背から生えた黒い渦巻く正体不明のエネルギーで構成された翼だった。エステルも驚いた様にその翼を見入り一方通行は翼を一瞥した後翼を軽く動かす…それだけでイサクの周囲にいたゾンビ達は横に裂かれ単なる死体となって地に崩れた
「……は?俺の下僕が…どうなってんだよ!?」
呼び出したゾンビ達は全員が
「……」
一方通行は双翼を倒れた超能力者達の身体に近づける、翼が超能力者達の身体を触れるか触れないかの距離で通過すると傷を負っていた彼らの身体が治り始めていく…上条は気づく。これは細胞分裂を促進させているのだと
「な、何なんだその力は!?」
「見て分かンねェのかよ」
イサクはその翼が
「これが俺の新しい力て奴だよ三下」
イサクは応竜・蚩尤の身体を動かしキャノン砲やガトリング砲から銃弾を連射・速射した。あの翼は危険だ、早く殺さねばと本能的に察した。だが一方通行は右手を応竜・蚩尤へと向け軽く掌を開く…それだけで銃弾はガトリング砲とキャノン砲の銃口へと反射されガトリング砲とキャノン砲が爆裂する
「ああああぁぁぁぁ!!!」
ならばと落雷や風の刃、ウォーターカッターが頭上から降り注ぐ、一方通行は見上げる事なく翼を棍棒の様に振り回し攻撃を全て薙ぎ払った。エステルはその光景を唖然とした顔で見ていた…そんな彼女の方を一方通行は向き彼女に笑いかける
「……オマエの覚悟は見せてもらった。こいつは俺に任せろ」
一方通行は彼女にそう言った後応竜・蚩尤を見据える、それ紅き眼光に怯えたかの様に応竜・蚩尤の機体が背後へと退がっていく
「悪りィが、こっから先は一方通行だ」
黒き天使がイサクへと一歩一歩近づく、イサクはそれを見て一歩一歩背後へと退がる。優劣はひっくり返った。ここから先は単なる蹂躙、過去の亡霊を屠る時間だ
「幽霊は幽霊らしく地獄へ堕ちて自分の罪を悔ィ改めやがれェ!」
今回は学園都市に大人の超能力者がいない理由を個人的に考えて見ました。SS2で美鈴さんは自分は能力者になれないと言っていたので恐らく大人(恐らく二十歳以上)は能力者にならないのだと判断。そしてアニメオリジナルで登場したテレスティーナさんは体晶の被験者だと言われており、なら当然能力がある筈です。なのに劇中では一切披露しなかった…つまりこれは大人になれば能力がなくなるからでは?と個人的に思ったのです
それに学園都市は五十年以上も前からありますしその頃から能力者がいたとすれば超能力者もいた筈と勝手に考えました。当然一方さんみたいな当たりはいなかったのだろうけども当時の科学者からすれば超能力者は希少。だから大人になる事で能力がなくなるのは許せずとある木原(原作キャラでないオリジナルキャラ)が当時の第一位と第二位を殺害。それをイサクが応竜・蚩尤に組み込んだ。という設定でございます。
なお天候操作は一方さんの能力と似ており(一方さんもベクトルを操って風を操りプラズマを作り出す)、金属加工はていとくんの未元物質に似ています(金属加工は金属を無から作り出す。未元物質はこの世に存在しない物質を生み出す)。これは作者がていとくん達の旧世代感を出すためにこんな能力にしたからです
さて次回は等々完全死霊の最終回。覚醒した一方さんがイサクぶっ倒してお終いです。次回もお楽しみに!