そして今回も考察…というか雑学を、凄い長いです。長くてうんざりするかもですが最後まで読んでくれたら嬉しいです
そして書いてて気づいた。ゾンビてやっば小物なんだな、と。そんな小物なゾンビとていとくん&縦ロールちゃんの活躍を期待して呼んでください
メタトロンという天使がいる。その天使は36対の翼と36万5000の目を持つ世界と同じ広さの長身とされる太陽よりも燦然と輝く顔を持つ異形の姿の天使だ。あの
メタトロンという名の由来はミスラ、またはミトラスと呼ばれる光の英雄とも言われる。ミトラス教とは十字教の原点とされる宗教、その宗教の最高神こそがミトラス。彼は神の子、聖徳太子などの偉大な人物達のモチーフになったともされる。それが十字教に取り込まれ変化したのがメタトロンだ
十字教においてメタトロンはエノクという人間が
そしてメタトロンの双子の天使である天にも届く巨大な天使 サンダルフォンもかつては人間だった。人間の頃の名は預言者エリヤ。サンダルフォンは生命の樹においてメタトロンと対をなす神の女性的顕現であるシェキナと同一視される。彼女もまた神の化身であるとされる
エノクは365年も生き続け、死ぬことなく天使となった。垣根は未元物質の身体にしたお陰で死を克服し、ゾンビの作った世界で数百年も彷徨っていた垣根。だからこそ彼はメタトロンになる事が出来た
サンダルフォンとは女性の天使だ。エリヤが生きながらに天界へと火の戦車に乗って昇り天使となったとされる。同じ女性であり何百年も生きた帆風だからこそかの天使の神格を得る事が出来た
そしてメタトロンとサンダルフォン、双子の天使が生きたまま天界へと上がり天使となった、つまり神が二人を人間としての生を終わらせ天使として転生させたと解釈し、それをベースに儀式を行った。二人はあえて
その結果誕生し、世界に産声を上げたのは新たなる魔神…
黒一色の世界は眩い光に包まれた、いや正確にいうと帆風と垣根が立っていた場所から発生した太陽の如く輝く炎の柱の光で闇の世界が眩い照らされているのだ
「ーーー!!!?な、なんなのこれ!?」
ゾンビは思わず叫んでしまった、そして気付いたのだ、あの炎の柱の中には自分と同じ魔神…正確には言えば魔神に近い気配の持ち主が二人いる事に
(まさか魔神へ至る儀式を…?いや、違う。これは魔神じゃない。もっと別の何か…ならば科学?アレイスターが生み出そうとした科学の天使?いいえ、それも違う。これは…この力は科学と魔術が合わさってる!?)
そうゾンビが思考を巡らせる中、炎の柱が忽然と消え失せる。そして炎の柱が存在した場所に垣根と帆風は立っていた。そして二人とも背中に
「え………?」
垣根はおかしくない、三対の純白の翼…正しく未元物質の翼だ。その羽に込められた力の質は桁違いだが元々生えていたものだ。それについては驚かない。彼女が驚いていたのは帆風の背から七色に色を変え続ける鮮やかな色彩の翼が出現していた
「虹の………翼?マルクトのセフィラの色と同じ…やはり貴女達は魔神に……?」
「いや違うな、正確には違うとも言えるしそうとも言える」
「わたくし達は
「まあこんな御大層な事を言ってるが…出力や単純な力の差じゃ
ゾンビの言葉を否定する帆風と垣根、垣根はこれでは魔神に遠く及ばないと呟くがそれを聞いてゾンビは内心眼を剥く。確かに出力はゾンビ達魔神には遠く及ばない。無限としか表現できない存在でもない。ギリギリ有限と表現できる程度の存在だ。オッレルスの様な半魔神やオティヌスの様な元魔神に近い存在だろうか…だがこの二人と圧倒的に違う点はただ一つ。その存在感と圧倒的な力、これに限りだろう
(確かに魔神みたいな出力はない…でもその代わり魔神の欠点である「無限」の存在じゃない。これならあたくし達と違い世界にいても許容量を超えて世界が壊れる事はない。それにオティヌスよりも圧倒的な力を持つ…いや、下手をすればアレイスターよりも…!)
魔神の欠点とも言える存在するだけで世界が崩壊する。それがこの二人には存在しない。世界の許容量ギリギリまでの力を持ち魔神と違い現世で行動できる。今の二人の出力はゾンビ達より低いとは言えアレイスター達以上の力を秘めている
(そうか、本来魔神になるのは一つの宗教においてその席は一つ。だがこいつらは無理やり二人に当てはめたんだ…!メタトロンとサンダルフォンが神の男性的顕現と女性的顕現として
そう考察した後ゾンビは怒りに打ち震える
「ふ、ざけんな…!何よそれ!ズルい!あたくし達だって現世で好き勝手したいのに…!なんで貴方達だけ…!絶対に許さない!」
八つ当たりもここまでくればいっそ清々しい、二人に怒りの目を向けるゾンビだが二人はそれに臆する事はない
「許さないのはこっちのセリフだよ、世界を滅ぼしやがって…巫山戯てんじゃねえぞコラ」
「黙れ黙れ…!ゾンビちゃんは魔神なんだぞ!?昔あたくしがどれだけ必死に数多くの原典を読破し、その内容を理解し必死に儀式を整えて自ら土の中に埋まって自殺して魔神になったと思ってる!?そんな簡単に魔神になられてたまるか!」
ゾンビは言うなれば「自分が人を殴るのはいいが、他人が自分を殴るのは決して許さない」性格だ。彼女は魔神に至るまでの辛い日々を思い出し、お手軽感覚で魔神になった二人を許せなかった
だが二人が魔神に近しい存在になったのはゾンビのせいでもある。彼女が帆風に10000回以上の死を与え、垣根に数千年の長い日々を生きさせたのが原因なのだから。それがなければ二人は神には至れなかっただろう。そもそも10000回の死を耐え抜き、決して諦めなかった垣根と帆風だからこそ神に至れたのだ。決して手軽に神の道へと至ったのではない
「ま、お前が怒鳴ろうが関係ねえ。俺や潤子ちゃんを散々甚振ってくれたんだ…覚悟は出来てるよな」
「上等じゃねえかです…!いくら強くなったとはいえ初戦は魔神以下の存在!返り討ちにしてやる!死ねぇぇぇ!!!」
ゾンビはそう宣言して万物を操る術式を展開、即座に二人の身体を破裂させようとする…だが
「悪いがそれはもう通用しねえ」
「なっ……!?」
二人の身体は
「なにをした!?何故あたくしの術式が…!?」
間違いなく術式は発動した、なのに垣根達の身体には何の異変も起こらない。それに対し帆風と垣根は笑いながら告げる
「確かに貴方の術式は脅威ですわ。並大抵の方では太刀打ちすらできないでしょう…なにせ人体すらも操る術式なのですから…ですが」
「確かにお前の魔術は強力だ、何せ人体も操れるんだからな…普通なら対処できねえよ…だがな」
「「俺/わたくし達の未元物質にその常識は通用しねえ/しません」」
同時に言い放つ二人、もうお前の術式で自分達の身体は破裂したりなどしないとはっきりと断言する
「お前の術式は人体すらも操る。だがそれは普通の人体の話だろ?未元物質で形成された肉体を操る事が出来るのか?」
二人の身体は未元物質で出来ている。いや単純に未元物質で肉体全てを作っているのではない。身体を構成する元素 酸素、炭素、水素、窒素、カルシウム、リンと共に未元物質が新たに加わった。未元物質を身体の一部とする事で不死性を得、更に無限増殖しても他の垣根帝督に乗っ取られないという利点がある
「未元物質が身体を構成している元素の一つとなった事でお前の術式は通用しねえ。なにせ人体の中に未元物質があるんだ、お前の術式は万物を操れる…だがその常識は俺達の未元物質には通用しねえ」
今の未元物質はありとあらゆる魔術の法則を歪めてしまう。故にゾンビの肉体操作も通用しない。それを知ったゾンビは軽く歯噛みする
「だけどそれが何になる!あたくしは魔神!未元物質だか暗黒物質だか知らないけど魔神に敵う者などいる筈がない!」
ゾンビは手刀を振り回しソニックブームを発生、その衝撃波は容易に二人の肉体を切断できるほどの斬れ味を秘めている…だが未元物質の翼はそれをいとも容易く弾き返す
「おいおい…この程度の攻撃で俺の未元物質を破壊出来るとでも?」
垣根はそう言いながら翼の内一枚の羽の先端をゾンビへと高速で伸ばす、それはまるで槍の如き刺突、ゾンビはそれを右手で殴る事により破壊。残った5枚の羽で烈風を放ちゾンビはその風の軌道を操ろうとするが未元物質が混ざっている為か上手く操作できず自分に当たらない様にするので精一杯だった
(まさかあたくしが操れないなんて…!これが未元物質……!これがアレイスターの真の
ゾンビはこのままでは不味いと考え、二人から距離を取ると黒一色の世界から垣根がゾンビに敗れた場所である第十一学区のコンテナ集合地帯へと世界を作り変えた
「キャハ☆ここでイレギュラーはゾンビちゃんに負けちゃったんだよね♪またボロボロにしてやるから覚悟しろ♪」
そう戯けた調子になるゾンビ、だがゾンビが世界を作り変えたの見て垣根は笑った
「やっぱりな、やっぱ俺の予想通りか」
「え………?」
「
ゾンビの術式とゾンビ自身の弱点を理解した、そう垣根が言うとゾンビはぴくっと身体を震わせる
「なんでテメェは今世界を作り変えた?別に戦う為だけならさっきの世界でも良かっただろ」
「そ、それは貴方への嫌がら…」
「嘘だな」
そうはっきり断言する垣根、それを聞いてゾンビは作り笑いの笑みをピクピクと震わせる
「何故世界を作ったのか?簡単な事だ……ゾンビ、お前の術式は万物を操れる能力だ…だが万物を操るだけで
ゾンビの術式はあくまで魔術を含めた生命も物体も操れるといった破格の能力だ。だが逆を言えば操るものがなければ何も出来ないと言う事だ
「お前の術式は何かしらの物体を操る事しか出来ない…つまり、お前の近くに操れる物がないと能力を充分に発揮出来ないて事だろ?だから新しく世界を作ったんだ。自分の優位な世界を、な」
あの黒一色の世界では術式の力を発揮できない、そう思ったから世界を作ったのだ。帆風をあの世界で痛ぶっていたのは何もなくても帆風を殺せたからだ。だが今の二人の人体は破裂させる事が出来ず、腕を振るって起こす衝撃波だけではこの二人を殺せないと思ったからだ
ならば新しく世界を作り、自分に優位な世界にしてそこで垣根と帆風を殺そうと考えたのだ
「でもさ」
確かにこの
「それってつまりこうやって優位に立たないと自分が負ける、て思ったて事だろ?」
逆を言えば、ここまで優位に立たないとゾンビは勝てない、そう思ってしまったんだろうと呟く。それを聞いてブチンとゾンビの何かがキレた
「その口を閉じやがれイレギュラーァァァァァァァァァ!!!黙ってればいい気になりやがって!あたくしを舐めてんじゃねぇぞぉぉオォ!!ぶっ殺してやるよおおぉぉぉ!!」
ブチ切れたゾンビは周囲のコンテナを能力で持ち上げて垣根達へと投げつけてくる。垣根は未元物質の翼で音速を超えて光の速さで飛来してくるコンテナから身を守る。帆風はザフキエルを宿し光の速度でコンテナの流星群を掻い潜る
「ほら、じっくりとその節穴で見なさい!これがあたくしの真の力!この力があればお前らなんか百回でも千回でも万回でも殺せるんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!!」
狂気の目で怒り叫ぶゾンビ、飛んでくるのはコンテナだけではない。二人が立つ大地すらもゾンビの武器となり無数のコンクリートが形を変え槍となり二人を串刺しにしようとする…だが魔力で強化されたコンクリートの槍は垣根と帆風の体に触れた瞬間いとも容易く粉々になった
「この程度で殺せるとでも?」
たかが強化されたコンクリートの槍如きで未元物質は砕けない。例えそれがインデックスの歩く協会や聖ピエトロ大聖堂を障子の紙を破くよりも簡単に貫いてしまう程の威力だとしたも、だ。神と化した二人の肉体を穿つ事は叶わない
「ならこれはどう!?」
ゾンビは指を鳴らし小石を頭上へと浮かせマシンガンの如く光を越える速度で垣根へと放つ、それを帆風は垣根の頭上に現れ小石を全て左足を超高速で小石を蹴り砕く事により防ぎ切った
「んなバカな!?」
「今のわたくしならば光の速さ程度なら余裕で見切れます。どんなに速い攻撃も見えているのなら蹴り落とす事も容易です」
そう言ってのける帆風、神となった今の帆風は例え相手が光の速度を出そうがそれを見切る心眼を持っている。更にカマエルを宿せば軍神の如き力を発揮する
「な、んで…魔神であるあたくしがこんな、雑魚共にぃ……!」
何故魔術を極め神の座へと至った自分が魔神以下の存在である垣根達に苦戦するのか。そう考えるゾンビに垣根が嘲笑いながら告げる
「簡単だよゾンビ、お前が弱いからさ」
「弱い……?!このあたくしが!?」
「ああ、弱いね。断言するお前は俺が今まで戦ってきたどの敵よりも…弱い」
弱い、そうはっきりと断言する垣根にゾンビが青筋を立てながら睨む。自分は魔神だ、魔神である筈の自分が弱い筈などないと怒るゾンビに垣根は言葉を続ける
「アレイスターは自分の娘を奪った魔術を絶滅させる為にその人生をかけていた、フィアンマは歪みながらも世界を救おうと考えていた。オティヌスは自分の理解者を求めていた、ステイル=マグヌスは愛したたった一人の少女の為に悪人を演じた、アウレオルス=イザードは教え子を救う為に世界を敵にした、ミーシャ=クロイツェフは狂っていたが元の座に戻る揺るぎない信念があった、木原病理は1ミリも認めたくねえが俺を
アレイスターも、フィアンマも、ステイルも、アウレオルスも、ガブリエルも、病理も、シェリーも、上里達も全員揺るぎない自分達の信念を胸に垣根の前に立ち塞がって来た。そう、彼らは強かった。確固たる意志と叶えたい願いがある為に
「だがテメェはどうだ魔神 ゾンビ」
突き放すように冷たい眼をゾンビへと向ける垣根。帆風も同じ様な眼をゾンビへと向ける
「テメェは世界をより良くしたいだとか、不幸を消したい、誰を助けたい…俺が今まで倒して来た敵みたいな揺るがない願いを一つも持ってない。あるのは自分の欲求を満たしたいてだけの欲望だけだ。そんなお前が強いわけねえだろ」
「その通りです、少々認めるのは嫌ですが…木原病理という女は歪んだやり方ながらも垣根さんを絶対能力者にする。その意思を持ってわたくし達と戦いました…やり方や性格こそ腐っていましたが…そんな歪んだ信念でも彼女は強かったです。貴方みたいなただ力を振り回す様な
二人にとってゾンビなどただ力を振りかざすだけの小物に過ぎない。そんな相手が今まで自分達が相手にしてきた強敵達よりも強い筈がない。いくら力が強くても心は弱い。そんなゾンビなど二人は恐れる筈がないのだ
「……小物?弱い?このあたくしが?否、否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否ッ!!そんな筈があるわけがない!この魔神 ゾンビが!魔神であるあたくしが弱い筈などある筈がない!矮小なお前達の妄言は聞き飽きた!殺してやる!今度こそ、殺してやる!」
断固それを認めないゾンビ、自分は弱くなどない。矮小と垣根と帆風を見下しながら自分は最強なのだと怒り狂った眼を向ける
「はっ、殺す殺す…さっきからずっと同じ事言ってるぜ?結果未だに俺らを殺せてない時点でお前の弱さは証明されてるんだよ」
「ーーーーッ!!!ま、た…また言ったな!?あたくしが弱いと!?このガキ…殺してやる!殺してやる!殺してやる!」
垣根の挑発を受けて狂った様に殺すと連呼するゾンビ、ゾンビの術式の影響を受けてコンテナと小石、風の刃、コンクリートの槍が垣根達を襲う。それを難なく防ぐ垣根と帆風
「死ね、死ね、死ね、死ねぇぇぇ!!」
数千の羽虫が羽を擦り付けた様な凄まじい轟音が周囲に鳴り響いた。それはゾンビが操る位相が動いた音だ。二人を位相で押し潰さんとゾンビが新たに作った位相が迫る。だが垣根は右手から天使の龍を顕現させその位相を喰らい尽くす
「サンキューセルピヌス、助かったぜ」
ーーーキュラアアァァァ〜!ーーー
セルピヌスはそのままゾンビを喰らおうとその顎を伸ばす、ゾンビはコンテナを2、3個ほどセルピヌスへと投擲。あらゆる異能は喰らえるが異能ではないものは直接噛みちぎる事しか出来ないセルピヌスにとってその攻撃は弱点でありそのまま胴体をコンテナに当てられ千切られる
「幻想殺しの噴出点であたくしに勝てるとでも思ったか!」
ゾンビはそう言って接近して来た帆風の拳を右手で受け止める。そして垣根が放った一翼を左手で掴み粉々に握り潰す。ならばと帆風は下段から蹴りを放ちゾンビはそれを両腕でガード、更に帆風はミカエルを降ろし光の剣を振り下ろしゾンビはそれを霧散させる。その隙に垣根が六翼を伸ばし高速でゾンビへと迫る。斬撃、打撃、刺突、月光を不可視の光線に変換、烈風、爆発…様々な攻撃がゾンビへと放たれるもゾンビはそれを全て防ぐ
「そんな攻撃聞くかぁぁぁぁ!!!」
「チッ………!」
「くっ………!」
腕を胸の前でクロスさせ大きく広げる、それにより衝撃波が生じ、帆風は後方へと吹き飛ばされ空中にいた垣根は翼を繭状に閉じて衝撃波を防ぐ
「は、は、は……ははははははは!これが魔神よ!あたくしが本気を出せばお前達なんか一瞬で殺せるのよぉ!」
それを見てゾンビは勝ち誇った様に狂った笑みを浮かべる、垣根は翼を広げると同時に羽根を複数枚放つもゾンビはそれを腕を振るうだけで吹き飛ばしてしまう
「この程度であたくしを倒せると思ってんのか!?あたくしは魔神!魔術で世界を操る者!そんなあたくしが貴様らに負けるなどあり得ません!神であるあたくしが脆弱な人間に…アレイスターが作った天使もどき達如きにぃぃぃぃ!!」
そう宣言するゾンビ、神である自分が負ける筈がない。帆風はゾンビのそんな言葉を聞いて眼を細めた
「……可哀想なお方」
「あ"ぁ!?」
「そうやって他人を見下す事でしか存在価値を見出せない…そんな貴方が可哀想だと思っただけです」
帆風は憐れみの目でゾンビを見つめた。他人を自分より下に見る事しか出来ないゾンビを本気で憐れむ帆風、そんな眼を向けられてゾンビの怒りの頂点が達した
「そんな眼をあたくしに向けるなぁぁぁ!!馬鹿をするんじゃない小娘が!」
ゾンビは激情に流されるがまま、帆風へと猛進し始める。両手を伸ばし帆風を引き裂こうとした、まさにその瞬間
「
「な……?」
垣根が右手に光の槍を形成し、その槍を力強く腕を振るう事で投擲しゾンビの胸に突き刺さる。自分の胸に光の槍が突き刺さった事に驚きのあまり呆然とするゾンビ…そしてその槍からゾンビの魔神としての力が急速に失われていく
「か"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!?」
自分の何かが別の何かに上書きされていく、そんな気色の悪い感覚に全身を襲われるゾンビ。堪らず叫び声を上げるが失われた力は戻ってこない
「これは『悪魔化』の術式だ」
垣根は悲鳴を上げ続け、こちらの声が聞こえているかも分からないゾンビに向かってそう呟く
「十字教は度々他の宗教の神々を悪魔へと貶められた。有名な例を挙げるならウガリット神話の最高神 バアル・ゼブルを
「そして
その術式は十字教の闇の部分を浮き彫りにした様な術式だ、十字教は他宗教の神々を悪しき者とし迫害しその地位を貶めた。例に挙げれば北欧神話でもオーディンとロキに十字教に都合のいい彼らの悪いエピソードを加える等の事をしてきた…それを再現したのがこの術式…打ち込んだ対象を自分が倒せる程まで弱体化させる…十字教の神と同一視されるメタトロンだからこそこの術式が扱えるのだ
「これでチェックメイトだ。今のお前じゃ俺達には勝てねえ」
「ま、さか…最初からこのつもりで…?」
ゾンビは自身の胸に手で押さえながら苦しげにそう呟く、垣根はうっすらと笑みを浮かべる
「当然、魔神と真っ向勝負で勝つ気なんかさらさらねえよ。あのコロンゾンでも魔神集団には逃げの一手だったんだからな。まともに戦うと勝ち目は薄い…だから弱体化させて倒す事にさせてもらった」
正面から挑んでは勝てない、ならば相手を弱くしよう。卑怯でも構わない、勝てばいいのだから
「今のお前は精々聖人以上、オッレルス未満の力しかねえ。その程度の実力なら今の俺達には楽勝な相手だ」
「魔神を舐めるなぁ!この程度のハンデなんがあってもお前らぐらいぶっ殺せるんだよぉぉぉ!!!」
嘲笑う垣根に未だ強がるゾンビ、垣根へと猛進し拳を振り上げる、だがその拳も帆風に難なく止められる
「ーーーッ!?」
「おやめ下さい、これ以上の抵抗は無駄と分かっている筈です」
「煩い!」
ゾンビはデタラメに拳を振るうが帆風はそれを難なく拳でいなす、ゾンビの術式がかかったその人体ならば容易く消失させる威力の拳を受け流す…否、吸収していた
(なっ…!?こいつの右手……あたくしの魔力を吸ってやがる!?)
帆風の右手にゾンビの術式が吸収されている事に気づくゾンビ
(まさか、こいつの神格は
ゾンビは帆風の右手の力が分からなかった、自分の魔力を吸収する事、それしか分からない。一体この力はなんなのか?そうゾンビが思考する中垣根は笑って右手を大地へと触れさせる
「さて………そろそろお前が壊した世界を元に戻させてもらうぞ」
そう垣根が言うと右手からセルピヌスが顕現、世界が崩壊しガラスの様に粉々に砕け散る世界という名の背景。だがまた別の破片が集まり世界を作り直して…否、垣根達がいた世界へと戻していく
「それは…幻想殺しの基準点としての力!?それで世界を元に戻したというの!?」
垣根達がいる場所は変わらず第十一学区だが前とは違う点がある。ゾンビが世界を壊す前にアレイスター達と激戦を繰り広げた痕跡がある事だ
「さてと。もうお遊びは終わりにしようぜ魔神 ゾンビ。もうお前の下らねえ
垣根はそう宣言すると幻想的かつ神秘的な純白の光を放つ白き翼を更に、より一層光り輝かせる。その神々しい翼は正に神
「ま、だ……だ。この魔神 ゾンビが!お前ら如きに負けてたまるかぁぁぁぁぁぁ!!!」
最後に力を振り絞って垣根を殺す為に位相を作り出し操るゾンビ。数万の羽虫の様な雑音を響かせながら位相が垣根を押し潰そうとゆっくりと垣根に放たれる
「無駄だって分かんねえのか」
そんな位相による一撃を垣根は適当に翼を振るう事でその位相を破壊する
「なっ……!?」
位相を物理的に破壊するなどあり得ない、そうゾンビが目を見開く。正にその力は神…魔神の権能。だが魔神に出力が届かない筈の垣根が何故こんな事が出来るのかとゾンビが一瞬考えるがすぐにその答えに気づく
(そう、か!こいつらは二人で一人、そういう神なんだ!何も二人一組の神はメタトロンとサンダルフォンだけじゃない!ホルスとセト!あいつらも一対の神だった!だがこいつらの力はホルスとセトに近いが全くの別物…いや、待てよ。テレマ、テレマだ!テレマにはホルスとセトと同一視される神格が…)
ゾンビがそこまで思考を進めた瞬間、帆風の拳がゾンビの眼前に迫った
(そうか、こいつらの神格はメタトロンとサンダルフォンだけじゃなくて…こいつらはテレマのあの兄弟神の神格も…)
「これで……終わりです」
ゾンビの思考を遮る様に、帆風の自らの力の象徴であり、自分自身の力とも言えるサンダルフォンの力を降ろした拳がゾンビの顔面へと放たれ、彼女の顔にめり込んだ
「ゴぼッゲぶッガッはアァぁァァぁっ!!?」
吹き飛ばされるゾンビ、何度も地面へと激突しその度にゾンビの手足が腕があらぬ方向に曲がり首が曲がってはいけない方向に曲がる。最後は山積みになったコンテナの一部へと激突しその衝撃でコンテナが崩れコンテナがゾンビへと降り注ぐ。ゾンビはコンテナの流れに巻き込まれその姿が見えなくなった
「終わったな」
「ええ、そうですね」
メタトロンとサンダルフォンは神の化身(メタトロンが男性的化身、サンダルフォンが女性的化身)だと自分は思いました。多分ミカエルよりも神様に近い存在だと考えていますが…まあこの天使達はユダヤ教の天使ですからね…それに最初に聖書に現れたのはミカエルだから彼こそが神の正体かもしれませんが…因みにミトラス教とキリスト教は当時のライバルでもしキリスト教がミトラス教を出し抜いていなければ、キリスト教ではなくミトラス教が世界地図広まっていたと言われるほどです。因みにミトラス(ミトラ)は日本とも関わりがあり弥勒菩薩の元ネタがミスラです
そしてていとくんと縦ロールちゃんのもう一つの神格である「ラー・ホール・クイト(ホルス)」と「ホール・パアル・クラアト(セト)」ですが…実はセトとホルスは同一視されており一対の神であるとされています。オシリスのアイオーンでセトはキリスト教とユダヤ教では悪神とされ「サタン」となったとか。ですが本来はホルスのアイオーンを象徴すべき神
そして縦ロールちゃんの右腕の力…その力は彼女が司るホール・パアル・クラアト(エイワス)の力。現在分かっているのは吸収というその性質のみ…これから段々と明らかにしていけたらなーとか思ってる。因みに幻想殺しや理想送りとは全く違う系統の力なので誤解しない様に
そしてこれはとあるの考察動画の丸パクリですが…垣根帝督の名前の意味は
垣根=間を隔てるもの
帝=宇宙を統括する最高神(天上の神)
督=統率する、取り締まる
「督」は誰かを助けること、「垣根」と「帝」は心の垣根(限界)を超えて神となる…という事を意味しているのだとか。(考察した人凄い)。自分も考察で「垣根は限界を超えるて意味かな?帝督の帝は天帝と考えて神様になるとか?」て考えてましたが…この人のレベルは桁違いだったよ
因みにこの作品での縦ロールちゃんの(自分が勝手に考えた)名前の由来は
帆風は追い風の事、時を得た勢い。つまり翼持つ者(垣根)の追い風となり彼の補佐をし力となる意味
潤はうるおすこと、利益。つまり垣根の心を潤わせ彼の成長のきっかけ、または強化を起こす
子はキリスト教では「キリスト」つまり神の子の事。そして別の意味では愛する人。つまり彼女は神の子(キリストは唯一神のペルソナ、つまりサンダルフォンは神の化身であると仮定すれば同時に神のペルソナであるキリストとも同じ存在)、そして垣根のヒロインという事
これは自分勝手な妄想によるこじつけですが調べればこういう風な解釈ができました(あくまでこの小説に合わせただけです、本当の名前の由来はこれとは違うと思います)
次回もお楽しみに!