デート・ア・ライブ 穢れた黄金   作:クアエ

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小説を書くってすごく大変


二度目の邂逅

あの緑の少女に傘を渡してから、数日の月日が経った。

あの後、結局家には傘がアレしかなかったことに気がつき、その後、カッパを着ながらビニール傘を買う羽目になったが、まぁ、あの少女の為だと思えばいいかと、納得していた。

 

「それにしても、まさか学校で空間震が起こるとはなぁ…」

 

俺はそう言いながら、半壊している校舎を眺める。

あの日、あの少女と別れてから数日後、学校を中心とした空間震が発生し、俺たちの学び舎は半壊状態となってしまった。

その影響により、俺たちの学校は数日間休校となり、今こうして俺は、暇を持て余し、来る必要のない学校へと足を運んでいた。

 

「それにしても、空間震って一体なんなんだろう…確か最初に確認されたのが30年前、ユーラシア大空災だったな…」

 

俺はそう呟きながら、半壊した校舎の瓦礫に触れる。

これだけの破壊を振りまく災害、地震や台風と違い、人智を超えた災害、こんなものが、唐突におきるはずがない。

 

「何か原因がある筈なんだけど…うーん…さっぱりわからん!きっとどこからともなくやってきた宇宙人の仕業とかそんなもんだろ!」

 

俺はいくら考えても原因が思いつかず、思考回路を停止して、荒唐無稽な結論を叫ぶ。

 

「さて、そろそろ夕飯の買い物でもしますかねー」

 

俺は今までの小難しい謎を頭の中から投げ捨て、今日の夕飯のメニューを考えながら、半壊した学校を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学校から少し歩くと、何やら賑やかな音が聞こえてきた。

 

「あれ?この季節お祭りやってたっけ?」

 

商店街らしきものの賑やかさを見ながら、俺はそんなことを考える。しかし、明らかにおかしい。これでもかなりの年月この街で暮らしているが、こんなお祭り見たことがないし、そもそもラタトスクなんて商店街聞いたことがない

 

「まぁ、こういう祭りの時は結構安売りとかしてくれるからこちらとしては助かるのだが」

 

見た感じ普通の商店街だし、夕飯の買い物くらいはできるだろう。俺はそんな安直な考えで、明らかにおかしい商店街へと足を踏み入れた。

 

 

 

 

 

 

ラタトスクという名の商店街に足を踏み入れてから少し経ち、あらかた買い物を終わらせ、出店の売り物を買い食いしていた。異様に商店街の人たちのテンションが高かったが、実害があるわけではないし、まぁいいやと納得する。

 

「このたこ焼き…美味いな」

 

俺がたこ焼きの旨さに驚いていると、前方に見覚えのある青髪が目に入った。

 

「うん?あれ士道じゃん。おーい!!士道!!!」

 

俺は前方に見えるのが、俺の友人兼実験台1号の五河士道と分かり、それなりに大きな声で士道の名を叫ぶ。

 

「げぇ!!士」

 

「げぇ、とは酷いな」

 

友人の酷い反応に文句をつけながら近づくと、士道の隣には、綺麗な夜色の髪をした少女が立っていた。

 

「えーと、士さん。俺と十香は別にそういう関係という訳では…」

 

俺が夜色の髪の少女、十香と呼ばれ少女に目を向けると、今までにないほどの慌てようで言い訳をしてきた。

 

「お前さん、こんなところ(ホテル)で突っ立ってて何も無いと?」

 

俺は、自分の隣にあるホテル。所謂、ラブなホテルに目を向けながらそういう。

 

「士道?こやつは士道の知り合いか?」

 

俺が士道で遊んでいると、十香と呼ばれた少女が士道にそう問いかけた。

 

「あぁ悪いな十香、こいつは俺の友達の新道士、それで士、この子は名前は十香で、今俺たちは」

 

「デェトをしている!!!」

 

十香さんは大きな声でそう言いながら俺の目の前に立つ。

 

「なるほど、改めて俺の名は新道士、よろしくね、十香さん」

 

随分と元気な子だなぁと思いながら、俺は親愛の証に手を出す。

 

「うむ!よろしく頼むぞ!士!!!」

 

十香さんは俺の手を掴み、思い切りブンブンと手を振る。

やべぇ、手が千切れる。

 

「まぁ、お二人さんが楽しそうなのはなによりだけど、このドリームパークはやめておけよ、まぁお前らが良いというならそこまで否定はせんが、流石に学生の身でこういうところは良く無いからな」

 

俺はなんとか十香さんに手を離してもらい、友人へと忠告をする。流石に学生服でラブホテルに入って、誰かに見られたらやばいからな…というかそもそも入れないだろうけど

 

「ということで、あとは幸せそうなお二人さんで楽しんできなさい」

 

俺はそう言い、士道の肩を叩く。

 

「あぁ、ありがとうな、士」

 

「いいっていいって、それじゃ、またな」

 

俺はそう二人に良い、家への帰路へとついた。

 

 

 

 

 

 

 

士道達と別れ、ゆっくりと家に帰る道を歩いていると、頭上から数滴の雫が頭の上に落ちてきた。

その雫の数はどんどん増えていき、終いには大雨と呼ばれるまでになっていた。

 

「たっく…ここ最近雨多いなぁ、雨が多いのは百歩譲って許すけど、天気予報が外れるのは許せねぇ」

 

俺は傘を持っていなかった為、慌てて走り、雨宿りのできそうな、公園の遊具の中へと避難していた。

 

「はぁ…いい歳こいてこんな遊具の中に入ることになるとは…」

 

俺は遊具の中でしゃがみながら、ため息を混ぜてそう呟く。すると、遊具の入り口から、緑色のうさ耳が、チラリと視界に入る。

 

「あれって…」

 

俺はまさかと思い、遊具の中から顔を出す。すると、目の前には数日前に傘をあげた、左手にパペットを持った少女が立っていた。

 

「おぉ!こんなところで会えるなんて運がいい!!!、ねっ四糸乃」

 

俺が遊具から顔を出すと、先日はあまり喋らなかった少女が、パペット越しではあるものの、元気に自身に話しかけていた。

恐らく、子供特有の遊び。自分だけの友達とかそういう感じだろう。

というか腹話術上手いな…

 

「うん、よかった…会えて」

 

どうやら、少女の方もこちらに会えて嬉しいらしい。パペットの言動から分かっていたものの、やはり本人から直接言われた方が色々と安心できる。

 

「いや〜、先日ぶりだね、あのあと風邪とか引かなかった?」

 

俺は、少女に不信感を抱かれてないことに安心しながら、あの日の後、どうであったのかを問いかける。

 

「大丈夫だったよ!!!よしのんも四糸乃も風邪なんて引かなかったよ」

 

俺の問いかけに、ウサギのパペットが答える。どうやら、このパペットの名前はよしのんで、少女の名前は四糸乃というらしい。

 

「それなら良かったよ、いやさ、傘を貸したはいいけど、あの時点で結構濡れていたし、あまり意味なかったんじゃ無いかって心配していたんだ」

 

そう、あの日俺はこの子に傘貸したのだが、よくよく考えたら、あの時点でだいぶ雨に打たれて濡れていたし、俺が傘を貸したのはあまり意味がなく、風邪を引いてしまっていないか心配していたのだ。

 

「あっ、これ…ありがとう…ございました」

 

俺が安心して一息ついていると、四糸乃は手に持った傘を俺に渡してきた。

 

「あぁ、そいつね、いいよいいよ。どうせ今日もこの雨だし、ここで俺がこれを受け取って、君が風邪をひいてしまったら大変だからね」

 

俺は四糸乃から渡された傘を彼女の手の中に戻す。

 

「うーん…それじゃあ、よしのんたちがお兄さんをお家まで送るよ!そうすれば、よしのん達も濡れなくて、お兄さんも濡れないでしょ!」

 

俺が傘を離すと、左手のパペット、よしのんが俺の顔の目の前まで出てきて、そう提案する。

まぁ、確かにその方法なら俺も彼女達も濡れることはないが、

 

「俺警察に捕まったりしないから」

 

「?…何か言った?お兄さん」

 

「いや、なんでもないよ。そうだね、そうしてもらおうかな」

 

まぁ、親戚ですとか言い訳すればいいか

 

「それじゃあ、身長差があるし、俺が傘を持つね」

 

俺はそういうと、遊具から体を出し、四糸乃から傘を受け取る。

 

「それじゃあ、行こうか」

 

「うんうん!出発進行!!!」

 

なんか、本人とパペットのテンション差が激しい子だなぁ…

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、時間にして10分、俺たちは歩いた。その間にお互い改めて自己紹介をし、今までにどんなことをしていたのかだとか、この傘はどうやって使ったのかなどの質問に答えながら歩いていた。

 

「そういえば、四糸乃達はいつも二人?だけど、お友達とかご両親とかはどうしたの?この雨で傘を持ってなかったら普通迎えに来るなりすると思うんだけど」

 

俺は率直な疑問でそう問いかける。すると、四糸乃は足を止め、顔を下に向けてしまう。

 

「お父…さん……とお母さんは…いません。私達は…ずっと二人……でし…た」

 

「うんうん…でも安心してね士君!別に天涯孤独で野良犬のような生活とかはしてないからさ!!!」

 

どうやら、俺は無自覚に地雷を踏み抜いたらしい。全く、年下の子にこんな顔をさせるなんて、相変わらず俺は人の心理に疎いらしい。

 

「そっか…なら、俺と一緒だな」

 

俺がそう言うと、四糸乃は顔を上げて、俺の顔を見る。

 

「うん、俺もお父さんとお母さんがいないんだ。というか、そもそもあまり記憶がない。唯一あるとしたら、四糸乃と最初に出会った神社でお参りをした記憶くらいかな…だから、俺たちは一緒だ」

 

俺はこの最底辺の励ましとともに、左手を出す。すると、四糸乃は静かに俺の手を掴んでくれる。その姿に、少し心に来るものがあったが、俺はノーマルであると自分の心に言い聞かせる。

 

「よし!!!暗い話はこのくらいにして、楽しい話をしよう。もうすぐ家に着くから、出来るだけ沢山ね」

 

俺はそう言いながら、四糸乃の手を引き、いつもよりゆっくりと、家の帰路へとついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから少しして、俺たちは家の前へと到着した。

 

「それじゃ、わざわざありがとうね、お陰で殆ど濡れることなく帰れたよ」

 

俺はそういいながら、四糸乃の前にしゃがみ、頭を撫でる。

 

「あぁ!!よしのんもよしのんも!!!」

 

俺は耳元で叫ぶパペットにも、同様に優しく撫でる。全く、何故ここまで差が激しいだ。この子、もう少しハキハキできるようになれば、将来女優としてやっていけるかもしれない。などとくだらないことを考える。

 

「さて、わざわざ送ってくれたお礼に」

 

俺はそう言いながら、買い物袋の中に手を突っ込み、2つの飴玉を乗り出す。

 

「はいこれ、お礼の証ということで」

 

「あり…がとう…ございます」

 

「ありがとー!!!」

 

俺の手渡した飴玉を受け取り、二人はお辞儀をする。

 

「さて、家に着いたから傘もあるし、荷物置いて二人を送ってくよ」

 

俺は玄関に買い物袋を置き、手にビニール傘を持ちながらそういうと、二人は首を横に降る。

 

「大……丈夫……です」

 

「僕達は二人で帰れるから、士君は早くお風呂に入りなよ!」

 

「でも…」

 

二人の提案に俺は首を振る。流石に、この年の子をこの時間に一人で帰らせるのは危険だし、なにより、俺が原因でこうなっているのだから、やはりそこはしっかりとしておくべきだ。

そう言おうとした瞬間、二人は全速力で走って行った。

 

「それじゃそういうことだから、またねー!!!!!!」

 

俺はその姿を、口を開けて眺めかことしかできなかった。

 

「足速ぇ……」

 

なるのは女優ではなく、陸上選手かもしれない。

俺はそうくだらないことを考えながら、家の中へと入って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雨空の下、一人の男が大の字で地面に寝転がっている。

 

"またこの夢か"

 

男の目から、雨粒とは違う雫が流れ、思い切り地面を叩く。

 

「クソ……クソォ…なんで…だよ」

 

悔しい、許せない、認めてなるものか、そんな感情が俺の中に流れ込んで来る。

これは一体なんなのだろう。わからない

 

それから数分が経ち、男から体力が寒さにより奪われ、いつしか動かなくなっていた。すると、頭上から眩しいほどの光が現れ、そして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この夢は終わった。

 

 

 

 




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