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竜王山との試合当日
雷門は会場となる竜王山中のフィールドで準備運動をしていた。
「・・今日の試合負けられない!!」
憲三は友紀に覚悟を見せろと言った。この試合の結果次第では友紀はサッカー部を辞めなければならない。時間が来て皆ポジションにつき始める。
FW 黒牙 誠也
MF 優菜 友紀 切那
DF 大山 豪炎寺 アリス 古島 三日月
GK 円堂
竜王山の攻めに対してディフィンスを厚くし、豪炎寺をシュートブロックの為にゴール前に配置したフォーメーション。黒牙もゴール前に配置するつもりだったが『誠也さんと共に前線に配置してください』とせがまれ今の配置になっている。対して相手はキャプテンの龍のワントップ、DF二人とMF七人というフォーメーションだ。
雷門ボールでスタートする試合。黒牙と誠也がパスで上がっていきそれに友紀が続く。MFが奪おうと立ち塞がるも黒牙は友紀にパス。パスを受けた友紀は跳んでかわす。
「『エターナルブリザード!!』」
「『炎竜の豪炎!!』」
相手のキーパー、ハルが両手に纏った炎をボールに叩きつけ止める。
「龍!!」
ハルはゴール前に上がっていた龍にロングパス。パスを受けた龍がシュートを打つと緑色のドラゴンが現れる。
「『ドラゴンクラッシュ!!』」
「『ゴッドハンド!!』」
ぶつかり合う二つの技。ドラゴンクラッシュの勢いに負け飛び上がるボール。それを受け止めたのは豪炎寺。そのまま優菜にパスし上がっていく。
「・・・黒牙・・やるぞ!!」
「・・誠也さん!!まだ時が熟してません!!」
何かを相談しながら上がっていく二人。優菜から切那、友紀とパスで繋いで行く。
「『ストームトラップ!!』」
竜王山唯一の女性選手であるMF、天野がいくつも竜巻を作り友紀の行く手を阻む。良くみるとわずかに隙間が空いておりそこを突破しようとするも待ち構えていた天野に止められる。そのボールは再び龍の元に渡る。
「今度こそ決める!!『ドラゴンクラッシュ!!』」
「『ゴッドハンド!!』」
再びぶつかり合う二つの技。今度は豪炎寺がシュートをブロックし威力を軽減。なんなく円堂の手に収まる。円堂はそれをアリスにパス。相手もすぐに止めにくるもアリスはどんどんと上がっていく。
「ユウナ!!」
アリスからパスを受け上がっていく優菜。
「『アグレッシブビート!!』」
相手のMFを必殺技で突破し友紀にパス。そのまま上がっていくも相手のDFに止められる。
「・・先輩?」
黒牙が気づく。友紀の動きがおかしいことに。友紀のプレイならDFを突破することも造作もない。しかしどういうわけかあっさりと取られた。それどころか相手の必殺技も友紀なら引っ掛かることなく突破できるはずなのだが取られた。
「誠也さん・・舞崎先輩って頭の方に弱点ってありますか?」
「・・まぁ司令塔やってるくせにバカだな・・かなり要領が悪くて一つの事しか考えられないな」
よく考えてみれば友紀の作戦は全て試合前に作られていた。王帝月ノ宮の時の作戦は複雑なものが多かったがどれも試合中に考えられていなかった。どの試合も友紀は皆に指示を飛ばす事だけに集中していた。それどころか指示を出す時にわざわざ立ち止まっていた。恐らく指示を飛ばしている間は本来のプレイができないのだろう。もし、今何かを考えているならプレイに支障をきたす理由も分かる。父の事だろう。
「・・・次にボールが来たらやります・・」
「・・黒牙・・わかった!!」
奪われたボールは天野に渡ると同時にキーパーに向かってパス。
「行くぞ!!必殺タクティクス!!『超竜大砲!!』」
ハルをスタートに一直線にダイレクトパスを繋いで行く。十一人目となる龍がゴールに向かってシュートを打つ。
「『ゴッドハンド!!』」
円堂がゴッドハンドで止めようとするが簡単に砕かれゴールを決められる。
1-0
チームメンバー全員でボールにパワーを貯める必殺タクティクス。かなりの威力を持ったその一撃は恐らく黒牙や豪炎寺がブロックしても止められない。
「・・あのタクティクス、サイドががら空き・・」
切那がすぐに超竜大砲の弱点に気づく。超竜大砲は一直線に選手を並べる特徴があるため選手のいないサイドががら空きとなっている。何とかしてボールを奪えば一気に攻め上がれる。恐らく友紀も気付いているはずだが・・
「・・サイドががら空き・・そうだったんだ!!」
友紀の様子からして気付いていなかったようだ。
再び雷門のボールで再開する試合。黒牙と誠也が上がるも相手に奪われる。
「『アイスグラウンド!!』」
すぐに友紀が奪い返そうとするもかわされる。
「『バーサクスライド!!』」
次の光を元に自らの身体能力をブーストした三日月がDFラインからセンターライン近くまで一気にスライディングで上がりそのままボールを奪う。
「・・友紀!!」
息を切らしながらも友紀にパス。しかしそれは相手にカットされる。
「・・友紀・・」
何度やっても毎回ボールを奪われる友紀。何処からどうみても試合に集中できていないのは明らかだ。
「黒牙!!」
奪われたボールを再び奪い返す雷門。そのボールはゴール前にいた黒牙の元に。
「闇の力よ今ここに!!」
「全てを凍てつかせろ!!」
「「『シャドウ・イン・アイス!!』」」
黒牙と誠也がツインシュート。そのシュートは氷と闇を纏い、轟音を響かせながらゴールへと向かっていく。あまりの勢いに地面をも削り取っていく。
「『炎竜の豪炎!!』」
ハルも必殺技で対抗するもあっさりと吹き飛ばされる。
1-1
同点に追い付くと同時に鳴り響く前半終了のホイッスル。その様子を憲三が観客席で見ていた。
「・・友紀・・やはり、お前は司令塔には向いていないな・・」
憲三が胸のペンダントの中にある一枚の写真を見る。そこに写っていたのは友紀に似た一人の女性。
「・・お前と同じだな・・夕花・・」
王帝月ノ宮以来まともに試合を書いた気がする・・