イナズマイレブン~円堂守と新生サッカー部~   作:ハマT

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第24話最強の田舎者達

数ヵ月前、伊那国島

 

東京からかなり離れ所にある小さな島。もちろんここにも学校とサッカー部は存在している。

「おーい明日人!!」

「剛陣先輩!!」

学校が終わり部活に向かう稲森に声をかける剛陣。部員が11人、場所も場所な為フットボールフロンティアへの参加資格も持っていない。それでも彼らは楽しくサッカーをやっていた。

「はーい皆さん!!今日はお知らせがありまーす!!一つ目!」

部室に入るなりやけにテンションの高い監督、趙金雲がポスターを広げる。

「あれこれ根回ししてやっと手に入れました!!フットボールフロンティアの参加資格!!」

趙金雲の言葉に驚きながらも喜ぶ皆。趙金雲はとある組織から『サッカーを広める』という指命を与えられこの島にやって来た。最初はかなり胡散臭かったが今となっては皆にとって大切な監督だ。あれこれ根回ししてというのは恐らくその組織の事だろう。

「そして二つ目!!何と新しい仲間が来まーす!!はいドーン!!」

その言葉と同時に入って来たのは灰色の髪をしたいかにも不良のようななりをした男子生徒。

「彼は灰崎凌兵君。前にいた学校ではエースストライカーでしたが協調性の無さや相手を痛みつけるプレイスタイルから孤立、精神修行の為そしてこの田舎に来ました。では自己紹介お願いしまーす」

「全部ベラベラ喋ってんじゃねぇか!!」

趙金雲に突っ込むを入れると皆睨み付ける灰崎。

「・・悪いが俺は俺の好きにやらせてもらう!!」

そう言って灰崎は部室を後にした。

 

それから数日後

フットボールフロンティアに参加するために練習をする皆。その様子を灰崎は一人遠くから見ていた。何度か皆が誘って来たが全てはねのけ一人でサッカーをしていた。

「・・どうですか?皆の様子は?」

灰崎に趙金雲が話し掛けてくる。

「・・あんな遊びで勝てるかよ・・本島の奴らは甘くねぇぞ」

「はい!!灰崎君の言うとおりです!!でも灰崎君は二十三時間休憩無しで走れますか?」

「後一時間頑張れよ!!まぁ・・そんなに走るのは無理だな・・」

「そうです!!今彼らには決められた範囲を守る練習をしています!!これでこちらの体力消耗は押されられまーす!!」

「・・それが上手くいっても相手がなにもして来なければ一緒だろ?」

灰崎の言葉に待ってましたと言わんばかりに胸を張る趙金雲。

「赤い服にジャムを落としたら焦るでしょ?全く同じです!!たった一人暴れる選手がいればそれに皆対応しなければなりません!!それにより相手の体力を削りにかかります!!そしてその役を灰崎君に・・」

「何で俺が!!最初に言っただろ!!俺は・・」

「好きにやっても構いませんよ・・ありのままの灰崎君のプレイスタイルが適任なのです!!」

「・・チッ・・俺はアイツらと馴れ合うつもりはねぇぞ!!」

「本当にそう思ってます?・・本当は彼等と一緒にやりたいんじゃないですか?」

 

次の日

気分が乗らなかったという理由で部活に参加しなかった灰崎。その後を一人の少年が付けていた。

「・・おい!!お前さっきから何なんだよ!!」

いい加減に腹がたった灰崎が振り返る。そこにいたのは特徴的な髪型をした少年ーー稲森だ。

「・・なぁ灰崎・・なんでいつも一人でいるんだ?」

「お前には関係ないだろ・・」

「関係あるよ!!だって同じチームじゃないか!!」

突き放す灰崎に食い付いてくる稲森。

「・・ッチ・・うぜーんだよ!!」

あまりのしつこさに腹を立てボールをぶつける灰崎。その場に尻餅をつくもすぐに立ち上がり灰崎に食い付いてくる。

「・・なんでそんなに俺に構うんだよ!!」

「・・灰崎のサッカー寂しそうだったじゃないか!!」

影から練習を見ていた灰崎だが練習の後、裏山で一人ボールを蹴っていた。ただ見ているだけでは体が鈍る為だ。 稲森はその事を見ていたようだ。

「・・灰崎・・・分かってるだろ?サッカーは・・・」

 

「一定の範囲しか守らない?」

スタジアムについて準備体操をしている友紀に皆が前半の奇妙な動きについて報告する。

「・・あの灰崎って選手にはあんまりがっつかない方がいいかもしれない・・それと皆・・特訓を思い出せばきっと対抗できるよ!!」

 

 

 

 

選手交代

 

IN OUT

 

 

 

舞崎友紀 高咲優菜

 

 

友紀と優菜が交代し伊那国ボールで試合再開。

「・・特訓って言ったってよぉ!!」

再開と共に一気に攻め上がる灰崎。

「・・行かせないよ!!」

それを止めようと友紀が立ちはだかるもすぐに抜かれる。

「まだまだ!!」

すぐに三日月、大山が止めに向かうも抜かされる。

(・・ボクたちの動きと連携が完璧に把握されてる・・でもなんで・・)

灰崎の動きを、少し見ただけで雷門の動きを把握し動いていることに気付く友紀。初見のチーム相手に対抗する為にした特訓もこのままじゃ意味をなさない。

「・・本当は皆に答えを出して欲しかったんだけど・・FWは力のかけ方を意識!!MFは流れる試合の動きを見極めて!!DFは相手の動きをよくよんで!!」

友紀が、島での特訓の理由や目的を詳しく話さなかったのは自分自身で答えを導き出させる為、しかしここで負けてしまえばそれも意味がない。

「・・そういう事ッスか!!」

友紀の言葉を聞き大那が灰崎の前に立ちはだかる。

「『ザ・ウォール!!』」

必殺技で灰崎を止める大那。

(・・今灰崎君の動きが読まれましたね・・)

趙金雲が今のプレイが偶然でないことに気付く。

「三日月先輩!!」

大那が三日月にパス。しかし道成にあっさりと奪われ再び灰崎のもとへ。

「『アイスグランド!!』」

DFまで下がっていた友紀が奪い返し再び攻め上がる雷門。

(皆の動きが・・・まさか!!)

皆の動きが鈍い事に気付く友紀。伊那国のスタミナ減らし。それがここに来て効果を表し始めている。

(・・DFはかなり消耗が激しい・・すぐに交代しないと・・)

交代のために一度ボールを外に蹴りだす友紀。しかしそれを氷浦が止める。

(・・かなりあからさまなやり方ですが・・雷門の指揮はこれで機能しなくなりました・・)

前半、友紀がいない中奮戦した雷門。まさかそれが仇となり後半相手のペースに飲まれ始める。

「・・こうなったら・・皆!!確実に一点を取るよ!!」

試合を中断させようとしても無理。それならば一点を確実に取り試合を中断させる。そう考え攻め上がるも体力の消耗からかミスを連発する雷門。友紀の焦りとは裏腹にただ時間だけが過ぎていく。

「・・天宮!!」

「今度こそ・・『バウンドフレイム!!』」

友紀から天宮にパス。そのまま跳ねないバウンドフレイムでシュートを打つ。

「『マーメイド・ヴェール!!』」

しかしそれを海原がキャッチ。それと同時に試合終了の笛が鳴り響く。

 

「・・勝った・・」

始めての試合で勝利をおさめた伊那国。それを実感するにつれて皆の喜びが大きくなっていく。

「灰崎・・」

皆の輪に入らず一人遠くから傍観する灰崎に一人の少年が話し掛けてくる。

「キャプテン・・」

かつて灰崎がいた学校のサッカー部。そのキャプテンだ。

「・・今まですまなかった!!」

今まで勝手なことをしてきたことを謝る灰崎。

「・・いい試合だったな」

「・・ああ・・だってアイツらがいたんだからな」

サッカーは一人では出来ない。あの日稲森から言われた言葉を思い返す灰崎。あの頃の姿から考えられない今の灰崎。

「・・灰崎戻ってきたら一緒にサッカーしないか?」

「追い出しといてよく言うぜ・・まぁでもそれも悪くねぇな・・」

皮肉を言いながらも笑う灰崎。その姿を見ながら何かを考える友菜。

(・・勝者は笑い・・敗者は泣く・・さてこの子達がどう立ち直るか・・・)

笑いあう灰崎達とは裏腹に落ち込む雷門のメンバー。相手の策にまんまとはまり手も足も出なかった。

「・・・何が後一歩だよ・・全然遠いじゃねぇか!!」

 

その様子を控え室から11人の少女が見ていた。

「・・友紀ちゃん・・」

「・・これはやられたな・・あの友紀が気付かないなんて・・」

「友紀は気づいてたさ!!でも対策する為の頭が足りなかったってことさ」

「・・皆そろそろミーティング始めるよ。」

白い髪をした少女の言葉で皆がホワイトボードに向き合う。

 

 

一回戦に負けた私達。それぞれが強くならないといけない。この時皆の頭にはその事しか頭になかった。

 

だからこそ気づかなかった・・次の試合・・まさかあんな事になるなんて・・




ここだけの裏話なんですが・・

当初アレスの主人公の中で灰崎だけ出番なかったんです。
でもそれだと可哀想なので伊那国に入れました。
それがまさかの主役クラスに・・。ごめん稲森君・・。出番全部カットして・・







あ、灰崎がキーパーでスタメンしてたのはアニメと全く同じ理由です。書き忘れてました。
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