機動戦士ガンダムSEED 貫く意志   作:賢者

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俺ね…兄貴が大好きなんですよ…
ロックオンの兄貴が好きなんですよォォォ!



堕天した天使

俺ーレイ・キンジーは誘導されるがまま戦艦に入っていく。

 

俺はふと機体のバッテリ―残量を見た。

 

これでもかと言うほど減っているそれは改めて自分が人を殺したと言うことを確認させられる

ものだった。

 

「ウッ…ッ!」

 

吐き気を催すがこんな密閉空間で吐いてしまっては服が取り返しのつかないことに

なってしまうため何とか我慢しコックピットを下りた。

 

俺は親友の二人ー刹那・F・セイエイとアレルヤ・ハプティズムーの顔を横目で確認する。

 

彼らも心なしか顔が青いような気がする。

 

するとそんな俺たちの頭上から少ししわがれた声が降ってきた。

 

「君たちがそのMSをZAFTから守ってくれたパイロットかね?改めて礼を言おう…

ありがとう、これで首の皮一枚つながった」

 

上にいるのは初老の男とどこか和やかで家庭的な雰囲気を持つ男二人だった。

 

「私の名はリン・エドガー、隣の男はニール・ディランディ…今は地球連合の狙撃手の最高峰の

勲章であるロックオン・ストラトスとも呼べるな…まぁ好きに呼んでやってくれ」

 

「ヒドイっすよ艦長…俺の名はニール・ディランディ、ニール又は非常に不本意だがロックオン

とでも呼んでくれ」

 

この二人はとてもなじみやすそうな人たちでほっとした。

 

しかし三人は気を緩めることなく一番重要な質問をした。

 

「一応我々は民間人です。できればココの近辺にあるオーブのコロニーに下ろして

いただきたいのですが…」

 

しかし帰ってきたのは望まない…ある意味で予想通りの言葉だった。

 

「すまない、君たちは地球連合の機密の塊である通称『G』に乗ってしまっている…

一応がんばっては見るが君たちが軍属のパイロットになるのは間違いないだろう」

 

一応想定していた答えだったのである程度はショックを受けずに済んだ。

 

しかし自分の平穏が完全に崩れ去る答え…一番聞きたくない答えだった。

 

「やっぱり…そう、ですよね」

 

自身の思い出から親、近所にいた子供たち、他愛のない会話をしている主婦、自分のクラスの友達

教師…全員の顔が崩れ去っていくような感覚が全身を襲う。

 

そしてさっきの戦闘で経験した初めての人殺しの感覚も思い出し戻りかけていた吐き気が

またよみがえってきた。

 

「イグゥ…ッ!」

 

「大丈夫か!」 「レイ!」

 

二人も自分と同じくらい辛いはずなのに俺を気遣い支えてくれようとしている。

 

「良い友を持っているようだな…彼らは」 「えぇ…羨ましいです…」

 

俺は吐き気が収まるまでうずくまりもう一回顔を上げたときには周りに人がたくさん増えていた。

 

「大丈夫かい?」

 

「ハイ…何とか大丈夫です」

 

俺は覚束ない足取りで何とか立ち上がる。

 

立っていくにつれ色々なものが視界に収まってきた。

 

自分たちが載っていた機体が整備されているのか大きな声とともに次々と人員が機体に

群がっていく。

 

他にも俺たちを興味半分でのぞいてくるクルーなんかもいる。

 

「なんかここ…暖かいですね」

 

「そうだな…ここは暖かい、人のつながりがとても暖かい」

 

俺は少しでも体力を戻すべく壁にもたれようとする…しかし赤い光と警報音がそれを

許してはくれなかった。

 

「何なんだ!いったい何が‼」

 

「チィッこんな時に…すまないがもう一回君たちにはあれに乗ってもらう」

 

「何故ですか!ここには僕たちより訓練を積んだ兵士がいるでしょう!」

 

「今回は時間が無くてね…パイロットは君たちとここにいるニールだけなんだよ…

すまないな」

 

正に不幸の連鎖と言うものだろう。

 

またあの恐ろしい場所に戻ると考えただけで足がすくみ、手が震える。

 

「今回は殺す戦いではない…生かす戦いだ、それを忘れるなよ」

 

「分かってますって、行くぞ坊主ども!今回はただの時間稼ぎだ、敵を倒そうと考えるなよ!」

 

俺たちはまたあの機体へと乗り込む。

 

乗り込んだ瞬間、途轍もないプレッシャーが襲い掛かる。

 

今回は自分だけではなくこの艦のクルーの命も預かっている‥‥

 

そんな大任が自分に果たせるだろうか?もし自分が失敗すれば…

 

『俺たちがいる…お前が失敗しても俺たちがいる』

 

『そうだよレイ、君は一人じゃない…僕らだっているんだ』

 

『それを忘れちゃ生き残れる戦いも生き残れないぜ?坊主』

 

通信越しに三人の暖かいエールをもらう。

 

皆だって辛いんだ…俺が逃げようとしてどうする!

 

気合を入れ俺は前を見据える。

 

今回のそれは今までのどこか腑抜けていた瞳ではなく、炎のともったそんな決意の瞳だった。

 

「レイ・キンジ、イオフィル…出るよ‼‼」

 

飛び立っていった機体は最初よりも紫色のフレームの色を濃くして飛びだって行った…




次回は戦争屋との戦闘回だぜい

因みに今週修学旅行で投稿出来ないんであしからず
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