この鬼畜姫に祝福を!   作:パイン村

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このすばは性別逆転しても面白いんじゃないかという記事を読み、そしたらカズマは何て呼ばれるんだろうなと考えていたら鬼畜姫カズハという電波が飛んできていつの間にか書いてました。カズマ以外は元の性別のままの予定です。


第1話

 あれ、ここどこですか?

 

目を覚ますと、私は、駄々広い、なにもない空間にいました。某有名漫画の精神と◯の部屋のようです。

うん、とりあえず、こういう時は落ち着いて状況を整理しましょう。

 

 まず、私は佐藤カズハ、16歳、職業、一応、花の女子高生。...学校にはほとんどいってないですけど。世間では私の様な人間を引きこもりだの、ネトゲ廃人だの、言うらしいですが。

 

今日も確か、私は家でオンラインゲームに興じてたはずです。そう姫プレイで馬鹿どもからレアアイテムを...

あっ、そうです。たしか、その途中で今日が新作ゲームの発売日だと気づいて、私は珍しく外に出掛けたんでした。

 ...初回限定盤が店舗引き渡しのみって、何の嫌がらせなんでしょうか。転売ヤー対策なんでしょうけれども。

えっとそれからどうしたんでしたっけ?

なんだか靄がかかったようにうまく思い出せません。

私がなんとか記憶を思い出そうとしていると、急に目の前から鈴を転がしたような美しい声がしました。

 

「佐藤和葉さん、ようこそ死後の世界へ。あなたはついさきほど不幸にも亡くなりました。短い人生でしたがあなたの生は終わりを告げたのです」

 

 見ると、いつの間にか、目の前に小さな事務机と椅子があり、そこに、この世のものとは思えない美しさをもった、青い髪の女性が座っていました。もし、この世に女神がいるのならばこのような姿をしてるに違い...えっ私、死んだんですか!?

 

あー、なんか思い出してきました....。そうですゲームを買った帰りに....。たしか、トラックに引かれそうになった女の子を助けようとして...。そうか、それで、...らしくもないことを。

まあ、でもそれで誰かを助けられたというのなら悪くない気分です。

 

「どこのどなたかは存じ上げませんがひとつだけ聞いてもいいでしょうか?」

「いいわよ?」

 

女性は怪訝な顔をしながらも、私の言葉に快諾してくれます。どうしてもひとつだけ、絶対に聞かなければいけないことが私にはあったのでした。

 

「私が助けたあの子は無事ですか?」

 

 大切なことです。平凡で取り柄と言えば多少、運が良いぐらいの私が人生でもっとも輝けた瞬間なのです。これで助けられなかったというのなら死んでも死にきれません。

 

「生きていますよ。あなたが突き飛ばしたせいで多少怪我はしましたが」

 

 私はその言葉を聞いて心底安心しました。

そうか、そうですか、本当によかったです。

私の人生、色々あったけど最後に善行を積めました。この思いだけで私は満足...

 

「まあ、あなたがなにもしなければ怪我もしなかったんですけどね」

 

うん?今、何て言いました、この女神?

 

「えーと、よくわからないんですがどういうことです?」

「いえ、だからですね、本来ならあの子の目の前でとまったはずなんですよ、あのトラクター」

 

トラクター?!トラックじゃなくて?

 

「えっ、じゃあ私トラクターに耕されて死んだんですか!?」

「いいえ違いますよ、そもそもそんなスピードも出てませんし、しっかりとあなたの前で止まりましたよ。だってトラクターですもの。つまりあなたは英雄気取りで余計なことをしたんですよ...プークスクスクス!!」

 

笑いが押さえれないという風に青い髪の女性は口元を押さえいます。

ヤバイです、目の前の女を無性に殴りたくなってきました。人生で人の顔面をここまで破壊したいという思いに駈られたの初めてかもしれません。

私は沸き上がる思いをなんとか理性で押さえつけ、平静を保ちます。

思い返せば....たしか、あの日はネトゲ完徹3日目でかなり意識も朦朧としていましたし、トラックとトラクターを見間違えてもおかしくなかった気がします。

 

「...で、結局私はなんで死んだんでしょうか?」

「これがまた傑作でね!あなたの死因はショック死よ。トラックにひかれたと勘違いし、そのショックで心臓麻痺を起こして死んだのよ!私、この仕事長くやってるけどこんな無様な死にかたはじめてだわ!」

 

「・・・・」

 

あまりにもな死因に言葉がでません。というか人ってそんな簡単に死ぬんですか!?

 

「あなたはその恐怖から失禁。うーわー、同性として心底同情するわ。医者や看護士も最初はその姿を見て同情してたのだけど、死因を聞いて吹き出したわ。それでも懸命に処置を施したのだけどあなたは目を覚ますことなく...」

「もう、いいです。もう十分です!!」

 

私は、半分涙目になりながら彼女の言葉止めようとしますが、青い髪の悪魔はそんなことは知らないとばかりに言葉を続けます。

 

「今、あなたの家族が病院に...最初はあなたの死で涙を流していたけれど、死因を聞いて思わず吹き出したわ。特に弟さんは大爆笑よ。無理もないわね!」

「やめて、やめてください!というか、嘘ですよね、そんな情けない死に方あり得ないですよね!」

 

ほとんど泣き叫んでる私を見て彼女は嘲笑をうかべ見下ろすと、後ろにあった椅子に腰掛けます。

 

「...さーて、仕事のストレスも解消できたし、本題に入りましょう。はじめまして、佐藤和葉さん。私の名前はアクア、日本で若くして死んだ人間を導く女神よ」

 

...悪魔のまちがいではないでしょうか?まあ、状況を考えるに確かにこの人は女神なのかもしれません。しかし、絶対にろくな神様ではないでしょう。どんな死にかたであれ、死人に敬意を払わない神様とか絶対に崇めたくありません。

 

「さて、引きこもりでニートの貴女には二つの選択肢があるわ」

「言い過ぎでしょう!私はまあ、確かに引きこもりかもしれませんが一応、高校に在学してるのでニートではないです!訂正してください!」

「もう、いちいち口を挟まないでちょうだい。というかたいして変わらないでしょう」

 

変わります!ニートは存在自体が問題ですが女子高生は存在しているだけで許されるんです!

それに一応、将来は作家になってラノベで一山当てて、不労所得で一生遊んで暮らす予定なんです!

 

「なんだかとても世の中の作家をなめた思考を感じ取ったけど、まあいいわ。こほん、貴女には二つの選択肢があります。ひとつは天国にいくこと、もうひとつは記憶を消して転生し新たな人生を送るか」

 

 なんか、すごくざっくりとした説明ですね。このままホイホイ、適当にうなずくと、とんでもない契約を結ばされそうな気がします。

 

「とりあえず、まずひとつ。天国ってどんなとこなんですか?」

「あら、いい質問ね。じつは天国は貴女たちが思うようないいところではないの。テレビやゲームといった娯楽はなにもないし、死んでるから、食べることも、性欲を満たすこともできないわ。ただ毎日、ぼっーとして過ごすだけよ」

 

成る程、それは娯楽に満たされた現代っ子な私には辛いです。しかし、かといって記憶を消して生まれ変わるのも...。あの死にかただと思い残したことが多すぎます。

 

そうやって悩んでると自称女神の悪魔は

「わかる、わかるわ!こんな死にかたじゃあ、簡単に生まれ変わるなんて選べないわよね!そんな貴女にいい話があるの」

と笑顔で話しかけてきました。

 

とてもうさんくさいです。というか、選びにくい選択肢を示したあとにそれらよりましそうな選択肢を出すって詐欺の手法では...?やはりこの人、女神ではなく、悪魔か邪神の類いでは?

と私が疑っていると自称女神はこうきりだしました。

 

「貴女、ゲームは好きよね?」

 

確かにゲームは大好きですし、とりあえず話だけは聞いてみよう、無邪気な子供のように笑う彼女を見て、私はそう思いました。

 

 

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で、彼女の話をまとめるとこうらしいです。

 

曰く、地球とは別の異世界が存在するらしく、アクアは本来その世界の女神なのだとか。

 

で、その世界はいわゆる剣と魔法のファンタジー世界で、魔王によって滅亡の危機らしいです。

 

「まあ、そんなわけで人はバンバン死ぬ上、そんな危険な世界でまた暮らしたくないって、みんな他の世界に転生するもんだから人口は減る一方ってなわけで、人があり余ってる世界から来てもらおうってことになったのよ」

 

よくもまあ、こんなでたらめな移民計画をこの世界の神様たちは認めたものです。きっとこの世界の神々はよほどの阿呆か、外道に違いありません。

 

「やですよ。記憶があってもそんな危ない世界いきません」

「まあ落ち着いて聞きなさい。もちろんただそのまま転生させる訳じゃないわ。なんと特典があるの!その世界には貴女が望むものをなんでもひとつだけもっていけるの。こちらの世界のものや神々が持つ神器や能力、望むなら何でも持っていけるってわけ。これなら貴女でも簡単にその世界で生活できるでしょ」

 

成る程、悪くない話ですね。いえ、むしろ良いです。ゲームのような世界に行けるなんてゲーマーとしては胸が踊ります。しかもチート能力付きで、うまくやればこの世界よりもすばらしい生活をできる可能性もあります。

 

「どう、いい話でしょ。貴女は記憶を持ったまま、新たな人生が送れる、異世界の人にとっては即戦力になるひとがやってくる。しかも、魔王を倒せばなんでもひとつだけ願いをかなえることができるわ」

 

聞けば聞くほど、確かに素晴らしい話です。とはいえ、世の中どこに落とし穴があるかわかりません。うまい話ほど用心するべきです。

 

「その世界の言語などは大丈夫ですか?」

「大丈夫よ。そこはサービスで貴女の脳に負荷をかけ一瞬で習得できるわ。...たまに、失敗して頭がパーになることもあるけど」

 

成る程、言語習得で権利を喪失することはないのですか。

...うん?この自称女神、今なんていいました?

 

「...女神様、今なにかとてつもなく重要なことをいいませんでした?」

「いってない」

「いや、頭パーになるって確かに」

「いってない」

「いや、確かに言いました!」

「余計なことは気にしない!だから貴女は初恋の先輩を友達にとられるのよ!」

 

こ、この女、人のトラウマを...!いくらなんでもいっていいことと悪いことがあるでしょう!

と、私から殺気を感じたのかアクアは一冊の本を私に投げ渡しました。読んでみるとどうやら、それは神器や能力のカタログのようでした。

 

「はい、それ見て決めなさい。早くしてね」

 

そこには、『なんにでも変身できる杖』『時間停止能力』『あらゆる邪を祓う伝説の聖剣』といった物語の主人公が持つような能力やアイテムが並んでいました。私はそれらの力や道具で活躍する自分の姿を思い浮かべながら頁をめくりました。

 

いやー、目移りしちゃいますね、どれも凄いものばかりですし。しかし、やはりここは時間をかけてでも自分に合ったものを...。

 

「ねー、早くしてんくんないー。私も忙しいのよね。ぶっちゃけ、貴女みたいな、引きこもりのニートにはなにも期待してないからさっさと選んでよね。こっちもノルマがあるのよ。早く終わらして次の魂を導かないといけないの」

足をぶらぶらさせながら心底めんどくさそうに女神は言い放ちます。

なんでしょう、この女神は。なぜ、初対面の人間にここまで失礼なまねができるのでしょうか。絶対に何らかの手段でいつか報復してやります。というか、今この場で殴ってやりましょうか。

 

いや、まってください。なんでもいいなら...

 

その時、私の脳裏にあるアイデアが浮かびます。もしかして、と思い私は女神に問いかけます。

 

「女神様、私が望むものなら何でも異世界に持っていけて()()できるのですね?」

 

「ええ、そうよ。その本に載ってなくても私が用意できる範囲であれば何でも用意するわ」

 

 なるほど、なるほど、なんでも所有できると。おそらく、思った通りのことができると確信し、私はつい笑みをこぼします。

それならば...

 

「なら、決めました。私がほしいのは貴女です」

 

「そう、わかったわ、じゃあその魔法陣にはいって登録をして....いま、なんていったの?」

「聞こえなかったんですか?貴女がほしいといったんです、女神あらため、下僕1号」

 

私はとびっきりの笑顔で、女神、否、下僕一号に、そう告げてあげました。

 

下僕1号は私の言葉にしばし茫然とし、しばらくすると自分のおかれた現状に気づいたようで、盛大に泣きわめき始めました。

 

「ちょっ、そんなの無効よ、無効!無理に決まってるでしょ、ってなんか魔法陣光ってるですけど!え、いいの、私、仮にも女神なんですけど!」

 

そんな、下僕1号の悲痛な叫びもむなしく、魔法陣の光は強まります。それと共に背中に翼の生えた金髪の女性が現れます。いわゆる天使というものでしょうか。

 

「佐藤カズハさん、貴女の申請は受理されました。女神アクアは魔王が討伐されるまで、貴女の所有物となります。」

「えっ、ちょっと待って!私、女神よ、女神!なんか手に服従のスペルが刻まれてるんですけど!」

「観念しなさい、下僕1号。これから私が死ぬまでこきつかってあげますから」

 

下僕1号は私の顔をみるなり、涙を浮かべ魔法陣からでようと必死に暴れ始めました。

 

「ちょっ、助けて、この子ヤバイわ!私のこと本気でもう物としか見てないわ!目がヤバイもの!いやぁぁぁ、女神から奴隷って洒落にならないって!」

 

しかし、抵抗むなしく下僕1号は魔法陣からでることはできません。

金髪の天使さんはあわれみに満ちた表情をして彼女にこう告げます。

 

「...きまりですのでわたしにはどうしようも。...とにかく!魔王が討伐されたさいにはお迎えにあがりますので....その...頑張って下さい...。それまでの間、アクアさまのお仕事は私の方で代行いたしますので」

 

下僕1号は絶望のあまり、もはや声もでないようでした。あー、すっきりしました、これで気持ちよく新生活が始められます。

何故か天使さんが悪魔を見るような表情でこちらを見てますが、気にしません。私は、この人がくれた権利を行使したたげですもん。

と、そのとき、魔法陣が一層強く光輝き私達は白い光に包まれました。

 

 




カズハさんは性別が女性な分、原作以上に女性に容赦ないという設定です。
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