この鬼畜姫に祝福を!   作:パイン村

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暁先生、けのものみちアニメ化決定おめでとうございます。


第3話

「おーし、ご苦労さん。今日はここまでだ!日当だ、よくがんばったな」

「ありがとうございます!親方、お疲れさまです!」

「ですっ!」

 

 今日もよく働きました、今や私も立派な労働者です。

引きこもりだった頃からは信じられません。お父さん、お母さん、あなた達の娘は立派になりましたよ...。

 

私とアクアは日当を手に、大衆浴場へ向かいます。

この世界はガスや電気はないですが上下水道は整っており、日本の銭湯とかわりなくお風呂が楽しめます。

ファンタジー世界では贅沢品だと思ってたので助かりました。乙女には毎日のお風呂は欠かせませんからね。日本と比べると若干割高ですが。

 

「生き返るわねえ」

「そうですねえ」

 

 そうして、仕事の疲れをアクアと湯船で癒します。浴場からでると晩御飯の時間です。ギルドの酒場で定食を食べ、寝床である馬小屋で馬糞のない藁で寝床を…

 

あれ...?

 

「じゃあ、おやすみなさい、カズハ」

「お休みじゃないです!アクア!」

「うるせー!静かに寝ろ!」

 

 隣の部屋から怒号が響く、どうやら起こしてしまったようです。

 

「ああ、すみません!」

 

 急いで私は謝ります。そんな私を見てアクアは心底眠そうに

「ほら、大声出すから怒られたじゃない、明日も早いんだから早く寝ましょ?」

「いや、寝ませんよ。そんなことよりもなんで私たち労働者やってるんですか?魔王倒すために冒険者になったんでしょ」

 

 私たちは、冒険者になったあの日から二週間ちかくずっとギルドで紹介された街の土木工事に従事していました。

とても女の子がする仕事ではないですが、紹介された他の売り子などの仕事は、畑からサンマもってこいと訳のわからないこと言われたり、アクアが商品をだめにして、クビになりました。

そんな私たちに残った仕事は最底辺の土木工事作業員だけだったのです。

 

何をどうすれば売り物のお酒がただの水になるんですかね..。

 

「生きるためにはお金が必要なんだから、働くのはあたり...って魔王倒さないと私帰れないじゃない」

 

 最近、労働者生活に馴染みまくってたので諦めたのかと思ってましたが...本気で忘れてたんですね。本当に女神なんでしょうか、この子。

 

 

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 さて、駆け出し冒険者の生活は貧乏きわまりないです。

所詮、冒険者なんてギルドから仕事を斡旋される日雇い労働者でしかなく。

当然、安定した収入などあるわけがありません。宿も部屋を借りるお金がないので馬小屋を貸してもらって藁の上で寝るしかない、それが冒険者という職業の実情なのでした。

 

基本的に食いつめた農村の末っ子が仕方なくなるような職業だそうで、私のように喜んでなるのは珍しいんだそうです。

 

ちなみに、あの女の子から初日にもらったお金も異世界料理だー!、と調子にのってギルドの酒場で使いすぎその日のうちに底をつきました。

...いや、お金なんてクエストで簡単に稼げると思っていたんです。

でも、その考えは間違いだとすぐに思い知らされました。

なぜなら、冒険で稼ごうにも、簡単な薬草採取や街の近くのモンスター退治なんて駆け出しむけのクエストなんてひとつもなかったのです。

この街の周りのモンスターなんてとっくに駆除されて平和そのもの。街の外で普通に子供が遊ぶレベルです。そりゃあ、危ないモンスターがいればさっさと駆除しますよね。

ゲームのようにモンスターを倒せばお金を落としてくれるなんていう美味しい話も存在しません。

しかも、この世界には労働基準法も最低賃金もありません、どれだけの悪条件、低賃金でも誰も助けてくれないのです。

 

「このままだと私たち一生労働者で終わりですよ。というか、魔王は?この世界は滅亡の危機にあるんじゃなかったんですか?」

「こんな、駆け出ししかいない街、わざわざ襲いに来るわけないじゃない。しかも、この街、魔王の城からも一番遠いのだし。だから、転生先のスタート地点に選んだのよ。いきなり魔王城の目の前とか嫌でしょ?カズハ、冒険をしたいのはわかるけど、ろくな装備もないのよ、私たち」

 

 アクアに正論を吐かれました。超絶、悔しいですが反論できません。

しかし、そうです私たちは最低限の装備を手にいれるため労働に勤しんでいたのでした。

 

「でも、そうね。このままだとカズハの言うとおりだわ。いいわ、明日は少し遠出してモンスター退治にいきましょう!大丈夫よ、女神である私がいるんだもの!あっという間に終わるわ!」

 

アクアの自信たっぷりの姿を見ると凄く不安になりますが、この子も一応は女神、きっとなんとかなるはず。

 

「では、明日はたまったお金で最低限の装備を買ってクエストです!」

「任せてちょうだい!」

 

「うるせー!さっさと寝ろ!」

 

「「すみません!」」

 

 私は、他の宿泊者に謝りながら、明日のことを考えワクワクしながら眠りにつきました。一体どんな胸踊るような、冒険が待っているのでしょう!

 

そう、明日、明日から私のほんとうの冒険が始まるのです!

 

 




カズハさんはきっと、まだ中二病から卒業できてない。
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