新勇者バーバラの冒険 未熟時代の外伝置き場   作:ランスロス・マッキ

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自由都市

 自由都市地帯のCITYという町は稼ぐのに向いている。一代で財を為したコパ帝国総帥コパンドン・ドットが築いたこの町は、経歴不明でも実力と金次第で稼げる仕事が舞い込んでくる。

 一方、仕事を果たせないものにはシビアだ。昨日も失敗した新米冒険者のバーバラは、武器の新調すらままならない生活を強いられていた。

 現在は自らの冒険者ギルドの主であるキースに、いつものように失敗の報告と楽な仕事のおねだりをしている。

 

「キースさん、命の危険がなくて、お金がたくさん貰えて、すごい楽な依頼ってある?」

「普段はないんだが……あるぞ。主にお前さんのような、可愛い女の子だけのな」

「ホント!? 今回はそれでお願いします!」

 

 目の色を変えて前のめりになったバーバラに、キースはカメラを取り出して、依頼について語り始めた。

 

「視察目的で撮影してくれって依頼だ。こいつを一人で携帯して撮るだけでいいぞ。

最初の1枚だけでも5000gold、追加もガンガン出る。指定場所は翔竜山だがな」

「値段は凄いけど、魔王軍の本拠地とか世界一の危険地帯でしょ……無理無理無理!」

「配下の魔物は美女、美少女なら殺さないように厳命されているそうだ。むしろ野良魔物に襲われていたら『保護』しろだとか。お前さんなら、命の危険は少ないだろ。貞操は知らんがな」

「魔王に犯されろって言ってるでしょ!?」

 

 スカートを押さえてすっかり及び腰のバーバラに、キースは淡々と彼女の選択肢を挙げていく。

 

「捕まらなきゃ問題ない。逃げ足には自信あるんだろ?

さっきの条件に全部当てはまるのはこれだけだな。安全なら蜂の素の駆除とかあるぞ。

金なら魔物、盗賊退治や荷駄の護衛だな」

「うぅ……どれもやりたくない仕事だよぉ……」

 

 頭を抱えてバーバラは悩み始めた。彼女の冒険者としての欠点は仕事を選びすぎることだ。

 剣や魔法が使えるので冒険者になったが、基本的に戦いたがらない。自分が危ないという状況を徹底的に避けようとしている。

 戦闘になっても範囲魔法を打ち込み、ハニーには不意打ちで切りかかり、即逃げるだけ。

 不意打ちと逃走以外はからっきしの上に根気無しだから、戦闘以外の仕事も上手くいかない。

 新米冒険者のここ半年の繰り返しに、キースは変化させるキッカケが欲しいと考えていた。それ故に、わざと今回は彼女にとって無茶な依頼を見せていた。

 

(地に足のついた仕事か、冒険者としての仕事か、護衛ぐらいはやってくれるようにならんとな)

 

 バーバラとしても、ここ最近の失敗続きでgoldは乏しい。写真一枚撮るだけで5000とは破格だ

 そろそろ地道な仕事をするか、一発実りのいい仕事をしなければならない。しかし――

 

(あ……ある、出来るかも!)

 

 堂々巡りの思考の中で、解決策を閃いたバーバラは胸を張って答えを告げた。

 

「翔竜山の方を受けるわ。バシッといいの撮ってきちゃうから!」

「…………お前さんがそっちを取るとは思ってなかったよ。重ねて言うが、危険だぞ。野良魔物だって弱い地域じゃないんだ」

「逃げ足には自信があるから大丈夫、多分……それより、うし車の高速便をお願いしていい?」

 

 キースが持ち出した依頼ではあったが、実際に受けられると悪い気がして、成功率の低い冒険者に対する前払いを同意してしまった。

 

「写真が来た時点で元は取れるからいいぞ。ゼスと西ヘルマン、どっちから行くんだ」

「西ヘルマンのランクバウ行きで、故郷の方がやりやすいから」

「3時間後に俺が走らせてる便が出る。俺から話つけといてやるよ、ついでに食費をほんのちょっとだけ渡しておこう。」

「キースさん、ありがとう!」

「あ、あぁ……気をつけろよ、達成しても最後まで気を抜くなよ」

 

 ウエーブのかかった金色の髪を揺らして笑顔でお礼を言う姿は、掛け値なしの美少女だ。

キースはつい気圧されて、らしくないお節介な言葉でバーバラを見送った。

 

 キースギルドを去ったバーバラは、長距離遠征の準備を進める。

 保存の効く糧食、水、手持ちの武器の簡易の手入れ、自分の出来る準備をしている内に、出立の時刻が迫り、うしが停泊所に繋がれていく。

 

「さーて、ペルエレねーさんに会いに行こう!」

 

 気合十分、バーバラは勢いよくうし車に乗り込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 うし車はアウトバーンを抜ける道すがら、半日程の休憩をシャングリラで取る。

 その休憩時間で、バーバラは初めて訪れる都市を観光していた。中心街から少し外れたところを歩くと、目を引く一団が騒いでいる。

 

「長田君、ありがとー! お別れするの寂しいよー! 寂しいよー!」

「うわーーーん、俺もーーー! ナギさーん! びえーーん!」

「うぅ……お姉ちゃんだって我慢してるのにぃ……」

 

 幼女のような背丈の亜人から、存在だけで威圧感を感じさせる大男がいるパーティが、皆別れを惜しんでいた。

 

「う、ううううう…………やだやだやだー! ボクはもうお姉ちゃんとここでずっと暮らすー!」

 

 茶髪の少女が、カラーの幼女に熱烈に抱き着いた。

 

「にゃにゃにゃにゃあー!? エールちゃん、気持ちは分かるけど落ち着いて。お母さんに顔見せに行くんでしょ?」

「それならボクと一緒に母さんのところまで行こ?お姉ちゃんの無い生活なんて考えられない。死んじゃう」

 

 カラーの女の子を、抱きしめたまま持ち上げて――物凄い速さで一団から離れてこちらに来る。

「あっ、あっ、あっ、力強い!連れ去れられるー!」

「エールを止めないと! せっかくの雰囲気がぶち壊しだよ、もー!」

 

 一団はエールと呼ばれた少女を追うように、バーバラの横を駆け抜けて竜巻のように去っていく。どたばたと、ぎゃあぎゃあと騒がしく――それでも、心から冒険を楽しんできたと分かるパーティだった。

 

「さっすが国際共同都市シャングリラねー……人間、カラーはともかく、ポピンズやハニーまでパーティ組んでるなんて、種族のデパートって感じがする」

 

 この上なく幸せな旅の終わりを横に見つつ、バーバラの冒険は始まる。




 うーん、拙い。
 でも残しておく。半分交換。

アンケート機能テスト。このまま再構成版turn0を見たい?

  • 書いてるのなら見せてくれ。
  • 別に要らない。勝手にやってて。
  • いつまで更新止めてんだ。本編進めろ。
  • 再構成なんかよりエロを書け。エロはよ。
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