新勇者バーバラの冒険 未熟時代の外伝置き場 作:ランスロス・マッキ
リセットが異界であるスチールホラーに飛ばされた一方で、エール達はサウルスモールに飛ばされていた。
異界サウルスモール。スチールホラーの世界を現代の地球とするならば、サウルスモールは白亜紀の地球に近い。温暖で熱帯な気候。木々が栄えて動物にとっての食糧が豊富。そしてヒエラルキーの頂点に立つ恐竜たち。どれもこれも好戦的で、弱肉強食の原始的な世界にエール達は放り込また。
飛ばされた場所は本物のジュラシックパークという表現が妥当だろうか。中心に活火山があり、それを囲むようにジャングルや入り江、森林や平野と行った様々な地形がある大きな島だ。
恐竜達は手頃で美味そうな食料が来たとエール達に殺到した。ただし、魔王の子は食われる側にはならない。むしろ一方的にこちらが食う側だった。
「ぐわっはははははははは! 弱い! 弱すぎるぞお前ら! 数が多いだけか!」
元就は恐竜ヴェロキラプトルの群れと戦っていた。これらの体長2メートル程度の細長い恐竜は俊敏さが売りだ。素早い動きで飛び掛かって、相手の急所を長く鋭い爪や牙で突き刺して狩る。自分より大型の恐竜に飛び掛かる好戦性を持つ。
「ぐぅっ、ククク……数だけは本当にあるな! 食いきれんわ!」
既に元就の身体にはいくつもの傷跡が刻まれていた。背中と腹、四肢の傷は勿論、耳に至っては削げている。それでも全く止まらない。意に介さずに次の敵、次の獲物へと向かって身の丈を越える刀を振り下ろして屍の山を築いていく。
「良いぞ! どいつもこいつも敵意に満ちていてたまらない! 血が滾るぞ! はぁっ!」
「ギィィィィィッ」
防御を考えない捨て身の一撃、豪快そのものの一振りで恐竜が5.6匹まとめて抉り取られる。振りが大きく、無防備な背中を切り裂かれたが問題は無い。返す刀で他の恐竜もまとめて斬り飛ばした。傷だらけになりながらも、より多くの敵を素早く殺す。不死の元就だからこそ可能な戦法だ。
「どうしたどうした! あれだけ寄ってたかってもうお仕舞か! 弱すぎるわ!」
元就の周りにいた恐竜は、気づけば悉くが屍となっていた。そこに、疾風のように動く影がまた一つ。元就は気配を察知して斬りかかる。
「死ねええええええええー!」
「おっとっと!」
金属音と共に、今日初めて斬撃を止められた。相手は両腕のグローブを重ねて真っ向から刀を止めている。元就は腹違いの妹、レリコフ・ヘルマンに斬りかかっていた。
「レリコフか! どうしてこっちに来た!」
「にーちゃん。こっちも終わったよー」
斬りかかられた事を全く気にせず、笑顔のままレリコフは答えた。彼女のグローブには恐竜の体液が付着しており、恐らくは拳で元就と同じような事をしていたと察せられる。
「そうか、お前もか! ならオレについてこい!」
「分かった! どこ行くの、にーちゃん!」
「あっちに敵がいる気がするぞ! あっちに行くぞ!」
そうして元就は島の平野を指さした。こちらも恐竜がそこかしこで見え、騒ぎを起こせば囲まれそうな場所だった。
「ここはいいな! 戦がどこにでもある! 妹の母君には感謝しないとな! カカカカカ!」
「異界って楽しいね!アハハハハハ!」
ミラクルの指示は島の一角の敵意のありそうな恐竜を遠ざけろという内容だった。しかし先に潰したところも、今向かっている地域も指定している場所からかなり遠くに離れている。平野に近づくにすれ、威嚇の声や敵意を向ける恐竜が増えてきた。
「ククク……いるぞいるぞ。ウヨウヨ戦を求める馬鹿者がたっぷりだ」
平野は先ほどの恐竜より若干大きくたくましい恐竜たちの縄張りだった。プロトケラトプスという有角の草食恐竜で、どちらかというと縄張りから追い出す為に戦う。
去れば何事もなかったが、元就にとっては今敵意を向けられている事に違いははない。分かりやすく敵だ。元就は剣を構えて恐竜の前へ飛び出した。
「いくぞ妹よ、戦の時間だ! 毛利が跡継ぎ! 毛利元就! 血飛沫に嗤わせてもらう!」
「わーい! 行っきまーーーーーーーーーす!!!」
魔王の子一の馬鹿とアホは、当初の目的を半ば忘れて恐竜退治に夢中になっていた。
弱肉強食の世界で群れているという事は、自分達より強い存在がいることに他ならない。サウルスモールの世界での真の強者とは孤独なものだ。今エール達が戦っているのはこの島における最強の存在だった。一体だからこそ、その威容に圧倒される。
「ひ、ひぃーっ! ドラゴンにもこんな大きいの見たことねえよぉ!」
「ガアアアアアアアアアアッ!」
「あんっ」
恐竜が雄叫びを放つだけで、近くにいた長田が割れた。大きいドラゴンでも全長は5m程だが、この恐竜は10mを裕に超えている。口の大きさだけでも人間を丸飲みに出来るだろう。
「ティラノサウルス……また戦う事になるとはね……」
ベテラン魔法使い、魔想志津香が呟いた。ヘルマン革命時にこの恐竜とランス一行は遭遇し、半壊しながらもなんとか倒した存在だった。今回の恐竜は、その時よりもさらに一回り大きい。
「私達は退がるわよ。前衛組が足を止めてくれないと肉薄されて壊滅させられる」
「頑張ってね、ウズメ、ヒーロー!」
魔想姉妹は経験から射程外まで退却した。生半可な魔法を打つだけでは有効打にならない。その機動力と突進を止められず、初遭遇時は尾の薙ぎ払いで後衛のほとんどが行動不能に陥った。
「こんな大きいの、オイラ達だけじゃ無理だよー!」
「ではウズメがその分増えるでござる。ににんにん。分身の術!」
そう言うと、煙と共にウズメが12体に増えた。全てのウズメは取り囲むようにティラノサウルスに肉薄する。この恐竜は素早いが、巨体な分動きは分かりやすい。襲い掛かってくる恐竜の攻撃をひらり、ひらりと躱していき一人も当たらない。
「ギイイイイイッ」
「残念。そっちは分身でござる」
ようやくティラノサウルスの歯がウズメの一体を捉えた。だが噛んだはずの肉の感触はなく、代わりに小さな爆発が口の中であった。そして全周から投げ込まれるクナイ。大した痛みなどはないが、苛立ちは増した。
ティラノサウルスはその場のウズメ全てを巻き込むように、勢いをつけて尾を振り払った。体重移動と共に行われたフルスイングの薙ぎ払いは、11体もいたウズメ全てを巻き込んだ。
「――――ま、全部分身でござるが」
本人は最初の分身の時点で退避していた。全ての分身が恐竜をおちょくり、頭に血を昇らせる為の囮だった。盛大に尾を振り切ったティラノサウルスは体の戻しの為に動けず棒立ちになる。ウズメがそこを機として投げた忍者刀は、恐竜の右目に突き刺さった。
「ギャアアアアアアッ!?」
いかに硬い表皮で覆われていようが、目を開けていては保護出来ない。右目の視界を奪われた。その上、予想外のところの攻撃に怯んでのけ反っている。
「……ん、今ね。行くわよナギ」
「了解! 今回は私からだー! スクリューマーブル!」
そこに魔想姉妹の必殺技が襲った。狙いは堅い腹や頭ではなく、後ろ足。白色黒色両方を混ぜて貫通に特化させた破壊光線は、恐竜の巨大な足に風穴を開けるには十分だった。
「ギュオォォッ……!?」
「ちぃ……倒れないか」
大きくティラノサウルスはのけぞり、脚の負担が増えたタイミングで脚を削られた。それでも機能としては多少は残っているらしく、自身の崩れを何とか戻そうとしてる。
「え、えーーーい!!」
そこにこの中でとびぬけて再重量、820kgのドラゴンカラーであるヒーローが懇親のタックルをぶちかました。風穴を開けた穴に潜り込むように。
「オ、オオオオオォォッ……」
「ナイスだヒーロー! すげぇ! 倒れるぞー!」
開けた傷跡を抉られる痛みとヒーローの重みから、遂にティラノサウルスは倒れ込んだ。轟音と砂煙が巻き上がる。これで頭や心臓といった急所から届かない位置だったものが射程に届く。そうなれば、魔王の子随一の瞬間火力の持ち主の出番だ。
「これで後は決まりでしょ」
「やっちゃえ相棒!」
既にエールは跳躍している。落下先はティラノサウルスの頭上。聖刀日光を上段に構えて、その刀は白い光を帯びている。神魔法を剣に乗せて衝撃波をぶちかます理屈不明の大技。魔王の子の一人、エール・モフスだけが使える必殺技が放たれようとしていた。
「
「ガァッ――――」
轟音と共に、エールの必殺技がティラノサウルスの頭部を粉砕した。この島の最強だった存在は、一瞬だけびくりと身体を動かして動かなくなる。
光が満ち、白い粒子が漂う。これはエールの衝撃波の後に続く効果だ。エールにとっての敵以外の傷が多少だが癒える。ザンスも乱義もオリジナルの必殺技が使えるという対抗心から産み出されたこの技は、優しい力に溢れていた。
「相変わらず俺の相棒すげーな……あんな化け物を一撃かよ……」
「主君どの! ちょーかっこよかったでござるよ!」
戦いが終わりエールの元へパーティが駆け寄っていく。しかしエールに気の緩みはない。むしろ必死に、何かを求めるように焦っていた。
「……次は? 次の敵はどこ?」
「この島にいる大型恐竜は、このティラノサウルスが最後でしょうね。渡された地図でも今のが最後だったし」
「そう。じゃあ行こう、すぐ行こう!」
志津香の答えを聞くや否や、エールは駆け出した。
「リセットがご褒美になると、あんなに真面目なキリングマシーンと化すんだねー……」
苦笑いしながら、ナギはこれまでの経緯を振り返る。
エール達が目を覚ました時、一枚の紙とマップがエールの手の中に握られていた。ミラクルの指示書だ。ザンス達はおつかいで、エール達は掃除。そこでリセットの誕生日会をするから、大物の恐竜と近くの邪魔者を退治してくれという内容だった。
エールは今日、初めて本気でリーダーとしての務めを果たした。近くの退治と大物を二つの班に分け、元就とレリコフに委任。残りの恐竜討伐隊は縦横無尽に島内を駆け巡り、全ての恐竜を黙らせていった。
普段は適当にやってる悪戯娘が、遊びを一切排除して目的を遂行していた。冒険のベテランである志津香達から見ても適格で、文句のつけどころがない。後始末を志津香達にお願いする事まで完璧だった。
「さて、私達はこれからレリコフと元就を捕まえなきゃね」
「エールの指示だもんねー、あの二人は今どこにいるやらっと……」
持たせたマジックアイテムによって魔想姉妹は二人の位置が分かる。マジックアイテムの位置と座標をマップと睨めっこするとどこにいるかが見えてきた。
「………これ、どう考えても火口なんだけど」
島内中心点、活火山の中にトラブルメイカー達はいる。
茶髪の少女は自分が目を覚ました場所に戻ってきていた。この砂浜がゲートコネクトが来る地点という事になっている。後は姉がこっちに来るのを待てばいい。
ここに戻ってくる時は全力疾走だった。恐竜退治の時も、リーダーとしての行動時も駆け回っていた。少しでも早くリセットに会いたい。その思いからエールは頑張っていた。後はここでリセットを待つだけだ。
日か傾き光が海にかかる頃、ようやく長田が戻ってきた。エールはずっと砂浜が一望出来るところに座っている。
「エール、早すぎ……うわっ、お前凄い汗かいたろ!」
温暖で湿度の高い地域で走り回っていればそうなる。本人もコートを脱いだからわかるが、若干だが脇のあたりが湿っている、下地のシャツは汗を吸い込み切ってびしょ濡れに違いない。湿度が高すぎて乾く事すらなかった。
「俺の水の分全部やるよー。ホント今日頑張ってたからな。脱水症状も怖いし飲んどけ飲んどけ!」
長田は水筒を差しだした。何も言わずにエールは水筒を手に取る。エールの目は据わっている。
「エ、エール……?」
立ち上がり、ごっきゅごっきゅと全ての水を飲み干し、水筒を投げ捨て――――長田を割った。 そして海に向かって吠える。
「ミラクルおばさんの、ばーーーーーーーーーーーか!」
エールは激怒した。必ずかの邪知暴虐なミラクルを除かねばならぬと決意した。エールには異界の理屈はわからぬ。けれども姉のリセットに対しては人一倍に敏感であった。姉の誕生日を祝いたいと言ったら姉と別れさせて修行をさせられた。
「呆れたおばさんだー! 殺してやるー!」
これが人のやる事か。そっちが嫌がらせをするのなら考えがあるぞ。魔王退治なんてやめてやる。エールは魔剣カオスを地面に叩きつけて地団駄を踏むように蹴りつけた。
「ぐびゃっ!? ぐげっ!? ほげっ!? なんで蹴る!?」
「オーナーの気分。むかついたから!」
魔剣カオス、元は人間だった喋る剣だ。世界に二つしかない魔人を斬れる剣だが、エールはもう片方である聖刀日光を使うので、サブ武器兼八つ当たりの道具に堕ちていた。
「日光は一切蹴らないだろ! なんで儂にだけ当たるんじゃー!」
「ボクを貧乳って貶したからだよ! 魔王退治に必要じゃなかったら叩き折りたかった!」
「理不尽な―! 事実はどうしようもないだろ! ぐえええええーーー!」
エールがカオスに叩きつけるものが靴から聖刀日光に変わった。この娘は自分の身体そのものには自信があるが、貧乳と指摘されるとキレる。ザンスと出会った時も貧乳を弄られ、頭に矢を刺してやると言い放ち、二人の関係性は暫く険悪であった。
「も、もうやめて。これ以上は儂折れちゃう……」
「丁度いいや。もう魔王退治を辞めようと思ってるんだ。折れたカオスを投げつけてやる!」
「やめろー!エール、ストップ、ストーップだ! ぎゃーっ!」
復活した長田がエールとカオスの間に入り込んだ。当然、割られた。即座に復活してまた割られた。3回同じことを繰り返して、やっとエールは止まった。
「こ、今回は俺も譲る気はないぜ……!友達が間違ってる時は止めるのが真の友情ってもんなんだ」
「ボクのどこが間違ってるの?」
「まだ日は昇ってるだろ!? 俺の常識では友達の誕生日会ってのは夜やるもんだぜ!」
「………………!?」
長田は盛大な嘘をかました。昼だろうが夜だろうが祝う時は祝う。ただし、田舎者であったエールに判別する手段はない。常識と言われると、それが正しい事のように感じられてしまう。
「そ、そうなの?」
「おうともよ! 俺の曇りのない目を見てくれ!」
長田の目は節穴だ。当然ながら陶器の黒い裏側しか見えない。だけどそこまで言われて、エールの怒りは少し収まった。
「ま、まぁ……長田君がそこまで言うならもう少し待ってみるよ」
「おう! 俺も一緒にいるからなー……っておい!」
砂浜に、突如怪しげな階段と扉が出現した。エール達にとっては最早見慣れたもの。異界ゲート、ミラクルだけが使えるゲートコネクトだ。
「行こう!」
「おうともよ!」
疾風の如く扉の前に向かう二人。ゲートから最初に降りて来た人はエールの母親、クルックーだった。チルディ、パステル、その他見た事の無い大人達が、次々とゲートからサウルスモールに降り立っていく。
「……母さん?」
「ああエール。修行頑張ってるみたいですね、母は嬉しいですよ。……でも、少し頑張りすぎたみたいですね、お風呂に入りましょうか」
「どうやって入るの。この世界にはお風呂なんてないよ?」
「持ってきました。魔法ハウスDX」
そう言って、クルックーは掌大の家の模型を取り出した。砂浜から少し離れた地面に置くと、どんどん大きくなり実物大のサイズになる。金持ちのプライベートビーチと言われても遜色ない、豪勢なものが熱帯世界に顕現した。
「すげー! 豪邸が一瞬にして出来た!」
「普通の家サイズのものなら、ゼスだけでも30個程はありますよ」
大して意に介さず、クルックーと大人達は入っていく。エールも母親に引っ張られて、個室浴槽へと突っ込まれた。
「リセットさんを祝うんでしょう? じゃあ身体綺麗にしてからいかないと」
「う、うん……」
「あ、じゃあ俺も適当に休んでるっす。エール、後でなー!」
破天荒な悪戯娘だが、母親の前では借りてきた猫のように大人しく素直だ。久しぶりに身体を洗い、長い髪の毛を手入れして、私服に袖を通す。そうやって清潔になってから母親の前に戻った。
「うん、よろしい。それじゃあ料理を作るのを手伝いましょうか」
「……ボクはそんな得意じゃないの、知ってるでしょ」
ついと、エールは目を逸らした。
「料理は祝う側が用意するものです。そうして作った方が祝われる側も嬉しいですよ。それに、女の子がいつまでも苦手とそのままにするんじゃありません。冒険中に結構やったでしょう?」
「うっ……それは……」
冒険出発当日に長田が加わり、翌日にはロッキーが加わり、エールはそもそも食事に苦労する機会がない。冒険は様々な成長を彼女にもたらしたが、胸のサイズと女の子的なスキルに関しては、皆無だった。母の引っ張る手は力強い。大概の事には自信満々な少女だが、弱みと分かり切っているものを晒すのは好きではない。エールは観念するしか無かった。
エール達が向かった厨房は戦場だった。
「うどんと聞いてたけどなんで卵を出さないの!? これで何を作れって言うのよ!?」
「普通にうどんだけど? 小麦粉を揉んで伸ばして切って茹でれば具を入れて完成。簡単でしょ?」
世界一の料理人と医者が言い争っている。料理人は得体の知れない白い粉を使ってうどんを作れと無茶振りをされていた。いずれ埋まるだろうが、異世界との認識のズレとの戦いとなっている。
「ミックス、そっちは終わったんだ」
「あ、エール。こっちもお疲れ。リセットは異界で待たされてるわよ。こっちの準備が完了してから呼ぶって」
こちらを一瞬見るだけで矢継ぎ早に支持を飛ばしていく黒衣で白衣の少女。エールは助け船が欲しかったが、忙しさから見て無理そうだった。
「この飴細工は……粘性から使える部分もありますが、強度が弱い。こっちの世界のものと混ぜて使うべきですわね」
抜群のプロポーションを持つ女性、エール達を指導するリーザスの女剣士、チルディ・シャープが遥か高みを見上げる程大きいケーキの構想を練っていた。結婚式のウエディングケーキでも3~5層なところを8層の作りを想定しているらしい。彼女一人に対して与えられたスペースがあまりにも広く、素材も多い。
「あんた料理組でしょ? 私みたいに下ごしらえ組に回ってていいの?」
「キムチ鍋を作ると匂いが他に比べて強すぎるからね……私は締めしか出番がないだろうから」
cityで一番人気の酒場の主のように、異界に行ったことがある料理人は概ね招集されていた。
上がトッププロならば、手伝う人間も常人では手に余る。そこで集められたのは、全世界の料理技能を持ったプロフェッショナル達だ。口を動かす間にも手は止まらず、正確性がある。流れるようなハイペースで下ごしらえが次の工程に進んでいく。
エールは戦闘において戦う前から顔を青くしたのは魔王ランスぐらいだが、今の状況はそれに似ている。そもそも土俵に立てないと感じていた。
「ああ、あちらに関わる必要はありませんよ。エールはこっちです」
それらの区画を通り過ぎて、エールは普通の厨房に案内された。カラー女王、パステルが肉や野菜を切り分けている。入ってきた法王達を認めると、実に嫌そうな顔をした。
「……法王、何故貴様もここに来た」
「リセットさんに手料理を振る舞っておきたくて」
「妾はミルミルシチューをつくっておる。邪魔をしたら呪うからな」
パステルも、リセットの為なら妥協が出来るらしい。法王と魔王が絡むと更年期の老人より怒りやすいが、ここは鼻を鳴らすだけで調理に戻っていった。
「ではやりますか。エールは料理で何が出来るようになりました?」
「……イカ焼きと蒸かしただけ芋」
「ちゃんとした料理を教えますか。厚焼き卵から行ってみましょう」
エールの元々のラインナップはおにぎりとサンドイッチだけだった。普段はクルックーが料理を作り、母がいない時もサチコにたかりに行く。焼くという工程を覚えただけ、成長はしている。
「まずは母が作りますから良く見てくださいね、その後にやりますから」
「わかった!」
エールは目を輝かせて母の料理を眺めだした。クルックーは慣れた手つきで料理を作り始める。使う材料、分量やコツを適宜説明しつつ、手を進めていく。圧焼き卵はルド世界とスチールホラーでの作り方は似ている。モフス家では、お弁当を作った時に必ず入っている家族の味だ。卵の数だけ大匙の砂糖、それに対してごく少量の醤油。モフス家の厚焼き卵はスイーツのように甘い。
「2回目の巻きが難しいですが、ここは箸の力加減がものを言います。中を崩さないように焼きが十分なのをやるといいでしょう。出来てからは焦げを防止するために火は止めていいです」
そう言いつつも、年季の入った母親は火を止めずにスムーズにまとめてしまった。皿に移して包丁を入れる事数度。完成品がエールの前に出される。
「これで完成です。母の言うことはわかりましたか?」
「おいしー!」
娘は最初から母の料理を食べるつもりで待っていた。話は聞いてたが、本筋より食い気が先だった。クルックーは娘の頭を指先でこつこつと叩いて、忠告をする。
「いつもは失敗作を食べてまた今度という事で見逃していましたけど、今回は納得が行くまでやります。分量の失敗は許しませんよ?」
「……はぁい」
エール達はこのやりとりを昔から何度もやってきた。卵を殻ごとボウルにぶちまける。適当に目分量を突っ込んで台無しな味にする。かき混ぜる間に勢いをつけすぎて中身を零す。焼く以前の段階でエールの不注意と適当さから失敗するのが少なくなったのは最近だ。今はもっぱら焦がすか、半熟でスクランブルエッグになるかが悩みだった。
エプロンを手に取り、厨房で母と同じ事をしようとエールは手を動かすが――――案の定焦がした。
「はぁ~ボクには上手く作れない呪いや才能でもあるのかなー」
「母が保証します。そんなものはありません。練習量です」
エールにとって出来るものはすぐに出来る。出来ないものはすぐには出来ないという意識がある。なんでもやりたがりだが、成果が無いと飽きがちだ。彼女にとって、料理やレンジャーの技能がそれにあたる。才能が無いものは、あまり続かない。
次のトライでは、巻いている途中に卵の層が潰れてスクランブルエッグになった。
「むぅ~…………」
「まだまだ材料も時間もたっぷりあります。リセットさんに良いものを作ってあげましょうね」
「が、頑張る!」
いつもならこのあたりで投げるのだが、今日は姉の誕生日だ。ふと外を見れば、ミラクルの死霊騎士団がこのあたりの清掃をしている。椅子やテーブルも運ばれてゆき、姉を祝う準備を整えていた。
そのまま何度目かの失敗の時、ふとエールは疑問を思いつき母に問いかけた。
「母さんはなんでこっちに来たの? お姉ちゃんのため?」
「娘に料理が出来るようにと思いまして。このタイミングしか無さそうなので」
「長田君がいるし、ボクが料理を作れる必要はなくなーい?」
クルックーは失敗作の一つをつまみつつ、気の無いように……本題を斬り込んだ。
「エール、冒険を通じて好きな人は出来ましたか?」
「一緒に冒険している人達はみんな好きだよ。みんな面白い!」
無邪気な、満面の笑顔でエールは答えた。クルックーにとっては嬉しかったが、母が聞きたい事としては少しズレていた。
「これは母の言い方が悪かったですね。言い方を変えます。気になる同年代の男の人。一緒にいたり、ふとした時に胸の奥がドキドキする人っていますか?」
「……そういうのは、ないかなぁ」
「魔王の子達は個性が強いですが、皆それぞれ魅力的な男の子達だと思います。冒険してて思うところはありませんでしたか?」
「ザンスは弄ると楽しいし、乱義とダークランスは頼れるお兄ちゃんだし、元就とは気が合うけど……ないよね。どれもないな-」
首を捻りながら、冒険の日々を思い返しながら母の意見を否定した。エールはまだ恋心を知らない。他人の好意は見ても、ちょっと自分にはわからない。
「あ、割らないと気が済まないのは長田君。これはもう割るのが楽しい。退屈なところに何か一つだけ持っていけって言われたら長田君を選ぶね!」
今の発言にも恋心のかけらはない。作業中の会話でも集中出来たらしく、初めて一週目の厚焼き卵が完成した。
「そうですか。エールに好きな人がいたらお弁当を作る時の手助けになるかと思ったのですが」
「…………ボクが、作るの? 好きな人とやらに?」
「好きな人の胃袋を掴むことは大事ですよ。きっとエールの事を好きになってくれます。多少下手でも、一生懸命なものを作れば想いは届いてくれるはずです」
自分では自覚する機会を逃したまま、成果だけが出来てしまった。娘にはせめて、甘酸っぱい想いをして欲しいと思って、クルックーは言葉を続ける。
「そうですね。これから先の冒険で、もし大好きな人が出来たら母に紹介してください。トリダシタ村に連れて来てください」
「どうせ長田君がいるから最低3人セットだけどねー」
2回目の卵が注がれていく。初めての試みだったがエールに気負いはない。母との会話の中で非常にリラックスしていた。
「でも、ドキドキした経験がないのはちょっと勿体ない気がしますけどね。年頃の女の子なら一回ぐらいはありそうなものですが」
「ドキドキ…………」
その時、エールは移動売春宿の記憶がフラッシュバックした。プロの売春婦に弄られて初めて受けた性的快感。脇目も降らずにレリコフを引っ張って逃げ出した。初体験のお誘いを受けて顔を真っ赤にして黙り込んだ。アームズと女性との情交を覗き見て目を回したらレリコフまで変になっていて涙目になった。
「あ、あ、あ………って、あーーーーーーー!!!」
エールは2週目の卵をスクランブルエッグにしてしまった。そうして綺麗な一週目へドッキング、ぐちゃぐちゃになってものの見事に大失敗だ。
「母さんが余計な事言うからー!大事なとこだったのにー!」
「そうですね。細かい作業の中で聞くべきではありませんでした。ごめんなさい」
失敗の責任転嫁で頬の紅潮を怒りに見せて誤魔化した。だが一度思い出してしまったものは脳裏から離れない。ぐるぐるとあの時の記憶が回って、卵の殻がボウルに入ってしまった。これではまた失敗だ。
(えっちなのは、苦手だよぉ……)
耳たぶまで真っ赤にしながら少女は振り払うように作業に没頭しようとする。エールの厚焼き卵が完成するのは、まだまだかかりそうだ。
異界の狭間、ミラクルの自室で鐘が鳴った。
「さて、今日の主役の出番だぞ、リセット・カラー。演出は余だ。楽しみにするがいい」
「う、うん……」
目の前にあるのはゲート。そしてその先にあるのは自分の誕生日会。大仰な準備と、世界各地から集めた大人達まで巻き込むのは悪い気がした。でも、それだけやってどのようなものになるのだろうか。もういい年なんだからという恥ずかしさと、いつにない期待がリセットの胸を高鳴らせていた。
思い切ると、リセットはサウスモールへのゲートをくぐった。
「うわぁ…………」
サウスモールの世界は大きく変わっていた。日は既に沈み、本物の満点の星空と3つの月がリセットを迎える。ゲートコネクトを一際高いところに展開したらしく、島と海を一望出来る。
海は暗いが、3つの内2つの月が満ちている為光量があり、広く深く地平線まで見渡せる。この島は実際のところはもう少し広いのだろう。砂浜のエリアが大きく海に塗り潰されていた。島に目を向けると、活火山が暗くとも大きな光源だ。それ以外の光源などはない。恐竜も文明もない世界だから当たり前だ。ただ一つ、自分が下りる階段だけは光の道として伸びていた。
一歩一歩階段を降りると、それに応じて少しずつ砂浜に光が出て、光量が増えていく。
「ミラクルさん勿体付け過ぎだよ。あはは……」
苦笑いをしながら、それでも幻想的な光景に悪い気がせずに楽しみ、最後の一段を降りて地上に降り立った。それと同時に、背後で強烈な爆裂音が立て続けに沸き上がった。
「ええっ!?」
振り向くと海から全面展開された花火が打ちあがっていた。白、赤、青……様々な色で打ちあがる花火は、多くはスチールホラー制のものだった。気づくとミラクルがしたり顔でリセットの横にいた。
「10年前から中止になった花火を余は買い込んでいてな、今回は四万発をここで使う予定だ」
「え、え、えー……私の誕生日会にそんなに……」
金額を考えると気が遠くなった。小さな打ち上げ花火でも500円近くはしていた。他人の誕生日に一体どれだけの金と人を使っているのか。
打ち上げ職人はミラクルの死霊騎士団。どこまでも便利な労働力として自在に使い込まれている。ミラクルの知識と操作によって粗略はない。ミラクルは本場の最大規模の花火大会をリセットと魔王の子達の為だけに開催した。
「しかも魔法ハウスDXまで持ち出してるしー……あれクルックーさんとか各国の王様しか持ってないものでしょ」
豪邸の前にはリセットの祝賀会場が会食形式で置かれていた。異世界の料理からこの世界の高級料理までふんだんに盛られている。元就は志津香とナギとミックスの3人に睨まれて大人しくしている。彼女がひな壇に上がるまで始まらないようだ。ザンスが声を張り上げた。
「リセット、早く上がれ! こっちは結構待ってんだぞ!」
「う、うん!」
リセットは慌てて駆けて、ひな壇に上がった。それを見てから、おもむろにクルックーがマイクのスイッチを入れて司会を始めた。
「これより魔王の子の長女、リセット・カラーの誕生日会を始めます。まずは今回の発起人にして私の娘、エールからのプレゼントになります」
「え、エールちゃん!?」
花火の打ち上げは止まった。ひな壇へ向けてゆっくりと魔王の子の一人、エール・モフスが近づいていく。皿を持ち、その上には不格好な厚焼き卵が載せられている。
「お、お姉ちゃん。誕生日おめでとう! これはボクからのプレゼントだよ!」
姉にとって初めて見た、妹の緊張した顔だった。エールはリセットの前に立つと膝立ちになって、屈みこんで口元へ皿を持っていく。リセットは何も言わずにそこにあった箸を取り、大きな口に厚焼き卵を放り込んだ。
この状況でどんな出来でも言う言葉は決まっていた。だとしても、今回は本心から言う事が出来る味だった。太陽のような笑顔を見せて、リセットはお礼を言った。
「ありがとう、エールちゃん! すっごく美味しいし嬉しいよ!」
「……っああ、リセットお姉ちゃーん!」
姉妹は抱きつき、抱擁を交わす。身長からアンバランスな形に見えるが、どちらが姉かは一目瞭然な形だった。
「はい、ありがとうございました。後は各自好きに食べてください。リセットさん、17歳の誕生日おめでとうございます」
「あーっ、面倒なのは終わった。飯だ飯だー!」
「ぐわっはははははは! 食い尽くしてくれるわ!」
花火がまた打ちあがり、魔王の子達は散った。周囲にある料理を手当たり次第につまんで食べていく。どれも絶品と決まっていて、厳しい修行の日々から解放されて、一時のオアシスを堪能している。
「よしよし、よしよし、頑張ったねぇ……ありがとね……」
「お姉ちゃん、大好きー!」
体をしっかり預けて喜びを表現するエール。重さを気にせずに自分も嬉しくなっているリセット。姉妹二人の抱擁はそう簡単に終わりそうになかった。暫くしてから抱擁が離れ、長田が声をかけてきた。
「おいエール! 異世界の料理対決しようぜ! 見た目で美味しいのを当てた方が勝ちな!」
「異世界の料理対決!? なにそれ面白そう! やるやる!」
ノリの良い娘、今回一番頑張っただろうリーダー、エールは遊びに向かった。
「さーて、じゃあお姉ちゃんも美味しいもの食べに行こうかなー」
スキップしながら、リセットは珍しい食事達をどんどんつまんでいく。料理人の苦労の甲斐あって、どれもこれも絶品だった。
周りを見渡せば、ザンスと乱義は料理の全制覇対決をしている。スシヌはミックスと一緒になって、異世界についての談笑をしている。エールは長田と食べ物で遊んでいる。元就とレリコフとヒーローはおかわりを要求してコックが厨房に駆けて行った。そして深根とウズメがリセットに声をかけてきた。
「リセット姉上、誕生日おめでとうでござるー!」
「姉様おめでとう。二人で出し物するね」
深根は舞った。複数の既存の種類の中に即興でアレンジも加わり、見事な演舞だ。
「よっ、ほっ、はー!」
「おおっ……!? おお……おぉぉぉ……」
その即興のアレンジに対して、演出役を担当していたのはウズメ。相手のノリで変更したものを完璧に合わせていく。あらかじめ練習されたとしか思えない程息が合っていた。あまりの凄さに、リセットは感嘆の声を漏らす事しか出来なかった。
「二人とも凄いねー、コンビで世界が取れそうだよ」
「褒められた。んふふ……」
「それじゃ次行くでござる。深根姉上、次の品目はなんでござるか?」
「踊って疲れたからあそこのもの食べよ」
マイペースに自分のやりたい事へ振り回す深根とパシリ気質のウズメ。二人の仲は非常に良い。魔王の子達はめいめいにリセットに近づいたり、あるいは自由気ままに楽しんでいた。
そうこうしている内に、大声が上がった。
「なんか運ばれてくるぞ! でっけーーーーー!」
「ありゃあケーキか? あんなデカいの城でも見た事ねぇぞ!?」
別荘の方から、これまで隠されていた超大物、今回のメインディッシュが現れた。素材は異界とルド世界の融合。良いとこどりを成立させた大型の階層ケーキ。題材は魔王の子達が攻略すべき翔竜山。アメージング城や魔軍の砦、魔人の飴細工まで乗っている。
「RA15年翔竜山ケーキ、別名チルディスペシャルですわ」
名は出る事はない世界一のお菓子職人、チルディ渾身の一品だった。
「言われた層を切り取りますが、早い者勝ちですから。切り取った後も単調にならないように中も工夫されておりますの。ですが、頂上だけは彼女の為に作りました」
頂上層はチルディが直接持っていた。それがリセットに手渡される。小声で、リセットにしか聞こえない声でチルディは囁いた。
「私個人としても、ランス様がこうなる事を願っていますわ。リセットさん、お願いしますね」
それはリセットが願ってやまない未来予想図だった。三角錐の頂上で、魔王ランスが小さなリセットにビンタされて素顔が露わになる瞬間。がはは笑いの自分。ランスは片方の目が赤く、ビンタされた方の目が元の色に戻っている。
「……チルディさん、ありがとう!」
「食べる事で未来が近づくと思って召し上がれ」
「お姉ちゃーん! 一緒に食べよー! ……お姉ちゃん?」
魔人サテラが乗ったエリアを持ってきたエールが駆け寄ってきた。リセットは目がキラキラと輝き、口が開かれてギザ葉が露骨に見えている。姉の見たことのない表情に、エールは少し戸惑った。
「じゃあ食べる時に作法があるんだけど、お姉ちゃんと一緒にやろー!」
「そんなのあるの? やるやる!」
「これは特別な食べ物で特別な日だから、食べ物も特別なやり方があるの!」
リセットは嬉しすぎて少し幼児退行していた。作法やら常識で固めた部分が剥がれ落ち、普段見せない彼女の幼い芯が露出している。
「まずはケーキに感謝! じっくりと見てデコレーションを指差し確認して食べるの!」
「ケーキに感謝するの!?」
「こうやってー、手を合わせてー、美味しく頂きまーす、ありがとうございまーす……って」
リセットは神妙に祈り始めた。その動作は真剣そのもので、そこに大きな意味が込められてるように感じられる。気圧されたエールもサテラ相手に祈ってみた。姉を攫いやがって、次は絶対ひんひん言わせてやると祈願した。
「よし、感謝終わり! デコレーション指差し確認! KDさん! わたし! おとーさん!」
「……アメージング城、ビスケッタさん、魔人サテラ、マエリータ隊」
普段はサポートに徹するリセットが、完全にエールを振り回していた。まるで年頃相当の幼女に戻ったように感じさせる。
「それじゃ……いっただっきまーす!」
「いただきまーす……お姉ちゃん……なんか、凄い……」
迷わずケーキにがっつくリセット。今まで上品に食べていた淑女がはしたなく大きい口にぽんぽんケーキを入れ込んでいく。クリームがついていようが気にしない。
リセット・カラーの17歳の誕生日は、今までの彼女の人生の中で一番楽しい誕生日だった。
魔法ハウスDXは独自設定。魔王の子達ガッツリ登場させるには台所のサイズが小さかったので。
毛利元就 lv247
悪力怪童の四男、15歳。LP8(RA0)年5月頃誕生(独自設定)、15歳。
暴れるしか能がない。教育はないが考えはある。
誕生日?そんなものは覚えていない。スチールホラーは恐らく一生出禁。
レリコフ・ヘルマン lv259
五女、RA1年1月誕生(独自設定)、14歳。
魔王の子一の元気っ子。スチールホラーに連れて行くべきではあるのだろうが、落ち着きのなさから諦められた。忙しいシーラも娘の誕生日だけは休みを取る。
見当ウズメ lv240
パシリ気質の六女、RA1年1月誕生(独自設定)、14歳。
スチールホラーに連れていかれても良かったが、戦闘の方がよさそうなのでお呼びした。
誕生日は祝われるよりも祝う時に驚く顔を見るのが好き。
エール・モフス lv252
リセットを除いた全ての魔王の子は素呼び。リセットだけはなついて甘えて弄ってくる。
ベストフレンド長田君の影響で恋愛面の成長がない。初恋はまだ来ていない。このあたりは母に似ていて超鈍い。
13歳の誕生日に母から魔王退治の旅を命じられた。破天荒な悪戯娘、RA2年2月誕生(公式)。
今回はリセットと母が絡み過ぎてエールの素があまり出ない日だった。
かなり長いですが自分のエールちゃんについて補足します。
このエールちゃんは共通選択肢と地の文全部突き詰めて選択肢選んだ結果のキャラクターです。真面目にエールの地の文の心理描写をメモしながら、全選択肢を不自然にならないように、ただしその中で過激なように選択していった結果誕生しました。
負けず嫌い、自信満々、ノリ良し、悪戯娘……などなど、概ね過激な選択肢をとっても不自然の無いような性格になっています。ただし、筆者にも予想出来ない女版ザンスみたいな部分が出てきてしまいました。
それはturn4,リーザスにおけるザンスのエロ自慢の選択肢でした。女を抱きまくったという自慢に対して凄いなぁ、無言、1000人抱いた(冗談)の3択を選ぶ状況です。
既にエールちゃんは貧乳を弄られてザンスに対してブチ切れていました。頭に矢を刺してやると言い放つほど好感度最悪、ザンスに対してイーッ!ってなってます。その状態ではエールちゃんはザンスが凄いと思っても凄いとは言いません。
千人抱いたって言った場合、長田君がかっけーって言うのは変な反応です。エールくん(男)専用選択肢の反応でしょう。以上から、無言だけが残される。ザンスはエールを処女と認識してて、女の子専用の差分文章があるので自然な回答ということで決まりました。
そうしてザンスのエロ自慢に照れて、何も言えずに黙り込んじゃうエールちゃんだけが残されたのです。過激な選択肢ばかり選んだ結果、自然にしようとすると物凄く可愛いところが出てくる。目から鱗の発見でした。
自分のエールちゃんはエロまで行くと苦手でダメダメです。
皆さんのエールちゃんとは違うかもしれませんが、自分はこの子の魅力を引き出せるよう頑張ります。