ペラ………‥…ペラ…
「のーんびり、平和やねぇ」
「我が主、そろそろお時間ではありませんか?」
ペラ‥‥……………ペラ………
「おおっと、そうやった。
T&Hさんもグランツさんも15時から一般開放や、言うてたし、うちの店もしっかり準備してオープンできるようにしないといかんね」
そう、今日は地方都市の少し変わった研究者が開発した体感シミュレーションゲーム
『ブレイブデュエル』が全国的に開始される日だ
そしてここ、八神堂も今日『ブレイブデュエル』オープンの日なのだが
「かといって、店番ほったらかしていくわけにも…」
と、八神堂店主の八神はやては困ったように辺りを見回す
今、この場には八神家の一員で店員でもある八神リインフォース・アインスと愛犬ザフィーラ。
ペラ………ペラ……
そして、八神堂の端っこの席で黙々と本を読んでいる本作の主人公、加藤裕の姿がある
(流石に店に店員一人だけってのは、マズイやろうなぁ)
そんな事をはやてが悩んでいると、背の高い女性が二人、帰ってきた
「お待たせしました~。」
「主はやて、店番は我々に任せて準備の方へ」
ペラ………ペラ……
「二人とも、お帰りさんや」
「ヴィータは一緒ではないのか?
あの子が一番オープンを楽しみにしていたんだが」
ペラ………ペラ…
「心配ない。
先程連絡があってな」
「学校から直接、こっちに向かってくるそうよ」
「じゃあ、ヴィータが来るまでに大体の準備は終わらせとこぉかぁ」
と言いながら、立ち上がり伸びをした後、八神堂の奥へ行こうとしていると
ペラ………パタンッ
「んんぅ~、うん?
いつの間にシグナムとシャマル、帰ってきたんだ?」
「今頃、気が付いたんかい!!」
スパーンッ
Side加藤 裕
イテェ…
「……何処から出したんだよ、そのハリセン」
「乙女の秘密や!」
やかましい。
「それだと、はやての頭の中で乙女=ハリセンという方程式が成り立っていることになるんだけど…」
「しゃーなしやな!!」
「やかましい!」
…はやてと話すと、毎回漫才のようになるのはどうしてだろうな?
「愛の力や!」
「今、俺、何も言ってなかったよなぁ!?」
いつからお前は超能力者になったんだよ
「我が主、そろそろ準備の方を…」
ナイスだ、リインフォース
「おおっ、せやったなぁ」
ん?
「準備?」
「…もしかして、知らないのか?」
流行に疎いシグナムに言われると、結構心にくるな
「…知らない。」
「今日は『ブレイブデュエル』オープンの日やって、何度も言うたやんか」
ああ、グランツ博士の…
「じゃあ、暇だし手伝うよ。」
ここにいると、客に追われそうだし。
「それじゃあ、ヴィータが返ってくるまでに終わらせるぞ!!」
「「オーッ!!」」