青年の手を掴むのは誰?   作:寡黙なる詐欺師

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後悔だらけの過去 無印編

 

ドアを開けて玄関に入ると、埃っぽい匂いがした

そういえば、ここ最近は家に帰って来てなかったなぁ…

 

「ただいま~…つっても、誰もいないか」

あんな状況で辞表を出せる訳もなく、仕方がないので地球まで直接、転移魔法で来た

というか、あんな所で転移魔法なんて使って良かったのだろうか?

‥‥‥ま、まぁ大丈夫だろう

 

『じゃあ私が言いましょう。おかえりなさい』

 

「……ただいま。そしておかえり、ソウル」

 

『ただいまです』

苦笑しながらソウルに返事を返す

 

さてと、さっきので魔力を結構、使ったな

 

「ソウル」

 

『なんでしょう?』

 

「いまから寝るから、催眠魔法をかけてくれないか?」

 

『了解です』

 

「それじゃあ、おやすみ」

 

『はい、おやすみなさい』

そして俺は眠りについた

 

 

 

「ここは…?」

 

俺が目を覚ますと、そこは初めてなのはが魔導師となった場所が広がっている

 

「何故こんな所に…っと誰か来たか」

足音が聞こえる

それも二人分

 

「あ、あれはっ!?」

来たのは、二人の子供

 

「なのはと、オレ?」

 

九歳の頃のなのはと俺がそこにはいた

もしかしてこれって!?

これは多分、俺の夢の中

でもどうして?

…もしかして、今日なのはに出会ったから?

無意識のうちに意識していたって事か…なさけない

 

「まぁ…思い出を振り返るのも、最期くらい良いだろう」

 

俺は目を向ける

あの時の俺自身に。

 

 

 

 

 

 

 

 

動物病院

それは、なのはが初めて魔導師になった場所

俺は、魔導師の力を持っていた

そう、持っていた筈なのに…

まぁ、見てみよう

どうして、なのはが魔導師になったか、なんてわかってる

答えは単純さ

……俺が弱かったから

 

 

 

「なんだよ、あの化け物…ッ!」

なのはがフェレットを連れて逃げている頃、俺は目の前にいる化け物を見つめていた

 

『マスター!あの生物から魔力を感じます!』

 

「なに!?」

 

『どうしますか?』

 

「決まってるだろ…戦うぞ!」

 

『で、ですが、マスターの魔力では「わかってる!」…そう、ですか。』

わかっている、俺の魔力では化け物には太刀打ちできない事も

 

だけど……

「行くぞ!せめて、なのはが逃げる時間ぐらいは稼いでみせる!」

やるしかない!

 

『了解しました!』

 

「いくぞソウル!」

 

『はい、マスター!』

 

「『セットアップ!!』」

そいて俺は、化け物へ立ち向かった

 

 

「くっ!やっぱり強い!!」

 

『マスター!』

ソウルが俺を呼んだので、いったん距離を置く

 

「どうしたソウル?」

 

『なのはさん達が電柱の裏から動いていません!』

 

「なに!?」

 

『いかがなさいますか?』

 

「……アイツらだけでも、ここから逃がす」

 

『了解!』

 

「これでも、くらえ!」

俺は魔力弾を化け物にぶつけ、なのは達の元へ向かう

 

「なのは!早く逃げろ!」

 

「ふぇっ!?ゆっくん、その恰好…」

 

「俺の事は後だ!それより早く逃げろ!」

 

『マスター!後ろ!』

 

「なっ、危ないッ!」

後ろを見ると化け物がなのはに向かって触手を伸ばしていた

 

「チィッ!」

俺は、なのはを突き飛ばし攻撃を回避させる

しかし、化け物から伸びていた、もう一本の触手が俺の横っ腹をとらえ俺は道路を数メートル、バウンドした後すぐ気を失った

 

 

 

あとから聞いた話によると、俺が気を失った後になのはがフェレットからデバイスを貰い魔導師になったと聞いた

…俺は憤怒した

大事な友人一人救えない無力な俺

いままで、魔法の訓練を怠ってきた自分に

 

 

……その後も、俺はフェイトとなのはに才能の差を見せつけられた

結局俺は、なのはを魔導師にさせてしまっただけだった

俺の、せいで…な

 

 

 

そして時は過ぎ、『闇の書事件』

この事件もまた、俺の無力さを味わう事になった事件だ

 

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