五等分の花嫁 -上杉風子の場合-   作:悠魔

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感想欄でリクエストしたもののまとめになります。


五等分の花嫁②、ほか

 

 

『もしも零奈が間に合わなかったら』

 

 

 

 

水面が遠くに感じられた。

身体が重たい。流れる水が私を引き摺り込むように絡めとる。

俗に言う、溺れているというやつか。

だが……それなら何故、私は身体を動かしていないのだろう。

 

(そんなの簡単だ。私が水面に上がる気がないからだ)

 

陽の光を浴びてきらきら光る水面は、もうとっくに手を伸ばしても届きはしない。

上からかかる圧によって、ずぶずぶと水の底へと沈んでいった。浮かび上がるには、脱力して空を見上げれば良いと聞いたが…具体的にどうすればいいのだったか。

ーー笑えることに、こんな時でも私の脳味噌は回転しているようだ。空回っている事も知らずに。

倦怠感に苛まれつつも、思考する事に労力を割いてみることにした。

どうしてこうなったのだろう。

 

『あんたなんて来なければよかったのに』

 

分かっていた筈だ。

私が全て悪いのだと。

あの子達に私は不要だ。

どうしてへばり付いていたのだろう?

どうして求めていたのだろう?

ーーそうだ、私は。

皆んなになりたかった。

あの子達みたいな、素敵な女の子になりたかったんだ。嫉妬と言い換えてもいいかもしれない。結局は私には何もなかったというだけでーー彼女達はそれがあった、というだけのこと。

そんなこと、分かっていた筈なのに。最初からずっとーー劣等感にも等しい昏い感情があったのだろう。

どうやら私のくだらない自尊心は、それを認めたくなかったらしい。気付いてないフリをしてやり過ごして、でも。結局はこうして絶望している。

一花みたいなお姉さんに。

二乃みたいに真っ直ぐで。

三玖らしく嫋やかに。

四葉のように天真爛漫で。

五月のような純粋さを。

彼女達はーー私の憧れだった。

 

「あの家に私は不要だ」

 

 

 

▽▽▽▽▽▽

 

 

 

口から息が漏れた。

どうしようもない苛立ちが、口を突いて出そうだった。

ーー私のせいじゃない。

真っ先に浮かんだ言葉はそれだった。あまりの浅ましさに自己嫌悪に陥る。

あの時こうしていれば、あの時もっとーー歩み寄っていれば。

二乃を止めていれば。

五月に頼まなければ。

三玖と話していれば。

一花に相談していれば。

どうしようもない絶望と後悔が私達を襲っていた。何でーー何で、あの子が。

 

「ーーーごめんなさいーーー」

 

ポツリと言ったその言葉が、誰のものか一瞬分からなかった。私の唇が震えていた。

自分が言ったのかもしれない。

だがもう、どうでもいいことだ。

五人の誰が言っていようが、関係の無い事なのだ。

全員がーー苦悩と苦痛とを抱えた。

 

上杉ちゃんの意識が戻らない。

戻る気配もない。

 

たった一文で、これほどの絶望を与えられる事ができるとは思わなかった。

後悔と、上杉ちゃんの現状と、くだらない内容とが頭の中をぐるぐると回る。

私の矮小な頭はショート寸前だった。

喉元から頭へと痛みが駆け抜ける。左目がぷるぷると揺らめいた。

駄目だ。

泣くな。

今泣いたら、全てが決壊する。

特に酷いのが二乃と五月だ。

譫言を繰り返して、自己陶酔の世界に浸ってしまっている。

だから、泣くな。

私達へのせめてもの救いは、責める者がいなかったという事だった。今の柔らかい精神に、叱責の杭は容易にめり込むだろう。

励ましてくれた人は、たくさんいた。

そしてそれは呪いでもあった。

恐怖がとめどなく溢れていく。

呪いの毒は私達を確実に蝕んでいた。足元がおぼつかない。溶けて、あるいはマネキンのように割れて瓦解していくような感覚を味わった。

 

ーーいっそのこと、本当に消えて無くなってしまえばよかったのに。

 

私を呼ぶ声がどこか遠くに聞こえた。私自身が発している声も、遥か向こうへと消えていった。

まともに認識できるのは、私の頭の中の空間だけ。外を見るのが怖い。

そこには、自分の見たくない光景が広がっていそうで。

ズキズキする頭を使って問答を繰り返す。

 

どうしていつもこうなのだろう。

必要とされたかっただけなのに。

特別になりたかっただけなのに。

未来への恐怖で押しつぶされそうで。

過去へと逃避するための退路を断たれた。

 

(なのに、神さま)

 

現状維持すらも許してくれないおろいうの。

そんなにわたしがきらいですか。

それならせめて、不幸にするのはわたしだけにしてください。

おねがいですから、ふうこちゃんを可愛そうな目にあわせないで。

 

(結局また、わたしは)

 

なんで、どうして。いつも間違うのか。

選択しない事すらも間違いだというの。

何もしない事すら許してくれないの?

 

(あの子を傷つけてしまった)

 

傷つけたまま終わってしまうというのか。

いやだ。

いやだ。

 

わたしは、

 

なんのために生まれてきたの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『五等分の花婿②』

(6巻までのネタバレ有)

 

 

 

ハーイ☆

俺の名前は上杉風子!

本当は上杉風太郎って名前のガリ勉男なんだが、目が覚めたら女の子になっちまってたぜ!

だけど俺が家庭教師をやってた中野家の五姉妹も男になっちまってて大慌て!でも勉強が落ちこぼれのあいつ達を見捨てるわけにもいかず、前の世界でもやっていたように勉強を教える事にしたぜ☆

さあ今日も頑張ろう!まずはスカートに慣れる所からだな!クラスの女子からビッチ呼ばわりされてるけど気にすんな!

 

ーー以下、ダイジェストーー

 

「二斗!お見舞いに来てくれたのか!」

「えっ。あ、ああ、そうだな。って、こんなことしてる場合じゃなかった。俺は隠れるから、誰にもこの事言うなよ」

「……………」

「……………」

「……二斗、その高身長で隠れるのは無理があると思うぞ」

 

 

 

「予防接種受けに来たんだけど……」

「この裏切り者!」

「いいじゃねェか来たんだから」

「ついでだったんでしょ!」

「も、もちろんフー子ちゃんのことも心配だったよね」

「嘘ついても分かるんだから!」

「………文字だけ拾ったら痴話喧嘩にしか見えねェ!!!」

 

 

 

「何でいきなり同じ髪型にしろって言ったの?」

「これはほんの十分前の事なんだけど、私が家に入ると風呂上がりの誰かとバッタリ出くわしてね」

「………うん」

「で、そいつに『変態!』って言われて紙袋投げつけられたんだけど、その袋の中に入ってたのが全部零点のテストなんだよ!絶対許せない!」

「………いや、事故で裸を見た挙句に変態扱いされるって、普通逆じゃね……?」

 

 

 

「じゃあ、四季。僕達同じ身体だから、代わりにサイズ測ってみてくれる?」

「あー…あはは……はい」

「はいこれ。二斗の勝負パンツ」

「……………」

「じゃあよろしくねー」

「……………」

「……………」

「サイズ、同じなんだ」

「やめて」

 

 

 

「ブランコ漕ぎましょうブランコ!」

「よっしゃあ私の腕前見せてやんよ!」

「最高記録更新!上杉ちゃんはここまで来れますか!?」

「舐めないで……よっ!」

「ああっ、上杉ちゃんが勢いをつけすぎて一回転してしまって……ああっ、スカートの中が……」

「あはははは!見た!?何が起きたの、今!あはははは」

「上杉ちゃん」

「あははは、何!?」

「ーー欲しいものはもう見せて貰いました」

「あははは………んっ?」

 

 

 

「じゃあ菊ちゃん、おままごとしよっか」

「おい、そこの男二人」

「「?」」

「私のパパ役と、パパの恋人役やれ」

「………えーっと」

「……一樹、社長に襲われそうになったら言えよ。マジで」

 

 

 

「こんな紙切れが何だってんだ!それで教えてるつもりなら大間違いだぜ!」

「二斗ォ!謝ってくださいオラァ!」

「ぐほぁっ!何しやがる五夜!」

「うげェーッ!君が謝るまで、僕は退くわけにはいかないーッ!」

「ごぼぁあ!いい度胸だ、どっちが先に倒れるか勝負だ!」

「なんか仲直りしそうな気がする」

 

 

 

「上杉風子ちゃん。………久しぶり」

「お巡りさーん、なんか変な人が話しかけてきまーす」

「え、い、いや、怪しい人じゃない!」

「なんかついてきまーす」

「ナンパでもない!」

 

 

 

「でもさ、元気出せよな。お前みたいな色気ゼロの女でも、好きになってくれる人が地球上に一人くらいはいるはずだからよ」

「…………」

「…………」

「………って何出てきてんだこの痴女!」

(しまった、男だった時の癖で、つい……)

 

 

 

「やっぱりな。ずるい女だぜ。お前がかな子だったのかよ。……俺を騙したのか」

「こ、これは……順を追って……」

「約束を破ったら許さないって言ったはずだぞ」

「!睡眠薬…………」

「変装なんてすぐバレんだよ。五つ子じゃないんだから」

「ママー、あの人急に眠ったー。同じ席の人が薬入れてたー」

「……………クソがあああああ!!!」

 

 

 

「まあ、ぶっちゃけ同じ顔の男だから、女子よりは難易度低いし。髪型と服装さえ変えれば変装できるよね」

「それは……」

「言っちゃいけないお約束です」

 

 

 

「………まさか……」

「僕がホテルに着いた時、バリカンを持って三久が立ち尽くしてたんだ」

「…………」

「詳しくは分からないけど、きっと、何か気持ちの変化があったんだね。二斗」

「………うわああああ坊主になってるううううう!!!」

「……四季。お前も変わるんだ。辛いけどいいこともきっとある」

「坊主になれと?」

「違う」

 

 

「……相変わらず、無茶苦茶。あんた達、後先考えて行動しなさいよ。何だか配慮するのも馬鹿らしくなってきた。私もやりたいようにやらせてもらう!私の身勝手に付き合いなさいよ、最後まで!」

「そうと決まれば、早く家に入ろ!」

「ああ……でも、冷えたからシャワー浴びたいな」

『…………!!!』

「貸してくれる?」

『勿論!!』

 

おわり。




ホークスつえー。
ラグビー日本代表まじビクトリーロード。
今週のジャンプ、時透兄弟と不死川兄弟がほんと……ほんと……もう……。あっ、サムライ8の掲載順上がった?あれ、負けを認めると散体するんじゃ……あれ……。あ、勇失ってないからセーフか。
週刊連載二本やってるのに書き込み凄くて、さらに今度のスピンオフで原作までやりだすboichiとかいう化物。

Twitter始めました。悠魔@ハーメルンで出てきます……が……何を呟けばいいんだ……。
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