五等分の花嫁 -上杉風子の場合-   作:悠魔

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こっから告白までノンストップです。


男と女の戦い

『男と女の戦い』

 

 

 

 

 

 

 

「ねむい………」

 

 模試を直前にして、私は徹夜で試験勉強を敢行。その甲斐あってだいぶ頭は仕上がってる……と、信じたい。

 

「おはようございます」

 

 あ、皆んなだ。

 

「おはよ。皆んな目の隈ひどいね」

「人のこと言えない」

「どう?全国十位行けそう?」

「勿論………」

「はーははは!待ってたよ上杉さん!ここで君が来るのをずっとね!!」

 

 ……この、朝からうるさい声は。

 

「上杉さん!逃げずにここに来たことをひとまず褒めておこう!」

 なんか褒められた。

 皆んな、うげぇ、という顔をしてる。……まぁ無理もない。

 

「だがしかし君は後悔することになるだろう!あの時逃げておけば良かったと!」

「う、上杉ちゃんは負けません!」

「君達には話していない!!」

(こんな人だっけ?)

「ここが僕と君との最終決戦場!いよいよ一騎討ちで雌雄を決する時が来たのさ!」

「……ああ、うん、はい」

 

 やべえよこいつ。

 なんでこんなに私に突っかかって来るんだろう。ライバルとして意識されてる……からなのかな?

 

「悪いけど一騎討ちじゃないから。こっちは六人で戦ってるしね」

「ふふ……それが君の弱さだ」

「違うね。私の強みだよ」

 

 時計の長針が10を指したところで、ギリギリまで開いていた教科書を鞄の中に直し、そして12を指したところで、全国統一模試が始まった。

 数秒ほど問題を眺めて、内容が頭に全く入ってなかったのに気付く。やば……。

 ここに来て、なんか急激に意識が飛びそうになってきた。なんで?徹夜したから?

 やばいなー…。

 このままじゃ平均すら危ういんじゃ…。

 

(──いや私ならできる!やってみせる!)

 

 ……あれ、今回の漢文難しいな。

 私あんまり国語は得意な方じゃないんだから苦手科目の問題の難易度上げてくるのはやめてってば。キツイって……。

 問題用紙を埋めておき、何度も何度も確認する。たぶん間違いは無いだろうと思うけど、一問くらい落としたかも。

 ──いや考えるな!

 早く次の科目に備えなきゃ!

 

 

 

 

 

 

 

 

(全然ダメだ──っ!!)

 

 うわ、もう昼!?おかしい!問題解いてる時の記憶が無いよ!問題用紙を見ても私が何を考え何故この答えを選んだのか過程が全く思い出せない!

 ……あれ?この感覚、前にもあったような気がする。

 

「あ、そうだ!五つ子に初めて出会った日もこんな感じで意識が飛んでた!」

 

 そうそう、エレベーターに乗れなかった私は30階まで階段を使ったんだっけ。それで最後で意識が飛んで……。

 あの時は確か日頃やらない運動で意識が飛んでフラッとしたと思ってたけど、それ以外にも原因はあったみたい。

 

(そうか!私は緊張するとボーッとする悪癖があるんだ!)

 

 過度なストレス下に置かれると、判断力や集中力が削がれるというけど、私の場合ほぼそれに近い症状が出てるんだ!

 で、でも。ここで私は諦めるわけにはいかない。なんせ家庭教師を続けられるかどうかが懸かってるんだからっ!

 

「………ハッ!?」

 

 あ、あれ。

 今一瞬意識が飛んでた。

 ……やばい、昼休みも詰め込むつもりだったのにそんなに時間ない!!

 取り敢えずトイレ行こ……。

 用を済ませて、と。よし。早く教室に行こう。自分の席に着いてないとなんか落ち着かない。

 ………………。

 

「何で女子トイレの前に立ってんの?」

「君を待っていたのさ」

「やべえよこいつ」

 

 トイレから出てきたら武田君がいた。

 私の中のこの人に対する好感度が物凄い勢いでガリガリ減っていく。

 怖いんだけど。何?

 

「今は皆んな食堂に行っていて、ここには誰もいないようだね」

「まあ、この時間はこのトイレは遠いから誰も使わないし……だからここを選んだんだけど」

「流石は僕のライバルだ」

「……あっそ。こんなところで油を売ってる暇があったら、そっちも復習の一つくらいした方が良いんじゃない?」

 

 そう言っても、武田君は動じないどころかどこか意味ありげに笑うだけ。

 ……それだけ自信があるっての?

 

「そりゃ笑いたくもなるさ。僕にはこれがあるのだからね」

「?封筒?何それ?」

「この中にはこの模試の答えが全てこの中に入ってある」

「………えっ!?」

 

 なんでそんなものが!?

 ていうか、それ以前に!

 

「そう、確実に勝てる。君の成績がどれほど良かろうともね」

(めちゃくちゃ不正じゃん!)

 

 それが本当ならこいつはもうほぼ満点で間違いない。そうなったら私は……。

 全問正解するしかないじゃん!

 やべえよ!自信ないよ!

 ……でもここで勝負を引くわけには…。

 

「そっちが満点取るなら、こっちも満点取ってやる!元々全国一位を目指してるんだから大して変わらないよ!」

「……ふ。流石は僕のライバルだッ!」

 

 彼は満足そうに笑った。

 私が困惑していると、武田君は私の前で封筒を思い切り破る。……中身がチラリと見えたけど、本当に答えだったみたい。

 ポカンとした私をよそに、彼は答えをクシャクシャに丸めると、その辺のゴミ箱の奥に他人に見つからぬよう押し込んだ。

 

「安心してくれ。前半の科目でもあの封筒は開けていない」

「……それって」

「僕は宇宙飛行士になりたいんだ」

「んっ?」

「地面も空も空気さえもないあの空間に憧れているんだ。全てがない、だからこそ全てがある!」

 

 急に何言い出してんだコイツ?

 

「ずっと縛られてきた僕の人生で唯一見つけた道だ。無論それは険しい道!何せ文字通り、世界中の人間がライバルになるわけなのだからね」

「…………」

「だから僕は、こんな小さな国の小さな学校で負けるわけにはいかない

 ………夢があるから」

 

 !夢………。

 

「実力で君を倒す!不正して得た結果なゆてなんの意味も持たない!」

 

 ……ちょっと格好良いじゃないの。

 ああ、私、つくづく夢持ってる人に弱いみたいだ。夢を持って追ってる人がとても魅力的に見える。

 憧れて、羨ましくて。尊敬すら覚える。

 ……今私は、そんな人にライバルとして見られているのだなぁ。光栄じゃない。

 

「受けて立つよ」

「……!ははは!何を今更!当たり前さ、僕達は永遠のライバルなのだからね!」

 

 なんだか嬉しそうな武田君と共に、教室へと向かった。

 

 

 

 

▽▽▽▽▽▽

 

 

 

 

──五月上旬

 

「旦那様、先月行われた全国模試の結果が届きました」

「ご苦労」

「お嬢様方は個人差はあれど前年より大幅に成績を伸ばしております」

「……ひぐッ。何かもう泣きそうだ僕」

「まあ、お嬢様方の成績が上がったことは喜ばしいですね。家庭教師は大成功と言えるでしょう。勿論、お嬢様方もたいへん努力しておいででした」

「うぐッ、え、江端、ハンカチある?」

「どうぞ」

「ずび──っ」

(汚い………)

 

「武田様は全国八位の快挙。そして上杉様は驚異の全国三位でした。……旦那様には残念な報告かもしれませんがね」

「えっ三位!?すごっ!僕より頭良いじゃんこの子すごぉーっ!」

「…………」

 

「あれ?でもおかしな答案だね。前四科目はノーミスの満点、最後の科目のラスト数問だけ白紙で提出?」

「報告によれば、突然気を失うように寝てしまったと。試験勉強で根を詰めすぎていたのかもしれません。

 しかしもし全問解いていたとしたら…」

「……さてね。そんなこと考えても、仕方ないよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところで江端、報告によれば……って、誰からの報告なんだい?まるでその場面を見たかのような言い方だが……」

「お嬢様方がテスト終盤に上杉さんが倒れるように寝たのを目撃したと、私に連絡が来たのですよ」

「えっ……!な、何故あの子達が君に連絡を寄越すんだい!?」

「私、お嬢様方とメル友なので」

「嘘ぉ!?ぼ、僕なんてまだ着信拒否を解除してもらってないのにいいい!!!」

 

 

 

 

 

 

 

▽▽▽▽▽▽

 

 

 

 

 

 

「上杉風子。君には悉く邪魔をされてばかりだ。君と関わる度に僕の予定は狂わされる。全く困ったものだよ。

 だがその覚悟──見事だ」

「………どうも」

「君が十位以内に入ったとしても僕は勝つつもりでいた。八位というのは願ってもない順位だったよ。しかしまさか、その上をいかれるとはね」

「………あざす」

「三位おめでとう。……あー、ところでもうすぐ修学旅行があるけど……」

「ちょっと待ってくれない?」

 

 なんで私はこんな昼間から君とブランコ漕いでるの?

 

「ははっ、昨日の敵は今日の友!これが青春なのかもしれないね」

「帰るね」

「まぁ待ちたまえ。忘れたのかい?僕達は呼び出されたんだ」

 

 ……そーだった。

 正直なところ、あまり話したくはない相手だけど。仕方ない。

 平凡な公園に似合わぬ高級車が停まる。

 中から出てくる身なりの良い男性は、毎度お馴染みマルオさんだ。

 何となしにベンチに座る。

 隣に武田君が座った。

 その隣のベンチにマルオさんが座る。

 ……なんか距離ない?

 

「まずは武田君、八位おめでとう。出来の良い息子を持ててお父さんも嬉しいだろうね。医師を目指してると聞いたけど、どうだい?僕の病院に……」

「申し訳ございません。大変光栄なお話ではありますが、僕の進路についてはもう少し考えたいと思っています」

 

 ……夢に、本気なんだなあ。

 

「そうかい。君の希望の進路に行けるといいね……

 上杉さん」

「は、はいっ」

「君に家庭教師の仕事を再度頼みたい」

 

 ………えっ!

 つ、ついにマルオさんから直々に指名される日が来るなんて……!

 

「これまで散々君を試してきたが……いい加減認めよう。君はこの仕事に相応しい…いや、君にしかできない仕事、らしい。

 勿論、僕が正式に君を雇用するからにはきちんと給料も払う。相場の五倍でね。

 ──やるかい?」

「も、勿論です!やらせてください!」

「──ふ。それは良かった」

 

 なんか、ジーンとするなぁ……。

 とうとう試験の度に条件出されたりとか家庭教師辞めたりとかなんとか色々面倒くさいことを考えずに済むと思うと……。

 なんか泣けてくるよ、もう。

 

「では当初の予定通り卒業まで……」

「ああ、そのことでなんですけど。成績でいえばあの子達はもう卒業までいける力は身につけてます」

「それは良かった。いやほんとに」

「でも……五月の話と、武田君の話を聞いて思い直しました。次の道を見つけてこその卒業!私があの子達の夢を見つけて……いや、夢を見つける手助けがしたいです」

 

 それが私の家庭教師としての最終目標だと思うから。この目標を達成することが私の最後の課題だ。

 

「……また随分な変わりようだね。就任直後の流されるまま嫌々こなしていた君とは思えない」

「し、知ってたんですか」

「……あの時はまだ着信拒否されてなかったし……五月からちょくちょく連絡かかってきてたし……」

「?」

「と、ともかく!君が娘達の進路を考えてくれるのは嬉しいが、あくまで義務ではないということと、過度に口は出さないことを約束してくれ。彼女達にも都合があるだろうからね」

「わ、分かりました」

 

「じゃあ、せっかくだし家まで送ろう。武田君も乗りなさい」

「ありがとうございます!あ、私はあの子達のアパートまでお願いします」

「あ、その前に。上杉さん、ちょっといいかな。少し話があるんだ」

「え?いいけど……」

「?…………!そ、それじゃあ後は若いお二人で……」

「ありがとうございます、中野さん」

(何の話だろ……?)

(うわー、青春してるなあ……)

 

 武田君とふたり。

 マルオさんは先に車の中に入って、私達を待っててくれている。

 ……何の用だろう。

 

「今回は僕と戦ってくれてありがとう」

「え?いや、こっちが勝負ふっかけたみたいなものだし。……てかこっちこそ、せっかくのバイトのチャンスを潰したみたいになっちゃったし。ごめん」

「はは、いいさ。君からすれば嫌味に聞こえるかもしれないが、僕はお金には悩んでいないからね」

 

 ボンボンだしな。

 ?てか、あれ?

 じゃあ何で武田君はバイトなんてしようと思ったんだろう?

 マルオさんが武田君に家庭教師のバイトを持ちかけたとしても、武田君にその気がなければ受けようとはならない……と、思うんだけど。

 

「それは君に……バイトを辞めてもらい、勉強に専念して欲しかったからさ。もっとも君は、家庭教師のバイトと並行して高得点を取れると証明したわけだけどね」

「そっか。……んー」

「まだ何か質問が?」

「何でそこまでしてくれるの?」

「………ッ」

 

 善意にしてはやり過ぎだ。

 私達の関係は微々たるもので、学級長になる前は話す機会すら無かった。

 それに武田君は人気者。たかが友人の一人に過ぎない私に、なんでここまでお膳立てしてくれるのだろう?

 

「それは………ッ。初めて君を意識した時から、ずっと、僕が、君のことを………」

「?」

「………ライバルだと思ってたからさ」

「ああ、勉強のライバルか。そういえば前もそんなこと言ってたね。腑に落ちたよ」

「………。すまない、引き止めて。

 これからも良き好敵手でいよう、と伝えたかったのさ」

「良き好敵手、ね。良いよ!また次のテストで勝負だ!」

 

 おお……。

 なんか青春って感じだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▽▽▽▽▽

 

 

 

 

 

 

 

「………はぁ。今日も言えなかった」

 

「上杉さんが好きだって、また言えずじまいだ。はは、全国八位が聞いて呆れる」

 

「今年は受験の年。夏からはずっと勉強漬けの毎日、告白する機会なんて到底訪れないだろう。チャンスがあるとすれば……」

 

 

 

「────修学旅行で……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▽▽▽▽▽

 

 

 

 

 

 

 

「家庭教師認めてもらったよ!」

「おおーっ」

「おめでとうございます!」

「心配はしてなかったけどね」

「えーそれじゃあこれからも末長く………って、うわっ。荷物で沢山だ!」

「生活も落ち着いてきたし大掃除してたんですよ」

「主に一花とか一花とか一花の荷物とかを中心にね」

「スミマセン」

 

 一花は物が多い上にめちゃくちゃ散らかすもんなぁ。大変そうだ……。

 てか今日は試験の反省会をする予定じゃなかったのか。何掃除してんだ。

 

「ね!アロマ使った?」

「………アロマ………?」

「ほら、誕生日プレゼントよ!」

「…………!!え、えーと。良いよねアロマ。人を選ぶけど私は良いと思うよ」

「絶対分からなかったでしょ!もう!ちゃんと教えるから使いなさいよね」

「ごめんね……」

 

 ……オリーブオイルと間違えてフライパンに垂らそうとしたのは黙っておこう。

 

「私のプレゼントだけど……」

「ああ……えっと、ギフトカードだっけ?あれで買い物しろってこと?」

「うん。あれでらいはちゃんの好きなもの買ってあげたら、喜んでくれるんじゃないかなー」

「あ!成程!ありがとね、一花!」

「へへへ」

 

 良いこと聞いたな。

 今日帰ったら、早速何が良いか聞いてみようっと!

 

「その手があったか……」

「私の千羽鶴はどうでしたー?」

「よくあんなに作ったよね!凄いね四葉、嬉しかったよ」

「えっへへ」

「……。ね、ねえ。あのアロマの使い方を直接私が家に行って教えてあげましょうか?手取り足取り丁寧に」

「えっ、良いけど……」

 

 ………ハッ。

 これは外堀を埋めに来るということではないのか……!?

 直接私の家に来て既成事実を作ると!

 そういうことじゃないのか!?

 ……このまま、相手に流されるままじゃダメだ。いつかは選ばなきゃいけない時が来るんだから。

 

「あー、今日のところは帰るよ。試験の反省会はまた今度ね」

「えっ、もう?」

「少しくらいゆっくりしていってくださいよー」

「ごめんねー……」

 

 ………ふぅ。

 どうしたもんかね……。

 

「隠し事の臭いがします」

「うわっ五月!?なに!?」

「ピンときました。あなた、私に何か隠していませんか?」

「……そりゃ、人間だもの。隠し事の一つや二つくらいあるよ」

「ではこうしましょう!あなたの隠し事を話してくれたら、私も一つお話ししましょう!」

 

 別に聞きたくもないけど。

 

「いいじゃないですか!………もう黙っていられないのです。こうでもしないと言えません」

 

 ……これもいい機会かもね。

 言うことでスッキリするかもしれない。

 

「じゃあ言うけど、引くなよ」

「はい!」

「モテ期が来た」

「うわぁ」

「引くなよ」

 嘘つきめ。

 

「相手はあの一花と二乃です」

「少し疲れていませんか?二人とも女子じゃないですか。休養を取ることをお勧めしますよ」

「……お金の目処も立ったし、ケーキ屋の方はいっそ本当に休んでみるか……?」

「って、一花は……ああ……そっか………とうとう伝えたのですね」

「?……三玖と四葉は何か応援するとか言ってくるしさ。訳わかんないよね」

「私はてっきり武田君とお付き合いを始めたのかと……」

 

 ん?

 武田君?なんで?

 

「なんでって、そういう噂があるのを知らないんですか?学級長どうし、お互いに意識してるって」

「な訳あるかよ。つーか五月、あんた噂とか気にするんだね」

「四葉が教えてくれたんですよ」

 

 ……四葉が?

 

「まあいいや。つーかあんたも何か早く秘密言えよ」

「は、はいっ。……実は私にはもう一つの顔があるのです」

「………まさか」

「誰にも明かせず、ずっと秘密にしていましたが……。私が……!」

「ちょっと五月探してくるよ!あれ?」

 

 うわっ。

 急に四葉が出てきた。

 びっくりしたぁ。

 

「もしかして話し中でした?」

「この子が今から恥ずかしい秘密を言うところだよ」

「へー」

「す、すみません!またの機会に!」

 

 おい待てェ!

 私は言ったのに!フェアじゃない!

 ……まぁ大概予想はつくけどね。

 

「四葉、有名レビュワー『M•A•Y』って知ってる?」

 

 

 

▽▽▽▽▽▽

 

 

 

「五月ちゃん、この箱見覚えある?」

「わ、私のものです。もう着ないだろう服を入れておいたのです」

「要らないものは捨てなよー。って、私が言えたことじゃないか」

 

「!五月ちゃん、何か落とし……

 ………これって……昔の四葉とフー子ちゃんの写真?京都の時の………なんで五月ちゃんがこれを………

 

 …………………そっか」

 

 

 

▽▽▽▽▽▽

 

 

 

「やっぱり言えない……京都のことも全て……」

「私が零奈だなんて……」

「こんなこと、なんて説明したら…」

 

 

 

▽▽▽▽▽▽

 

 

 

「追いつかれる訳にはいかないわ」

「もうすぐ来るこの高校最大のイベント、修学旅行」

「これがきっとフーちゃんを振り向かせる最大のチャンス」

「行き先は京都!

 ──ここで決着をつけてやるわ」

 

 

 

▽▽▽▽▽▽

 

 

 

「あの慌てよう……五月が上杉ちゃんに伝えようとしたのは『M•A•Y』のことなんかじゃない。

 ──『零奈』についてだ。それに、クリスマスの日にフー子ちゃんが拾おうとしていたこのお守り……」

「中身はプリクラ……」

「なんで?五月、なんで自分を示唆するような物を入れたの?」

「………………」

「あの子、何か私に隠してる?」

 

 

 

▽▽▽▽▽▽

 

 

 

(いい加減気持ちをハッキリさせないと、告白してくれた二乃に失礼だ。あまりダラダラと考えてばかりもいられない……)

 

「フー子!」

「あ、三玖。バイト終わり?お疲れ様」

「ありがと……ちょっと、いい?」

「?」

「もうすぐ修学旅行だね。少し気が早いけど、フー子は誰と班を組むか、決めた?」

「いやまだ……皆んなが一緒の班になってくれるなら、嬉しいけど」

「………うん。じゃあ、フー子。私と一緒の班になろう」

「!ありがとう、誘ってくれて!」

「こちらこそ」

 

(──言質は取った)

 

(修学旅行は、例年最低二人以上、最大で五人までの班をクラス内で組むことになっている。

 ………今年、フー子は)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(──私と二人っきりの班を組む!!)

 

 

 

 

 

 




死の修学旅行編、開幕です。
これから先の展開はめっっっちゃ改変する予定ですがご容赦ください。つーか原作と同じもの読んでも面白くないよね!仕方ないんや!花嫁の都合上修学旅行にイベントを詰め込むしかないんや!賛否あると思うから先に謝っとくわ!ごべーん!!

ワンピースは空島で焼石シチュー作ってるシーンが地味に好きです。サバイバル感あるよね……。蒸留水とか塩分とか薬とかキャンプファイヤーとか好きです。
具体的には253話や!無料公開延長されたから見ようぜ!
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