やべー奴が赤龍帝になりました。   作:やがみ0821

41 / 74
昨夜はお楽しみでしたね

 

 

「本当に交渉でこれだけの時間が掛かったんですか?」

 

 ロスヴァイセはジト目だった。

 

「そうだよ? もう中々色々とすっごくてー」

 

 セラフォルーはいけしゃあしゃあとそう宣う。

 

 

 一子とセラフォルーが宿泊先のホテルへと戻ったのは21時を回った頃だった。

 当然ベッドの上でのアレコレのせいであったが、一子もセラフォルーもそんなことは全く出さない。

 

「……気の所為でしょうか、何かお二人から同じ匂いのシャンプーが……」

「当たり前だよ。だって、2人共お風呂に入ってきたし。一子ちゃんたら、結構汚れていてね。私って一子ちゃんの側室でもあるし、互いに体を洗いっこするのは当然だよ」

「……もういいです」

「うん、分かってくれたようで、私は嬉しいよ」

 

 にこにこ笑顔のセラフォルーにロスヴァイセは溜息を吐いた。

 彼女としても、2人が一緒なら寄り道して、こうなると予想できていた為に。

 

 

「ともあれ、禍の団が例によって例のごとく、動いていると思うから、アザゼルちゃんと相談するよ」

 

 

 

 

 セラフォルーがロスヴァイセと話をしている頃、一子はというとゼノヴィアと部屋で2人きりだった。

 イリナとアーシアはこちらに転移魔法でやってきていたリアス達と共に別室でワイワイ騒いでいた。

 

 

「一子、子作りをしよう」

 

 ゼノヴィアは直球だった。

 

「いや、別に構わないけど……もうちょっとマシな言葉はなかったの? 好きとかそういうの」

「好きだぞ。だから子作りだ」

「野性的過ぎない……? 教会の教育、どうなってるのよ。まあ、どうでもいいけど」

 

 据え膳食わぬは男の恥、一子はチャンスがあるなら躊躇しない。

 

「私はお前のその欲望一直線なところが良いと思う。あと強いし」

 

 ゼノヴィアはそう言いながら、堂々と服を脱ぎ捨てた。

 さながら裸一貫でステゴロでも始めそうなくらいな佇まいだ。

 

「……ゼノヴィア、やることって分かっているの? 喧嘩じゃないわよ?」

「分かっているぞ。イリナからもアーシアからも聞いている。お前が生やしたアレを挿れるだけだ」

「まだコウノトリが運んでくるとかそういう風に考えてくれていた方がマシだった気がする……」

 

 ともあれ、ゼノヴィアのような子がどんな感じに喘ぐのかは一子としてもとても興味がある。

 故に、手加減は一切しない。

 

「私の力を思い知るがいいわ」

「望むところだ、来い……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……腰が痛い」

 

 翌日、ゼノヴィアは朝食の席で苦痛に顔を歪めながら、そう呟いた。

 

「え、そんなに激しかったの?」

 

 イリナは思わず小声で問いかけた。

 

「いや、そのな……」

 

 ゼノヴィアの目が泳いだ。

 思い出されるのは昨夜の痴態。

 まさか、あんなに凄いなんて、と思いつつ、そんなことを自分より先にやったイリナやアーシアを凄いと感じる。

 

「……凄かった。だから、その、何回も……」

「だから言ったじゃない」

 

 それみたことか、とイリナは思いつつ、ハッと気がついた。

 ゼノヴィアがこれまで見たこともない女の顔をしていることに。

 

「その、もう孕んだかも……いや、きっと孕んだ。絶対に孕んだ……」

「えぇ……」

 

 しおらしくそんなことを言い始めるゼノヴィアにイリナは困惑した。

 

「朝までやってたの?」

「ううん。確か、1時くらいまでで、私がギブアップして……それから気絶して、気づいたら部屋のベッドで寝ていた」

 

 ゼノヴィアの言葉にイリナは直感する。

 その後にリアスと朱乃がおそらく部屋に向かったのだ、と。

 2人共、イリナが目覚めたときには既におらず、てっきり駒王町に帰ったものだと思っていたが、あの2人に限ってそんなことはない、と。

 

 

 

 

 

 

 果たして、イリナの考えは見事に当たっていた。

 ゼノヴィアと入れ替わるようにリアスと朱乃が部屋を訪れて、一子と致したのだ。

 初めてリアスと朱乃によるタッグでの一子への挑戦ということで、それはもう乱れに乱れたものとなった。

 リアスが乱れれば朱乃が負けじと乱れ、それを見たリアスが対抗して、という具合で。

 

 口走った言葉の数々も普段なら天地がひっくり返っても口には出せないようなものばかり。

 

 そうして3人は朝まで飽きることなく盛り上がったのだ。

 

 

 

 

 

「……一子ちゃんから色んな子の匂いがする」

 

 セラフォルーは頬を膨らませるも、一子は涼しい顔だ。

 

「セラ、それはいいとして。さっさと対策会議とやらを始めましょうか」

 

 他の生徒達の朝食と時を同じくして、一子はリアス、朱乃と共に都における禍の団の対策会議に出席していた。

 他の出席者はアザゼルとセラフォルー、ロスヴァイセであり合計6人だ。

 

 シトリー眷属は後にアザゼルから直接会議内容について伝えられることになっている。

 単純に彼らは生徒会としての仕事から出席できない為に致し方なかった。

  

 

 勿論、朝食も兼ねている為、食事をしながらの会議となる。

 

「まず、堕天使の総督としての俺から一言……お前ら、ずりぃぞ! 悪魔らしい手を使いやがって! 俺にも一枚噛ませてくれよ!」

「はいはい、アザゼルちゃんはレイナーレちゃん達を切り捨てたことを悔い改めてね」

「くっそぉ……よし、一子。修学旅行が終わってしばらくしたら、堕天使を1人送り込むからな。お前の眷属にしていいぞ」

「わーい」

 

 流れるような会話にリアスとロスヴァイセは溜息を吐いた。

 

「あらあら、また1人、増えてしまいますね。これはローテーションが大変ですわ」

 

 朱乃はとてもマイペースだった。

 

「で、禍の団だが、よく分からんというのが正直なところだ」

 

 アザゼルの言葉に一子が手を挙げる。

 

「何だ?」

「九尾っていう最大級の妖怪としての力を引き出して、暴走させるのが狙いとか?」

「可能性としちゃなくはないが、弱いな。暴走させて、どうするんだ? 妖怪と悪魔の交渉をぶち壊すのが狙いにしては大掛かり過ぎる」

「名前が八坂とかいうらしいから、実は九尾っていうのは仮の姿で、本来は神様だったり?」

「安心しろ、そういうのはない。正真正銘、単なる妖怪だ」

 

 一子の質問に答え終わると同時にリアスが手を挙げた。

 

「九尾を生贄として使用し、旧魔王派みたいに既存秩序の転覆が狙いでは?」

「そっちの方が可能性はありそうだな。何分、京都には封印されているモノも多いしな……」

「はいはい、一子ちゃん。ワクワクしないでねー」

 

 強いヤツと戦える、と一子が目を輝かせたのをセラフォルーは見逃さなかった。

 アザゼルは肩を竦めながら告げる。

 

「事が起きたら、一般生徒達に関してはシトリー眷属に任せるつもりだ」

「私は妖怪さん達と協力して京都の外に出さないように封じ込めするよ」

「え、セラの戦いが見られないの?」

 

 あからさまに不満そうな一子にセラフォルーはうんうん、と頷く。

 

「アザゼルちゃん、私……」

「おい窓口少女、逃げるな」

「窓口少女なんて酷い! 私は魔法少女! そんな窓口にいる受付の可愛いお姉さんじゃないんだから!」

「分かったから、ちゃんと仕事しろ」

 

 ぶー、と頬を膨らませるセラフォルーにアザゼルは溜息を吐く。

 

「というわけで、グレモリー眷属に処理してもらいたい」

「こちらとしては構わないわ」

 

 リアスの返事にアザゼルは頷きながら、だが、と告げる。

 

「陽動で冥界や駒王町に襲撃を掛けてくるかもしれない。九尾を掻っ攫い、足取りや目的を一切掴ませない連中だ。その可能性は捨てきれないだろう」

 

 アザゼルの言葉にリアスは伝える。

 

「私と朱乃は駒王町へ戻ることにするわ。だから、京都は一子が他の子達と協力してお願い」

「ええ、別に協力するのはいいけれど、連中を倒してしまっても構わないでしょう?」

「頼もしいんだけど、あなたが言ってはダメな言葉のような気がするけど……ともあれ、お願いね」

 

 そこでアザゼルがそれならば、と告げる。

 

「一子、どうせお前はすぐに昇格して独立することになるだろうから、今のうちから眷属の動かし方を学んでおけ。常にお前が倒していては色々とダメだぞ……周りへの被害や影響的な意味で」

 

 被害と影響に関して言われると一子としてはぐぅの音も出ない。

 今はリアスが基本的に後始末をしてくれているが、独立したらそうもいかない。

 

「……そうだ、眷属達に後始末を……」

「一子様?」

 

 にっこりとロスヴァイセは笑みを浮かべた。

 こっちに余計な仕事を押し付けるんじゃねぇ、という感情がこれでもかと込められたものだ。

 いくら高給であり、その分の激務も覚悟しているが、さすがに余計な仕事が増えるのは頂けない。

 

「分かったわよ。強すぎるのも考えものね」

 

 やれやれと溜息を吐いてみせる一子に彼女以外の全員が肩を竦めた。

 

 

 

 

 

 

 

「というわけで、いいですか? くれぐれも! 一子様を戦わせてはいけません!」

 

 ロスヴァイセは将来の同僚となるイリナ、ゼノヴィア、アーシアにそう念を押していた。

 即席のイラストまで使って、一子に戦わせることによって起きる問題と影響。

 眷属ということから、それらを全部解決しなければならないということを丁寧に説明していた。

 

「……普通、王の私が真っ先に戦うってなったら、眷属って士気を高めて云々って……」

「少なくとも、一子様に限ってそれはないです」

「カテレアだったら……」

「カテレアさんも余計な仕事はしたくないと思いますよ」

 

 カテレアの一子への感情は崇拝の域にまで達しているが、それとこれとは話が別だ。

 やらなくても良い仕事を増やされたら、誰だって嫌なものだ。

 

 一子は不満げな顔であったが、ロスヴァイセは頑として譲らない。

 ならば、と一子は切り口を変える。

 

「と言ってもよ。もしあなた達の歯が立たない連中が出てきたら?」

「そのときはしょうがないですね……」

「あと戦う前から私がヤバイって察知したときも、やらせてもらうわよ? 蘇生できるとはいえ、死ななくていいのに死ぬ必要はないんだから」

 

 意外な反撃にロスヴァイセとしては頷くしかない。

 まず死者蘇生ができるという時点で非常識だが、もう慣れたものだ。

 

「とりあえず、一子様達は予定通りに行動してください」

「予定通りって……観光をしていていいの?」

「はい。ホテルにいるのも不自然ですし。私もアザゼル先生と一緒に市内を巡回しますし、木場さんも遊撃としてあちこちに動いてもらいますから」

 

 

 そんなこんなで一子達は事前の予定通りに京都観光へと繰り出すこととなった。

 だが、そこに思わぬ案内役をアザゼルが連れてきた。

 

 

 

 

 

「お詫びに京都を案内するぞ!」

「というわけで、連れて行ってくれ。狙われないとも限らんしな。赤龍帝の傍が世界で一番安全だ」

 

 アザゼルと共にやってきた九重。

 一子がいの一番に九重へと突進し、そのまま抱きしめて頬ずりし始めた。

 

「え、何、可愛い!」

「可愛いですねー」

「一子、私にも触らせてくれ」

「せ、世知辛いのじゃー……」

 

 九重はそう答えるので精一杯。

 ともあれ、そんな感じで彼女の案内で、京都を観光することになった。

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。