モンスターの生態調査報告   作:白竜

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なんとか危機を乗り越えたリオレウス達。
巣に平和な時間が流れる。


火竜達の後始末

リオレイアとリオレウスは巣での戦闘が終わった後の片付けをしていた。

テツカブラが持ち上げた痕や火炎ブレスの着弾した痕などで巣の地面は凹凸だらけで寝る場所がなかったからだ。

 

 

 

地面を足踏みしたりしてなんとか地面を平らにしているところらしいのだが、巣に子供達の姿が見当たらない。

 

と、ここで巣の隅の見えにくい場所からリオレイアが子供を連れて来た。

テツカブラが来た事を察知したリオレイアが目立たない所に子供を隠したのだ。

 

そして巣を平らにする理由がもう1つ。

この子供達はある程度育ち、よちよちとではあるが少しだけ歩けるようになっているらしい。

 

 

子供が歩いた時、段差などで転んだりすると、大人なら問題のないところでも、骨折などの怪我をしてしまう可能性があるのだ。

 

そうなると、他の子供が歩けるようになった時一頭だけ歩けなかったりと、いざという時に生存しにくくなってしまう。

 

 

そうならぬようにできるだけ巣を安全にしているのだ。

 

 

と、リオレイアが往復して子供を運んでいる途中に、もう動いて良いことを知った子供達がよちよちと隅から出てきた。

そして足踏みして地面を固めているリオレウスを見ると、子供達も真似して地面をてちてちと踏み始めた。

 

その周辺はすでに踏み固めた後なので止める理由も無いと、リオレイアも地面を踏み固め始めた。

 

どしんどしんと足踏みするリオレイアとリオレウス

よちよちと足踏みする子供達

 

とても平和な時間であった。

 

 

 

日もそろそろ沈もうかという頃にその作業は終わった。

子供達も疲れて空腹の状態で巣の真ん中のくぼみで休んでいる。

さて、食事の時間、と行きたいところだが親達は堅い殻に包まれたテツカブラを上手に解体する必要があった。

 

まず表面の殻をリオレウスが爪でなんとか裂く事で甲殻に裂け目を作った。

 

次にリオレイアとリオレウスが頑張って切れ目から甲殻を咥えて両方向に引っ張った。

 

手で押さえることが難しい上に、しっかりとくっついていて剥がしにくいので、同時に引っ張ることで引き剥がすのだ。

 

そうすることで体から甲殻を引き剥がすことに成功した。

....真ん中あたりだけ。

 

そうなのだ、いくら甲殻が繋がっているからといって全部がまとめてペリッ!と行くわけはないのだ。

 

結局何回も剥がす事になり、終わる頃にはリオレウス達はかなり疲れていた。しかし休めない、お腹は空いたし、「ぴい」「ぴい」「がおー」と子供達が急かしているので、さっさと食事時間にすることにした。

 

リオレイアは、アプトノスよりガーグァの物に近い肉質の肉を食いちぎって咀嚼すると、顎の棘から子供達に順番に食べさせてやった。

 

...おそらくリオレイアはそのまま飲み込みたい気持ちだっただろう。

 

リオレウスは先に食事を始めていた。

 

多分妻に申し訳ないと思っているだろう。

 

途中からリオレイアも一緒に食べ始めた。

しばらくするとリオレイアもリオレウスも食べ終わった、が、まだ肉は残っている。

恐らくあと1日〜2日は持つことだろう。

 

もうすっかり日は落ちていた。

リオレイアはそのまま子供の近くで眠りについた。

 

リオレウスはどうかというと巣の周りに火炎ブレスの痕跡と自らの匂いを残し始めた。

マーキングの一種のようで、おそらく肉の匂いにジャギィが惹きつけられそうなのでしているのだろう。

 

リオレウスの痕跡が残っているのに近づくような馬鹿者はあまりいないのだ。

 

この作業を終えるとリオレウスは巣の入り口付近で眠りについた。

 

色々あったが最後は平和な時間を過ごせたようだ。

 

 

 




今回はほのぼの回でしたね。
テツカブラって両生類(蛙)っぽいですし鶏肉みたいな味しそうですよね。

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