モンスターの生態調査報告   作:白竜

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火竜の子供はもう成長していた。
巣立ちの季節が来た。


子供達の巣立ちと影

あれから子竜はまた成長した

生後数ヶ月、彼らはかなり大きくなっており、巣もそろそろ手狭になろうかという体長、その大きさは親の半分以上に達していた。

その翼は飛ぶのに不自由しない程になり、親の教えはもはや完全に理解していた。

 

親はそろそろ子を自然へと送り出さんとしていた。

ただ、もう少し時間が必要であった。

なぜならいくら大きくなったとはいえ実際の狩りはまだしたことがなかったし、更に言えば教えてもいなかったからだ。

 

親は数日送り出す前の最後の特訓をさせるのだ。

 

親の火竜達が火炎ブレスを吐き、木を焦がす。

それを真似し、子達も立派に成長した火炎袋から火炎ブレスを吐き出し木を焦がして見せた。

その威力は弱い草食竜を確実に殺せる威力があった。

 

リオレウスにしかできないことを子供のリオレウスにさせ始める。

 

親が空に向かって大きく飛翔する。

そしてそのまま悠々と大空を羽ばたき始めた。

その姿は雄々しく、生態系の頂点、即ち王としての堂々たる風格を持ち、真っ青の空に深紅の竜が翔けるその景色はまさに真なる強さを感じさせるものであった。

 

そして強い風を吹かせながら巣へと舞い戻ってくる。

そんな火竜に触れるものは微塵も残ることはないだろう。

 

子のリオレウスたちもそれを真似する。

親よりは小さくとも確かに威厳を感じさせるその姿は王の息吹を感じさせた。

 

実際の戦闘においてこの飛翔能力は大いに役に立つことだろう。

 

次に動いたのは雌火竜達だ。

彼女たちはしなやかな動きをもって地上を駆け、同じ地を踏むものを逃さず屠る力がある。

 

親の雌火竜は子供に得意な技を練習させた。

それは宙返りする攻撃だ。

それによって尻尾に当たってしまった者は毒に侵されそれ自体の威力により重大なダメージを受けることだろう。

 

親がそれをしてみせる。

その姿はしなやかで、かつ堂々たるもので、それに圧倒されぬものなど竜、人間を含め、誰もいないだろう。

 

子供達も宙返りをしてみせる。

やはり威力は十分ではないが草食竜、そして小型、中型の肉食竜は問題なく屠れる威力があった。

 

親の教えは問題なく子供達が習得していた。

もう巣を発っても問題がない強さだった。

 

 

今日も火竜の見回りの時間だ。

縄張りを荒らす不届き者を発見しておくことが自分達の身の安全につながるので、毎日欠かさず見回りをしている。

 

そして、いつもなら1人なのだが、今日は子供達が付いてきている。

三頭の子供ーー雌火竜二頭に火竜1頭ーー

は、見回りと、狩りを教えてもらっているのだ。

飛竜たちは大抵の場合目がいい。

空から獲物や敵を見つけるためにそうなっているのだ。

子供達は沢山の生き物などを見つけ、危険か、そうでないか、獲物かをしっかり見ていた。

アイルー ーー獣人族の一種で無害ーーや

ジャギィ ーーたまに勇敢なのかはたまた馬鹿なのか、喧嘩を売ってしまう個体もあるが、火竜達にとっては基本無害 ーーや

アプトノス ーー草食竜で無害、肉は多く、美味で獲物に向いているーーをはじめとした、様々な生物を見つけた。

 

 

見回りが大体済んだ。

そして次は狩りの練習だ。

さっき見つけたアプトノス、それを狩らせる気だ。

子竜たちにも及ばない程度ではあるが、大柄で、数ヶ月前までは狩る事は出来なさそうな相手であったが、今は子竜たちにとっても十分獲物として圧倒できそうであった。

 

狩りは基本爪によって行われる。

理由としては一つは当たりさえすればかなりしくじっても毒によって仕留め切ることが可能なこと、

そしてもうひとつはブレスを吐くのは狩りとしては消耗が大きすぎることだ。

火竜種の身体は火、熱に対する耐性が高い、が。

自身のブレスに関してはあまりの高熱により火傷を負ってしまう。

すぐに治癒するので問題はないが、狩りでブレスを使うのは少々消耗が激しいのである。

子供ともなればなおさらである。

 

親は手本を見せる。しかし子供達はあまりそれを見ている余裕がない。なぜなら群れに攻撃を仕掛けるとすぐさま逃げていき、狩りがそれ以上は難しくなるからだ。

 

子供たちのはじめての狩りが始まった。

まず親が向かった。とは言ってもその次の瞬間には子供たちも後をついて行っていたのでほとんど同時だった。

まず親の火竜は爪により一頭を急襲した。

一撃で首に深く食い込み、即死した。

 

子供達が真似をする。

まず1頭目 、火竜

 

爪によって襲いかかるも狙いが外れる。

もがき脱出したアプトノスは逃げようとする。

それに一生懸命追いすがり、噛み付く。

アプトノスは一生懸命もがくが、毒と牙により間も無く動かなくなった。

 

残りは雌火竜二頭である。

二頭で組むのはなぜかと言うと強いとは言え火竜は雌より雄の方が強く、主に狩りをするのは雄なので、今はそこまで一頭で狩りをする意味がないからだ。

 

一頭が爪を食い込ませる。

もう一頭は地上に降りその場で回転し、尻尾を当てる。

だがそこまで威力がなく、もがき続けている。

宙返りはもう一頭に当たってしまうのでできない。

なので噛み付くことにした。

二頭に爪で掴まれ、噛み付かれたアプトノスは抵抗できず死んでしまった。

 

狩りは問題なく出来そうだと判断した親の火竜は今度は獲物を運ぶ訓練をさせる。

三頭のアプトノスを三頭に持ち運ばせようとしているのだ。

 

 

爪の鋭さなどが目立つが、実は掴む力がとても強いのだ。

新大陸とよばれる大陸がある。

そこでの調査によるとアンジャナフと呼ばれる竜との縄張り争いにおいてアンジャナフを掴み上げ落とすと言う戦い方をしている姿が報告されているらしい。

 

そんな力を使って獲物を運ばせようとしている。

 

しかしそんな火竜達に迫るものがいた。

 

突然火球が飛んでくる。それは当たることはなかったが地面に爆煙が広がり辺りを焦がした。それに気づいた竜たちは一斉に空を見上げる。

 

彼は大きく、黒みがかった甲殻。

そして黄金の紋様が刻まれた翼を広げる。

 

それは二つ名を持った竜だった

その名は「黒炎王」

通常種を凌駕する爆炎を操り更には飛行能力も上昇している。

 

圧倒的な強さを誇る王の中の王。

ハンター達の中でも特別な許可がなければクエストの受注さえ許されない強大なモンスター

黒炎王リオレウス。

彼らがお互いの姿を見るとお互いに大きく咆哮した。




また間が空きました。
もう結構終わりが近いです。
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