黒炎王は黒炎王と表記します
この特訓の途中、リオレウスは孤島へと来ていた黒炎王と遭遇してしまう。
咆哮の轟音が戦いの開始を告げる。
《黒炎王》
強力な爆発を起こす火炎ブレス
黒い強靭な甲殻
通常よりも遥かに高い飛翔能力
その個体の全てが通常種を凌駕する。
まさに王の中の王。
故に《黒炎王》という二つ名が付けられるのだ。
リオレウス、彼が対峙する相手は彼の思っている以上に分の悪い相手だった。
子竜達は飛んでその場から離れる。
親もそれを望んでいた。
黒炎王と戦うことにより自分だけでなく子供達が危険に晒されるのを恐れているからだ。だから自分が死んででも子供達を逃がそうとしている。
そして戦いが始まる。
様子を見るリオレウス、まず仕掛けたのは黒炎王の方だ。
小手調べとばかりにブレスを放つ。
火竜はそれをさっと跳びのきそのまま空中にで羽ばたく。
黒炎王もそれを見ると翼を大きく広げ空中にその身を浮かばせる。
火竜は一気に距離を詰め黒炎王に詰め寄り、構える黒炎王に口を開け食らいつく。
しかし、鱗の隙間に入り込んだ歯は傷をつけたが、ほとんどは甲殻に弾かれてしまう。
それにより怯んだ火竜に黒炎王はブレスを吐き当てると火竜はその威力に驚く。
これまで生きていた中で妻のブレスが流れ弾として飛んできたことなどがあるリオレウスだが、そういった他の種のブレスとは格が違う威力のものであったからだ。
なんとか態勢を立て直した火竜は足でブレスを吐いた黒炎王の頭を蹴りつけ、一気に飛翔し空へと飛び立ち、黒炎王もそれに続き空へ向かう。
空ーーまだ雲の下ではあり、火竜種としては低い方であるが飛べない人間にとっては十分高いーーにたどり着いた火竜達は早速戦闘を再開する。
火竜はさっきの戦いにおいて理解したことが二つあった。
一つは弱点部位自体は自分とそう変わらないということである。頭や尻尾、その辺りの部位であればダメージが加えられるという事が考えられる。
もう一つは火竜リオレウスは黒炎王に勝てないということであった。
軽く交戦しただけで悟ったのだ。目の前の竜こそが王の中の王で、自分は格下の存在だということを。
しかし負けられない理由があった。それは子供を守るということだった。
大空で竜たちが吠える。そして火竜が飛びかかり、頭を狙って攻撃を仕掛ける。
噛みついたり、足で攻撃したりするのは空中では体勢を崩しかねず、危険だが、ブレスは自分を超える炎の使い手である黒炎王には効かないと判断したのだ。
黒炎王はブレスにより迎え撃とうとしたが迷いなく向かってくる火竜の速さに反応できず頭を蹴られた衝撃で明後日の方向にブレスを外してしまった。
頭に足の爪が食い込む。頭は甲殻も厚いが、衝撃自体には十分ダメージを受けているし、甲殻の隙間に爪が食い込み傷をつける。
しかし深手にはならず態勢を立て直した黒炎王は負けずに首に噛み付き、火竜の方は必死に抵抗しそれを引き剥がす。
ここで火竜は一旦距離をとり、そんな火竜に黒炎王がブレスを二発連続で吐く。
一発をかわし、もう一発をもろに受けてしまい、火竜は腹部の方の甲殻が焼けこげる。
しかし火竜もブレスを扱い、火に強い甲殻を持っているため、大したダメージにはなっていない。
火竜もまけじと連続でブレスを吐き、黒炎王に火球が飛んでいくがある程度距離があるため、黒炎王は瞬時に体制を変え横の方に一気に飛び、ブレスをかわす。
火竜は黒炎王に何発もブレスを吐く。
追われながら何発も火球を放たれた黒炎王は何発かを受けてしまうが、ほとんど意にも介さず飛び続け今度は上空に向け急上昇する。火竜もそれを追い上昇を始める。
火竜が放つ火球が雲を撃ち抜き、ついには黒炎王は雲を貫き大空へとたどり着く。
追っていた火竜も雲に突っ込み、大空に突入する。が、雲を突き抜けた火竜を火球が待っていた。
頭からもろに火球の爆発を食らってしまった火竜は無視できないダメージを負い、鱗の一部がはげ壊れる。
ハンター達にとっての部位破壊である。
火竜は大きくひるみながらも勢いだけで昇り続け同じ青き大空に辿り着く。
それが王として君臨するものの意地であった。
そして火竜が勢いを捨てず捨て身で飛びかかった。
爪での攻撃だろうと予想していた黒炎王は反応が遅れ、体当たりをもろに受けつかみかかられる。
そして火竜は羽ばたくのをやめ、大空から地上目掛け落下を始める。
風を切り、二頭は落ちていくなか必死の攻防を始めた。
黒炎王が大きく翼を動かし重心を変え、ブレスを吐きつけ、若干ではあるが怯ませ隙を作ることによりなんとか位置を変えようと試みる。
火竜はそれに必死に抵抗するも、耐えきれず上下の位置を変えられてしまう。
しかし地上まで10秒もない中、火竜も決して諦めない。
火竜は自分が上に行くのではなく黒炎王を下に退けるという形で位置を変えようとする。
そのためにまず火球を何発も吐き、あてるが怯まない黒炎王の首に必死で噛みつく。
流石にそれに怯んだ黒炎王を火竜は全力で足を使い投げるように強引に下に引き摺り下ろす。
それはもう地上まで数秒というところであった。
地上の直前で火竜は足を離し飛び、そのまま黒炎王は地上に叩きつけられた。
火竜は勢いを殺しきれず、少し離れたところに着地をしようとするも失敗し、転倒する。
そして、土煙が立った。
空が晴れた後には傷だらけの黒炎王が立っていた。
落下の寸前で翼を広げ翼の力と、足を離し飛び立った火竜の力で若干ではあるが衝撃を和らげたのだ。
そして黒炎王は限界まで力を溜め、ブレスを放とうとする。
その時、何者かが黒炎王に突進し黒炎王を転ばせ、その黒炎王に何発もの火球が飛んできた。
そこにいたのは陸の女王、雌火竜リオレイアと子竜たちであった。
火竜リオレイア一頭の力ではとても黒炎王を倒すのは無理だ。
しかし、リオレウスには家族がいた。
火竜と雌火竜は黒炎王を討ち倒し、王の座を取り戻せるのか。