傘とお玉とスケッチブックと水泳をするには向いていないドレス   作:赤瀬紅夜

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化物語 ひたぎクラブ
作者: 西尾維新
あらすじ: 直江津高校に通う阿良々木 暦は、階段で戦場ヶ原 ひたぎを受け止める。
しかし、彼女にはおよそ重さというものが無くて……?

一作目のクロスオーバーは、化物語です。
しかも、今回の語りは彩歌ではありません!

それでは、本編をどうぞ。


ひまりトーキング 其の壱

001

 

えーと、こんにちは。

少しだけお話ししても良いですかね〜?

わたしの名前は玉上 陽毬、今回の語り部を務めさせて頂きます。

両親が経営している和食店での話。

というのも、わたしは小学生の頃からお料理って得意でした。

両親の職業も影響していますが、何よりも食べてもらって美味しいって言って貰えるのはとても嬉しいですからね〜。

最初に作ったのは卵焼きで……って危ない危ない。

話が逸れてしまいましたね。

 

こほん。

 

今からわたしが話すのは、わたしが中学三年生の時の夏休みのある日にあるお客さんから聞いたある噂についての話です。

せいいっぱい頑張るのでぜひ聞いてくださいね。

 

002

 

受験生でありながらわたしは今、お店で接客に当たっています。

まあ、わたしが好きでやってるのでおとうさんもおかあさんも咎めないでますが、出来て夏休み中ってトコが限界でしょうか。

テスト前日に部屋の中を掃除したりする、現実逃避みたいなものですよね〜。

現実逃避で有ろうと無かろうと、お客様には丁寧に接客するのが1番です。

 

「いらっしゃいませ〜、大変混み合っていますので、しばしお待ちくださいね〜。」

 

只今の時刻、12:30。

 

10:00に開店してから、昼時では今が1番混み合うのでこの時間帯に入ってきたお客様には少し待って貰います。

わたしとしては、すっごく申し訳ない気持ちでいっぱいになるのですが、これ以上お店を大きくするのは無理なのでこうして待ってもらうように呼びかけるしかありません。

 

「ごちそうさん、また来るよ。」

 

そう言った声が聞こえたので、お会計を済ませたお客様がお店を後にしたようですね。

ありがとうございまいした〜。と言いながら頭を下げて見送り、先ほど待っていただいたお客様を案内します。

全個室制のお店なので、席の数は限られています。

 

「こちらへどうぞ〜。」

 

………

 

現在の時刻は14:00ちょっと過ぎたあたりですね〜。

 

お客様の流れが止まったあたりなので、そろそろわたしも勉強に戻らなくては……と思ったのですが、どうやら2人ほどご来店されたようです。

 

勉強に戻りたいのもありますが、それよりも今来たお客様に満足してもらいたいので、少しだけがまんです~。

さっき見た感じ、厨房の方も立てこんでいて手が離せないようでしたし、ここはわたしが何とかするしかありません!

 

「いらっしゃいませ〜、お席に案内してもよろしいでしょうか〜?」

 

わたしよりも年上の方達のようですね……っとハッ!!

 

……カップルのお客様のようですね〜。

初々しさみたいなのが出てる気がします〜。

 

「ああ、お願いするよ。」

 

男性の方からそう言われたので案内することにしました。

 

部屋に案内する途中で、後ろの方から話し声が聞こえてきました。

といっても、断片的な単語くらいしか聞き取れませんでしたがね〜、何でしょう『かいい』がどうとか『このお店だと思う』だとか、わたしにはよくわかりませんでしたけど………。

 

そうしている間に、お部屋に着いたのでそこに案内します。

 

わたしの家でもあって、和食料理店でもある鳳玉亭は、和風の料理もですけど、内装にもこだわっています。

ちょっと自慢みたいになって恥ずかしいのですけど、わたしの家がこんなに大きいのにもお客様がそれぞれ個室でくつろいでもらうためでもあります〜。

他の和食店とは少し毛色が違いますが、それによって来るお客様も増えているので、わたし自身、気に入っています~。

 

このカップルさんもきっとこの和の雰囲気に惹かれて来たのでしょうか〜?

 

「お冷やをお出しするので、少々お待ちくださいませ〜。」

 

そう言って、一旦このお部屋を後にします。

 

外にいたはずなので、お冷やをお出しして涼しんでもらわないとですね〜。

 

少し急いで廊下を歩きます。

 

厨房に入り、素早く冷たい麦茶の入った容器と、二人分のガラスのコップを持っていきます。

ガラスのコップを使うと和の雰囲気にそぐわなくなりそうでしたが、おとうさんが和風の造りのものを選んでくれたので、違和感はなくなりました。

ガラスのコップは透き通っていて、見た目、涼しげなので、今の季節によく合います~。

わたしがおねだりして、おとうさんに買ってきて貰ったのは正解でしたね~。

 

それでは、そろそろメニューをお尋ねしましょうか〜。

 

「ちょっと良いかしら、聞きたいことがあるのだけれど。」

声をかけようとしたまさにその時でした。

女性の方がわたしよりも先にそう尋ねてきました。

………聞きたいことですか〜。

何でしょう、メニューのことについてですかね……?

「はい〜、何でしょうか、お客様?」

その方は、紫の長い髪をかきあげながら尋ねてきました。

 

「あなた、怪異という物を知っているかしら?」

 

 




火憐「火憐だぜ!」
月火「月火だよ!」
火憐「寿司も立派な和食伝統だな」
月火「そうだねー」
火憐「ここで予告編クイズ!」
月火「クイズ!」
火憐「あたしの好きなネタは何でしょう!」
月火「個人的すぎる!」
火憐&月火「「次回 ひまりトーキング 其の貳」」
火憐「正解は肉寿司だぜ」
月火「まさかの魚介じゃない…」

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