翌日、僕らはフィールドボスの攻略を見ていた。青いグループがディアベルの仲間であったリンド率いるドラゴナイツブリケード、緑グループが
その戦闘を見ているのだが……
シュバ「ひどいね……これは」
テリー「ああ、何でタゲ取り散らしてんだよ……」
キリト「見事に連携が出来てないな……」
タゲ取りはバラバラ、フィールドボスはあっちこっち行ってまともに攻撃を入れられない。
かろうじてそれぞれのグループでソードスキルを叩き込んでいる。なかなか決着が着きそうにない。
互いに協力して攻略するならいがみ合っている場合でもないのにな……いずれどちらかが問題を起こしそうで怖い。
ユウキ「観察してるとこ悪いけど……」
フィリア「この層……」
アスナ「何でこんなにも……」
「「「牛系モンスターが多いの!」」」
女性陣の叫び声。
うん、わかるよ、僕も『なんで(こんなにも牛が多いの)さ』って思ったよ。これじゃあ魚◯国ならぬ牛◯国じゃないか!
キリト「仕方ないさここは牛が生息する地帯がテーマだから」
「「「それにしても多すぎるよ!」」」
この二層はいたるところに牛、牛、牛……とにかく牛しかいない。
こんだけいたら食材には困らないので料理スキルを上げるのには困らぬ。フフフ……(暗黒微笑)ステーキ三昧や!
テリー「それにシュバルトのステーキは旨いが飽きそうになる……」
シュバ「それは同感だよ……豚肉食べたい」
「「そうだね~」」
「「ステーキ!?」」
上はユウキとフィリア、下はキリトとアスナと叫ぶ。
あれ?もしかして二人とも食べてないのかな?
料理スキル取らないとまともに料理は作れないから仕方ないか。
キリト「シュバルト今日の予定が終わり次第ステーキを作ってくれ。もちろんただとは言わない、俺の持ってる肉を使ってくれ」
アスナ「私も!」
おおう……そんなに食べたいのか……ん?待てよ店売りの料理は?一応ここの料理は牛肉料理だけど……
シュバ「店売りのものはどうしたのさ」
キリト「飽きた」
アスナ「味気なくて……」
なるほどね……そりゃそうだ。一応リアルのほうが美味しいようには設定されてるからね、一部NPCの料理は。
シュバ「わかった、今夜僕らが借りてるホームで作るから来て」
そう言うと、ガッツポーズをする二人。
料理スキル取ればいいのに……
キリト「う……!?」
突然低い声をキリトが上げる。その隣でアスナが訝しげな表情を彼に向ける。
僕も少し気になった。
テリー「どうしたキリト、何かいたのか?」
キリト「ああ、昨夜ネズハを尾行したときに酒場で彼を待っていた奴らだ」
シュバ「それって……ネズハの仲間ってこと……」
キリト「アスナ、あそこの待機組三人の名前、知ってるなら教えてくれ。特にあのとんがり頭」
アスナ「えっと真ん中の人がオルランドさん……?だったかしら。それで右がベオウルフさん、左がクフーリンさん」
テリー「オルランド……シャルルマーニュ十二勇士か……」
キリト「ベオウルフ……イギリス辺りかな……《
シュバ「ねぇ、一人……誰とは言わないけどすぐに死にそうな名前の人がいるんだけど」
ユウキ「そういえばあの人達もうギルド名もう決めてたみたいだよ。確か《レジェンド・ブレイブス》って言ってた」
レジェンド・ブレイブス伝説の勇者達か……ネズハの綴りはなんだ?《クイックチェンジ》が使えるから彼も英雄の一人のはず。もし綴りが──なら彼がクイックチェンジを使える裏付けになる。
そんなことを考えながらフィールドボスがリンドのソードスキルによって倒された。
シュバ「とりあえずあそこブレイブスが参加したてなのにここまで戦えるのは、強化詐欺で儲けたからなんだろうね。装備強化ならお金があればいくらでも出来る」
フィリア「そういうことね……」
僕等はフィールドボス討伐パーティーと入れ替わるように南部フィールドへ向かった。
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アスナ「嫌!」
フィリア「来ないで!」
「「近づかないで!」」
ユウキ「頑張って~二人とも」
二人のソードスキルが巨大な上半身にあたる。そしてポリゴン片となって砕け散った。
「「こんなの……こんなの牛じゃない!」」
二人の言いたいこともわかる。
こいつらは半牛半人の化け物だもんな~
アスナ「頭が牛だけど」
ユウキ「八割人間だね」
テリー「ミノタウロス系はこういうもんだぞ」
アスナ「ミノタウロス?ギリシャ神話の」
キリトがアスナにミノタウロスの説明を少し話す。
その中にテセウスやラビリントスの話があり、僕はミノタウロスの本来の名前を思い出すがすぐに隅に追いやる。
キリト「それでトーラスの何がお気に召さないのですか?」
アスナ「だって服、着てないじゃない!セクハラよ!セクハラ!」
キリト「なるほど……」