絶剣の少女と怪物狩りの少年   作:小説大工の源三

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攻略会議

シュバルトside

 

迷宮区から無事帰還し昼食をとる予定なのだが、コポルドのボスを一人で相対した時の記憶が曖昧なのだ。

自分は二重人格(・・・・)だという話しを聞いたことがない。もし二重人格なら怖い自分の意識のないところで何かしていると思うと……この先は考えないでおこう。

僕は忘れるために頭をブンブンと振った。

 

ユウキ「どうしたの?」

 

シュバ「ううん、ちょっと嫌なこと考えててね……」

 

テリー「なんかあれば言えよ。ここにいるのはお前の味方だからよ」

 

僕の回りは良い人達だな。

これからも大切にしないと。

 

フィリア「この後どうする?攻略会議まで時間があるけど」

 

元々の予定は会議まで自由時間なのだが。僕はもう少しレベルを上げておきたい。ステータス的なレベルではなくただプレイヤースキルを上げたい。

圏内では攻撃してもコードがあるので、プレイヤーに直接ダメージを与えられない(・・・・・・)、それを利用してできる圏内戦闘というものがある。

相手はテリーに頼んである。

 

シュバ「戦闘訓練かな?」

 

ユウキ「どうやってやるの?」

 

シュバ「街中ではコードが発動してダメージが入らないのを逆に利用してやる、圏内戦闘っていうんだ」

 

テリー「それをやろうと思ってな」

 

ユウキ「それ、ボク見学してもいい?」

 

フィリア「あたしも!」

 

その後僕らは圏内戦闘でプレイヤースキルを上げていった。

 

─────────────────────────

 

シュバ「そろそろ攻略会議の時間だ」

 

テリー「ああ、お前ら準備はできたか」

 

ユウキ「うん」

 

フィリア「あたしも問題なし」

 

僕らはトールバーナの噴水へ向かう。

 

ユウキ「何人くらい集まると思う?」

 

シュバ「1レイド分くれば多い方だろうね」

 

こんなデスゲームで戦いにくる人の方が少ない中で集まるのだろうか。

そんなことを考えながら歩いていると、近くの噴水広場に着く。

 

テリー「んーと……俺達含めて四十六人だ。1レイド弱か、これでも集まった方だろ」

 

シュバ「うん。思ったより集まったね。それが《勇気ある行動》なのか、はたまた《遅れるのが嫌》なのか。どっちかというと僕は前者だけど」

 

テリー「それは何で」

 

シュバ「このデスゲームの開発に携わって何もしないで見てるよりはって感じかな」

 

ユウキ「責任感じてるの?」

 

シュバ「ん?……ああ、まあ確かにそうだね。ぶっちゃけると二人を連れてきたのもそれが理由だし。あと関係者が何もしてないって言われるのが面倒」

 

フィリア「そっか」

 

テリー「とりあえず始まるまで座ってようぜ」

 

手頃な場所に座り会議が始まるのを待つことにした。

それから数分たつとキリトが来たのだが、その後ろにはなにやらフードを被ったプレイヤーがいた。

 

キリト「やっぱりお前らも来てたのか」

 

シュバ「まあね。それと後ろの人は?」

 

キリト「成り行きで」

 

テリー「その成り行きは聞かないでおこう」

 

キリト「そうしてくれると助かる」

 

一体二人に何があったんだ?

すると会場のステージの方で一人のよく通る叫び声と手を叩く音が広場に流れてきた。

その声は例えるならこれから強大な敵に立ち向かおうとする勇者のようだった。

確かにこれからそれの会議をするのだが、妙に合っている。

 

???「はーい!それじゃ、五分遅れだけどそろそろ始めさせてもらいます!みんなもうちょい前に……そこ、あと三歩こっち来ようか」

 

声の主は、長身の各所に金属防具を煌めかせた片手剣使い(ソードマン)だった。

ステージの上へ助走なしでひらりと飛び乗る。その装備と行動からするにかなりのレベルを上げているのだろう。

 

フィリア「妙にあの人役にはまってるね」

 

ユウキ「それの為の装備と髪なんでしょ。なんというか……はまり役だね」

 

女子二人はステージ上の男に対して警戒のような人間観察をしている。まあネトゲはすぐ人を信じ込むのは少々危ないからいいことなのだが。

 

???「今日は、オレの呼び掛けに応じてくれてありがとう!知ってる人もいると思うけど、改めて自己紹介しとくな!オレは《ディアベル》、職業は気持ち的に《ナイト》やってます!」

 

噴水近くの一団がどっと沸き、口笛や拍手が起きる。それに混じって「本当は《勇者》って言いてーんだろ!」などという声が飛ぶ。

 

テリー「騎士(ナイト)様ねぇ……」

 

フィリア「どうしたのテリー?」

 

テリー「いやなんとなく胡散臭げだなって」

 

テリーの言う通りそこはかとなく胡散臭い。なんというか、これから共に攻略をする人物を疑うのは悪いのだろうけど、ああいうタイプは裏と表の使い方がうまい。

攻略には前向きなんだろうが、攻略とは別に他の目的がありそうだ。

それに彼の姿何処かで見覚えがあるが、思い出せない。

 

ディア「さて、こうして最前線で活動している、言わばトッププレイヤーのみんなに集まってもらった理由は、もう言わずもがなだと思うけど……今日オレ達のパーティーが、あの塔の最上階へ続く階段を発見した。つまり、明日か遅くとも明後日には、ついに辿り着くってことだ。第一層の……ボス部屋に!」

 

どよどよと、まわりのプレイヤー達がざわめく。かくゆう僕も少々驚いた。僕達がコポルドの隠しボスと戦っていた間にすでに攻略されていたとは知らなかった。(コポルドの隠しボスの部屋は十八階だった)

 

ディア「一ヶ月。ここまで、一ヶ月かかったけど……それでもオレ達は、示さなきゃいけない。ボスを倒し、第二層に到達して、このデスゲームそのものがいつかきっとクリアできるんだってことを、はじまりの街で待っているみんなに伝えなきゃならない。それが、今この場所にいるオレ達トッププレイヤーの義務なんだ!そうだろ、みんな」

 

再び拍手喝采。今度は彼の仲間以外も手を叩く者もいるようだ。

 

テリー「すごい奴だな。カリスマスキルCでもあるのか?」

 

シュバ「さすがに言い過ぎかな?せいぜいD+くらいかな」

 

ユウキ「唐突にFateの話しないで着いてけない」

 

シュバ「ごめん」

 

少しすると後ろから制止をかける声が上がる

 

???「ちょお待ってんか、ナイトはん」

 

やはり全員が全員、納得したというわけではないようだ

 

 

 

 

 

 

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