ようやく雄也がハロハピメンバーになります。
では、どうぞ!
雄也視点
結局、ミッシェルは部屋に入れなくて「後で美咲ちゃんから内容を教えてもらうよー」といって帰っていった。
程なく奥沢さんが帰ってきて作戦会議が再開したのだが、一体どこいってたんだろう……?
「とりあえず、こころは駒沢くんをライブに参加させたいんだよね?」
早速その奥沢さんが切り出した。
「そうよ!あたしたちと一緒に演奏すれば雄也もきっと笑顔になると思うの!」
「いやでもさー……」
そういいながらこっちを見る。
「駒沢君って普通は見えないんだよね……」
「うん……」
早速壁にぶつかってしまった。
僕が演奏してもお客さんには勝手にキーボードが鳴ってるようにしか見えない。それで怖がって帰られるのは辛いし、何より皆や他のバンド、スタジオにも迷惑がかかってしまう。
ライブに興味がないというと嘘だけど、そもそも僕は一人で怖がられずに演奏できれば良いわけだし……
「そんなに困ってどうしたのかしら?ライブはとても楽しいと思うのだけど?」
「いやいやお客さん怖がっちゃうから……」
やっぱり無理だよ……と、早々に諦めようとしていたら───
「自動で鳴るキーボードで通せないかな……?」
提案してきたのは松原先輩だった。
「自動で鳴るキーボード?」
「うん。昔弟と博物館に行った時に見たことがあって……ハロウィンライブだから雰囲気は悪くないかなと思ったんだけど……」
「うーん……やるならそれ位しかないですかね……いや、でもウチならいけるか……?」
え、それで通せるの奥沢さん?みんないつもどんなライブしてるの?
「ねえねえ、ゆーくんはキーボードできるの?」
今度は北沢さんが聞いてきた。
「ピアノはやってたよ。幽霊だから鍵盤には触れないけどこうすれば……」
ポルターガイストでレースカーテンを波打たせる。弦巻さんと北沢さんからおー。と歓声が上がった。長時間はまだしんどいんだけどね。
「すごいわ雄也!あなたは魔法が使えるのね!」
「いや、魔法というより……」
「ねぇねぇ!今のカーテンふわっとしたやつ!もっかいやって!!」
「ま、待って、今会議中……」
「───とりあえず、演奏もできると……それじゃあキーボードパートの書き足しは……」
目を輝かせる北沢さんと弦巻さんにしどろもどろの僕をよそに奥沢さんがすすめていく。
「それは私がやるよ。美咲はまりなさんへの連絡をお願いできるかな?」
「あ、了解です。」
楽譜の書き足しは瀬田先輩が、まりなさんが誰なのかは分からないけどその人への連絡は奥沢さんがやるみたいだ。
「決まりね!!」
弦巻さんが喜んでいる。奥沢さん、手際良すぎでしょ……
こうして僕はハロー!ハッピーワールドとライブに出ることになってしまった。
練習場所と楽器に関しては弦巻さんの家にいけば良いそうなので迷惑にはならない。
まさかこんなに早く演奏ができるようになるとは思わなかったよ……でも
本当に自動キーボードで通っちゃったら本番失敗できないじゃん!!あと楽譜あったら変だし
と、僕は始まる前からプレッシャーに押し潰されそうだった。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
次回からは番外編を一つ挟んでハロハピメンバーとの交流を書いて行く予定です。
投稿頻度はあまり早くできませんが、他のバンドからのゲストも考えているのでお楽しみに!