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それでは本編をどうぞ!
雄也視点
公園でいきなり「一緒に楽しいことをしましょう!」なんて声をかけてきた女の子に出会ってから数日……僕は毎日のように彼女に付きまとわれていた。
のんびり街灯に座って人を眺めていると「そんなところで何を見ているのかしら?」と下から声を掛けられ、散歩をしていると「あら、これからどこに行くの?」と勝手についてくる。
困ったことに彼女は周りの人とかお構いなしで僕に話しかけてくるのが…姿は見えてないのにこっちが恥ずかしくなってくるよ……
逃げてはみたのけど、足が速くて全然振り切れない。しかも僕がすり抜けていったベンチとかガードレールとかを当たり前のように飛び越えて追いかけて来るのだから最初は目を疑った。おまけにさんざん逃げ回っても疲れを見せるどころか「追いかけっこがしたいのね!」と喜んでいた。どんな体力なのさ……
しょうがないので幽霊らしく宙に浮いて彼女を振り切ってみた。疲れるからあまりやりたくはなかったけど流石にこれなら追いつけないでしょ…
───そう高を括っていたら翌日から町中に黒いスーツを着てサングラスをかけたSPみたいな人が何人も出てきて、僕を見つけると「いたぞー!」とみんなで追いかけまわしてくるようになってしまった。
もうこれTVや映画で観る光景じゃん!!ホントなんなのあの子!?なにか対策立てるとそれを10倍くらいにして返してくるんだけど!?…というかその黒服さん達は一体何者!?あの子の家はお金持ちなの!?
…もう駄目、こっちが持たない………ということで、ほとぼりが冷めるまで家に籠ることにした。物には触れなくてもTVのリモコンとか周りのちょっとしたものは動かせるので暇にはならない。音は出せないけどね…
こういうの、それっぽく言うならポルターガイストかな?一回その力で調子に乗ったせいでれい姉に雷を落とされたことがあったんだけどね………
よく考えたらあの娘は高校生だし放課後と通学時間だけ家に籠っていればよかったんじゃ…いやでも黒服の人たちが町にいるから意味ないか…
…とりあえず、今度こそ大丈夫かな?家に入るところは見られないように注意したし、そもそも人の家に勝手に上がり込んだりはしてこないはず……
しかし、それでも彼女は10倍返しをしてきた。
「た、ただいまー……」
引き籠りを始めてから数日たったある日、れい姉が大学から家に帰ってきた。でも様子が変だ。何かあったのかな?
「おかえりー。どうかしたの?」
「雄也……帰宅中になんかこんなの道で配ってたんだけど………」
「?」
引き攣った顔で紙切れを渡してきた。そこには……
[この人を探しています。見つけたらこちらまでお電話ください。]
という文章とおそらく配っていた人の連絡先。そしてものすごく精巧な僕の似顔絵が描かれていた。
え、なにこれ……うそでしょ……眩暈と頭痛で倒れそうになったのを何とか持ちこたえてれい姉に質問する。
「これ………どんな人たちが配ってた?」
「スーツにサングラスの人たちがたくさんいて配ってた。あ、あと高校生の女の子もいたけど。」
ホントになんなのあの人たち………
「ごめん、ちょっと出かけて来る。」
そう言って僕は家を出た。これ以上やられたらたまったもんじゃない。直接いやだと言うことにした。
黒服さんに雄也が見えていた理由ですが。この世界の幽霊は怪奇現象にあったり、霊感のある人に教えてもらう等の理由で
「そこに何かがいる。」
と意識すると霊感のない人でも波長が合って、基本霊が見えるようになる。みたいな設定にしています。
黒服さん達はこころの言うことを信じているため、全員彼を見えるようになりました。
本編後半でも言及しますが。雄也はそう言う部分が滅多に合いません。いわゆる零感に近いです。逆にれい姉はどんな霊とも波長が勝手に合ってしまう感じです。
次回はそんなれい姉の視点もお送りします。