幽霊を笑顔に!!【本編完結】   作:GTP

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お待たせ致しました。

今回は幕間の最終話、氷川日菜と雄也のおねーちゃん(?)自慢大会です。

さよひなは私の推してるカップリングの一つということもあってなかなか納得できず、またしても大手術になってしまいました。

では、どうぞ。

2025 6/16 後半を大きく書き換えました。


自慢のおねーちゃん

雄也視点

 

 

「さあゆーくん!おねーちゃんの自慢大会しよ!」

 

「ひ、日菜先輩……!ここ外でも病院なのでもう少し声を……」

 

元気一杯の日菜先輩を慌てて止める。外出の許可、もらっててよかった…

 

「…えっとそれで……何でしたっけ?お姉ちゃん自慢?」

 

ベンチにかけてもらってて改めて聞き直す。確か、チャットで励まされた時もそんな事を言われたような……

 

「そうそう!みれーさんの「るんっ♪」ってするとこ、あたしにおしえて!」

 

「る、るんっとくる所……」

 

僕とれい姉は姉弟ではないんだけど……とりあえず、あの人の良いことを言えばいいのかな?

 

「それなら……優しいこと、ですかね?れい姉は悩みとかちゃんと親身になって聞いてくれるので……」

 

「うんうん。」

 

「あとは大人なところとか……」

 

「なんかちがーう。もっと「ピピッ!」ってくるのない?」

 

るんっ♪の次はピピッ……?困ったな……ニュアンスの違いがよくわからない……

 

「うーん……「ビリッ!」ならあるんですけど……」

 

「あるの!?聞かせて聞かせて!!」

 

な、なんか思わずこぼした言葉に想像以上に食いついてきた……

 

「い、いいですけど……「るんっ♪」って来るかはわかりませんよ?」

 

「そんなの聞かなきゃわかんないじゃん!ねえねえ早く早く!なにが「ビリッ!」ってきたの?」

 

「わ、わかりました……えっと……

僕、幽体離脱して最初の時は電柱まで浮遊していってぼんやり過ごす事が多かったんです。」

 

「うんうん。それで?」

 

「それで……ある日れい姉と出かける約束があるのを忘れて電柱で考え事してたら……そこから叩き落とされて……」

 

「でもゆーくんってその時お化けでしょ?みれーさんはどうやったの?」

 

「御札とか数珠とか……霊を追い払ったり触れるようになる道具があるんです。

色々な霊と関わってると時々悪霊に鉢合わせたりするみたいで…れい姉は普段からそういうのを隠し持っていて…

それで……電柱から落とされた時は、御札を仕込んだ靴をそのまま投げつけられて……それがこう「ビリッ!」と……」

 

「あははっ!「ビリッ!」ってそーゆーことだったんだー!」

 

ケラケラ笑う日菜先輩。これは多分心にビリってくるとか、そういう予想をしてたのかな?

 

「でもみれーさんって強いんだね!!武器を隠し持ってるってなんか忍者みたい!!」

 

「忍者ですか……確かに似ているかもしれません。れい姉は周りを巻き込みたくないからって自分のことをあまり言おうとしないので…」

 

実際僕も幽体離脱するまでは霊感がある。までしか本人から言われていなかった。それに、今れい姉は親元を離れているのでここまでアクティブに活動していることを叔父さん叔母さん(彼女の両親)も知らないと思う。

 

「じゃあ忍者でブシドーだ!カッコいーっ!!」

 

「ブシドー…になるんですかねこれ…

け、けど、僕もカッコいいなって、正直憧れていたり……」

 

自分の事じゃないのになんか嬉しくなってきて、恥ずかしくて本人に言えないことまで勢いに乗って話してしまった。

 

僕みたいに幽体離脱をして戻れなくなった人の悩みを聞いたり、死霊が成仏するお手伝いをしたり、時には絡んできた怨霊や悪霊を自力で追い払う───

 

最初は漫画か何か!?ってびっくりしたけれど、優しくて物怖じしないれい姉の姿はいつしか自分の目標みたいになっていた。具体的な話をしないから心配もしているけど…

 

「えっと……こんな感じでよかったですか……?」

 

「うんうん!あたしもゆーくんのおねーちゃんに「るるるんっ♪」てきたよ!!」

 

るが増えたのは気に入ってくれた……のかな?もしかしたら、日菜先輩はれい姉の長所を聞きたいというより、具体的なエピソードが聞きたかったのかも…

 

「じゃあ次はあたしの番ね!おねーちゃんだってみれーさんに負けない位すごいんだから!!」

 

 

 

───ということで今度は日菜先輩がお姉さんの自慢をしたのだけど……水を得た魚というかなんというか……とてつもないくらいに生き生きとしていた。

 

Roseliaのギタリストとして、ストイックに練習を重ね、技術を磨きあげていく姿。

 

それでも学業を疎かにしない真面目な所。

 

弓に矢をつがえ、狙いを定める時の凛とした佇まい。

 

フライドポテトが好きな事を必死で隠しているつもりだけど割と皆にバレていること。これ聞いてよかったのかな…

 

犬の出る動物番組は欠かさずチェックしていたり、出かけるときは道で散歩している犬を密かに数えていること。これも聞いてよかったのかな…

 

そして、ふとした時に自分に向けてくれる静かだけど優しい笑顔。

 

紗夜先輩への「るんっ♪」は止まらない。お姉さんのことは商店街とハロウィンライブで顔を見ただけだったので、色々な話を聞けるのはとても新鮮だったし、きらきらしている目が楽しいことを見つけたこころちゃんみたいだった。

 

「先輩…本当にお姉さんのことが好きなんですね……」

 

「そりゃそーだよ!最近のおねーちゃんますます「るんるんっ♪」ってしてるからね!こないだはつぐちゃんのお菓子教室に行ってたし、その前はあこちゃんやりんりんと一緒にオンラインゲームを…あっ!」

 

「?」

 

再び始まった姉自慢が急に止まり、席を立って駆け出していく。その先には────

 

「おねーちゃんだーっ!」

 

赤い顔で気まずそうにこっちを見るお姉さん、氷川紗夜先輩がいた。髪の長さとか雰囲気は違うとはいえ、やっぱり似てる…背が高いのいいなぁ…

 

「もしかして、用事早く終わらせてくれたの!?うれしーっ!」

 

「た、たまたま早く済んだだけよ…」

 

待ち合わせ時間より早かったのが嬉しかったらしい。終わらせたのか終わったのか、真相はわからないけれど…

 

「…日菜、ここは病院よ?外とはいえ、大声で話すと患者さんの迷惑になるわ。

あと───」

 

若干しぼんだ後ろ姿の日菜先輩。

 

その肩越し、紗夜先輩の視線がこちらを捉えた。

 

…目の色からは疑問と微妙に警戒しているのが見て取れて…

 

「貴方…一体日菜とどういう関係なのですか?」

 

「…」

 

そうだよね…大事な妹さんが面識のない異性と話してたら気になるよね…先輩の視点だと僕、脈絡なく急に出てきたような形だし…ましてや日菜先輩、アイドルバンド所属だから…

 

「ゆーくんはあたしの友達だよ。お化けやってたからおねーちゃん見えなかっただけで、こないだCircleでやったハロウィンライブにも出てたんだ。

あ!あと好きな人がこころちゃんでー…」

 

「え…えっ!?ちょっ…ちょっと待ってちょうだい!?情報と疑問が多すぎるわ…!」

 

「いや言う必要ありました最後っ!?」

 

「そこ誤解されちゃったらあたしもゆーくんも困るじゃん。」

 

「…」

 

…ここから待っていたのは紗夜先輩からの質問責めだった。

 

結果、2人にも体に戻れなくなった理由周りをぼんやりと話すことになったり…その部分含め、後から紗夜先輩に深入りしたことを謝られたりもあって…

 

でも────

 

「…い、色々ありましたが…日菜先輩。」

 

「なーに?」

 

「僕が消えかけた時、メッセージを送ってくださってありがとうございました。」

 

「どーいたしましてっ!またおねーちゃん自慢しよーね!」

 

「…そういう約束も、できれば本人のいないところでやってほしいのだけど…」

 

…何だかんだで、拗れず終われてホッとしたのだった。

 

 

「───駒沢さん。日菜の話していた…犬とフライドポテトの事は他言無用でお願いします。

…前者は兎も角、後者は勘違いも甚だしいので。」

 

「は、はい…」

 

「ぷっ…」

 

「何が可笑しいのっ!

…こほん。それともう一つ、確認したい事があるのですが…」

 

「な、なんでしょうか…?」

 

「ハロウィンのライブではハロー、ハッピーワールド!の皆さんに混じって、キーボードを演奏していたのですよね?」

 

「…はい…自動キーボードという体で…

 

「わかりました。ありがとうございます。となると…宇田川さんは…

 

「?」

 

 

 

おまけ

 

 

日菜「第二回、おねーちゃんの自慢大会!」

 

雄也「本当にまたやるんですね……」

 

日菜「とーぜん!おねーちゃんの「るんっ♪」ってくるとこ、まだまだたーっくさんあるもん!」

 

雄也(こないだあれだけ話したのに……)

 

日菜「それでね、今回はもう一人連れて来たんだ!

あこちゃん。来ていーよ!」

 

あこ「ふっふっふっ……妾は闇より出でし漆黒の堕天使…」

 

雄也(こっ…今度はRoseliaのドラマーさん!?)

 

あこ「奏宴を終え、その身に還りし魂よ。妾との再会に…再会を……えっと…」

 

雄也「…?」

 

(堕天使説明中…)

 

雄也「つまり…あなたも幽体離脱していた僕がみえてて、それに気付いた紗夜先輩から色々聞いたと…」

 

あこ「うんっ!よろしくね!ゆーやんっ!」

 

雄也(ゆ、ゆーやん…)

 




まさか公式がおねーちゃんでカードバトルしだすとは…

あ、ここまで読んでくださってありがとうございます。

もともと「初めの一歩」と「モカちゃん初冬のパン祭り」とこのお話で短編集を作る予定だったのですが、あれよあれよと増えてしまい。読みやすさのために分割になりました

2025 6/16追記 原作とは違い、この作品の紗夜さんは日菜の影響で幼少期に何度か幽霊をみており、理解のある感じになっています。本編の書き直しの際、描写が消えてしまったので、こちらに記し直します。
また、元々この回の後半は、天体観測で花咲に入った雄也が紗夜さんの前で口を滑らせ、彼女を日菜の所に連れて来てたれい姉共々絞られる内容でした。感想とここすきはその時に頂いたものなので今とは内容が一致していません。ご了承ください。

では、また次のお話で
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