当話は雄也の店前ライブをする上でのパートナー役との初対面回。そんなイメージで書きました。3年前はますきで考えてたんですが、行き詰まってボツに…
そこから再開するにあたって色々考えた結果、私のバンドリ最推しキャラの視点で話を書くことにしました。そのため筆が暴れに暴れ、本編中で唯一5000字を突破しております。でも楽しかったです。はい。
最後に、今回はオリキャラも1名増えます。書けなくなった時に迷走の末生まれ、そのまま3年放置され…結果、なんか私の中で定着してしまいました…
そのため、変に濃いキャラですがお付き合いくださると幸いです…
有咲視点
「なんでこーなった…」
レジカウンターに頬杖をついてボヤく。
まぁ何でっても…ばあちゃんのお願いでアーケード街の先代店主から関わってる豆腐屋にお使い行ったら───
『Sorryアリサ。人探しある。』
って今の店主さんがどっか行っちゃったんだよなぁ…まぁすぐ戻って来るとはいってたし、三が日終わったばっかで人もまばらだし、ばあちゃんに連絡もしたし…何かあったら呼んでくれって言ってくれたし…
「有咲!」
そんな事を考えてたら、さっきまで店先でギターを弾いてたおたえが戻ってきた。
「お疲れおたえ。片付けは終わったか?」
「うん。バッチリ!」
真冬なのにうっすらピンクになった頬と、ちょっと弾む息が熱の入りようを物語っている。店内から聴いてたけどやっぱすげーよな…
「ほら、カバン。」
「あ、ありがと。おかーさん。」
「誰がお母さんだっ!」
「あ、ごめん。間違えちゃった。」
てかそれ、前は沙綾にいってなかったか?見境なしかよ…と今度は心のなかでボヤく私をよそに、カバンから水筒を出してぐいっと一口。それを呆れ模様で眺めてると(欲しいの?)みたいな顔をされた。自分のあるわ…
「───にしても、ずいぶん急だよな。路上ライブしてくれる人募集なんて…」
ここ豆腐屋だから違和感やべぇ…しかも原因が…
「お化け対策だって。店主さん言ってた。」
「知ってる。ホントかどうか知らんけどな。」
路上ライブで対策になるのか?まぁ賑やかな心霊スポットってのもあんま聞かねーか…
「出たんだって。カレ•オバナって幽霊が。」
「枯れ尾花…?ってそれ見間違いじゃね!?」
「そうなの?カッコいいと思ったんだけど。」
「枯れたススキだぞ意味…冬休み前の授業でやったろ。
『幽霊の 正体見たり 枯れ尾花』
って。」
「?」じゃねーよ…今から学年末考査が不安なるわ…
ってか、ここの店主にそういう例えを使うのは意地悪じゃね?日本人じゃないんだぞ。いわゆる拝み屋さんなのか何なのか知らねーけど、勘違いさせるからこんな*1───
「あ、有咲。お客さんじゃない?」
「…っとと。」
店前で立ち止まる人影が見えた。応対した方いいよな…と、気持ちを接客モードにどうにか切り替え、お店を出ると…
「い、いらっしゃいませー!どうされました?」
「え…!?」
「あ、雄也だ。」
「は、花園さんも!?」
知らない男の子が私とおたえを交互に見て目をぱちくりさせていた。背丈と雰囲気的に…中学生か?ってかずいぶん長く着込んでんなそのコート…
「あ、あのー…どうしましたかー…?」
向こうは私達を知ってるっぽいけど、もしかしてポピパのライブに来てくれてたとかか?ま、まぁそれなら悪い事じゃねーか…うん…
「…あっ、すみません…!実は買い物じゃなくてここの店主さんに用事が…」
わたわたしていると増々大人びて見えねー…とりあえず、店主さんに電話…
「Are you ユーヤ?」
あ、戻ってきた。
「え…?あっ、はい!僕が…」
声の方向を向いた男の子が動かなくなり、みるみる青ざめていく。まぁそうなるわな…だってここの店主もとい、藤堂アレンさんはめっちゃデカいし、ガタイ良いし、ついでにスキンヘッドで眼帯だからな…流石に慣れたからもうその辺にはツッコまねーけど、このなりで怖がりなのが逆にホラーだわ…
「
「…はい…」
「アリサ、もう少し…」
「あ、はい!店番ならやっとくんで。」
男の子は顔面蒼白のままアレンさんについて行った。
「雄也もここで演奏するんだ。楽しみ。」
「おたえ、あの子知り合い?」
「うん。雄也は───」
「が、ガールズバンドをやってる好きな人がいるんですっ!!」
「な、なんだぁ!?」
突然の声がおたえの返答を遮った。
「■、■■■■しちゃってて、■■■に■■■■■■■も同然で…けど■■■■■■■■で…」
ダメだ、何言ってっかわかんねぇ…
「今は■■■■■■■■■けど…■■■■じゃ■■■■■■■■■■…
それでも見つけたいんです!!自分にどんな演奏ができるのか!!気になる人と…こころちゃんと!ハロハピの皆と並んでライブをやれるようになりたいんですっ!!!」
「まじかよ…」
一部はよく聞こえなかったけど、要は気になる女の子の為…なのか?意外と青春してたんだな…ま、まぁおたえの知り合いみたいだし?がんばれよーって心の中で応援くらいは…
…いや待て、何かおかしいぞ?ガールズバンドのココロチャン?ココロチャン…ハロハピ─────
「ぅえええええええええ!!?あいつの気になる人って…」
「アリサ!タエ!
「あ、いえ…!なんでもないです…なんでも…」
あはは…と誤魔化したら、不思議そうな顔をしながらもアレンさんは戻って行った。
「有咲、急にどうしたの?」
「いやどーしたのじゃねー!あのやべー家だぞ!?なんかこう…」
「?」
よりにもよって弦巻こころ!?正気か!?失礼だけど許嫁とかにしては服装がアレだし…まさかストーカー…い、いや、ハロハピの名前が出てきてるってことは奥沢さん達知ってんのか?連絡すればなんかわかったり…?…にしては噂とかあったか…?……ねーよな…?あんな目立つのが相手なのにその辺まっさらってどーなってんだ…?
ってか、仮に真っ当な間柄だとしてそもそもなんでアイツなんだ!?…確かに可愛いとは思うけど…けど!言動のぶっ飛びっぷりは香澄よりやべーんだぞ!?何がどーしてそーなった!…いやまぁ可愛い…とは思うけどさぁ…
「…おたえ…あの子の事で何知ってんだ…?」
「…東京住んでることと…キーボードやってること?こころが好きなのは知らなかった。」
へー私と楽器同じなんだー…って、その位の間柄かよ!さっきの何か知ってる感じはなんだったんだ!?
あーもう!なんもかんも全っ然わかんねぇ!!一体全体何者なんだアイツぁ!!!
「とっ、とりあえず奥沢さんに…」
「あ、出てくる。」
「な!?」
もう面接おわりかよ!!
「ありがとうございます。これからよろしくお願いします。」
「Ok good luck.」
「…はい!では明日から…」
冷静になって振り返ると、この時の自分は過去1で混乱していたと思う。だって───
「ちょっ…ちょーっと待ったァ!!!」
「うわ、なに!?」
「What!?」
…わけわかんなすぎて、人見知りがどっか行っちまったからな…つーか、明日も来るのにあそこでとっ捕まえることなかったろ…
「お、お前…っ!弦巻こころのなんなんだよ!!どーやってハロハピの皆に取り入った!?ってかなんで噂も何もねーんだよ!!」
「あ…えっと…色々ありまして…」
「どーゆー色々だっ!
もう1から10まで説明しろ!!テキトー言ったり嘘ついたら止めるからな!!!」
「…お泊り?」
「ちっげーよっ!!てかおめーもか!!*2なんでこいつウチに上げなきゃ…」
「アリサ、
「…え、あ、はい。なんですか?」
「Meetingなら事務所使う。Sensitiveな話あり得る…」
「は、はぁ…」
正直気が引けたけど、アレンさんの表情は真剣だったので否定できなかった。
「And…ユー…」
「…あ…僕のこと…ですか?」
男の子の質問にアレンさんは頷いて答え
「
「…」
そのまま店番に戻ったのだった。
と、いうわけで謎の少年を事務所に押し込み、おたえと二人で事情聴取を始めたのだが───
「はぁ?幽体離脱!?嘘やいい加減なこと言ったら止めるっていったよな私!」
「…そうなるよね…」
うんうん唸ってたと思ったらこれだわ…もうどっからツッコめばいいのかわかんねぇ…
「有咲、私は幽霊の雄也をみたことあるみたい。」
「みたい…って、確信ないのかよ…」
「…」
「うっすら透けてたじゃん…」
うーんと唸るおたえに容疑者が両手で顔を覆って項垂れた。
「あ、けど他にもいるんだっけ?幽霊雄也が見えてた人。」
「あー…最初から僕が見えてて会話とかしたことあるのはれいね…一緒に暮らしてる親戚の人とそのバイト先の人。それとこころちゃん、青葉モカさん、氷川日菜先輩、あ、あと宇田川あこちゃんもらしくて…後から知ったけど…」
「いや多っ!どんだけ見つかってんだお前!!」
「レイ…?」
親戚さんとバイト先の人は知らないけど、他は全員ボケ寄りというかなんというか…ってかそもそも知り合いばっかなのがなんなんだよ!こえーよ!!
「ホントね…あ、それと途中で僕が見えるようになったり、事情を知ってるのがハロハピのみんな、弦巻邸の黒服さん達、あと紗夜先輩にCircleのまりなさんやスタッフさん達…」
「まりなさん!?」
「うん…実はちょっと……ハロハピのみんなとライブすることになっちゃって…」
「ライブ!?一体…」
いつやってたんだ!と続けようとして脳裏に浮かんだのは───
『あの子、マホウノ・キーボードって言うんだ。キラキラネームかな?』
いつかのライブ中、おたえが零した意味不明なセリフだった。あれって確か、ハロハピの時だよな…
「ま、まさか…ハロウィンの…?」
「え、あ、そう…です…」
一瞬目を丸くしたが、すぐ気まずそうな顔でうなずいた。
そして、そこからライブの出演者しか知らないような話をされ、奥沢さんに電話をかけ───
「ま、マジでしてたのか…幽体離脱…」
「うん…」
そこから話の内容は謎の少年…改め駒沢雄也の身の上へと移っていった。
とはいえ教えてもらえたのは、両親がいないこと、長い間いじめられていたっぽいこと、ある時事故で幽体離脱して、ずっと戻れなくなっていたのをハロハピの皆に助けられていたこと、その過程で初めて自分に声をかけてきた弦巻さんに片想いして、でも色々拗らせて…と、細かいところをぼかしたものだったのだが…
(消えるって警告されても戻りたくならない…それじゃまるで…)
見つかるまでの心中的なものはなんとなく察せてしまった。あと、母親の話をする時の表情から触れちゃいけない何かを感じた…話題もあからさまに少なくしようとしてたしな…
そんな内容のせいか、おたえも途中から真顔で押し黙って…
「えっと…あった。この子がオッちゃんで、隣にいるのがしろっぴー。それと…」
「え、何…?急にどうしたのさ…」
は、いたんだが…話が終わるとスマホで飼ってるうさぎを紹介しだした…おたえなりに元気づけたいのか?めっちゃ困惑してんぞあっち…いやそりゃ家に来れねーだろ急に…って、ここにうさぎを連れてこようとすんじゃねーっ!気が進まねーなら尚更だ!!
「はぁ…はぁ…なんつーか…ごめん…色々と…」
「いやそんな!元はといえばこっちが怪しいせいだし…それに、昔のこととかもう少しオブラートに包めれば…」
「い、いや…これ以上やったら今度は伝わんねーと思う…」
「う、うーん…」
包みなしのヤバさがどのくらいかはわからないけど、このくらいで済んだならまだ…
「オブラートって、音で包むの?」
「「それはビブラート(だ)っ!!」」
こうして、駒沢雄也に対する私の印象は、訳わかんない事だらけの中学生っぽい人…から、色々辛い過去が多く、滅茶苦茶わかりやすくて、弦巻こころの笑顔とパワーと可愛さに惚れてしまった同学年…になったのだった。
そして翌日…
「い…市ヶ谷さん!?」
「な、なんだよ…演奏聴きに来ちゃ悪いか?」
「いやそういうわけじゃ…!ただ、昨日…」
「…それはいーから。ほら、準備。」
「あ、うん…!」
荷物を置きに店内へ入る姿を見送る。
…こうなった事に後悔がないって言うと…割とウソにはなるな…うん…
けどこのまま「大変だろうけど頑張ってなー。」みたいにサヨナラしたらそれはそれで夢見悪くなりそうっつーか…なんつーか…
最初に首を突っ込んだ…いや突っ込まされたせいで、正直ずるくは感じんだよなぁ…
(…まぁいいけど…あの性格的に、狙ってやってはなさそうだし…)
「…三角関係…」
「ちげーっての…マジで…」
おまけ 面接中の雄也のセリフ
「僕、幽体離脱しちゃってて、その人に命を助けられたも同然で…けどもらってばかりで…」
「今はこんな動機だけですけど…それだけじゃダメかもしれなくても…
それでも見つけたいんです!!自分にどんな演奏ができるのか!!気になる人と…こころちゃんと…ハロハピの皆と並んでライブをやれるようになりたいんですっ!!!」
(もしかしてこのオリ主、天然の人たらしなのでは?)
執筆中そんなことを思いました。とはいえ過去が辛く、頑張り屋(に書けてればいいんですが)で、ご飯作って、これから路上ライブもやって…な人を放って置く初期のバンドリキャラがどれだけいるのだろう…とも思いますが。
補足ですが、豆腐屋の先代店主さんは普通の日本人です。アレンさんはその娘さんに婿入りした…みたいな設定で3年放置されてました。
そして今回、有咲のリサーチの為にポピパメンバーとブリキ人形のあれこれを巡るイベント動画を漁ったのですが、彼女が「幽霊?そんなの作り物だろ。」みたいなスタンスではなかったのは意外でした。そうか、質屋やってるおばあちゃんと暮らしてればこういう風にもなるか…