幽霊を笑顔に!!【本編完結】   作:GTP

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前回の冒頭にて、少ないながら書き忘れがありました。その内容ですが

「雄也は、お菓子作りとは別にあることを始めていた。」

みたいな感じです。今回でその辺触れたいのに伏線貼り忘れるって…大変失礼致しました。

今回なんですが、ライブのスタンスを書いててハロハピらしくないかな…?みたいな感じで悩まされていました。

が、バンドストーリー1章では漫才やお面を付けてヒーローショーやったり、3章冒頭では花火大会をやってた…みたいな話もあったりするので、やろうとしていること自体は無くはない…無くはない…!と、自分に言い聞かせながら進めました。

…そしてその結果、また主人公が情けない感じになってしまいました…

そんな形ですが、お付き合いくださると幸いです…


ふたつの「ふしぎ」

雄也視点

 

 

『───賽は投げられた…ここから暫しの別れになるが、また共に進んで行こう。雄也。』

 

 

 

 

『───ゆーくん!みんなでライブ、い────っぱい盛り上げよーねっ!

いこっ!かのちゃん先輩!』

 

『あ、うん…!またよろしくね。雄也君。』

 

 

 

 

『────こころ。雄也君こんなだし、送るなら変な寄り道とかしない事。いい?

あと、キミも疲れてるのはわかるけど…明日練習だからね。引きずらないでよ頼むから…』

 

『心配いらないわ。雄也のお家へはよく行ってるもの。』

 

『がんばる…』

 

『…不安だ…けど家までついてくとなぁ…

 

 

 

作戦会議が終わり、日も暮れた中を弦巻邸から歩いて、最寄り駅から電車に揺られ…1人、また1人と帰る道が別れ…

 

「───ねぇ、手を繋いでもいいかしら?」

 

…!ん、うん…」

 

最後に残ったのは2人きり。差し出された手に一瞬躊躇うと、ぱっと向こうから掴んできた。幽霊の時からのお約束…みたいな感じになっているけど、今は確かな体温を感じられる。

 

「…あったかい…」

 

「今の雄也、ちょっとふわふわしているわね。なんだか可愛いわ。」

 

「……」

 

ふふっと笑っている彼女には何も言わず、ぐるぐる巻いてるマフラーへうずもれにいった。ホントにもう…この人はさぁ…

 

───僕がここまでふわふわ…というか、ヘロヘロになったのは作戦会議の終わりから。原因は…うん。自分だね…

 

『春休み、皆であなたの路上ライブに参加しようと思ってたの!

その事で前からハロハピで話し合ってたのだけど…』

 

最初は延期のお願いをするつもりだった。僕とハロハピだと向こうがお客さんも全然多い訳だし、あっちにたくさんあるオリナルソングだってこっちはまだゼロ。パフォーマーとしての格…みたいなものがあるのなら間違いなくこっちが下。そんな気持ちは今だって変わらない。

 

でも…

 

『みんなで考えて決めたの。

あたし達ハロハピを知っている人達に今の雄也を、あなたの演奏を紹介したいって!

ハロウィンの時に負けないくらい素敵な演奏をしているもの、延期なんてもったいないわ!』

 

そう言われて気持ちが揺らぎ…美咲さんに『延々続けたらマンネリ化しない?』と指摘されて『うっ…』となり…

 

『ま、またよろしくお願いします…』

 

…結局、延期はなくなったのだった。場所を提供してもらっている立場なのに、本当僕は…

 

…と言った感じで、また皆とライブがやれる事への楽しさや嬉しさ以上に、情けないやら…恥ずかしいやら…突っぱねてたら…みたいな気持ちがあとから怖くなったやら…

 

そんな気持ちが処理しきれず、会議終盤から帰り道の道中までずーっと内心でうんうん唸り続け、疲れてきていたのがこころちゃんの言うふわふわの真相だ。なにしてるのさね…もう…

 

ちなみに、今までの自分に合わせてもらうような提案もあって、向こうのセトリ候補はほぼカバーだし、服装もこっちに合わせてみんな学校の制服。

 

それでも…

 

『なんだか新鮮ね!みんなで曲を選ぶのも楽しかったわ!』

 

だからね…僕のライブを動画で観れたとはいえ、いつかのフラッシュモブ提案の次がここまで…研究されたというか何というか…びっくりだよホントに…ちなみに、ミッシェルの制服は羽丘だった。僕、花音先輩、ミッシェルの動けない組でバランスとりたいからだって…

 

そして───

 

「雄也の作る曲、とーっても楽しみだわ!

どんな物語なのかしら?」

 

「……歌詞の内容きいてるんだよね…えっと…」

 

やる曲全てが他の誰かの作ったものではない。せめてラストは一曲ずつ、オリジナルをやりたい。そう皆には伝えている。

 

で、その尋ねられた歌の内容なんだけど…これ言うの…?いや言えなきゃダメだよね…皆の前で歌うかもなんだし…

 

「…暗闇が怖くて、そんな中で昇ってきた太陽に沈んでほしくなくて、ずっと走って追いかけ続ける…みたいな…そんな内容…

……い、いやだってさ…!地球は丸いし回ってるわけでしょ?だから…」

 

途中からわたわたしながらジェスチャーで説明する。空元気からか疲れが遠のき、こんがらがった気持ちは少し小さくなったけど、代わりにとっても恥ずかしい…

 

…あと、言葉に出してて思ったけど、これだと結構独りよがりな歌詞だよね…始めた動機の変えようはなくても、僕はいろんな人に支えられてやってこれてた訳で…どこかにそういう部分も書き足せないかな…最後のサビ前とかならまだ…

 

「それなら実際にやってみましょう!どのくらいの速さなら太陽を追いかけられるかしら?」

 

「いっ…いやいやいやいやっ!本当にやっちゃダメだしやれるかもわかんないから!!」

 

疲れも恥ずかしさも…あと考えかけてた歌詞も消し飛んだ。スピード的に地上じゃ難しそうだし…やれそうなのはロケットとか…?僕の作詞が世界規模で問題になるところだった…

 

「というかそもそも…!歌の中で太陽を追いかけてるのは今の僕なんだって…っ!

太陽だって本物じゃなくて…そう見立てたものがあるというか…!」

 

「あなたのお日さまはお空以外にもあるの?」

 

「ま、まぁ…そんな感じ…

で、でもこれ以上は内緒っ!ライブが成功したら教えるからっ!…あ…

 

し、しまった…!勢いで自分から逃げ道を…あー…こころちゃんすっごくわくわくしてる…もう変更は出来そうにないや…

 

「───って…もう家だ…」

 

「あら、本当だわ。やっぱり誰かと過ごす時間はあっという間ね。」

 

駅から歩くのに、割といっぱいっぱいなのに…やっぱり長くは感じなかった。

 

そこから玄関に着いて、また明日を言って…手が離れて…

 

「────ごめんっ!ちょっと待ってっ!!」

 

帰ろうとしている背中を前に、ようやく切り出せた。

 

「こころちゃんに渡したいものがあって…!これなんだけど…」

 

手提げの中を大慌てで探り、取り出したのは手のひらより一回り大きくて、ラッピングをした平い箱。

 

「わぁ…!ねぇ雄也、この箱には何が入っているの?」

 

「チョコレート…バレンタインだから…」

 

形までは言えなかったけど、縦に割れてたらがっつり落ち込むそれだ。走ったりとかしてないし、大丈夫だと思いたい…

 

上手くいくかな…そんな不安は、驚きから変わっていく笑顔にみるみる塗り替えられていった。

 

「もう一つ贈り物を貰えるなんて思わなかったわ!

けれど、あたし以外にはないのかしら?」

 

「うん…これを渡すのは、こころちゃんにだけ。」

 

 

 

 

「このチョコの意味も…僕にとっての太陽の答えと一緒にわかるはずだから…」

 

 




ここまで読んでくださってありがとうございます。

雄也のオリジナルソングですが、バンドリだとPopIn'Partyの『切ないSandglass』やMorfonicaの『Daylight』みたいなイメージ…ですかね?疾走感がある感じです。

ただ、問題は歌詞で…短いですが出すならサビだけ。と、決めているのですが…

センスとかその辺にまっっったく自信がありません!

…ので、ダサかったりイマイチだったらごめんなさい。この話を投稿する数分前まで書かないつもりでした…

さて、この先の展開ですが、次とその次の途中まで箸休めで考えています。 

次回は前のお話に書き足した「買い出しに飛び入り参加してくる人」についてです。お待ち下さい。
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